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2009年8月31日 (月)

番外その21:情報・表現規制問題に関する注目選挙区・候補当落結果リスト

 これも、選挙速報を見ていれば分かる話ではあるのだが、前回注目選挙区・候補リストを作ったので、その続きとして当落結果のリストも作っておく。

 民主党で慎重派として知られる枝野幸男氏や吉田泉氏は無事当選しているが、表現規制問題に関して、今回の選挙で、元議員中の最大の理解者であった社民党の保坂展人氏が落選したのは痛恨の極みである。

 自民党の野田聖子氏、高市早苗氏の両名は、小選挙区で落選したが、残念ながら比例で復活した。この2人が小選挙区で落選した程度で自分の行いを改める訳は無く、引き続き何かにつけて根拠無く規制強化を叫び暴走を続けるだろう。この2人の危険人物には引き続き要注意である。やはり残念ながら当選している自民党の鳩山邦夫氏も含めて野党議員になるので、その影響力は格段に低くなるだろうが。

 ただし、葉梨康弘氏は無事落選し、あの児童ポルノの規制強化に関する話にならない言い訳を次の国会で聞くことは、これで無くなった。

 民主党から当選した慎重派の枝野氏や吉田氏他、また連立与党になると想定される社民党に期待したいところだが、民主党内の規制推進派の危険人物、小宮山洋子氏も残念ながら当選している。

 議席数で言うと、民主党308、自民党119、公明党21、共産党9、社民党7、みんなの党5、国民新党3、新党日本1、諸派1、無所属6で、公明党もかなり議席を減らし、自公政権が崩れたこと自体は良いニュースだが、先読みは難しいとは言え、情報・表現規制問題に関しては今後も変わらず厳しい情勢が続くと覚悟しておいた方が良い。個人的には、他の重要政策の迷走による混乱により、当分児童ポルノ規制強化などの有害かつ危険な情報・表現規制どころでは無くなることを期待しているが、恐らくこれは甘い見通しだろう。

 選挙も重要だが、情報・表現規制に関する問題は全て一朝一夕で片付く問題では無い。今後も国会と役所の動向を注視しながら、引き続き地道にできることをして行く。前回も書いた通り、今の日本の歪みは、もはや既存政党ではどうにもならないところまで来ており、既存政党とは全く異なる政党が必要だろうことも分かっているのだが、残念ながら、参入障壁の問題もあり、すぐに作れるものでも無い。何でも地道にできることをやって行くしかない。

 次回は、もしかしたら表現の自由の話を先にするかも知れないが、久しぶりに著作権国際動向の話を書きたいと思っている。

(以下、言うまでも無いことと思うが、名前の後の○が当選、×が落選である。なお、さらに細かな説明は前回をご覧頂ければと思うが、前回と同じく、青字で規制反対派・慎重派として知られる方の名前を、赤字で規制推進派として知られる方の名前を強調している。)

(1)児童ポルノ規制問題において反対派・慎重派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○東京8区:
保坂展人候補<社民>:×
・沢田俊史候補<共産>:×
・石原伸晃候補<自民>:○

○埼玉5区:
枝野幸男候補<民主>:○
・牧原秀樹候補<自民>:×

○福島5区:
吉田泉候補<民主>:○
・坂本剛二候補<自民>:×

(2)児童ポルノ規制問題において推進派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○岐阜1区:
・鈴木正典候補<共産>:×
・柴橋正直候補<民主>:○
野田聖子候補<自民>:×→比例復活○

○奈良2区:
・西ふみ子候補<共産>:×
・滝実候補<民主>:○
高市早苗候補<自民>:×→比例復活○

○茨城3区:
・小泉俊明候補<民主>:○
葉梨康弘候補<自民>:×

○福岡6区:
・古賀一成候補<民主>:×→比例復活○
鳩山邦夫候補<自民>:○

○東京6区:
・佐藤直樹候補<共産>:×
小宮山洋子候補<民主>:○
・越智隆雄候補<自民>:×

(3)他児童ポルノ規制に対して慎重な検討を求める請願を紹介した元議員候補
○大阪10区・辻元清美候補<社民>:○

(4)他児童ポルノ規制強化を求める請願を紹介した元議員候補
○秋田3区・御法川信英候補<自民>:×
○神奈川18区・山際大志郎候補<自民>:×
○東京19区・松本洋平候補<自民>:×
○福井1区・稲田朋美候補<自民>:○
○愛知7区・鈴木淳司候補<自民>:×
○滋賀2区・藤井勇治候補<自民>:×
○滋賀3区・宇野治候補<自民>:×
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>:×

(5)他MIAUのアンケートで児童ポルノ規制問題において慎重な姿勢を示した候補
○東京1区:
・冨田なおき候補<共産>:×
・海江田万里候補<民主>:○
○東京2区・中島つかね候補<共産>:×
○東京3区・沢田英次候補<共産>:×
○東京4区:
・渋谷要候補<共産>:×
・宇佐美登候補<無所属>:×
○東京5区・宮本栄候補<共産>:×
○東京7区・太田のりおき候補<共産>:×
○東京9区:
・岸良信候補<共産>:×
・木内孝胤候補<民主>:○
○東京10区・山本としえ候補<共産>:×
○東京11区・とくとめ道信候補<共産>:×
○東京12区:
・池内さおり候補<共産>:×
・小田々豊候補<無所属>:×
○東京13区・渡辺修次候補<共産>:×
○東京14区・伊藤文雄候補<共産>:×
○東京15区:
・吉田としお候補<共産>:×
・東祥三候補<民主>:○
○東京16区・かわい恭一候補<共産>:×
○東京17区・新井杉生候補<共産>:×
○東京18区・小泉たみじ候補<共産>:×
○東京19区・清水あきお候補<共産>:×
○東京20区・池田真理子候補<共産>:×
○東京21区・星あつまろ候補<共産>:×
○東京22区・吉岡正史候補<共産>:×
○東京23区
・古橋良恭候補<共産>:×
・くしぶち万里候補<民主>:○
○東京24区・長谷川あきら候補<共産>:×
○東京25区・鈴木おさむ候補<共産>:×

○比例東京ブロック・池田一慶<社民>:×
○比例東京ブロック・笠井亮<共産>:○
○比例東京ブロック・谷川智行<共産>:×

○宮城4区・かとう幹夫候補<共産>:×
○新潟1区:
・武田勝利候補<共産>:×
・西村智奈美候補<民主>:○
○新潟3区:
・黒岩宇洋候補<民主>:○
・稲葉大和<自民>:×
○埼玉15区・村主明子候補<共産>:×
○神奈川3区・古谷靖彦候補<共産>:×
○神奈川7区・鈴木馨祐候補<自民>:×
○神奈川13区・近藤知明候補<共産>:×
○愛知1区:
・木村恵美候補<共産>:×
・しのだ陽介候補<自民>:×
○大阪7区:
・駒井正男候補<共産>:×
・藤村修候補<民主>:○
○滋賀3区・木村真佐美候補<共産>:×
○高知1区:
・春名直章候補<共産>:×
・田村久美子候補<民主>:×
○高知2区:
・山中正博候補<共産>:×
・楠本清世候補<民主>:×
○高知3区・村上信夫候補<共産>:×

(6)他MIAUのアンケートで児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○東京2区・深谷隆司候補<自民>:×
○東京7区・松本文明候補<自民>:×
○東京11区:
・有田芳生候補<新党日本>:×
・下村博文候補<自民>:○
○東京15区・柿沢未途候補<みんなの党>:×
○東京16区・初鹿明博候補<民主>:○
○東京17区・早川久美子候補<民主>:×
○東京21区・長島昭久候補<民主>:○
○東京24区・阿久津幸彦候補<民主>:○
○東京25区:
・井上信治候補<自民>:○
・まさご太郎候補<国民新>:×

○比例東京ブロック・清水清一朗候補<自民>:

○宮城4区・石山けいき候補<民主>:○
○山形2区
・近藤洋介候補<民主>:○
・鈴木啓功候補<自民>:×
○新潟1区・吉田六左エ門候補<自民>:×
○埼玉15区・高山さとし候補<民主>:○
○神奈川7区・首藤信彦候補<民主>:○
○大阪7区・渡嘉敷奈緒美候補<自民>:×

(7)他名も無き市民の会のアンケートで、児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○埼玉4区・神風英男候補<民主>:○
○東京18区・土屋正忠候補<自民>:×
○東京24区・萩生田光一候補<自民>:×

(8)他ゲーム・ネット・表現規制を求める請願を紹介した元議員候補
○北海道10区・飯島夕雁候補<自民>:×
○栃木1区・船田元候補<自民>:×
○栃木2区・西川公也候補<自民>:×
○千葉7区・内山晃候補<民主>:○
○神奈川4区・林潤候補<自民>:×
○東京10区・小池百合子候補<自民>:×→比例復活○
○富山1区・村井宗明候補<民主>:○
○三重3区・平田耕一候補<自民>:×
○京都3区・泉健太候補<民主>:○
○京都6区・井澤京子候補<自民>:×
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>:×
○奈良3区・奥野信亮候補<自民>:×
○奈良4区・田野瀬良太郎候補<自民>:○
○岡山3区・平沼赳夫候補<無所属>:○
○岡山5区・加藤勝信候補<自民>:○
○沖縄1区・下地幹郎候補<国民新>:○
○沖縄2区・安次富修候補<自民>:×

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2009年8月14日 (金)

番外その20:情報・表現規制問題に関する注目選挙区・候補リスト

 前回書いた通り、個人的には、今回の選挙は児童ポルノ規制法選挙と思って投票するつもりだが、特に、このような情報・表現規制問題に関しては、公明党を除き、政党レベルでどうこうというより、規制官庁あるいは少数の規制派議員が暴走するのが常であり、次の選挙で、ピンポイントに規制派議員がどれくらい落ちるか、慎重派・反対派議員がどれくらい通るかで、今後の動向が大きく左右される。(繰り返しておくが、表現・情報問題に関して、公明党は、議員1人1人がどうこうと言うレベルでは無く党全体として極めて危険である。)

 「チラシの裏(3周目)」、「表現規制について少しだけ考えてみる(仮)」、「表現の数だけ人生が在る」、「『反ヲタク国会議員リスト』メモ」、「選挙に行こう」、「王様を欲しがったカエル」「カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記」、「止めろ!規制社会・監視国家ブログ版」、「創作物は理論で性的虐待は実践か?」等々の他のブログの選挙関連エントリをご覧頂ければ良い話ではあるのだが、今回の選挙は極めて重要なので、ここでも、注目選挙区・候補リストのエントリを番外として立てておきたいと思う(過去2年間の国会での主な動きは番外その19参照)。

 以下、主に児童ポルノ規制問題に対する姿勢から注目選挙区・候補リストを作って行く。児童ポルノ規制問題に対するスタンスの取り方は難しいのだが、難しいだけに端的に政党・候補の情報・表現・ネット規制問題に関する理解力を示す。以下のリストでは、青字で強調するのは規制反対派・慎重派として知られる候補の名前であり、赤字で強調しているのは規制推進派として知られる候補の名前である。なお、実際に候補が立てられるのは公示日となるので、以下のリストの選挙区等は、もしかしたら最終的に多少変動があるかも知れないことをお断りしておく。

 ご覧頂ければ分かるように、児童ポルノの単純所持規制問題について、社民と共産はほぼ党として問題点を理解し反対している。新党日本は党としては反対しているようだが、議員レベルではあまりアテにならない国民新も全くアテにならない民主も一部の慎重派議員を除き信用できず、規制より以外の動きが見られない自民・公明は論外という状況である。

 前回の選挙は郵政選挙だったはずだが、ほんの4年で、郵政改革すらグダグダになっている上、自由な民主主義社会を守るためには、主として社民か共産に票を投じるしかないというところまで追い込まれているのである。これは全く笑い事ではない。この状況こそ、今の日本の歪みを典型的に表している。

 今の日本の歪みは、もはや既存政党ではどうにもならないところまで来ており、既存政党とは全く異なる政党が必要だろうことも分かっているが、残念ながら、参入障壁の問題もあり、すぐに作れるものでも無い。今のところ、どこをどう転んでも選挙後に待っているのは、確実に政策迷走の地獄だが、少しでもマシな政党・人間を選挙で選ぶことは極めて重要である。今度の選挙では、1人でも多くの人に、ネットも含め様々な媒体から情報を取り、自分で良く考えて政党・候補を選んでもらいたいものと私は思う。

(8月17日の追記:先日公表されたMIAUのアンケート結果東京以外の内容を追加した。なお、このアンケートには、渡辺喜美氏らの新党「みんなの党」の柿沢候補(東京15区)が、児童ポルノの単純所持規制について推進よりの回答をしており、みんなの党もこの問題では全くアテにならないことを示している。)

(1)児童ポルノ規制問題において反対派・慎重派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○東京8区:
保坂展人候補<社民>(HPwiki):この問題について内心の自由や表現の自由まで踏み込み、最も問題点を良く理解し国会審議において明確に反対をして下さっている貴重な候補。比例東京ブロック名簿1位とされる予定のようであり、児童ポルノ問題等情報・表現規制問題に懸念を抱いている東京在住の方には、社民党への投票をお勧めしたいと思う。
沢田俊史候補<共産>(HP):MIAUのアンケートで児童ポルノ規制について慎重な立場を示している。
石原伸晃候補<自民>(HPwiki):要するに石原慎太郎都知事の長男。情報・表現規制問題においては陰は薄いが、自民党候補なので当然規制よりと考えた方が良い。根拠無くアダルトゲーム規制を強力に押し進めようとしている自民党女性局の提言を幹事長代理として受けている(自民党女性局のHP参照)。(MIAUのアンケートに対しても、「冤罪等には十二分に配慮しつつ、児童ポルノの蔓延を一日も速く抑止すべきと考えます」と答えて単純所持規制に関する選択を回避しており、規制よりと考えられてしかるべき回答をしている。)

○埼玉5区:
枝野幸男候補<民主>(HPwiki):民主党案にも問題はあるものと思うが、所持規制における情報と有体物の特性の違いをきちんと理解し、自民党案の主観的要件のみによる情報の単純所持規制による冤罪発生の危険性を国会審議において的確に指摘した貴重な候補。
牧原秀樹候補<自民>(HPwiki):根拠無くアダルトゲーム規制を強力に押し進めようとしている自民党女性局の役員。児童ポルノ法改正案の国会審議では、自民党規制派の茶番劇要員として葉梨元議員の話にならない説明に対してオウム返しに分かったと繰り返す。また、ネット規制を求める請願を紹介している。

○福島5区:
吉田泉候補<民主>(HPwiki):国会審議において、日本を児童ポルノ大国と決めつける米シーファー大使の発言を批判し、それが根拠の無いものであることを明らかにした。
坂本剛二候補<自民>(HPwiki):情報・表現規制問題における陰は薄いが、自民党候補なので当然規制よりと考えた方が良いだろう。

 保坂展人氏を筆頭に、枝野幸男氏、吉田泉氏の3名は、今回の選挙で最も受かってもらいたい候補である。

(2)児童ポルノ規制問題において推進派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○岐阜1区:

鈴木正典候補<共産>(HP):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、野田聖子氏より危険ということはあり得ないだろう。
柴橋正直候補<民主>(HP):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、野田聖子氏より危険ということはあり得ないだろう。
野田聖子候補<自民>(HPwiki):根拠無く表現・情報弾圧を叫ぶ日本ユニセフともつながりが強く、単純所持規制に加え創作物規制まで児童ポルノ規制を押し進めようとしている自民党の危険な規制派議員の代表格の1人。なお、ただのマッチポンプだが、自民党の山谷えり子女性局長から、科学技術担当相として、有害サイトや性暴力ゲームの規制強化を求める要望書も受けている(日刊スポーツの記事参照)。

○奈良2区:
西ふみ子候補<共産>(HP):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、高市早苗氏より危険ということはあり得ないだろう。
滝実候補<民主>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、高市早苗氏より危険ということはあり得ないだろう。また、児童ポルノ規制慎重派として知られる中村哲治参議院議員の支援を受けている。
高市早苗候補<自民>(HPwiki):自民党内の青少年特別問題委員長として、青少年ネット規制法の導入を強力に推進した中心人物。自民党の「児童ポルノ禁止法見直しに関する小委員会」の事務局長でもあった。

○茨城3区:
小泉俊明候補<民主>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、葉梨康弘氏より危険ということはあり得ないだろう。
葉梨康弘候補<自民>(HPwiki):児童ポルノ規制法改正案の国会審議において、表現弾圧・焚書を明言、ロリコンを思想犯罪として国民の表現・内心・思想の自由を蹂躙すると宣言し、最も危険な違憲発言を繰り返していた危険人物。

○福岡6区:
古賀一成候補<民主>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明。
鳩山邦夫候補<自民>(HPwiki):国会審議において、総務大臣として、児童ポルノについて「断固として単純所持を禁止するべき」であり、「表現の自由で守られる法益と児童ポルノによって失われる人権というものとの比較をすれば、それは表現の自由という部分が大幅に削られて構わない」と発言。

○東京6区:
佐藤直樹候補<共産> (HP):MIAUのアンケートで児童ポルノ規制について慎重な姿勢を示している。
小宮山洋子候補<民主>(HPwiki):国会審議において、民主党案を離れて与党案の単純所持規制を支持すると、自身が規制派であることを暴露し、妥協発言を繰り返した民主党内の危険人物。(当然ながら、MIAUのアンケートでも単純所持規制を推進するべきと答えている。)
越智隆雄候補<自民>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明。

 野田聖子氏を筆頭に、高市早苗氏、葉梨康弘氏、鳩山邦夫氏、小宮山洋子氏の5名は、今回の選挙で最も落ちてもらいたい候補である。また、もし出馬していれば、その選挙区は問答無用で大注目区となったことだろうが、自民党の規制派の大ボスの1人森山眞弓氏が引退となりそうなのは非常に良いニュースである。 

 また、以下は、各種の請願・アンケートから作った候補リストである。

(3)他児童ポルノ規制に対して慎重な検討を求める請願を紹介した元議員候補
○大阪10区・辻元清美候補<社民>(HPwiki

(4)他児童ポルノ規制強化を求める請願を紹介した元議員候補
○秋田3区・御法川信英候補<自民>(HPwiki
○神奈川18区・山際大志郎候補<自民>(HPwiki
○東京19区・松本洋平候補<自民>(HPwiki
○福井1区・稲田朋美候補<自民>(HPwiki
○愛知7区・鈴木淳司候補<自民>(HPwiki
○滋賀2区・藤井勇治候補<自民>(HPwiki
○滋賀3区・宇野治候補<自民>(HPwiki
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>(HPwiki

(5)他MIAUのアンケート(東京以外)で児童ポルノ規制問題において慎重な姿勢を示した候補
○東京1区:
・冨田なおき候補
<共産>(HP
・海江田万里候補<民主>(HPwiki
○東京2区・中島つかね候補<共産>(HP
○東京3区・沢田英次候補<共産>
○東京4区:
・渋谷要候補
<共産>(HP
・宇佐美登候補<無所属>(HPwiki
○東京5区・宮本栄候補<共産>(HP
○東京7区・太田のりおき候補<共産>(HP
○東京8区・沢田俊史候補<共産>(HP
○東京9区:
・岸良信候補
<共産>(HP
・木内孝胤候補<民主>(HPwiki
○東京10区・山本としえ候補<共産>
○東京11区・とくとめ道信候補<共産>(HP
○東京12区:
・池内さおり候補
<共産>(HP
・小田々豊候補<無所属>(HP
○東京13区・渡辺修次候補<共産>
○東京14区・伊藤文雄候補<共産>(HP
○東京15区:
・吉田としお候補
<共産>
・東祥三候補<民主>(HPwiki
○東京16区・かわい恭一候補<共産>
○東京17区・新井杉生候補<共産>(HP
○東京18区・小泉たみじ候補<共産>(HP
○東京19区・清水あきお候補<共産>
○東京20区・池田真理子候補<共産>(HP
○東京21区・星あつまろ候補<共産>(HP
○東京22区・吉岡正史候補<共産>
○東京23区
・古橋良恭候補
<共産>
・くしぶち万里候補<民主>(HP
○東京24区・長谷川あきら候補<共産>(HP
○東京25区・鈴木おさむ候補<共産>(HP

○比例東京ブロック・池田一慶
<社民>(HP
○比例東京ブロック・笠井亮<共産>(HPwiki
○比例東京ブロック・谷川智行<共産>(HP

○宮城4区・かとう幹夫候補<共産>
○新潟1区:
・武田勝利候補
<共産>(HP
・西村智奈美候補<民主>(HPwiki
○新潟3区:
・黒岩宇洋候補
<民主>(HPwiki
・稲葉大和<自民>HPwiki
○埼玉15区・村主明子候補<共産>(HP
○神奈川3区・古谷靖彦候補<共産>(HP
○神奈川7区・鈴木馨祐候補<自民>(HPwiki
○神奈川13区・近藤知明候補<共産>
○愛知1区:
木村恵美候補<共産>
しのだ陽介候補<自民>(HPwiki
○大阪7区:
駒井正男候補<共産>(HP
藤村修候補<民主>(HPwiki
○滋賀3区・木村真佐美候補<共産>
○高知1区:
春名直章候補<共産>(HP
田村久美子候補<民主>(HP
○高知2区:
・山中正博候補
<共産>(HP
・楠本清世候補<民主>(HP
○高知3区・村上信夫候補<共産>(HP

(6)他MIAUのアンケートで児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○東京2区・深谷隆司候補<自民>(HPwiki
○東京7区・松本文明候補
<自民>(HPwiki
○東京11区:
有田芳生候補<新党日本>(HPwiki
下村博文候補<自民>(HPwiki
○東京15区・柿沢未途候補<みんなの党>(HP
○東京16区・初鹿明博候補<民主>(HP
○東京17区・早川久美子候補<民主>(HP
○東京21区・長島昭久候補<民主>(HPwiki
○東京24区・阿久津幸彦候補<民主>(HPwiki
○東京25区:
・井上信治候補
<自民>(HPwiki
・まさご太郎候補<国民新>(HP

○比例東京ブロック・清水清一朗候補<自民>(HPwiki

○宮城4区・石山けいき候補<民主>(HP
○山形2区
・近藤洋介候補
<民主>(HPwiki
・鈴木啓功候補<自民>(HP
○新潟1区・吉田六左エ門候補<自民>(HPwiki
○埼玉15区・高山さとし候補<民主>(HPwiki
○神奈川7区・首藤信彦候補<民主>(HPwiki
○大阪7区・渡嘉敷奈緒美候補<自民>(HPwiki

(7)他名も無き市民の会のアンケートで、児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○埼玉4区・神風英男候補<民主>(HPwiki
○東京18区・土屋正忠候補<自民>(HPwiki
○東京21区・長島昭久候補<民主>(HPwiki
○東京24区・萩生田光一候補<自民>(HPwiki

(8)他ゲーム・ネット・表現規制を求める請願を紹介した元議員候補
○北海道10区・飯島夕雁候補<自民>(HPwiki
○栃木1区・船田元候補<自民>(HPwiki
○栃木2区・西川公也候補<自民>(HPwiki
○千葉7区・内山晃候補<民主>(HPwiki
○神奈川4区・林潤候補<自民>(HPwiki
○東京10区・小池百合子候補<自民>(HPwiki
○富山1区・村井宗明候補<民主>(HPwiki
○三重3区・平田耕一候補<自民>(HPwiki
○京都6区・井澤京子候補<自民>(HP
○京都3区・泉健太候補<民主>(HPwiki
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>(HPwiki
○奈良3区・奥野信亮候補<自民>(HPwiki
○奈良4区・田野瀬良太郎候補<自民>(HPwiki
○岡山3区・平沼赳夫候補<無所属>(HPwiki
○岡山5区・加藤勝信候補<自民>(HPwiki
○沖縄1区・下地幹郎候補<国民新>(HPwiki
○沖縄2区・安次富修候補<自民>(HPwiki

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2009年8月 5日 (水)

第187回:主要政党のマニフェスト案比較(知財・情報政策関連)

 主要政党のマニフェスト案(公示日以降に配られるものが正式版らしいので、案としているが、どうせ大した変更はされないだろう)がほぼ出そろった(自民党(pdf)政策BANK(pdf))、民主党(pdf)政策集INDEX(pdf))、社民党共産党(pdf)公明党(pdf)国民新党(pdf)新党日本(pdf)改革クラブ(pdf)要約版(pdf))。

 どの政党も、思いつきのように具体的な実現可能性の良く分からない項目を並べてマニフェストの体裁を整えているだけであり、自民党と民主党という2大政党が、お互い自分のバラマキは良いバラマキ、相手のバラマキは悪いバラマキと自分のことを棚に上げて、足下の定まらない中で意味の無い財源批判をし合っている時点で、さらに、今までの日本の政策決定の迷走を考えても、マニフェストの底が知れるというものだが、それでも多少の参考にはなるだろうと思うので、ここで、主に知財・情報政策という観点から、各政党のマニフェスト案の比較をしておきたいと思う。

 (なお、一緒に取り上げているが、民主党の政策集INDEXは、党の政策だが政権公約ではないという位置づけになっているようである。)

(1)知財
<自民党>

独自のコンテンツや伝統文化を盛り上げ、世界へ。
同時に、観光でも魅力ある「ジャパン」を目指します。

ゲームやアニメ、キャラクターなど、日本が強みを持つコンテンツ。
お家芸とも言えるこの分野の人材育成、製作者の待遇改善を行い、世界に誇る作品が生み出される環境を作ります。
デジタルアーカイブ化を通じて日本文化を国内外へ発信。地域の文化・芸術・音楽活動の振興・継承に努めます。
「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を進め、2020年までに観光で訪れる外国人2000万人を目指します。

<公明党>
経済基盤強化へ、中小企業の知財活性化策
●研究力・開発力・信用力の向上など中小企業の経営基盤の強化に資する知的財産の活用を促進するため、法整備や税制措置など戦略的なインフラ整備を行い、創造・活用・保護など知的財産活用促進のための総合的支援を強化します。
●経営基盤の弱い事業者による知的財産の創造のため総合的な支援策を講じるとともに、技術およびビジネスモデル等における知的財産権の獲得と確保に向けた軽減措置に取り組みます。
●知的財産権の発掘・強化・拡大に向けた産学連携モデル事業の推進を図るとともに、共同研究の成果を迅速に事業化に結びつける仕組みを整備します。

全国で新たな事業活動を促進
●マンガ、ゲーム、アニメ、映画、デザイン・ファッションなど、価値を生産するコンテンツ(クリエイティプ)産業を日本経済の一翼を担う産業として位置付け抜本的な支援強化に取り組みます。
著作権取引支援システム構築支援
プロデュース人材の育成や事業化支援
コンテンツ技術開発の促進
ファイナンスや販路開拓等海外展開支援
国際共同製作案件への支援
コンテンツ取引市場作り支援
人材流出防止や海賊版防止
●ゲーム・ソフトウエアなどさまざまな知的資産によって、国外への情報発信を応援します。

ICT産業の成長促進
●放送コンテンツなどわが国が強みとするコンテンツの流通促進により、わが国コンテンツ市場を約5兆円拡大させます。

<民主党>
(政策集INDEXより)インターネットを用いたコンテンツの2次利用促進
 過去に放送されたテレビ番組(コンテンツ)をインターネットで2次利用する場合には、すべての権利者から許諾を得なければならず、2次利用はなかなか進んでいません。インターネット上でのコンテンツの活用を図るため、著作権の保護に配慮しつつ、著作権処理の円滑化に向けて抜本的な検討を進めます。
 特に、権利処理が困難な過去のコンテンツの再利用を円滑化するための措置を早急に検討します。

 知財に関しては、どの政党も全く意味のあることを書いていない。自民党・公明党はマンガ、ゲーム、アニメなどの振興に触れているが、ここ数年の与党が強力に推進して来たのは文化・コンテンツ弾圧政策に他ならないのであり、この連中が文化・コンテンツ産業振興に言及すること自体噴飯ものである。

(2)情報通信
<自民党>

(政策BANKより)地上デジタル放送の推進・情報通信網の整備による地域間格差の解消
全国どこでも医療や教育などのサービスを受けることができるネットワーク基盤を整備するため、2010年度末までにブロードバンド・ゼロ地域の解消を実現するとともに、携帯電話不感エリアの解消のため、特に条件的に厳しい地域の整備を行う。さらに、テレビ放送について、過疎地域・山間部の整備や年の難視聴対策、経済的弱者への支援策を強化し、2011年にデジタルへの完全移行を実現する。それにより余裕が生まれる電波を、防災や交通安全対策や新規事業など、生活に密着した分野へ活用し、情報通信技術の恩恵が実感できる豊かな生活を実現する。

(政策BANKより)IT利活用社会の実現
世界トップのブロードバンド環境とIT技術のフル活用、国民視点にたった電子政府(e-Gov)の推進により、行政・医療・産業・福祉・教育・司法・交通・テレワーク等、生活に密着した分野を情報通信ネットワークで接続し、2015年までに国民生活の利便性向上、行政事務の簡素効率化・標準化・見える化を実現する。また、デジタル技術の活用による新規性・先進性の高い事業の創出、雇用確保、生産性の工場により、経済を活性化させる。

<公明党>
ICT産業のグローバル化の推進
●ワイヤレス、デジタル放送、次世代IPネットワークなど、わが国が強みを発揮しうるICT産業分野について、特にアジア地域に重点をおいたグローバル展開を積極的に推進します。
●日本ASEAN(アセアン)経済連携協定後の中長期的なアセアンとの協力として、アジア地域での「グリーンICT」の推進・企業情報セキュリティの確保・電子商取引の環境整備・ICT人材育成など、ICTを活用したより高度な知識経済圏の構築に向けた協力プロジェクトを推進します。

ICT産業の成長促進
●2010年代に成長が期待される新たな電波利用システムやサービスの実現、わが国が強みを持つ分野について研究開発の加速化などにより、現在約100兆円のICT産業の市場規模を、2015〜20年に倍増させます。

国民電子私書箱構想の推進
●2015年までに、国民が自らの年金記録などの情報を入手・管理することができ、また、幅広い分野で24時間簡単にワンストップの行政サービスを利用することができる「国民電子私書箱」構想を実現します。

地上デジタル放送への円滑な完全移行の実現
●2011年7月の地上デジタル放送への円滑な完全移行に向けて、デジタル受信機やチューナーの国民への一層の普及促進を図ります。また、地形や建造物等によるデジタル難視聴対策を推進します。さらに、適正な廃棄・リサイクルの一層の推進など、環境に配慮した取り組みを行います。

デジタルディバイドの早期解消
●市町村が実施するブロードバンド整備に対して支援を行い、「ブロードバンド・ゼロ地域」の解消を早期に実現します。また、ブロードバンドと防災・医療等の公共的アプリケーションとの一体的整備を推進します。さらに、市町村が実施する鉄塔整備に対して支援を行
い、携帯電話がつながらない地域を解消します。

携帯電話のさらなる利便性の向上と料金引き下げ
●携帯電話のSIMロック解除や、携帯メールアドレスの持ち運び等により、さらなる利便性の向上を図るとともに、携帯電話料金の引き下げを行います。

ICTによる安心・安全な地域社会の実現
●ICT関連技術を活用して、遠隔医療、児童・高齢者見守り、防災情報提供などの取り組みを推進し、地域住民が安心・安全を実感できる環境をつくります。

テレワークの推進
●子育て中の女性、障がい者等の就業機会の拡大、ワーク・ライフ・バランスの実現等の観点からテレワーク(ICTを活用した場所と時間に制約されない柔軟な働き方)の普及拡大を推進します。

電子行政クラウドの推進による行政の効率化
●クラウドコンピューティング技術などの最新の技術を活用し、中央省庁の保有する情報システムのハードウエアの統合化・集約化などを図る「霞が関クラウド」の実現により、中央省庁の情報システム経費を削減します。また、地方公共団体の保有する情報システムについても、可能なものから統合・集約などを図る「自治体クラウド」の構築を推進します。

医療分野におけるICT利活用による医療の質と安全性の向上
●地域の医師不足などの問題に対応するとともに、全国で質の高い安全な医療を受けることを可能とするため、ICTを利用した遠隔医療を推進します。

高度ICT人材の育成
●ICTに関する技術や利活用方法を理解し、高い付加価値を創造できる高度ICT人材について、産学官連携によりその育成拠点の形成を図ります。

情報バリアフリーの推進
●高齢者・障がい者が使いやすい情報通信機器・技術の開発およびサービスの提供の促進等により、ユニバーサルデザインの普及促進を実施するとともに、字幕放送・解説放送等を普及・促進します。

<民主党>
(政策集INDEXより)NHKの改革
 NHK職員によるインサイダー取引など、NHKの信頼を揺るがす不祥事が続出していることにかんがみ、経営改革と体質改善を推進し、NHKが法令順守を徹底するように厳しく監視します。
 受信料不払者の存在から来る不公平感の解消と未だ収入に対して比率の高い受信料徴収コストの削減のため、受信料のあり方や、受信料の徴収方法について検討します。
 NHKの業務範囲が国民に理解されるものとなるよう、とかく不透明性が問題となる子会社について設置基準を見直して整理を進めるとともに、NHK本体と子会社の契約のあり方についても見直します。また、NHKの各チャンネルの位置づけを再度明確にした上でBS放送波の削減を検討します。

(政策集INDEXより)通信・放送委員会(日本版FCC)の設置
 通信・放送行政を総務省から切り離し、独立性の高い独立行政委員会として通信・放送委員会(日本版FCC)を設置し、通信・放送行政を移します。これにより、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介入を排除します。
 また、技術の進展を阻害しないよう通信・放送分野の規制部門を同じ独立行政委員会に移し、事前規制から事後規制への転換を図ります。
 さらに、通信・放送の融合や連携サービスの発展による国民の利益の向上、そしてわが国の情報通信技術(ICT)産業の国際展開を図るため、現行の情報通信にかかる法体系や規制のあり方などを抜本的に見直していきます。

(政策集INDEXより)通信・放送行政の改革
 近年の技術革新により通信と放送の融合が進展しており、既存の通信・放送に関する法体系の総合的な見直しが課題となっています。現代の通信・放送の融合時代に対応した法制のあり方を検討します。
 同時に、多様なメディアが存在する現状にかんがみ、表現の多様性を確保するために、クロスメディア所有(同一の者が新聞・テレビ・ラジオなど複数のメディアを所有すること)の是非も含めたマスメディア集中排除原則のあり方を検討します。

(政策集INDEXより)電波の有効利用
 産業活性化や新たな技術開発、国民の利便性向上につなげるため、有限な資源である電波(周波数)の有効利用に取り組みます。
既存利用者の効率利用と新規需要への迅速な再配分を図るため、①電波利用料に電波の経済的価値を反映させることによる電波の効率利用促進②適当と認められる範囲内でオークション制度を導入することも含めた周波数割当制度の抜本的見直し――などを行います。

(政策集INDEXより)情報格差の解消
 インターネットや携帯電話は、災害対策をはじめ、遠隔医療を可能にする、子どもの安全を守るなど、日常生活でも、また企業の活動でも重要になっています。しかし、地域によってはインターネットに接続できる環境の整備が遅れているところがあり、情報格差の拡大が懸念されています。情報ネットワークの構築が遅れている地域に情報格差が生じないよう、条件不利地域等に対する整備支援策等を通して、必要な環境整備・支援を行います。

(政策集INDEXより)地上デジタル放送への円滑な移行
 2011年7月24日に地上アナログテレビ放送は終了し、地上デジタルテレビ放送のみになります。しかし、地上デジタル放送に対応できるテレビやチューナーを持っている世帯はまだ半数ほどです。また、山間部や離島など、地上デジタル放送が見られない地域も残っています。
 地上デジタル放送への円滑な移行のため、①自治体との連携などによるデジタル放送受信に関する相談体制の強化②安価なチューナーの開発促進および経済的弱者に対するチューナーの購入支援③電波が届かない過疎、離島地域などでの中継局設置に対する支援④都市部などで高層ビル等が障害になり電波が届かない場合の共同アンテナ等の設置に対する支援⑤環境に配慮した地上デジタル放送対応機器への買替え促進策導入――など必要な環境整備・支援を行います。

<改革クラブ>
 IT分野では特に、放送と通信の融合施策を進めるとともに、成長が見込まれるアニメ、漫画、デザイン、ファッション等の分野とも連携させ、経済の活力を維持・強化します。これは同時に日本の庶民文化(ポップカルチャー)を世界に広める文化的効果も発揮します。
 通信や放送の監督のための中立性を確保することはもちろん、電波の割り当てにオークション制度を導入すると、サービス提供が高くつくため適当ではないと考えます。また私たちの主張により地上デジタル化は一歩前進しましたがさらに万全を尽くします。

 情報通信政策についても、あまり大したことは書かれていない。次の政権与党には、地デジ移行の問題が重くのしかかるのではないかと思うが、この点について今の与野党ともに本気で何かしらの対策を考えている様子は見られない。特に、自民党・公明党の政策は、ほとんど総務省の政策をそのまま書いているだけであり、公明党のマニフェスト内で「ICT」という語が連発されていることから考えても、自民党・公明党の情報通信関連項目は実質的に総務省が書いているのではないかと思われる。

 民主党の政策で見るべきものは、日本版FCCの設置と電波オークションの実施だが、これもどこまでどのように行うということが良く分からず、何とも言いようが無い。今の総務省の放送通信行政部門がそっくりそのまま別の役所になり、同じことが繰り返されるようなら何の意味も無い。無意味な規制強化に流れないように相互監視・牽制が行われるようにきちんと権限の分離を行わなければならないのだが、民主党にそこまで考えている様子が無いようなのは残念であり、情報通信政策に関しても、まだまだ混乱が続くだろう。

(3)児童ポルノ規制
<公明党>

児童ポルノの所持等の禁止
●子どもの福祉の観点から、児童ポルノ禁止法を改正し、児童ポルノの所持等を禁止するとともに、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等を処罰する罰則を新設します。

<民主党>
(政策集INDEXより)性的虐待・性的搾取から子どもを守る
 子どもたちを性的虐待や性的搾取から守るため、児童買春・児童ポルノ処罰法を改正します。
 児童ポルノの定義の明確化、児童ポルノ取得罪の新設、罰則の全般的引き上げと対象範囲の拡大、被害にあった子どもたちに対する保護規定の見直しやフォローアップ体制確立などを図り、実効性ある内容に充実させることを検討します。

<新党日本>
法制度改革
「児童ポルノ法案」に反対

 今回の選挙も残念ながら著作権選挙にはなりそうも無いので、児童ポルノ規制問題は、個人的には今回の選挙における最大の争点である。

 この問題について、公明党は、そのマニフェスト中で明確に児童ポルノの単純所持罪を創設すると明言している。表現・情報規制問題に関する限り、創価学会を支持母体とする宗教政党の公明党には絶対投票してはならない。表現・情報規制強化に懸念を抱いているようであれば、選挙に行き、公明党以外の政党に投票することは第1条件となる。政権与党として、一緒になって児童ポルノの単純所持規制を強力に推進した自民党も基本的には同断である。

 民主党も、自民党・公明党よりはマシだが、やはり危険な児童ポルノ取得罪の創設を政策集INDEXにあげており、この問題に関しては、今後も危険な状態が続くことが予想される。

 具体的にどのような点に反対しているのかは不明だが、児童ポルノ法案に反対と明確に書いている新党日本のマニフェストは高く評価しておきたい。新党日本も選挙区によっては選択肢の1つとなるだろう。

 なお、マニフェスト案には書いていないが、社民党は、保坂展人氏を筆頭に、ほぼ党として明確に児童ポルノの単純所持規制等に反対しているので、この問題に関しては第1に推す党である。

(4)ネット規制
<公明党>

治安の回復を実現
●刑法犯の認知件数を減らし国民生活の安全安心を確保するため、警察官の増員や質の向上などにより、ひったくりなどの街頭犯罪や振り込め詐欺などの防止、取り締まりを強化します。また、DNA型鑑定の一層の活用や、110番通報に対してより迅速に対応するため、携帯電話の発信地を通知する機能の導入を進めます。さらに、パソコンやインターネットなどを悪用したサイバー犯罪への取り締まりを強化し、犯罪仲間を募ったり、犯罪を助長したりするような「闇サイト」を法的に規制する方法を検討するとともに、情報モラル教育や啓発活動を推進します。

違法・有害情報対策の推進
●青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするため、全国で青少年のリテラシー(情報の理解力・発信力)を向上させる活動やインターネットが青少年に与える影響の調査を踏まえた的確な対策、違法・有害情報の検出等に資する技術開発への積極的な支援を行います。

 「闇サイト」とは何を差すのかいまだに良く分からない言葉の1つだが、ネット規制についても、公明党は、さらなる規制強化をねらっているとマニフェストで露骨に表明している。公明党の危険性はいくら強調してもし過ぎでは無い。

(5)規制緩和一般
<自民党>

(政策BANKより)規制改革
消費者行政とのバランスをとりつつ、各種規制のあり方を見直し、発展的経済活動を側面支援する。また、新たな立法時における規制の新設についても、国民の安全安心を確保するとともに、自由で活力ある経済活動を阻害しないようにする観点から、引き続き十分な事前審査を行う。

<民主党>
(政策集INDEXより)事業規制の原則撤廃と次世代競争力の確保
 現行の事業規制はすべてゼロベースで見直し、民間事業活動に関する規制を改革します。他方、公正競争の環境整備を推進します。すべての官業を納税者・生活者の視点で徹底して見直し、効率化と質の向上を図ります。
 IT、バイオ、ナノテク、環境、エネルギーなどの先端技術分野における研究者・技術者の質的・量的不足の解消に向けて、集中的に施策を展開し、民間経済の成長・拡大を支えます。

 規制緩和の検討に関しては、あまり民主党もアテにならないのだが、公明党と組んで、自由で活力ある経済活動を阻害する規制強化を全力で押し進めてきた自民党が、いまさら規制緩和によって経済活動を側面支援するとは片腹痛いとしか言いようが無い。

(6)共謀罪
<民主党>

(政策集INDEX 2009より)共謀罪を導入することなく国連組織犯罪防止条約の批准手続きを進めます。
 政府は、国連組織犯罪防止条約を批准するための国内法整備として、共謀罪を新設する法案を繰り返し国会に提出してきましたが、民主党は、共謀罪に反対する国民の広範な世論と連携して法案の成立を阻んできました。共謀罪は、団体の活動として犯罪の遂行を共謀した者を処罰するものですが、犯罪の実行の着手、準備行為がなくても相談をしただけで犯罪となること、およそ国際性とは無縁な犯罪や重大犯罪とまではいえないようなものを含め619もの犯罪が対象となることなど、わが国の刑法体系を根底から覆しかねないものです。条約は「自国の国内法の基本原則に従って必要な措置をとる」ことを求めているにすぎず、また、条約が定める重大犯罪のほとんど
について、わが国では現行法ですでに予備罪、準備罪、幇助犯、共謀共同正犯などの形で共謀を犯罪とする措置がとられています。したがって、共謀罪を導入しなくても国連組織犯罪防止条約を批准することは可能です。

 共謀罪も長いこと議論されている話だが、共謀罪の導入をしないということを、民主党の政策として明確にしていることは高く評価しておきたい。

(7)人権侵害救済法
<公明党>
人権擁護へ、「人権侵害救済法」(仮称)を制定
●人権侵害による被害を適正かつ迅速に救済するとともにその実効的な予防を図るため、新たな人権救済制度の創設などを含む「人権侵害救済法」を制定し、人権擁護施策を総合的に推進することにより人権尊重社会の実現を目指します。

<民主党>
人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する
【具体策】
○内閣府の外局として人権侵害救済機関を創設する。
○個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書を批准する。

<社民党>
政府から独立した人権救済機関を設ける人権侵害救済法を制定します。

 人権擁護法案絡みの話も長いが、これも残念ながら与野党ともにあまり変わらず、どこをどう転んでも、選挙後も危険な状態が続くだろう。

(8)天下り
<自民党>

官僚の特権は認めない。行政と公務員のムダを徹底的になくします。
「天下り」や「渡り」は全面的に禁止。

信賞必罰の徹底など、評価制度を一新。国家公務員は、2015年までに8万人(2005年比)以上削減。
施策の重複をチェックする「政策の棚卸し」や、公益法人・独立行政法人の徹底したスリム化を進めます。
ムダ撲滅は終わりなき課題。今年度は一般会計で5500億円、特別会計で3300億円の予算見直しを実現しましたが、今後も税金のムダ遣いを徹底的に追求します。

<公明党>
“天下り”の根絶
●各省による再就職あっせんを禁止し退職管理を「官民人材交流センター」に一元化する改革を早期に実施し、“わたり”あっせんの年内廃止を実現します。
●退職公務員の独立行政法人、公益法人等役職員の給与・退職金を大幅に引き下げます。
●早期勧奨退職慣行の廃止、定年の延長、再就職あっせんの全面廃止等を実現し、3年で天下りの根絶を目指します。

<民主党>
特別会計、独立行政法人、 公益法人をゼロベースで見直す
【具体策】
○実質的に霞が関の天下り団体となっている公益法人は原則として廃止する。公益法人との契約関係を全面的に見直す。

公務員制度の抜本改革の実施
【具体策】
○定年まで働ける環境をつくり、国家公務員の天下りのあっせんは全面的に禁止する。

<社民党>
官僚の天下りや「わたり」を禁止します。キャリア制度を廃止します。公務員に労働基本権を付与します。審議会や公的法人の役員人事の公募を進めます。

<共産党>
天下り禁止・企業献金禁止など、政官財のゆ着を断ち切る法的措置を講じます……中央省庁の高級官僚が、政治家、財界とゆ着して、相互に特権的な利益を享受しあう関係になっています。この「政官財」ゆ着は、財界・業界が、一部の特権官僚に“特別席”“指定席”を保障する(天下り)、その見返りに官僚が財界・業界の利益につながる政策をたてる、それを自民党などの政治家が国会で成立させ、その見返りとして財界・業界が多額の政治献金をするという、いわゆる「トライアングル」と呼ばれる根深い構造に支えられています。一昨年明るみにでた、国が発注元になったダム工事をめぐる「官製談合」問題は、事業それ自体が巨大な税金の無駄遣いであったうえに、国土交通省が音頭を取って談合を組織して巨大ゼネコンに受注させ、それらのゼネコンが高級官僚には「天下り先」を、政治家には企業献金を提供するという「構造的」なものでした。
この「政官財」のゆ着を断ち切り、行政を、憲法が明記する通り主権者国民全体に奉仕するものに改革するために、企業・団体献金を即時・無条件に禁止するとともに、高級官僚の営利企業・業界団体、政府関係法人への天下りを禁止する法律を制定します。

<国民新党>
●一部高級官僚の天下りや渡りは早急に止め、これを可能とする定年制の導入等、職場環境を整備し、三権の一角である行政の権威を確立します。

<新党日本>
行政改革
●退職金目当ての公務員(国・地方)の天下り(=「渡り」)の禁止。「調整額」「退職手当債」の即時全廃

<改革クラブ>
健全な財政と信頼される行政を確立します。
 現下の厳しい経済状況にあっては景気対策が最優先ですが、同時に新たな経済成長戦略のもと自然増収による財政健全化に向けた道筋を示すことが重要です。
 行政への信頼を取り戻すため、天下りや渡りを規制します。そしてすべての行政の情報公開を行い、国民によく見えるようにすることをお約束します。これにより国民に納得を得る政治、行政を実現します。

 天下りを容認する政党は無く、天下りに関しては全政党が一致して禁止である。本当に重要なことは、具体的に今後の公務員制度の設計をどうするのかということなのだが、この具体的な制度設計については、どの政党もあまり明確でない。

 なお、日本新党が地方公務員の天下り禁止にも触れていることは注目に値する。地方でも天下りは存在しており、やはり同じような問題を抱えているのである。

(9)選挙制度
<自民党>
国会議員の数がまだ多い。国のスリム化は、まず国会のスリム化から。
日本より人口の多いアメリカでも、上院議員の定数は100人、下院議員は435人。
議員数を含め、正しい国会のあり方が求められるいま、
次の第46回負う選挙から衆議院議員定数を1割以上削減、10年後には衆参議員定数の3割以上を削減します。
また、企業献金の脱法行為を防ぐ対策なども1年以内に結論を出します。引退する議員の配偶者と3等親内の親族が
同じ選挙区で立候補する場合は、次回の総選挙から公認または推薦をせず、「世襲候補」を制限します。
一方で、官邸機能の強化は不可欠。早急に総理を補佐する国家戦略スタッフ等を発足させます。

<公明党>
定数削減
●衆議院の選挙制度については、新しい中選挙区制を導入し、定数を大幅削減します。参議院の選挙制度については、大選挙区制を導入し、定数を大幅削減します。

国民主役の公選法へ
●国民主役の公職選挙法への改革を目指し、政策について十分な対話を行うことができる選挙運動を実現します(戸別訪問の解禁)。

永住外国人の地方選挙権
●永住外国人への地方選挙権の付与を実現します。

世襲制限
●国会議員の配偶者および三親等以内の親族が同一選挙区から立候補することを党として禁止します。

<民主党>
企業団体献金・世襲を禁止する
【具体策】
○現職の国会議員の配偶者及び三親等以内の親族が、同一選挙区から連続して立候補することは、民主党のルールとして認めない。
○政治資金を取り扱う団体を親族に引き継ぐことは、法律で禁止する。
○誹謗中傷の抑制策、「なりすまし」への罰則などを講じつつ、インターネット選挙活動を解禁する。

国会議員の定数を削減する
【具体策】
○衆議院の比例定数を80削減する。参議院については選挙制度の抜本的改革の中で、衆議院に準じて削減する。

(政策集INDEXより)永住外国人の地方選挙権
民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げており、この方針は今後とも引き続き維持していきます。

<社民党>
同一選挙区からの世襲立候補や政治団体の相続をただちに制限します。
多様な民意を反映する比例代表中心の選挙制度への改革をめざします。

<共産党>
民意を切り捨てる比例代表定数削減に反対し、選挙制度の民主的改革をおこないます
 自民・民主両党が、「国会議員定数削減」を競い合っています。民主党は「衆議院の比例定数を80削減する」、自民党は「少なくとも1割、50人以上削減」という具合です。
 比例代表制は、各党の得票率に応じて議席数を配分することで、有権者の選択を議席に正確に反映する仕組みです。比例代表制の定数削減の最大の狙いは、少数政党を国会と国政の舞台から締め出すこと、これらの政党が代表している国民の声を国会と国政の場から切り捨てることです。
 日本共産党は比例定数削減に強く反対し、衆議院選挙制度を全国11ブロックの比例代表制に改革します。高すぎる供託金制度の抜本的見直しをはかります。憲法がうたう「国権の最高機関」「国民の代表機関」にふさわしい国会を実現するために全力をあげます。

<新党日本>
国会改革・地方分権
●国会議員の世襲禁止(同一選挙区からの立候補禁止)、ならびに親族(三親等)の公設秘書登用の禁止
●選挙制度の改革により、衆議院、参議院の役割を明確化。
 衆議院議員は選挙区から選出、参議院は都道府県知事と全国比例区選出議員で構成する
●議員定年制の導入
 議員定年制を導入し、公示日の立候補者の年齢上限を70歳とする

<改革クラブ>
○ 衆参の選挙制度を見直します。
1) 衆議院選挙制度は死票の少ない複数当選者がある選挙区制。
2) 衆参の議員定数削減。

 国会議員定数削減の話1つとっても、比例を削減したい大政党と、小選挙区を削減したい他の小政党との間で、国民そっちのけで単なる政争が行われているだけというのが現実であり、選挙制度改革絡みの話も今のところほとんど何も評価できない。マニフェストも含めて、政党レベルでの政策論争が極めて貧弱なレベルにとどまっているという今の状況で、比例の比率を上げることはかえって日本にとって危険なものとなるだろう。主要政党のほぼ全て(上では引用しなかったが、共産党もマニフェスト世襲禁止に言及している)があげている世襲制限も、やりたければやれば良いと思うが、本当の問題は政策決定・政治における規制の多さ・参入障壁の高さにあるので、それを下げる努力がなされてしかるべきところ、出てくる主な案が世襲制限と規制を増やすことしか政治屋の頭にないのでは日本の未来は本当に暗い。単なる政治屋同士の派閥抗争に国民を巻き込まないで欲しいものである。

 ただし、選挙制度改革について、民主党がマニフェストでインターネット選挙の解禁に触れていることだけは高く評価しておきたいと思う。(なお、公明党が、ネット選挙では無く、戸別訪問の解禁を求めている点など非常に露骨である。)

 どの政党のマニフェスト案も政策論としてはお粗末極まるものであり、アテにならないのは見えているのだが、それでも、今の与党である自民党・公明党のマニフェストは群を抜いてお粗末であり、全くお話にならない。マニフェストを見ただけでも、表現・情報規制問題における、創価学会を支持母体とするカルト政党、公明党の危険性は明らかであり、表現・情報規制強化に懸念を抱いているようであれば、選挙に行き、公明党以外の政党・議員に投票することは第1条件となる。

 比較の問題に過ぎず、今後も危険な状態が続くとは思うが、表現・情報規制問題に関する限り、今の与党より、民主党などの野党の方がかなりマシである。保坂展人氏を擁する社民は引き続き推したいと思うが、児童ポルノ法案に反対とマニフェスト案に明記している新党日本もポイントが高い。

 戦略は細部に宿るという言葉の意味をカケラも理解しておらず、政策とは何かということを全く理解していない時点で、どの政党が政権を取ろうと、選挙後も待っているのは、政策迷走の地獄に他ならないが、それでも、少しでもマシな政党・人間を今度の選挙で選ぶことは極めて重要であり、なるべく多くの人に選挙に行ってもらいたいものと私は思う。

 個人的には、今回の選挙は児童ポルノ規制法選挙と思って投票するつもりだが、特に、このような情報・表現規制問題に関しては、公明党を除き、政党レベルでどうこうというより、規制官庁あるいは少数の規制派議員が暴走するのが常であり、次の選挙で、ピンポイントに規制派議員がどれくらい落ちるか、慎重派・反対派議員がどれくらい通るかで、今後の動向が大きく左右される。そのため、情報・表現規制問題に関しては、注目選挙区がいくつかはっきり存在しているので、次回はその紹介をしたいと思っている。

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2009年8月 1日 (土)

番外その19:最近2年間の情報規制関連の主な動き

 それ以前も兆候はあったが、この2年の情報規制関連の動きは異常という他なかった。今回は、今後の参考に、番外として、特に出会い系サイト規制法、青少年ネット規制法、ダウンロード違法化、児童ポルノ規制法に関する主な動きを個人的にまとめておきたいと思う。全て書いて行くと分かりにくくなるので、以下では国会における動きのみを書いて行くが、内閣提出法案の場合、その前に各官庁が自前の審議会で法改正に関する報告書を一方的に作った上で、パブコメも無視し、国会における法案審議を出来レースで済ますことが常態化しているし、議員提出法案の場合でも、与野党協議という名の密室談合によって法案をまとめ、実質的な国会審議を省略することが普通にまかり通っているというのが日本の今の政策決定における悲惨な現状である。(以下、赤字で強調したのは、衆議院で危険な情報・表現規制派として知られている衆議院議員であり、青字で強調したのは情報・表現規制慎重派・反対派として知られている衆議院議員である。なお、公明党は、表現・情報規制問題において、1人1人がどうこうということは無く、党全体として極めて危険である。)

2007年11月28日 衆議院・内閣委員会で、高市早苗議員<自民・奈良2区>が、青少年ネット規制法を与党内で検討していることを披露(議事録。高市早苗議員は、自民党内の青少年特別問題委員長として、青少年ネット規制法の導入を強力に推進した中心人物である。)

2008年 2月 4日 参議院・予算委員会で、有村治子議員<自民・比例19年>が、米シーファー大使の読売への寄稿文を取り上げ、単純所持規制の必要性を訴える。(議事録

      2月29日 出会い系サイト規制法(正式名称は、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」)改正案衆議院提出(内閣(警察庁)提出。問題点については第50回前回のパブコメ参照)

      4月2日・14日 「子供が使用する携帯電話への法規制に関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:井澤京子議員<自民党・比例近畿ブロック>、泉健太議員<民主党・京都3区>)

      4月10日 衆議院・青少年問題に関する特別委員会で、吉田泉議員<民主・東北ブロック>が、日本を児童ポルノ大国と決めつける米シーファー大使の発言を批判(議事録

      4月18日 出会い系サイト規制法改正案衆議院・青少年問題に関する特別委員会出来レース審議・可決議事録

      4月22日 出会い系サイト規制法改正案衆議院・本会議可決(実質審議無し)

      5月21日〜6月10日 「インターネットの有害情報から、子供を守るための法規制の早期実現に関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員高市早苗議員<自民・奈良2区>、やまぎわ大志郎議員<自民・神奈川18区>、安次富修議員<自民・比例九州ブロック>、中森ふくよ議員<自民・比例北関東ブロック>、平沼赳夫議員<自民・岡山3区>、内山晃議員<民主・比例南関東ブロック>、牧原秀樹議員<自民党・埼玉5区>)

      5月21日〜10日 「青少年健全育成のための有害図書類・有害情報規制に関する法整備を求めることに関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:大前繁雄議員<自民党・兵庫7区>、下地幹郎議員<国民新・沖縄1区>、奥野信亮議員<自民・奈良3区>、高市早苗議員<自民・奈良2区>、鍵田忠兵衛議員<自民・比例近畿ブロック>、小池百合子議員<自民・東京10区>、西川公也議員<自民党・北関東ブロック>、森山眞弓議員<自民・栃木2区>、萩生田光一議員<自民・東京24区>、田野瀬良太郎議員<自民・奈良4区>、平田耕一議員<自民・比例東海ブロック>、平沼赳夫議員<自民・岡山3区>、高鳥修一議員<自民・比例北陸信越ブロック>、藤井勇治議員<自民・比例近畿ブロック>、船田元議員<自民・栃木1区>、加藤勝信議員<自民・比例中国ブロック>)

      5月23日 「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:円より子<民主党・比例16年>、下田敦子<民主党・比例16年>)

      5月27日 出会い系サイト規制法改正案参議院・内閣委員会出来レース審議・可決議事録

      5月28日 出会い系サイト規制法改正案参議院・本会議可決・成立(実質審議無し)

      6月 6日 青少年ネット規制法(正式名称は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」)衆議院提出・可決(与野党の密室政策談合により、合意案を青少年問題に関する特別委員長・玄葉光一郎<民主・福島3区>から提出し、実質審議を省略して可決。青少年問題に関する特別委員会議事録。なお、民主党で青少年ネット規制法案の対案をまとめたプロジェクトチームの座長は松本剛明<民主・近畿ブロック>、事務局長は高井美穂議員<民主・四国ブロック>(民主党のリリース参照)。自民党では、高市早苗<自民・奈良2区>が法案推進の中心人物だが、2008年10月6日の衆議院・予算委員会で自ら述べているように、葉梨康弘議員<自民・茨城3区>も青少年の違法・有害情報対策委員会の主査として関わっている。)

         同日 「青少年健全育成のための有害情報規制に関する法整備を求めることに関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:林潤議員<自民・神奈川4区>)

         同日・10日 「青少年健全育成のための有害図書類・有害情報に関する法整備を求めることに関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:島尻安伊子<自民・沖縄>、有村治子<自民・比例19年>、亀井郁夫<国民新・広島>)

      6月10日 青少年ネット規制法参議院・内閣委員会出来レース審議・可決議事録

         同日 与党(自民・公明)による単純所持規制を含む児童ポルノ規制法(正式名称は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律」)改正案衆議院提出(提出者:森山眞弓議員<自民・栃木2区>葉梨康弘議員<自民・茨城3区>富田茂之議員<公明・南関東ブロック>。単純所持・与党案の問題については、第70回番外その14前回のパブコメ参照)

         同日 「インターネット上の青少年有害情報規制に関する法整備を求めることに関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:飯島夕雁議員<自民・比例北海道ブロック>)

         同日 「児童買春、児童ポルノ禁止法改悪反対に関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>

         同日 「子供ポルノ問題に関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:自見庄三郎<国民新・比例19年>)

         同日 「児童買春、児童ポルノ禁止法改悪反対に関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:松浦大悟<民主・秋田>)

      6月11日 青少年ネット規制法参議院・本会議可決・成立(実質審議無し)

     10月15日 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求めることに関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>

         同日 「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員:村井宗明議員<民主・北陸信越ブロック>)

     11月 7日・14日・20日 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たって、拙速を避け、極めて慎重な取扱いを求めることに関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:中村哲治<民主・奈良>、松浦大悟<民主・秋田>、鈴木寛<民主・東京>)

     12月 1日 改正出会い系サイト規制法施行

     12月15日 参議院・決算委員会で、松あきら議員<公明・神奈川>が、単純所持規制を含む与党の児童ポルノ規制法改正案の早期成立を訴える。(議事録

     12月17日 「子どもの保護に名を借りた創作物の規制、捜査機関による濫用の危険性が高い児童ポルノの単純所持規制反対に関する請願」衆議院・法務委員会(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>

2009年 2月18日 衆議院・予算委員会で、鳩山邦夫総務大臣<自民・福岡6区>が、児童ポルノについて「断固として単純所持を禁止するべき」であり、「表現の自由で守られる法益と児童ポルノによって失われる人権というものとの比較をすれば、それは表現の自由という部分が大幅に削られて構わない」と発言(議事録

      3月10日
 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案国会提出(内閣(文化庁)提出。問題点については第160回前々回のパブコメ参照)

      3月19日 民主党による反復取得規制を含む児童ポルノ規制法改正案衆議院提出(提出者:細川律夫議員<民主・北関東ブロック>、吉田泉議員<民主・東北ブロック>枝野幸男議員<民主・埼玉5区>小宮山洋子議員<民主・東京ブロック>、西村智奈美議員<民主・新潟1区>。民主党案の問題点については、第162回参照)

      4月 1日 青少年ネット規制法施行

      4月10日・5月1日・7月3日 「子供の保護に名を借りた創作物の規制、捜査機関による濫用の危険性が高い児童ポルノの単純所持規制反対に関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:川田龍平議員<無所属・東京>、松浦大悟議員<民主・秋田>、中村哲治議員<民主・奈良>、福島みずほ議員<社民・比例16年>)

      4月15日 「子どもの保護に名を借りた創作物の規制、捜査機関による濫用の危険性が高い児童ポルノの単純所持規制反対に関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員吉田泉議員<民主・東北ブロック>保坂展人議員<社民・東京ブロック>枝野幸男議員<民主・埼玉5区>辻元清美議員<社民・近畿ブロック>

      4月28日 参議院・消費者問題に関する特別委員会で、野田聖子消費者行政担当大臣<自民・岐阜1区>が「児童ポルノの法律の改正というのを随分ユニセフ辺りから言われている」と発言(議事録

      5月 8日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案衆議院・文部科学委員会出来レース審議・可決第171回参照)

      5月12日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案衆議院可決(実質審議無し)

      5月20日 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求めることに関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>枝野幸男議員<民主・埼玉5区>吉田泉議員<民主・東北ブロック>

      6月11日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案参議院・文教科学委員会出来レース審議・可決第177回参照)

      6月12日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案参議院可決・成立(実質審議無し)

      6月19日 「子供ポルノ問題に関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:自見庄三郎議員<国民新・比例19年>)

 

        同日 「子供ポルノ問題のための、児童買春・児童ポルノ等禁止法の改正、厳格な適用等に関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:自見庄三郎議員<国民新・比例19年>)

      6月26日 児童ポルノ規制法改正案衆議院・法務委員会審議葉梨康弘議員<自民・茨城3区>は焚書・表現弾圧を明言して違憲発言を繰り返す。富田茂之議員<公明・南関東ブロック>丸谷佳織議員<公明・北海道ブロック>も危険極まりない宗教政党・公明党の構成員として、根拠無く単純所持規制が必要と違憲発言を繰り返す。小宮山洋子議員<民主・東京ブロック>は、民主党案を離れ、単純所持規制を支持していることを暴露。民主党案にも問題はあるものと思うが、枝野幸男議員<民主・埼玉県>は、所持規制における情報と有体物の特性の違いをきちんと理解し、自民党案の主観的要件のみによる情報の単純所持規制による冤罪発生の危険性を的確に指摘。保坂展人議員<社民・東京ブロック>は、この問題におけるほぼ唯一の良心として、必要な規制はきちんとやるべきだが、それによって表現の自由や内心の自由が萎縮するようなことはあってはならないという立場を明確に表明。(会議録目次6参照)

      6月    「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の改正を求めることに関する請願」衆議院受理(紹介議員:宇野治議員<自民・近畿ブロック>、稲田朋美議員<自民・福井1区>、大前繁雄議員<自民・兵庫7区>、やまぎわ大志郎議員<自民・神奈川18区>、藤井勇治議員<自民・近畿ブロック>、松本洋平議員<自民・東京19区>、鈴木淳司議員<自民・愛知7区>、御法川信英議員<自民・秋田3区>)

2010年 1月 1日 ダウンロード違法化施行予定

 前々回前回のパブコメにも書いた通り、これらの法改正による歪みは既に出始めている。出会い系サイト規制法とダウンロード違法化はそれぞれ警察庁と文化庁の暴走によるものであるが、これらの規制官庁の暴走を止めなかったことも含めて今の自公政権の罪は極めて重い。この2年間の役所と国会の審議のレベルは全体的にあまりにも低く、残念ながら選挙後も危険な状態が続くとは思うが、表現・情報規制問題において今度の選挙は非常に重要である。

 各政党のマニフェストは政策としては見る限りロクな項目が無いのだが、次回は、情報・知財政策という観点から、各政党のマニフェストの比較をやっておきたいと思っている。

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