第498回:知財計画2024の文章の確認、やはり空疎な新クールジャパン戦略他
この6月4日に、知的財産戦略本部会合が開かれ、知的財産推進計画2024や新クールジャパン戦略が決定されており、その前の5月28日には、インターネット海賊版対策メニューの更新版やAIと知的財産権に関する報告書の最終版が公開されているので、ここで、それぞれの内容について気になる所を見ておきたいと思う。
(1)知財計画2024の文章の確認
知財計画2024(pdf)(知財計画概要(pdf)も参照)について、お題目の部分を全て飛ばして、以下、主に法改正に関わる施策の項目を順次見て行く。(知財計画2023の内容については第479回、私が知財計画向けに出したパブコメについては第493回参照。)
まず、第8ページで以下のように今年の法改正であるイノベーションボックス税制について触れられている。(この税制については第494回でプロバイダー責任法改正のついでに極簡単に紹介した。)
・2024年度税制改正において措置された、特許権やAI分野のソフトウェアの知財から生じる所得に税制措置を適用するイノベーション拠点税制(イノベーションボックス税制)について、2025年4月の制度開始に向け、手続規定の整備を含めた執行体制の強化を行う。また、事業者が積極的に制度を活用できるよう、制度をわかりやすく解説したガイドラインの策定や制度の周知等を業界団体等とも連携して行うとともに、引き続き、税制の対象範囲については、制度の執行状況や効果を十分に検証した上で、執行可能性等の観点から、状況に応じ、見直しを検討する。(短期・中期)(経済産業省)
・イノベーション拠点税制(イノベーションボックス税制)における対象範囲の見直し検討や類似制度を導入している国における動向調査、知財・無形資産の非財務情報を含めた価値評価の在り方を検討することにより、研究開発成果としての知財・無形資産と企業価値の関連性の認識を促進し、イノベーションマネジメントの高度化につなげる。(短期・中期)(経済産業省)
去年から今年にかけてのメインの検討項目と言って間違いないだろうAIと知的財産権の関係に関する方向性については、今までの各種検討を受けて引き続き検討するという形で、第17~18ページに以下の様に書かれている。
・生成AIについて、文化庁文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」に基づき、著作権制度等に関し、社会に分かりやすい形での周知啓発を行うとともに、好事例等の収集及び関係者への共有を行いながら、必要に応じた更なる明確化に向けた検討と、検討結果の周知を継続的に行う。(短期・中期)(文化庁)
・生成AIにおける俳優や声優等の肖像や声等の利用・生成に関し、不正競争防止法との関係について、考え方の整理を行い、必要に応じ、見直しの検討を行う。また、他人の肖像や声等の利用・生成に関し、その他の関連法についても、法的考え方の整理を行う。(短期・中期)(経済産業省、文化庁、特許庁、法務省、消費者庁)
・AI時代の知的財産権検討会「中間とりまとめ」等を踏まえ、AI技術の進歩の促進と知的財産権の適切な保護が両立するエコシステムの実現に向けて、各知的財産法とAIの適用関係や各主体に期待される取組例等について周知し、取組を促進する。(短期・中期)(内閣府(知財)、経済産業省、総務省、文化庁)
・生成AI及びこれに関する技術についての共通理解の獲得、AI学習等のための著作物のライセンス等の実施状況、海賊版を掲載したウェブサイトに関する情報の共有など、関係当事者間における適切なコミュニケーションを促進する。(短期・中期)(文化庁、経済産業省)
・2023年度の調査研究結果(「AIを利活用した創作の特許法上の保護の在り方に関する調査研究」)を踏まえつつ、2024年度も引き続き深掘り検討を行う。また、AI関連発明の国際的な議論を促進するために、2023年度に拡充・公表したAI関連発明の特許審査事例を含めた我が国の審査実務を諸外国に情報発信していく。(短期・中期)(特許庁)
・AI技術の進展による意匠分野でのAIの利活用の拡大を踏まえ、創作非容易性等の意匠審査実務上の課題やその他の意匠制度に生じる課題について諸外国の状況も踏まえて整理・検討する。(短期・中期)(特許庁)
なお、何をしたいのかまでは分からないが、生成AIについては、特許などの産業財産権制度との関係で、以下の様な項目も第32ページにもある。
・生成AI技術の発達や仮想空間における取引の拡大によるビジネスの多様化が進むなど、企業活動におけるDXが進展する中、産業財産権制度にも新たな課題が生じている。また、行政手続の更なる利便性向上が求められている。これらを踏まえて、DX時代にふさわしい産業財産権制度の在り方について検討する。(短期・中期)(特許庁)
また、今までなぜか全く触れられる事のなかった経済安全保障法に基づく新秘密特許(特許非公開)制度について以下の様な項目が第23ページに入っている。
・2024年5月に施行された経済安全保障推進法に基づく特許出願非公開制度について、損失の補償に関する考え方も含めて、事業者等の制度に対する理解を促進するための持続的な周知・広報及び情報提供に努める。(短期・中期)(内閣府(政策統括官(経済安全保障担当))、特許庁)
更新版のインターネット海賊版対策メニューの内容については下でもう少し書くが、知財計画2024の海賊版対策関係項目としては、第25~27ページに以下の様なものが並んでいる。
・海賊版対策に係る民間及び関係府省庁の実務者級連絡会議を開催し、最新情報の共有等を図りながら、インターネット上の海賊版に対する総合的な対策メニューに基づく取組を官民一体となって進める。(短期・中期)(内閣府(知財)、警察庁、総務省、法務省、外務省、文化庁、経済産業省)
・海賊版・模倣品を購入しないことはもとより、特に、侵害コンテンツについては、視聴者は無意識にそれを視聴し侵害者に利益をもたらすことから、侵害コンテンツを含む海賊版・模倣品を容認しないということが国民の規範意識に根差すよう、関係省庁・関係機関による啓発活動を推進する。(短期・中期)(警察庁、消費者庁、総務省、財務省、文化庁、農林水産省、特許庁)
・検索サイト事業者における海賊版に係る検索結果表示の削除又は抑制など、海賊版サイトの運営やこれへのアクセスに利用される各種民間事業者のサービスについて必要な対策措置が講じられるよう、それら民間事業者と権利者との協力等の促進、当該民間事業者への働きかけ、権利行使を行う権利者への支援等を行う。(短期・中期)(総務省、文化庁、経済産業省、内閣府(知財))
・日本コンテンツのインターネット上の海賊版に係る被害実態について、継続的な把握を行う(配信先が国外向けか(日本への配信も含む)、専ら当該国内向けか等の類型別での被害額の算出が可能かの検討も含む)。(短期・中期)(内閣府(知財)、経済産業省、外務省、警察庁)
・世界知的所有権機関(WIPO)や二国間協議等の枠組み、国際会議等の場を活用し、海賊版対策の強化に向けた働きかけを行うなど、国際連携の強化を図る。海外海賊版サイトの運営者摘発等に向け、外国公安当局への積極的な働きかけ、国際的な捜査協力等を推進するほか、民間事業者との協力の下、デジタルフォレンジック調査の実施等の取組を進めるなど、国際執行の強化を図る。(短期・中期)(内閣府(知財)、警察庁、総務省、法務省、外務省、文化庁、経済産業省)
・インターネット上の国境を越えた著作権侵害等に対し国内権利者が行う権利行使への支援の取組の充実を図る。(短期・中期)(文化庁)
・インターネット上の違法・有害情報への対応として、削除対応の迅速化や運用状況の透明化を大規模プラットフォーム事業者に義務付けるためのプロバイダ責任制限法の改正(2024年5月)に基づき、省令等の制度整備や、ガイドライン等を通じ、どのような情報を流通させることが法令違反や権利侵害となるかの明確化、及びそれらの適切な運用を図るなど、プラットフォーム事業者に対する実効的な対策を推進する。(短期・中期)(総務省)
・海外の現地の人々に向けて日本のコンテンツを配信する海外の海賊版サイト等の巧妙化・多様化に対応し、在外公館等を通じた現地の言語での周知啓発、海賊版サイト等に関する情報提供のインセンティブ付与等の在り方の検討、海外市場における日本コンテンツの正規版の流通促進などの健全なエコシステムの促進に向けた取組を、官民一体となって推進する。(短期・中期)(内閣府(知財)、総務省、外務省、文化庁、経済産業省)
・CDNサービス事業者における海賊版サイトへのサービス提供の停止など、海賊版サイトの運営に利用される各種民間事業者のサービスについて必要な対策措置が講じられるよう、当該民間事業者への働きかけ等を行う。(短期・中期)(総務省、内閣府(知財)、関係府省)
・越境電子商取引の進展に伴う模倣品・海賊版の流入増加へ対応するため、2022年10月に施行された改正商標法・意匠法・関税法により、海外事業者が郵送等により国内に持ち込む模倣品が税関による取締りの対象となったことを踏まえて、模倣品・海賊版に対する厳正な水際取締りを実施する。加えて、善意の輸入者に不測の損害を与えることがないよう、引き続き、十分な広報等に努める。また、他の知的財産権についても、必要に応じて、検討を行う。(短期・中期)(財務省、特許庁、文化庁)
・海外における日本の農林水産物・食品のブランド産品の模倣品等の流通を防ぐため、外国とのGIの相互保護の枠組みづくり及び海外ECサイトの調査、農林水産物・食品の模倣品疑義情報相談窓口の運用等を通じた不正使用の侵害対策を推進する。(短期・中期)(農林水産省、外務省、特許庁)
同時に、知財計画2024に向けた意見募集の結果も公表されている。その結果概要(pdf)を見ると、個人の意見は3千件を超えている筈だが、個人からの意見(pdf)では70件程度にまとめられてしまっている。この様な意見募集の結果の公表の仕方はかなり雑であり、恣意的なものとなっているのではないかと思える。時間が掛かるかも知れないが、今後全ての意見が公開される事を期待する。
(2)やはり空疎な新クールジャパン戦略
同じ日に新たなクールジャパン戦略(pdf)(クールジャパン戦略概要(pdf)も参照)も決定されているが、前回の2019年のクールジャパン戦略同様、その内容はやはり極めて空疎と言わざるを得ない。(2019年のクールジャパン戦略については第413回参照。)
例えば、第18ページで、
◯ コンテンツの海外展開、インバウンド(訪日外国人旅行消費額)、農林水産物等の海外展開、ファッションや化粧品等の海外展開などクールジャパン関連産業において、経済効果として、2033年までに50兆円以上の規模とする。参考として、2028年までに30兆円以上の規模とすることを中間的な目標とする。
また、第26ページで、
◯ 日本発のコンテンツの海外市場規模を、2033年までに20兆円とすることを目標値として設定する。参考として、2028年までに10兆円の規模とすることを中間的な目標とする。
併せて、目標値の計測に必要な統計データ等の改善・整備について、検討を行う。
〔参考〕
・(一社)日本経済団体連合会の提言において、2033年に15~20兆円とされている。
【内閣府(知財)、関係府省】
と、海外展開について兆円単位で約5年で倍、約10年でさらに倍という威勢の良い目標数値が踊っているが、そのためにどうするかという点になると、今まで同様、甚だ具体性に乏しい検討項目が並んでいるに過ぎない。ただ、決して前向きな事ではないが、唯一見るべきは、コンテンツ規制に関する事が特に含まれなかった事なのかも知れない。
政策的な話としては、第30ページに以下の様に書かれている、大手ITプラットフォーマーに対する独占禁止法・競争法の観点からのアプローチが非常に重要になって来るだろうが、日本の政府・与党がこの点を本当にどこまで理解しているかは分からない。
◯ 動画配信サービスに係る調査結果や著作権政策、情報通信政策等の各政策の動向を踏まえながら、公正かつ自由な競争の実現に向けて、海外プラットフォームとの対等な関係が構築されるよう、一方的なルール変更(不利益変更)の有無や透明性の向上に係る取組(視聴者数等のデータの公開)、収益配分、コンテンツの二次利用に係る権利設定等について実態の把握を進める。
【公正取引委員会、文化庁、総務省、内閣府(知財)】
また、法改正に関するものなどはほぼ今年の知財計画の記載をなぞっているが、第30~31ページの2023年著作権法改正による新裁定制度に関する事はクールジャパン戦略だけに書かれている。(2023年著作権法改正については第473回参照。)
◯ デジタル時代に対応したコンテンツ創作の好循環を促し、クリエイターへの対価還元の拡大等にも資するものとなるよう、改正著作権法に基づく未管理公表著作物等の利用に関する裁定制度の円滑な運用に向けた必要な準備を行う。
また、制度の施行に合わせて「分野横断権利情報検索システム」が構築・運用されるよう、権利者、利用者をはじめ幅広いステークホルダーの協力を得つつ、各分野のデータベースを保有する団体等との連携、可能な限りデジタルで完結できるシステムの設計・開発等に向けた取組を進める。
【文化庁】
私がクールジャパン戦略のために出したパブコメは第489回に載せたが、10年前のクールジャパン提言で唯一意味のあった二次創作規制の緩和が再び書かれる事は今回もなかった。一応、第21ページで以下の様な記載が僅かにあるものの、残念ながら、この点についてさらなる検討が行われるまでにはまだ時間が掛かりそうである。(2014年のクールジャパン提言については第319回参照)
また、近年においては、ユーザーによる二次創作、三次創作、・・・(まとめて「n次創作」という。)が活発に行われるようになり、例えば、Vtuberのファンコミュニティが世界中に形成されているが、n次創作された作品がファンコミュニティ内、コミュニティ間で流通・共有されることに伴い、日本の音楽の海外展開が進展するといったケースが見られる。このような動きは今後さらに広がっていくものと見込まれる。
クールジャパン戦略に関する意見募集の結果も公表されているので合わせてここにリンクを張っておく。(なお、こちらは3千件以上の個人の意見がそのまま公表されているようだが、PDFファイルが印刷版の画像取り込みになっていて非常に見にくい。)
(3)更新版のインターネット海賊版対策メニュー
5月28日には、インターネット上の海賊版に対する総合的な対策メニュー及び工程表(更新版)(pdf)も公表されている。
これは2021年版(pdf)から3年ぶりの改定となり、3年間の著作権法やプロバイダー責任制限法の改正を受けて記載が改められたりしているが、それ以外では、2ページ目のメニューで、
- 「被害の実態把握」として、「・日本コンテンツのインターネット上の海賊版に係る被害実態の継続的な把握を行う(配信先が国外向けか(日本への配信も含む)、専ら当該国内向けか等の類型別での被害額の算出が可能かの検討も含む)」
- 「国際連携・執行等の強化」内に、「・海賊版対策情報ポータルサイトや相談窓口を通じた情報収集及び著作権者等の権利行使を促進する」
- 「海賊版サイトへの広告出稿の抑制」内に、「・海賊版サイトに対する広告出稿の自主的な抑制に関し、権利者等と広告関係団体の合同会議を通じた海賊版サイトリストの共有、広告関係団体の自主的ガイドライン策定・普及の推進を図ることや、広告収入に係る法的整理等の検討を行う」
- 「CDNサービス等の海賊版サイトへの悪用防止」として、「・権利者と通信事業者の合同会議を通じ、個々の海賊版サイトのリストの共有を図るとともに、著作権侵害コンテンツの流通を容易にするために不正利用されるクラウドフレア社などCDNサービス等について、必要な対策の推進を図る」
という事が新たに書き込まれている。これらはいずれも知財計画に書かれている事と同じで悪い事ではなく、地道に進められるべきものと思うが、同じページに注として、「ブロッキングに係る法制度整備については、他の取組の効果や被害状況等を見ながら検討」と書かれている様に、日本政府として完全にブロッキングを諦めたのではないと見える事には引き続き注意が必要だろう。
(4)AIと知的財産権の関係に関する報告書
同じく5月28日に、AI時代の知的財産権検討会の中間とりまとめの最終版(pdf)も公表されている。
内容は4月22日の案とほぼ同じだが(4月22日の案については第495回参照)、5月16日の東京地裁判決を受けて(この地裁判決については前回参照)、第84ページの注81に以下の様な記載が追加された。
2024年5月16日、AIを発明者として否定する東京地裁判決(令和5年(行ウ)第5001号)が出され、裁判所は「知的財産基本法に規定する「発明」は、人間の創造的活動により生み出されるものの例示として定義されている」と指摘し、特許法には発明者が自然人であることを前提とした規定があると述べ、特許庁の判断は適法と認めた。本結論は、本中間とりまとめの考え方とも軌を一にするものである。
他方、同判決では、「特許法にいう「発明者」が自然人に限られる旨の前記判断は、上記実務上の懸念までをも直ちに否定するものではない」点、また「我が国で立法論としてAI発明に関する検討を行って可及的速やかにその結論を得ることが、AI発明に関する産業政策上の重要性に鑑み、特に期待されている」とも付言されている。昨今のAIを巡る状況変化は目まぐるしく、今後のAI技術動向や国際動向、ユーザーニーズ、その他情勢を踏まえ、特許法とAIの関係については、特許庁における検討が期待される。
知財計画に書かれている事と同じだろうが、ここでも書かれている様にAIと特許の関係については特許庁でさらに検討が進められるのだろう。
(5)統合イノベーション戦略とAI戦略会議での検討
今まで取り上げた事はなかったが、今年はAIとの関係があるので、最後に少し触れておくと、統合イノベーション戦略推進会議での検討を経て、6月4日に、統合イノベーション戦略2024(pdf)(イノベーション戦略概要(pdf)も参照)も閣議決定されている。
その第7ページに、知財計画と同様の知的財産に関する検討と並んで、以下の様な項目が書かれている。
(偽・誤情報への対策)
・生成AIを利用したものを含め、ネット上に流通・拡散する偽・誤情報や、SNS上のなりすまし型偽広告への対応等について、国際的な動向を踏まえつつ、技術・研究開発の推進、ファクトチェックの推進、国際的な連携強化など、制度面も含む総合的な対策を進める。
・ネット上に流通するAI生成コンテンツを判別する技術の開発・実証等や、リテラシー向上等に取り組む。
そして、少し前後するが、5月22日のAI戦略会議でこの項目に対応する検討が始まっている。
なぜか日本では知的財産の関係に関する検討が先行していたが、AIについて本当に検討されるべきはここで言われている様に偽情報対策として何が考えられるかという事だろう。AI技術の開発や利用の促進といった観点もあり、それほど規制色の強い方向性が出て来る事は想定していないが、今後具体的に何が検討されて行くのか注意が必要である。
最後に上で取り上げた事のまとめを書いておくと、知的財産に関する政策検討としては、今年も各省庁で続けられるAIとの関係に関する検討は引き続き最も注目すべきであろうし、海賊版対策に関する検討がそれに続くと思える。また、新クールジャパン戦略が空疎極まるものだったのは残念であり、さらに迷走が続くだろうが、規制的な事が書かれなかっただけでも良いとするべきなのかも知れない。そして、知財とは離れるが、AIに関する政策的検討として要注意なのが、AI戦略会議における偽情報対策としての制度面も含む検討に違いない。
(2014年6月17日の追記:6月22日〆切で図書館等によりメール送信等が可能な対象の追加に関する政令改正案に関するパブコメが募集されている。これに対し、対象が追加される事は良いが、法改正の趣旨を踏まえ、対象範囲を広げてはどうかという意見を出したので、念のため、電子政府の意見募集ページへのリンクをここに張っておく。また、上で気づいた誤記を直した(「合わせt」→「合わせて」)。)
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