番外その27:「児童の性的搾取を防止・根絶するためのリオデジャネイロ宣言及び行動への呼びかけ」(2008年11月)の全訳
今回は番外として、今から約1年9ヶ月前の2008年11月25日から28日に、ブラジルのリオデジャネイロで開催された児童の性的搾取に反対する第3回世界会議の宣言文、いわゆるリオ宣言の全訳を載せる。
このリオ宣言は、当時の会合のHPを見ればすぐに分かるように、世界からいつもの各国ユニセフやらECPATやらといった規制カルト団体が集まって出来レースで作り上げたカルト戦闘宣言とも言うべきもので、その狂っているとしか思えない数々の文章は読んでいて胸がむかついてくるが、児童ポルノ問題において危険かつ有害な規制強化プロパガンダの手段として使われて行くだろうと考えられるので、今後の参考にここで全訳を作成した。(翻訳に使用したのは、外務省のHPに載せられている宣言文(pdf)だが、このような狂気に満ちた宣言文が堂々と一国の政府のHPに載っていることに、規制派の政治力の強さに心底私は恐ろしさを感じる。)
到底この文書の問題点の全てをここであげつらうことはできないので、詳しいことが気になる方は、直接原文にあたるか、ファイル(訳文(txt) 、訳文(pdf) 、訳文(doc))か、下に載せた全訳を直接読んでもらえればと思うが、このリオ宣言の狂気の頂点は、やはり、「C.行動の呼びかけ」中の児童ポルノに関する以下のような記載だろう。(訳文は全て自分で訳したものなので、誤訳等あればご指摘頂ければと思う。)
(4) Criminalize the intentional production, distribution, receipt and possession of child pornography, including virtual images and the sexually exploitative representation of children, as well as the intentional consumption, access and viewing of such materials where there has been no physical contact with a child, legal liability should be extended to entities such as corporations and companies in case the responsibility for or involvement in the production and/or dissemination of materials.
(4)バーチャルな画像と児童の性的搾取の表現物を含め、児童ポルノの故意の製造、頒布、入手及び所有、並びに、児童との肉体的接触を含まないものであったとしても、そのようなマテリアルの故意の消費、アクセス及び閲覧を犯罪化すること、法的責任は、マテリアルの製造及び/又は拡散に関わるなどの責任がある場合には、企業のような主体にも拡張されるべきである。
(10) Set up a common list of websites, under the auspices of Interpol, containing sexual abuse images , based on uniform standards, whose access will be blocked; the list has to be continuously updated, exchanged on international level, and be used by the provider to perform the access blocking.
(10)インターポールの指揮下で、児童の性的虐待画像を含むウェブサイトの共通リストを作ること、統一的基準に基づき、そのアクセスはブロックされることになる;このリストは、継続的に更新され、国際的なレベルで交換され、アクセスブロッキングの実行のためにプロバイダーによって使用される。
単純所持、創作物規制、ブロッキング等の危険性についてはさんざん繰り返してきているので一々繰り返すことはしないが、ユニセフやECPATといった規制カルト団体は、ここでその狂気を剥き出しにして、はっきりと情報と表現の自由に関する人々の基本的な権利を全面的に踏みにじり世界的に魔女狩りと大検閲の導入を推進すると全世界に向けて大々的に宣言して来ているのである。(「バーチャルな画像」("virtual images")、「児童の性的搾取の表現物」("the sexually exploitative representation of children")とは何かという解釈の問題もないことはないが、これらには解釈次第で創作物、それこそ文章表現まで含めほとんど何でも入り得てしまう上、法的文書でもないので、解釈についてどうこうという話をすることにあまり意味はないだろう。)
この宣言には何ら法的拘束力はないということに注意しておく必要があるが、先月とりまとめられた児童ポルノ排除総合対策(pdf)でも「国内での周知に努める」と日本政府も露骨にプロパガンダに使うと明言して来ているなど、彼らの政治力が格段に勝っていることは間違いない。通して読めばこの宣言も別に悪いことばかりが書かれている訳ではないが、いつものパターンだと、日本国内の規制カルト団体とこれと結託した日本政府の一部の官僚たちは、他の全ての部分、自分たちにとって都合の悪い部分は特に無視して、危険かつ有害な情報規制をごり押しするためのプロパガンダのツールとしてのみ使って来ることだろう。児童ポルノ問題については、残念ながら、今後も厳しい状況が続くと私は思っている。
ただ、このブログでは何度も繰り返していることだが、このような狂った宣言や、魔女狩りと検閲に喜々として勤しんでいる欧米キリスト教諸国の一部の話のみをもって国際動向とされることがあってはならない。世界的に見ても、不合理な情報規制の危険性はネットを中心に認知が広まりつつあると、児童ポルノ問題についても合理的な議論を求める声が大きくなりつつあると言って良い。この問題は決して単純ではなく、一筋縄では行かないだろうが、例えどうなろうと、私も一国民・一利用者として政策決定レベルに自分の声を届けようとする努力を止めるつもりはさらさら無い。
(胸のむかつきに耐えられるようなら読む程度で良いと思うが、カルト規制団体が作文し、子供に読ませたと思しき、最後の付録の青少年による閉会宣言など、私欲による児童の利用を止めよという者たちが最も児童を自分たちの私欲のために使っているという極めてグロテスクな戯画を示している。その場に並んでいるカルト規制団体のメンバーとその仲間たちは、これを聞きながら心中勝利の凱歌をあげていたのかも知れないが、ちょっとでも普通の理性がある者であれば、このような醜怪な光景を目にしたら、ぞっとして背を向け、自分のもっと切実な仕事のため、そそくさとその場を立ち去ることだろう。「腐敗こそ効果的な法執行と児童保護に対する主たる障害であると認識し、法執行と司法並びに他の児童のケアの義務を負う機関における腐敗に対抗する」と書きながら、全文書を通して随所に腐敗の徴が見られるのは凄絶という他ない。)
恐らく、次回は、8月31日〆切の男女共同参画会議のパブコメ(内閣府のHP参照)に関するエントリになるのではないかと、次々回が、先週第10回の会合があった(時事通信の記事、経産省の概要リリース参照)、海賊版対策条約の話になるのではないかと思っている。(海賊版条約もMIAUで訳を作ったが(MIAUのHP参照)、リオ宣言といい、何故ユーザーが一々政府のHPに載っているような文書について日本語訳を作らなければならないのか理解に苦しむ。およそどこの省庁も日本国民のために交渉などしていないのだろうが、下らない報告書の作成などに使う予算があるなら、重要な国際文書についてのきちんとした翻訳とその公開に回す方がよほど世の中の役に立つだろう。)
(8月25日の追記:「Запретная Зона」で、このリオ会議で外務省の官僚である志野光子人権人道課長が独断で「創作物が児童を性の対象とする風潮を助長する」という根拠のない説を政府として認めるという暴挙を行っているという話を取り上げられていたので、ここにもリンクを張っておく。関心のある方はリンク先もご覧頂ければと思う。)
(以下、全訳)
児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めるためのリオ・デジャネイロ宣言と行動の呼びかけ
前文
児童と青少年の性的搾取に対する第3回世界会議の参加者の、政府代表、政府間組織、非政府組織、人権団体、オンブズマン、民間部門、法執行・法律コミュニティ、宗教指導者、国会議員、研究者と大学関係者、市民団体と児童と青少年(注1:この文書を通じて、「児童」と「児童と青少年」とは、18歳以下の全ての人類を指すものとして使われる。)である私たちは、1996年のストックホルム宣言と行動アジェンダと、2001年の横浜世界宣言のフォローアップとして取られた進展と行動を点検し、学んだことと主立った試みを確かめ、児童と青少年の性的搾取(注2:この文書を通じて、「児童と青少年の性的搾取」とは、家庭と家族、学校と教育、ケアと司法機関、コミュニティと職場においてなどあらゆる状況におけるあらゆる形式の18歳以下の人の性的搾取を指すものとして使われる。)を抑止し、その被害を受けた児童に必要な支援を提供するための行動宣言の目的と目標の実施を自ら言明するために、ブラジルのリオ・デジャネイロに集まった(2008年11月25-28日)。
(1)児童の性的搾取は、その人間としての尊厳と肉体的・精神的全体性の尊重の権利に対する甚大な侵害であり、あらゆる状況において容赦し得ないものであると、私たちは繰り返す。
(2)全世界で児童と青少年の性的搾取が高いレベルで推移していること、特にインターネットと新らたに発展している技術の悪用により、そして、旅行として移動しやすくなった結果として、ある形式の児童と青少年の性的搾取が増加していることについての懸念を、私たちは表明する。
(3)貧困、社会的・男女の不平等,差別、薬物とアルコールの濫用、児童との性交渉に対する継続的要求、環境の悪化、エイズ、強制移動、占領、武力衝突その他の児童の保護に責任を有する家族の基本単位に歪みを作る危機、並びに、社会的寛容、共謀と無責任の環境によって支えられた全世界における児童との性交渉に対する根強い要求の結果として、多くの児童たちがさらされている性的搾取の危険の増大を、深い懸念とともに、私たちは指摘する。
(4)性的搾取からの児童たちの保護を確保するためにあらゆる適切な手段を取ることを各参加国に求める、1989年の国連児童権利条約、並びに、参加国にそれらの行為の禁止、犯罪化及び訴追を求める、児童の人身売買、児童の売春及び児童ポルノに関する条約の付属議定書について、私たちは再び呼びかける。
(5)第3回世界会議に対する、96ヶ国からの282の青少年の活動的で意味のある参加と、性的搾取に対抗するためのその重要な貢献について、私たちは認める。彼らは、この文書に付属する「性的搾取を止めるための青少年宣言」において団結する。ネットワークを作り、ピア・ツー・ピアの取り組みを通じて、その重要な行動を続けることを、少年少女たちに、私たちは促す。
(6)児童と青少年の性的搾取に向けた、児童の権利委員会と他の関係する国際的、地域と国の人権機構の働きを、私たちは歓迎する。
A.進歩と主立った試みの点検
2001年の日本の横浜での第2回世界会議以来の、児童と青少年の性的搾取に対し、達成された以下の進歩を、私たちは歓迎する。
(1)児童の人身売買、児童の売春及び児童ポルノに関する条約の付属議定書(2008年11月15日に129ヶ国によって批准された)などの中心となる国際的ツールの発効、及び1999年の児童労働の最悪の形式の根絶に関するILO条約182、及び国際組織犯罪に関する国連条約を補完する、人身売買、特に女性と児童の売買の抑止と訴追のための議定書(パレルモ議定書)のより多くの国による批准、そして、人身売買対策と性的搾取からの児童の保護とサイバー犯罪に関する欧州理事会条約を含む新たな地域ツールの採択。
(2)児童の被害者及び犯罪の証人に関する事項についての司法国連ガイドラインを考慮に入れ、加害容疑者の捜査と裁判手続きにおける性的搾取から被害者の児童を保護するための法規定の施行を含め、国際的義務に一致する形での性的搾取からの児童の保護の強化のための法的措置をより多くの国が取り入れたこと。
(3)児童のための世界的調和を作るためのより広く重要な国家的な枠組み作りの文脈においてますます増えている、児童を性的搾取から保護するための、国家的なアジェンダ、戦略又は計画の作成と実施。
(4)性的搾取目的での児童の売買を抑止し、これと戦うための多部門間の取り組みの確立。
(5)児童と青少年の国境を越える人身売買と性的搾取を抑止し、これと戦うため、並びに、その責任を有する者を探知し、捜査し、告訴し、処罰するための努力における効果的な協力を確立することを目指した、2国間又は多国間の協定の妥結。
(6)旅行と観光における性的搾取からの児童の保護のための行動指針への署名により、旅行と観光に従事する会社がより多くこれを支援したこと。
(7)性的搾取からの児童の保護とその抑止及び被害者の支援にかかわる専門家の訓練、並びに目的とする意識向上と教育キャンペーンの両方のいくつかの国での増加。
(8)国連と国連関連組織、国の又は国際的非政府組織、他の市民団体、人権団体及び政府間組織の、児童と青少年の性的搾取を抑止し、これを止めるための行動におけるより多くの参加。
進歩を認めるに当たり、私たちは、特に以下の試みと関心について書き留める。
(9)ますます増える活発な児童の試みも含め、性的搾取に対して弱い児童の特定、出される表明にどう向かい、どう答えるのかということの認知と理解、児童と青少年の性的搾取の様々な形式における動向とますます複雑化する性質において、なお多大なギャップが残っていること。
(10)あらゆる形式の性的搾取から児童を保護することにかかわる様々な利害関係者の間における、特に政府機関の間における協力行動が欠如していること。これを直すため、部門をまたぐ施策の統合と効果的な行動のためのより調和の取れた枠組みの作成の努力をしなければならない。
(11)多くの国において、法律が、適用される国際基準に一致する形で、様々な形式の児童と青少年の性的搾取を適切に規定し、犯罪化しておらず、そのために、児童の効果的な保護並びにその犯罪の訴追が妨げられていること。
(12)統一の取れた法執行と刑事免責の終止が、実施のためのリソースと構造の欠如及び関係者に対する適切な訓練の欠如によりあまりにも多く妨げられていること。
(13)児童と青少年の性的搾取の加害者の刑事免責が、犯罪のなされた国において加害者が捜査、訴追されないために、永続することが間々あり、統一の取れた効果的な国境を越える司法手続きが欠如し、これが「双罰性」の要件によって妨げられることも間々あり、そして、必要な犯人の引き渡しと相互の法的な助力に関する協定と実務が欠如していること。
(14)児童と青少年との性交渉に対する要求を減らし、根絶する措置に対する注力が不十分であり、いくつかの国においては、児童の性的虐待者に対する罰が不適切であること。
(15)あらゆる行政と司法の手続きを含め、その生活にかかわる全ての事項についてしかるべく考慮してその見解を持ち、表明する児童の権利が、各国の法律と実務において一貫する形で組み込まれていないこと;そして、特に、児童の繊細な被害者がこの権利を行使し、その証言手続きを行う効果的な機会が欠如していることから、性的搾取を経験した児童にさらなるトラウマを与えていること。
(16)その年齢に応じた、児童の性的発達の保護が、児童と青少年に対して性的搾取に対抗する力を与えるが、このことが十分に認識されていないこと。
(17)適切な国際協力を含め、児童と青少年の性的搾取を抑止する第一の要素である、全ての児童に対する、自由で、誰にでもアクセス可能で、安全で、品質の高い教育の確保について、不十分なリソースしか入手可能でないこと。
(18)性的搾取の目的を含め、人身売買に向けられた法とプログラムが、児童の見地に立って、その出身地に帰す場合の児童の安全を保証し、その権利の完全な回復を行う本国送還手続きを通じたものを含め、児童の被害者の特別な状況とその特別な保護の権利をあまりにもしばしば認めていないこと。
(19)多くの国が、その完全な社会復帰とその完全な肉体的、精神的回復を含め、性的搾取の児童被害者のあらゆる適切な支援を確保する目的でのあらゆる実行可能な措置を取っていないこと;そして、この支援が、(法執行、入国管理、ソーシャルワーカー、精神的、肉体的健康の専門家、住宅と教育のサービスを含め、)必要なパートナー間の効果的な協力の欠如によって危うくなることも良くあること。
(20)児童と青少年の性的搾取と家庭暴力の間の結びつきが、十分に警察とプログラムにおいて認識されていないこと。
(21)児童と青少年の性的搾取の発生率と性質、及び児童と青少年の性的搾取を抑止し、止め、その被害を受けた者を支援するための、法的、社会的その他の措置の効果に関する、信頼できる、地域毎のデータが欠如し続けていること。
(22)情報が、児童の保護と抑止、法執行と被害者支援の領域において、更新されている知識と現場ベースの経験の蓄積に基づかない形で、流通し続けていること;そしてえ、経験と学んだことについて、不十分な積極的共有しかないこと・
B.宣言
児童と青少年の性的搾取に対する第3回世界会議の参加者の、政府代表、政府間組織、非政府組織、人権団体、オンブズマン、民間部門、法執行・法律コミュニティ、宗教指導者、国会議員、研究者と大学関係者、市民団体と児童と青少年は、児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めるために必要な措置を自ら優先事項として取ることを誓約する。
(1)あらゆる形式の虐待と搾取から児童を保護するための国家の義務の履行についての国際的な人権基準が、私たちの導きとなる。
(2)児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めるための私たちの努力は、より広い政策枠組みの中で、主流の戦略により、この児童の権利の深刻な侵害の根本原因に向けられなければならないと、私たちは認める。特に、極貧の中で生きる人々の割合を半減し、全ての児童が初等教育を全うすることを確保し、エイズの拡散を止め、引っ繰り返すための、ミレニアム・ディベロップメント・ゴールを達成することを、私たちは再び言明する。
(3)両親、(拡大された)家族と他のコミュニティの世話人が、性的搾取から児童を保護、抑止することにおいて果たし得る重要な役割と、彼らと他の世話人に適切な支援を提供する必要性とを、私たちは認める。
(4)児童に対する暴力に関する国連事務局研究における勧告を、私たちは歓迎し、そのフォローアップ、財政的、人的その他のリソースにより支援すると言明し、(任命されることになっている)児童に対する暴力に関する国連事務局特別代表並びに児童と武力紛争に関する国連事務局特別代表と、関係する特別な手続き、特に、児童の売買、児童の売春と児童ポルノに関する特別報告者と人身売買に関する特別報告者の仕事に助力する。
(5)児童と青少年の性的搾取に対する包括的な対策は、あらゆる形式の児童の労働に対する戦いに注力するべきであると、私たちは認め、それにより182の参加国が-児童と青少年の性的搾取を含め-これら全ての形式を2016年までに根絶すると自ら言明した、国際労働機関の児童の労働の最悪の形式に対する世界行動計画による2006年の裏書きを、私たちは歓迎する。
(6)国際的、地域的、そして国の人権団体と市民団体への、その児童と青少年の性的搾取に対する措置の実施を推進し、報告を作成する努力における協力と支援を、私たちは行う。
(7)例えば、適切な資金を整えられた児童と青少年の勧告委員会、コミュニティベースのプログラムとピア・ツー・ピアの取り組みなどを通じたものなど、持続可能な形で全てのレベルにおいて、性的搾取の児童の被害者として又はそのリスクにさらされている者としてを含め、意味のある児童の参加を組織化する措置と構造を、私たちは支援し、リオ会議において作られた青少年勧告の実施を目的とする措置も(この勧告文書については、この文書の付録を見よ)、私たちは支援する。
(8)的を絞った、性に関する情報伝達、教育とコミュニティの動員を通じて、あらゆる深刻な児童と青少年の性的搾取を否定し、その否定的な影響を、特に、児童と青少年の性的搾取、児童を性的な対象物として扱い又は見ることを許容し、持続させている信仰と価値観を否定する努力を、私たちは強化する。
(9)あらゆる形式の児童と青少年の性的搾取、特に児童と青少年の性的搾取の性質と範囲;児童の性的搾取の精神的、肉体的健康への影響;用いられる様式、行為者、機構と場所の変化を含む新たな現れ、学校とケアと司法機関における児童と青少年の性的搾取;児童と青少年の性的搾取を抑止し、止め、これに対抗するために取られた、法的、社会的又は他の措置の実施とその影響;児童と青少年の性的搾取を持続させている要求;児童に対する性犯罪の助長と行為に関わっている者;少年の性的搾取;性的搾取との関係における児童の脆弱性と回復力;児童と青少年の性的搾取を抑止し、保護することに対する、様々な社会的、文化的文脈中での、児童間のバーチャルな交流の性質と影響とその潜在的な力;社会的価値と振る舞いにおける、特に児童と青少年の性的搾取における、世界的な消費者文化の影響;介入が適切で効果的なものであることを確保する観点からの、加害のパターン;に関する調査について、私たちは開始し、資金を供給し、その結果を共有する。
(10)取られる行動は全て児童の最善の利益にかなうものであり、全く害のないものであることを確保する観点とともに、効率の特別な指標を開発し、児童と青少年の性的搾取の領域で私たちが作成又は実施する全ての試作と計画の児童に対する影響を測ることに、私たちは取り組む;そして、将来のより良い理解と行動に寄与し、可能な限り実証に基づいた情報が、児童と青少年の性的搾取を抑止し、保護する効果的な施策と計画の作成と実施に用いることを確保し、その被害を受けた者を支援するために、-肯定的なものと否定的なものの双方ともについて-学んだ事項を共有する。
C.行動の呼びかけ
非政府組織、民間部門と青少年も含め、国際機関と市民団体の支援を受け、あらゆる形式の性的搾取から児童と青少年を保護する強固な枠組みを確立し、実施するため、私たちは、以下のことを行うよう全ての国々に呼びかける:
Ⅰ-国際、地域ツール
(1)適切なものとして、児童の権利に関する国連条約と児童売買、児童売春と児童ポルノに関する付属議定書、1999年の児童の労働の最悪の形式に関する国際労働機関条約182、国際組織犯罪に対する国連条約を補完する、人身売買、特に女性と児童の売買を抑止し、抑圧し、処罰するための国連議定書、女性差別撤廃条約等がある、関係する国際的ツールの批准に向けて努め続けること。
(2)適切なものとして、児童の権利と福祉に関するアフリカ憲章、ASEAN憲章、未成年の国際売買と女性に対する暴力に関するアフリカ間人権条約、売春のための女性と児童の売買の抑止と対抗に関するSAARC条約、欧州理事会の非参加国でも批准可能な、人身売買対抗、サイバー犯罪と性的搾取と性的虐待に対する児童保護に関する欧州理事会条約があげられる、関係する国際的ツールの批准に向けて努め続けること。
(3)その国の報告内容の文脈において児童の権利委員会の結論と勧告を適切に考慮に入れ、参加各国は、児童の人権と、児童売買、児童売春と児童ポルノに関する条約の付属議定書の実施に必要な全ての措置を取るべきである。全ての国は、これを重要な参考として用いることを促される。
Ⅱ-性的虐待の形式とその新たなシナリオ
児童ポルノ/児童虐待画像
(4)バーチャルな画像と児童の性的搾取の表現物を含め、児童ポルノの故意の製造、頒布、入手及び所有、並びに、児童との肉体的接触を含まないものであったとしても、そのようなマテリアルの故意の消費、アクセス及び閲覧を犯罪化すること、法的責任は、マテリアルの製造及び/又は拡散に関わるなどの責任がある場合には、企業のような主体にも拡張されるべきである。
(5)児童のオンライン及びオフラインの虐待への誘引のための、及び児童ポルノと他のマテリアルを製造し拡散するためのインターネットと新技術の使用と、児童ポルノとを抑止し、止めるため、特別な、的を絞った行動を取ること。被害者の特定と、特別なスタッフによる支援とケアが優先的に行われるべきである。
(6)インターネット、携帯電話と他の新技術の児童の性的搾取のための利用のリスクの理解を深める見地から、どのように自身を守り、児童ポルノとオンラインの児童搾取事件についてどう助けを求め、報告するべきかについての情報を含め、児童、親、教師、青年組織、他の児童と関係して及び児童のために働く者に焦点を置いた、教育的な、意識向上キャンペーンを行うこと。
(7)インターネット・サービス・プロバイダー、携帯電話会社、検索エンジンと他の関係者に、児童ポルノサイトと児童の性的虐待画像を報告し、削除することを求めるために必要な法的措置を取り、結果を監視するための指標を開発し、その努力を促すこと。
(8)インターネット・サービス・プロバイダー、携帯電話会社、インターネットカフェと他の関係者に、そのビジネスにおける児童保護措置の採用を可能とする法的ツールの開発とともに、自主行動指針と他の社会的協力責任機構を開発し、実施するよう、呼びかけること。
(9)金融期間に、児童ポルノへのアクセスを助長している、そのサービスを通じた金銭取引の流れを追い、止めるための行動を取るよう、呼びかけること。
(10)インターポールの指揮下で、児童の性的虐待画像を含むウェブサイトの共通リストを作ること、統一的基準に基づき、そのアクセスはブロックされることになる;このリストは、継続的に更新され、国際的なレベルで交換され、アクセスブロッキングの実行のためにプロバイダーによって使用される。
(11)民間部門の領域において、デジタル電子機器によって取られた画像を特定し、それを追い、取り下げ、その加害者の特定の役に立つ、強固な新技術の研究開発を行うこと。
(12)その性的搾取を即刻止め、その完全な回復に対して必要な全ての支援を提供する観点から、被害者を調査し、これを追う、強固な新技術の、公的/民間の協力による研究開発を促進すること。
(13)フィルタリング利用支援等、児童の不適切で有害な画像をブロックするための、親と他の世話人に簡単に入手可能で手頃で使いやすい技術を作るここと。
売春における児童と青少年の性的搾取
(14)成人が児童の年齢を知らなかった場合であったとしても、児童から性的サービスを受けるための、性の売買又は他のあらゆる形式の取引を、刑法下の犯罪行為とすることで、児童を売春に導く要求に対抗すること。
(15)売春において搾取された児童のための特別で適切なヘルスケアを提供し、児童の回復の集中的な地方モデル、ソーシャルワークシステム、現実的な経済的選択肢と総合的な対策のためのプログラムにおける協力を支援すること。
旅行における児童と青少年の性的搾取
(16)旅行、観光と旅館部門において、例えば、旅行と観光における児童保護のための行動指針への参加とその実施などにより、職業的行動指針の採用を促し、支援すること;児童保護を中心とする企業の社会的責任戦略を適切に取り入れたビジネスを用いることを促進すること;そして/又は、これらの参加に対する他のインセンティブを提供すること。
(17)国内及び国際旅行者による児童と青少年の性的搾取を抑止するため、統制の取れていない観光について、全ての利害関係者が特別な注意を払うことを確保すること。
(18)適用される法律と人権基準に一致する形で、インターポールの「グリーン・ノーティス」システムのような、国際的な旅行通知システムの確立のために協力すること。
(19)捜査を保証し、十分な証拠が存在する場合には、外国で児童を性的に搾取したと報告された又はその容疑を受けた自国民に対して適切な告訴がなされ、強力に追及されることを確保すること。
(20)観光における児童の性的搾取を宣伝するマテリアルの製造と拡散を禁止すること;そして、児童を性的に搾取した場合には、刑罰が科されることについて旅行者に注意をすること。
(21)新たに登場して来ている旅行者の目的地を監視し、観光サービスの開発に関わる民間部門の協力者と協力して、公平な開発を促進する社会的及び環境的に責任の取れる戦略の使用を含め、児童と青少年の性的搾取を抑止するための積極的な措置を確立すること。
児童と青少年の人身売買と性的搾取
(22)児童を人身売買に対して脆弱にしている社会的規範と慣習と経済社会的条件について対話し、これを批判的に点検する観点から、児童と青少年を含め、コミュニティを動員し、適切な場合に、彼らがそのプログラムの実施と監視に参加するように、彼らを戦略とプログラムの作成に取り込む手続きを確立すること。
(23)コミュニティベースの、児童の人身売買の被害者のための抑止と回復と更正と復帰のプログラムの成功モデルを先導し、採用し、反復すること。
(24)国境を越えるものだけでなく、国際的な児童の人身売買に向けられた、なにより、出身地への児童の帰還の必要性とリスクの注意深い評価など、児童の見地に立った児童の安全な送還及び帰還のための標準的な手続きを含む、児童の最善の利益の考慮を確保するための施策とプログラムを確立すること。
(25)例えば、その権限を有している機関の間の協力を確立し、児童を中心とする人身売買事件の捜査ため、犯罪者としてではなく保護を必要とする被害者として売買された児童を扱うための明確なガイドラインを出す等、法執行機関員の国境を越える国際協力の強化を続けること。
(26)全ての同伴者のいない売買された児童のために守護者が遅滞なく指名されることを、復帰のための効果的なシステムと全ての売買された児童の書類作成の確立を、全ての売買された児童に、長期間の保護だけでなく、その長期に渡る完全な回復と社会復帰のために必要な経済的、精神社会的支援が提供されることを確保するための法的その他の措置を取ること(人身売買の被害児童の保護のためのユニセフガイドラインと児童の最善の利益の評価のためのUNHCRマニュアルに一致するように)。
(27)市民団体と児童の関与する形で、児童の人身売買を抑止し、止めるためのプログラムと施策の、そして、例えば、婚姻、無償教育、養子と移住、出生登録、市民権の付与、難民又は他の地位に関する法律について、人身売買に影響する立法の、定期的な評価を行い及び/又は支援すること。
Ⅲ-法的枠組みと法律のエンフォースメント
(28)性的同意又は婚姻又は文化的慣習の年齢にかかわらず、成人が児童の年齢を知らなかった場合であったとしても、その管轄において、あらゆる児童と青少年の性的搾取行為を、既存の国際的人権基準に一致する形で、規定し、禁止し、犯罪化すること。
(29)加害者の効果的な訴追と適切な処罰を達成するため、児童と青少年の性的搾取罪については相罰性の要件を撤廃し、効果的な越境管轄を確立し、相互の法的助力を容易にすること。あらゆる児童と青少年の性的搾取行為を、既存の又は新たに確立された送還条約において、送還可能な罪とすること。
(30)その国の状況において適切な場合に、児童と青少年の性的搾取に関係する越境法規を積極的に執行する、主導的法執行機関を指定すること。
(31)性的搾取の児童被害者が、その性的搾取に直接的に関係するその行為によって、犯罪者とされたり、罰されたりされず、法的に被害者の地位を与えられ、そうとして取り扱われることを確保すること。
(32)児童に対する性犯罪に対処し、司法と法執行機関員に専門の訓練を施すため、警察権力中に、特別の性/児童に関する部署を設置すること、それが適切な場合には、ヘルスケア、ソーシャルワーカーや教師といった他の職業の者も取り込むこと。
(33)腐敗こそ効果的な法執行と児童保護に対する主たる障害であると認識し、法執行と司法並びに他の児童のケアの義務を負う機関における腐敗に対抗すること。
(34)リスク評価と加害者の管理プログラム、(刑事罰においてではなく適切な場合に追加される)自主的な拡張総合復帰サービスの規定、有罪判決を受けた加害者の安全な復帰、グッドプラクティスの収集と共有と、適切な場合には性犯罪者登録を通じたものなど、性犯罪者の振る舞いと再犯を防ぐための、国際的、地域の、国の法的機構とプログラムを確立し、実施すること。
Ⅳ-部門を超えた統合施策と国の行動計画
一般事項
(35)児童と青少年の性的搾取に対する国家総合行動計画の作成と実施、又は、国家開発計画のような既存の関係する計画の枠組みにこれを含め、この計画が、全ての利害関係者がともに総合的で統一の取れた枠組みの中で行動するよう、多部門間の口頭での意見交換アプローチに基礎を置いたものであることを確保すること。この計画は、適切な監視と評価を目的としたリソースと、児童と青少年の性的搾取を抑止し、止め、性的搾取の児童被害者を支援するための取り組みの実施のための市民団体等、指定される責任を有する関係者とともに、性に関する戦略、社会的保護措置と実行計画を組み込むこと。
(36)例えば、(性を基礎とするもの等の)差別、有害な慣習、児童の結婚と性的搾取を許容する社会規範等の、児童と青少年の性的搾取に寄与する現象に対抗するため、総合的な国の児童保護システムの枠組みにおける、コミュニティベースの計画等、多部門の施策と計画を促進し、支援すること。
(37)意識向上と、児童と青少年の性的搾取と人身売買を抑止することを目的とした、キャンペーンにより、ピア・ツー・ピア青少年計画を通じて、施策と計画のデザイン、監視及び評価において、あらゆるレベルで児童と青少年の意味ある参加を促進し、そのために資金を供給すること。
(38)適用される法律に一致する形で、児童に対する助力を促し、児童との性交渉の要求に対抗するため、信頼のおける情報の収集と共有と国境を越える協力を開始し、支援し、被害者と加害者のデータベースに貢献すること。
抑止
(39)その領域内において生まれる全ての児童が、その出生後、即座に、無料で登録されることを確保し、未登録児童、リスク下、取り残された状況下にある児童に対して特別な注意を払うこと。
(40)教育機関の役割と、あらゆる形式と源における児童の性的虐待と性的搾取に対し、これを探知し、告発し、助力するスタッフを強化すること。
(41)例えば、意識向上のための教育的キャンペーン、親の支援、貧困の根絶等を通じて、児童と青少年の性的搾取の抑止を強調し、その一方で、性的搾取の被害を受けた児童に支援とサービスを提供する多部門の照会機構を強化し、確立すること。
(42)性的搾取から解放されるため、自身の権利についてより深い知識と、児童が、成人の協力を得て、性的搾取を止められるよう、虐待に対抗する上で助けとなる入手可能な手段を得られるよう、児童を支援すること。
(43)変わりつつある同時代の価値と規範と、その性的搾取に対する脆弱性の増加の潜在との意味のある形での批判的検証を、児童に促すこと。
(44)少年と男性による少女と女性の権利の尊重を促進、強化し、児童と青少年の性的搾取へのその関与を止め、思いとどまらせるための行動の取り組みに彼らを参加させる、様々な文脈を通じた要素を特定するため、同時代の少年と男性の社会化のパターンに関する調査を行うこと。
児童保護
(45)必要な予算の割り当てを含め、児童をあらゆる形式の暴力と虐待から保護することを目的とし、児童が最もリスクにさらされる状況の特定に基礎を置いた、総合的で統合された国家児童保護システムの開発を通じて、児童と青少年の性的搾取に対抗する努力を増すこと。
(46)児童福祉に責任を有する地位にある者に対して報告義務を課すこと等により、2013年までに、実際の性的搾取またはそう疑われる事件の児童被害者についての報告、フォローアップと支援のための、効果的でアクセス可能なシステムを確立すること。
(47)性的搾取の報告を秘密に行い、適切なサービスの照会を探すことを、児童に促し、世話人に求めるため、特に、ケア及び司法機関にある児童のために、電話又はウェブベースの既存の救援ラインを開発又は強化し、このような報告機構のオペレーターが適切に訓練され、監督されることを確保すること。
(48)差別無く、少年少女の、全ての性的搾取の児童被害者に、その完全な肉体的、精神的回復と社会復帰と、適切な場合に行われる、家族の再統合と、さらなる搾取のリスクを低減するための支援と強化を家族に行う介入とを提供するため、既存の国の児童保護サービスを強化するか、新たなサービスを確立すること。
(49)これらのサービスが、児童の、親の又は法的保護者の人種、色、性(又は指向)と社会的出身にかかわらず、障害を持った児童も含め、あらゆる差別なく全ての児童に届き、少数人種、先住民の児童、避難民、国内で従事する又は路上に住む児童、紛争又は緊急事態により移住した児童からも、アクセス可能で、適切なリソースを受け、総合的で、児童と性を意識したものとされることを確保すること。
(50)性的就業者の児童と売春宿に住む児童に支援と保護を提供するプログラムを開発すること。
(51)その国の関係法規と手続きを考慮に入れ、捜査又は裁判手続きにおける特定、又はメディアによる公開からの保護のため、性的搾取の児童被害者と児童加害者のプライバシーを促進、保護し、これらの手続きが児童に優しく、その手続きにおいて、その加害者を司法に導くことを児童に可能とすることを確保すること。
(52)他の児童と青少年に有害な性的暴力行為を見せる児童と青少年が、適切なケアと、最初のオプションとして、他の者の安全に関する適切な考慮と彼らの最善の利益の間のバランスが取られ、児童から自由を奪うことは最終手段としてのみ追及されるべきであるという原則に一致することが確保された、性を意識した、児童中心の措置とプログラムを通じた注意とを受けることを確保し、このような児童のケアに責任を有する者が、関係する文化的に適切な訓練と能力を有する者とすることを確保すること。
Ⅴ-国際協力
(53)児童と青少年の性的搾取行為に責任を有する者の抑止、捜査、訴追と処罰のための、多国間、地域の、二国間の協定を強化するのに必要なあらゆるステップを取ること。
(54)児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めるための具体的な行動を可能とし、これを支援する観点から、政府の大臣、基金体、国連の機関、非政府組織、民間部門、就業者と従業員の団体、メディア、児童の組織と他の市民団体の代表の間の協力の増進のため、2013年までに、国の、地域の、国際的レベルでの協力を促進するための具体的な機構及び/又は手続きを確立及び/又は改善すること。
(55)なされた勧告の実施における進展を監視し、フォローアップを強化するために、性的搾取に対抗するものもの含め、児童保護について、交換、協力、その進展の監視のための、既存の地域の機構の効率を強化、改善すること。
(56)そうするべき地位にある時には、児童と青少年の性的搾取に対抗するための多国間、地域の、二国間その他の既存のプログラムを通じて、財政的、技術的その他の助力を提供すること;そして、この領域における児童と青少年の取り組みのための基金の可能性を探ること。
(57)企業経営、特に、観光、旅行、運輸、金融サービス、そして、通信、メディア、インターネットサービス、広告と娯楽部門の、企業の社会責任を促進し、支援するための施策とプログラムを、それが適切な場合は、国連の機関、非政府組織、市民団体組織と民間部門、就業者と従業員の団体の支援を受け、開発すること;児童の権利を中心とする施策、基準と行動指針は、サプライチェーンを通して実施され、独立の監視機構を含む。
(58)インターポールの国際児童の性的虐待画像データベースを支援し、これに寄与し、児童と青少年の性的搾取の国内のデータを素早く更新するために、国内で中心となる責任を有する者か組織を指名し、国境を越える(国際的な)法執行の支援とその効率の強化のために、この情報を体系的にインターポールと共有し、特に警察の捜査活動のために多国間の協定を結ぶこと。
(59)児童の商業的性的搾取への犯罪組織の関与を抑制し、止め、この形式の組織犯罪に責任を有する自然人又は法人を司法へと導くための、国際的、国の協力措置を取ること。
Ⅵ-社会的責任に関する取り組み
(60)プログラムと計画の開発(パラグラフ22、23、56と57);行動指針(パラグラフ8と16);調査(パラグラフ11と44);協力と行動(パラグラフ5、6、9、12、13、21、42と43)に加えて、その製造チェーン並びに就業者と従業者の団体を通じて、そのノウハウ、人的、金銭的リソース、ネットワーク、構造及びてこ入れの力による貢献により、児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めるあらゆる努力に積極的に参加することを、私たちは、民間部門に促す。
Ⅶ-監視
(61)児童のオンブズマン、又はそれと等しいもの、又は既存の人権団体又はオンブズマン組織において児童の権利に焦点を当てるもののような、独立した児童の人権団体を、2013年までに確立し、参加国に、児童の権利委員会の第2一般委員会の国連児童権利条約の重要性を際立たせること;児童と青少年の性的搾取の抑止、このような性的搾取からの児童の保護と、性的に搾取された児童の権利の回復のために取られる行動の独立監視、効果的な法的枠組みと執行の宣伝と、必要な場合は、これらの組織の前で非難を述べることの可能性も含め、児童の被害者が効果的な回復措置を受けることを確保する上で、これらの主体は、主要な役割を果たすべきである。
私たちは、児童の権利委員会に、次のことを促す:
(62)性的搾取から児童の権利を保護する参加国の義務の履行の進展の点検をし続け、児童の権利条約とその付属議定書の下での報告の検討において、リオ行動宣言における勧告に特別な注意を払うこと。
(63)この点についての国内法と施策の進展、実施と執行に関する国への細かな指導も含め、性的搾取、性的な目的での人身売買、児童の誘拐と売買からの児童の権利の保護に関する一般コメントを優先事項として採用すること。
(64)児童の権利保護について人権最高理事局との協力を続け、関係する国際的、地域の人権機構の意識を向上させること。
私たちは、他の国連の人権条約関連機関、人権理事会の特別手続きと、国連事務局の特別代表並びに地域の人権機構に、次のことを促す:
(65)その個々の権限内で、その国の報告、視察を通じた、そのテーマの仕事及び/又は他の活動における、児童と青少年の性的搾取との戦いに特別な注意を払うこと。
私たちは、人権理事会に、次のことを強く勧める:
(66)児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めることを含め、そのような搾取の児童被害者の権利が完全に尊重されるよう、世界定期検証プロセスが、国の児童に対する義務の履行の厳格な審査を含むことを確保すること。
私たちは、任命されることになっている児童に対する暴力に関する事務局の特別代表、児童と武力紛争に関する事務局の特別代表、児童売買、児童売春と児童ポルノに関する特別報告者と、人身売買に関する特別報告者と、児童の権利委員会と協力している他の適切な権限を有する者に、次のことを強く勧める:
(67)児童の性的搾取の抑止及びこれへの対抗の領域におけるそのワークマップの経験を通じて、重複を避けて働き、児童と青少年の性的搾取を抑止し、止めるその効果を最大化すること、そしてその効率を評価すること。
私たちは、国連の機関、非政府組織と人権団体に、次のことを促す:
(68)児童と青少年の性的搾取の程度とこれへの対抗に関する情報について支援し、これをこれらの主体に提供すること。
(69)児童を性的搾取から保護することについて、その教育と能力向上における役割を強化するよう、広告において児童を性的に扱うことを含め、メディアの有害な力を削ぐように、メディアに働きかけること。
私たちは、世界銀行と国際通貨基金のような国際金融機構に、次のことを呼びかける:
(70)社会サービスと権利へのアクセスを必然的に制限するローンの条件を含め、児童とその家族に対するあらゆる否定的な社会的影響に対抗するという観点から、その現在のマクロ経済と貧困削減の戦略を再点検し、児童の性的搾取のリスクを最小化すること。
私たちは、宗教コミュニティに、次のことを呼びかける:
(71)児童を含め、あらゆる者の本質的な尊厳に関するその総意に照らして、児童と青少年の性的搾取を含め、あらゆる形式の児童に対する暴力を排除し、この点で、多宗教間の協力と、政府、児童組織、国連の機関、非政府組織、メディアのような他の中心利害関係者と協力関係を構築し、その精神的権威、社会的影響力と指導力を用いて、児童と青少年の性的搾取の終止に向けてコミュニティを指導すること。
D.フォローアップ
(1)私たちは、この行動宣言の最も有効なフォローアップのため、以下のことを言明する:
-国のレベルで、特に、リオ行動宣言の実施のために取られた措置に関する2年毎の公開報告により、実施の監視について責任を負う名をあげられている機構において、なされた進展となされるべき試みに関する議論を促進/開始すること、その一方で、このような要請を児童の権利委員会の国の報告に統合すること。
-国際的レベルで、リオ行動宣言に関する意識を維持し、その実施を促進する観点から、関係する人権条約機関、人権理事会の特別手続きと国連事務局の特別代表の協力行動を促進、支援すること。
(2)民間部門に、国連グローバル・コンパクトに参加し、児童と青少年の性的搾取に対抗する観点でのその実施の進展を報告することを促し、企業の協力んおためのこのプラットフォームの実現を支援し、ベスト・プラクティスを共有すること。
付録
児童と青少年の閉会宣言
2008年11月28日、リオ・デジャネイロ、ブラジル
私たち、世界の子どもたちは、世界の現在と未来である、私たち子どもに、この第3回世界会議で発言の機会を与えてくれたことについて、ブラジル政府と他の各国政府と責任を有する機関を賞賛します。
児童はあまりにも多くの成人による性的搾取により苦しんで来ました。しかし、組織化され、統一され、私たちは、被害者から行為者となりました。私たちの児童組織は、自分たちを守り、自分たち自身の権利を守る強さを私たちに与えてくれました。
私たちはここで、この問題との戦いの進展に寄与し、さらに大きくなり続けているこの問題に関する意識を向上させたいと思っています。私たちは、大人を、私たちの両親と、私たちの様々な国の生活規則を尊重しています。ですが、私たちは、あなた方皆からの尊重も求めます。あらゆる者が、尊重を受ける権利を有しており、これは全ての者が取るべき態度です。
しかしながら、私たちに発言の機会を与えてくれたことだけでは十分でなく、あなた方は聞かなければなりません。緊急の行動を求める私たちの呼びかけを聞き、私たちの経験を聞き、最も重要なこととして、私たちの解決策を聞かなければなりません。
私たちがここで始めた仕事は、ここで今日、会議室が空になり、白熱した議論がここリオ・デジャネイロで沈黙した時に、終わるものではありません。私たちは、特に性的搾取の事項に関する児童の権利に関する議論が再び沈黙することを許せません、私たちは、以前とは異なり、世界中で変化の呼びかけを喚起していかなければならないのです。
今、私たちは、子どもの性的搾取との戦いと高いリスクにさらされているか被害者となった子どもの救援のため、政府、非政府組織、メディア、民間部門、地方の権威とより多くの子どもが私たちに加わることを必要としています。
私たち、世界の子どもたちは、自分たち自身、そして同じくあなた方に、この会議の手続きの公開を、あなた方のコミュニティ、あなた方の国と地域と共有し、このメッセージをさらに続かせることを求めます。
私たちが、おぞましく邪悪な子どもの性的搾取の問題をひとたび永遠に歴史の遺物とするとできるとして、あなた方、政府、非政府組織その他の社会的協力者は、次のことをしなければなりません:
1.より子どもに優しいサービスと子どもと青少年の性的搾取事件のより効果的な抑止、監視と取り扱いを促進するよう、子どもの権利の効果的で完全な実施が、全ての部門で改革されることを確保するため、それぞれの国で、オンブズマン組織を設立すること。
2.この癌のような問題に脆くもさらされ続けている者を保護するため、世界中で、ユニセフその他の国際的又は地域グループの資金供給を受け、地域コミュニティに、児童保護機関又はセンターを設置すること。
3.さらに、子どもによって主導される、子どものためのフォーラムと組織が、性的搾取の抑止における子どもと青少年の参加を確保するために、設立される必要があります。
4.私たちは、子どもの権利を取り扱う主だった政府機関と国際機関が子ども大使を持つことを求めます。
5.この会議に従って、この会議の決定に手を付け、採用し、6月以内に私たちの様々な文化的現実に合わせる、国と地域の意見交換を、私たちは求めます。さらに、世界の政府に、私たち子どもに、自分たち自身の声を聞かせることを促すよう求めます。
6.追加として、毎年6月毎に、この意見交換を続け、子どもの性的搾取と一般的な子どもの権利に関する事項について議論し、子どもの参加の制度化を促進することを、私たちは望みます。この意見交換から持ち上がってくる、地域の報告は、ユニセフに送られ、国際報告とされて、世界中に拡散されます。
7.今この時に、私たちは、地域と国際的レベルの両方で、子どもの利益、保護と福祉を増す法律と施策を実行するよう、政府の行動を呼びかけます。しかしながら、これらの子どもに対する攻撃を食い止めるという空約束を政府がするということを単純に許すことはできません。したがって、私たち、子どもたちは、この各国における行動計画を監査する行動委員会が作成されることを求めます。
8.意識向上キャンペーン、大会と行進における努力を子どもが主導する、国際的な日の採用も、私たちは呼びかけます。この日の範囲をさらに広げるため、国際的な芸術、エッセイとスピーチコンペティションを組織し、この日にとりまとめられることを、私たちは求めます。
9.メディア、特に世界中で何百万もの子どもに対する最大の脅威の1つとなっているインターネットに、私たちは今注意を向けています。
Stop X.orgは、この会議から、性的搾取に対する戦いにおいて大きなリソースを出しました。したがって、このウェブサイトが、この世界会議の全ての活動と結論のアジェンダをリスト化し、文書を投稿する掲示板を提供し、私たちの仕事の進展を近く監視し、最も重要なこととしてこの事項とアイデアの進展に関する議論を続けることを、私たちは求めます。
10.私たち子どもたちは、インターネット、特に、児童ポルノと類似の他の形式の虐待に対する厳格で懲罰的な立法を、各国政府に追及させるため、私たちは、自分たちの誓約を知らしめます。
11.このウェブサイトとコミュニティの中で、強力なサイバー安全ルールが広く伝搬されることを、私たちは同じく求めます。この目的のため、子どもの性的搾取に関する補足情報を提供することに加えて、インターネットの脅威に向けられた子ども、教師、親と家族のマニュアルがより多く開発されるよう、私たちは呼びかけます。
12.さらに、この問題についての知識を増すため、文書、報告、書類、CD、ビデオその他のマテリアルを集めることを、私たちはメディアに委任します。
私たち、世界の子どもたちは、これらの施策を熱心にかつ情熱的に追求し、今日世界中で悩みの種であり続けているこの現象を終わらせるために肯定的なステップが取られていないと見られる場合、私たちの政府に行動を呼びかけることを誓います。
世界の子どもと青少年は、全イベント参加者に、あなた方が私たちの年齢で、私たちと同じ発展段階にあり、人々の心に触れることはより易しかった時のことを思い出し、世界中で、子ども・青少年時代を通じた幸福で調和の取れた発展を阻害するこの世界的問題を根絶するため、交差する前線で、ともに戦うという私たちの言明を熟考し、確認することを求めます。
私たち、世界中の子どもと青少年は、この結びの文書によって、私たちが感じ、考え、子どもの性的搾取に対する戦争に対する勝利のために達成したいと思っていることを表明していることをここで確認します、というのも、既に開会文書で述べたように、決定は私たちの手の中にあるのですから。
疑いなく、第3回の世界会議の閉会から私たちが面と向かう最大の挑戦は、様々な影響をもたらすことでしょう。
全人類は、偶然の産物ではなく、その足跡を残すべく、私たちは、自分たちの現実と経験を通じて人生にもたらされる自分たちの目的を実現しなければならないものであると、私たちは確信しています。もし私が自分の両親が私に残したのと同じ世界を残すとしたら、私の人生は無意味なものでしょう、ですが、もし私の人生が私の後継者を富ませるとしたら、私の人生は正当化されることでしょう。
今日、私たちは、この重要な世界のイベントに参加し、世界によりよい地位を与えようと自分たちの砂粒を積み上げるという言明を示すことだけからも、歴史を作りつつあります。最初の世界会議から第3回の世界会議まで、この問題についてより大きな社会的意識が作られていますが、私たちはより少なく語り、より多く行動する必要があるでしょう、というのも、それにより各国の当局によって多くの決定がなされて来た提案と提言の結果を見るまで始めた時から10年以上が経過しているのですから、彼らには次のように私たちは言うでしょう:
私たちは、政府、社会、非政府組織、国際機関と、子どもと青少年の性的搾取と戦うと言明した全ての者とともにあります。子どもの創作力、青少年の参加と成人の経験を合わせれば、私たちは、私たちの見解を、子どもと青少年の性的搾取を止めよという1つの叫びに変えられるのです。
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