第159回:著作権法改正法案全文の転載
前々回の追記で、ダウンロード違法化を含む著作権法改正法案が閣議決定されたというニュースを紹介したが、その法案が文科省のHP(概要(pdf)、要綱(pdf)、法律案(pdf)、理由(pdf)、新旧対照条文(pdf)、参照条文(pdf))に掲載された。リンク先を見てもらえば良い話ではあるのだが、ここにも、その全文を転載しておく。
他の点も含めていろいろ言いたいことはあるのだが、特に、ダウンロード違法化については、この法改正案は、第30条第1項第3号の追加によって、情を知ってネットから私的録音録画する行為を、私的複製の範囲から単純に外すという、初期から文化庁が考えていた形になっており、文化庁がユーザー保護策を最後まで法律的にも取ろうとしなかったことが伺い知れる。
次回も、この法改正案の内容について書きたいと思っているところである。
(1)理由
著作物等の公正な利用を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため、障害者の用に供するために必要な方式による複製、美術の著作物等の譲渡の申出のための複製、送信可能化された情報の検索のための複製、電子計算機による著作物等の利用、著作権者等と連絡することができない場合の著作物等の利用等をより円滑に行えるようにするための措置を講ずるとともに、著作権等を侵害する自動公衆送信をその事実を知りながら受信して行う私的使用を目的とする録音又は録画について著作権者等の許諾を要することとし、あわせて著作権等を侵害する行為により作成された物の頒布の申出を情を知って行う行為を著作権等の侵害行為とみなすこととする等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
(2)要綱
第一 権利制限規定の改正
一 私的使用の目的で行う複製のうち、著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行うものは、複製権が及ぶこととすること。(第三十条第一項関係)
二 国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによる滅失、損傷又は汚損を避けるため、原本に代えて公衆の利用に供するための電磁的記録を、必要と認められる限度において作成することができることとすること。(第三十一条第二項関係)
三 障害者のための著作物利用の円滑化(第三十七条第三項及び第三十七条の二関係)
1 視覚障害者等(視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者をいう。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、視覚によりその表現が認識される方式により公衆への提供等がされている著作物について、専ら視覚障害者等の用に供するために必要と認められる限度において、文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信することができることとすること。
2 聴覚障害者等(聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者をいう。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、聴覚によりその表現が認識される方式により公衆への提供等がされている著作物について、専ら聴覚障害者等の用に供するために必要と認められる限度において、音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、当該著作物の音声の複製若しくは自動公衆送信をし、又は専ら聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するために、その音声の複製と併せて複製することができることとすること。
3 著作権者又はその許諾を受けた者等により、著作物について、障害者が利用するために必要な方式による公衆への提供等がされている場合は、これらの規定を適用しないこと。
四 美術の著作物又は写真の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡等の権原を有する者は、著作権者の譲渡権又は貸与権を害することなくその原作品又は複製物を譲渡しようとするときは、譲渡等の申出の用に供するため、これらの著作物の複製又は公衆送信を行うことができることとすること。(第四十七条の二関係)
五 インターネットに関する著作物利用及び電子計算機を用いた著作物利用の円滑化
1 自動公衆送信装置を他人の送信の用に供することを業として行う者は、自動公衆送信装置の故障等による送信の障害を防止すること若しくはその記録媒体に記録された複製物が滅失若しくは毀損をした場合の復旧の用に供すること又は自動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うこと等の目的上必要と認められる限度において、送信可能化等がされる著作物を記録媒体に記録することができることとすること。(第四十七条の五関係)
2 送信可能化された情報に係る送信元識別符号を公衆からの求めに応じて検索し、及びその結果を提供することを業として行う者は、必要と認められる限度において、送信可能化された著作物を記録媒体に記録し、及びその記録を用いて、送信元識別符号と併せて自動公衆送信することができることとすること。(第四十七条の六関係)
3 著作物は、電子計算機による情報解析を行うために、必要と認められる限度において、記録媒体に記録することができることとすること。(第四十七条の七関係)
4 著作物は、電子計算機において著作物を利用する場合には、電子計算機による情報処理の過程において、その情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、電子計算機の記録媒体に記録することができることとすること。(第四十七条の八関係)
六 三から五までの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物をこれらの規定の目的以外の目的で利用した場合の取扱いその他所要の規定の整備を行うこと。(第四十九条等関係)
第二 著作権者等不明の場合における著作物等の利用の円滑化
一 第六十七条の裁定制度(著作権者不明その他の理由により、相当な努力を払っても著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合に、文化庁長官の裁定を受けて著作物を利用することができる制度をいう。)の申請をした者は、文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間、裁定の申請に係る利用方法により、著作物を利用することができることとすること。(第六十七条の二第一項関係)
二 一により著作物を利用した者が裁定又は裁定をしない処分を受けたときにおいて著作権者が担保金から弁済を受けるべき補償金等に関し、額の決定、手続等の規定を設けること。(第六十七条の二、第七十条、第七十一条等関係)
三 著作隣接権(実演、レコード、放送又は有線放送の利用に関する権利をいう。)についても、第六十七条の裁定制度及び一・二に掲げる制度の対象とすること。(第百三条関係)
第三 権利侵害品等の頒布の申出行為についての規制(第百十三条及び第百二十一条の二関係)
著作権等を侵害する行為によって作成された物等について、情を知って、頒布する旨の申出をする行為を著作権等を侵害する行為とみなす等の措置を講ずること。
第四 その他
一 著作権登録原簿、出版権登録原簿及び著作隣接権登録原簿について、その全部又は一部を磁気ディスクで調製できることとすること。(第七十八条等関係)
二 その他関係規定について所要の整備を行うこと。
第五 附則関係
一 この法律は、平成二十二年一月一日から施行すること。ただし、第四の一については公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
二 所要の経過措置について規定すること。
(3)改正法案(赤字強調が追加部分である)
(目次)
第二章 著作者の権利
第九節 補償金等(第七十一条—第七十四条)
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
九の五 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
(譲渡権)
第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
二 第六十七条第一項若しくは第六十九条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和三十一年法律第八十六号)第五条第一項の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
三 第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
四三 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
五四 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物
(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
(図書館等における複製)
第三十一条 国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この条において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
一 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々個個の著作物にあつては、その全部)の複製物を一人につき一部提供する場合
二 図書館資料の保存のため必要がある場合
三 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料の複製物を提供する場合
2 前項各号に掲げる場合のほか、国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷又は汚損を避けるため、当該原本に代えて公衆の利用に供するための電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十三条の二第四項において同じ。)を作成する場合には、必要と認められる限度において、当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる。
(教科用図書等への掲載)
第三十三条 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又は生徒用の図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するものをいう。以下次条において同じ。)に掲載することができる。
4 前三項の規定は、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書及び第一項の教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。
(教科用拡大図書等の作成のための複製等)
第三十三条の二
4 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(平成二十年法律第八十一号)第五条第一項又は第二項の規定により教科用図書に掲載された著作物に係る電磁的記録(同法第二条第五項に規定する電磁的記録をいう。)の提供を行う者は、その提供のために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
(視覚障害者等のための点字による複製等)
第三十七条
3 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、公表された著作物について、専ら視覚障害者向けの貸出しの用若しくは自動公衆送信(送信可能化を含む。以下この項において同じ。)の用に供するために録音し、又は専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行うことができる。
(聴覚障害者のための自動公衆送信)
第三十七条の二 聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
一 当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
二 専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。以下この条において同じ。)について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該放送され、又は有線放送される著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
(営利を目的としない上演等)
第三十八条
5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(同条第二号に係るものに限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第二十六条に規定する権利を有する者(第二十八条の規定により第二十六条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。
(翻訳、翻案等による利用)
第四十三条 次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該各号に掲げる方法により、当該著作物を当該各号に掲げる規定に従つて利用することができる。
一 第三十条第一項、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第一項又は第三十五条 翻訳、編曲、変形又は翻案
二 第三十一条第一項第一号第三十一条第一号、第三十二条、第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項第三十七条、第三十九条第一項、第四十条第二項、第四十一条又は第四十二条 翻訳
三 第三十三条の二第一項 変形又は翻案
四 第三十七条第三項 翻訳、変形又は翻案
五三 第三十七条の二 翻訳又は翻案翻案(要約に限る。)
(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等)
第四十七条の二 美術の著作物又は写真の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡又は貸与の権原を有する者が、第二十六条の二第一項又は第二十六条の三に規定する権利を害することなく、その原作品又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る。)を行うことができる。
(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
第四十七条の三第四十七条の二
(保守、修理等のための一時的複製)
第四十七条の四第四十七条の三
(送信の障害の防止等のための複製)
第四十七条の五 自動公衆送信装置等(自動公衆送信装置及び特定送信装置(電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち特定送信(自動公衆送信以外の無線通信又は有線電気通信の送信で政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)の用に供する部分(第一号において「特定送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に人力される情報の特定送信をする機能を有する装置をいう。)をいう。以下この条において同じ。)を他人の自動公衆送信等(自動公衆送信及び特定送信をいう。以下この条において同じ。)の用に供することを業として行う者は、次の各号に掲げる目的上必要と認められる限度において、当該自動公衆送信装置等により送信可能化等(送信可能化及び特定送信をし得るようにするための行為で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)がされた著作物を、当該各号に定める記録媒体に記録することができる。
一 自動公衆送信等の求めが当該自動公衆送信装置等に集中することによる送信の遅滞又は当該自動公衆送信装置等の故障による送信の障害を防止すること 当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等(公衆送信用記録媒体及び特定送信用記録媒体をいう。次号において同じ。)以外の記録媒体であつて、当該送信可能化等に係る自動公衆送信等の用に供するためのもの
二 当該送信可能化等に係る公衆送信用記録媒体等に記録された当該著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供すること 当該公衆送信用記録媒体等以外の記録媒体(公衆送信用記録媒体等であるものを除く。)
2 自動公衆送信装置等を他人の自動公衆送信等の用に供することを業として行う者は、送信可能化等がされた著作物(当該自動公衆送信装置等により送信可能化等がされたものを除く。)の自動公衆送信等を中継するための送信を行う場合には、当該送信後に行われる当該著作物の自動公衆送信等を中継するための送信を効率的に行うために必要と認められる限度において、当該著作物を当該自動公衆送信装置等の記録媒体のうち当該送信の用に供する部分に記録することができる。
3 次の各号に掲げる者は、当該各号に定めるときは、その後は、当該各号に規定する規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を保存してはならない。
一 第一項(第一号に係る部分に限る。)又は前項の規定により著作物を記録媒体に記録した者 これらの規定に定める目的のため当該複製物を保存する必要がなくなつたと認められるとき、又は当該著作物に係る送信可能化等が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化等にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたとき。
二 第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定により著作物を記録媒体に記録した者 同号に掲げる目的のため当該複製物を保存する必要がなくなつたと認められるとき。
(送信可能化された情報の送信元識別符号の検索等のための複製等)
第四十七条の六 公衆からの求めに応じ、送信可能化された情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。以下この条において同じ。)を検索し、及びその結果を提供することを業として行う者(当該事業の一部を行う者を含み、送信可能化された情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従つて行う者に限る。)は、当該検索及びその結果の提供を行うために必要と認められる限度において、送信可能化された著作物(当該著作物に係る自動公衆送信について受信者を識別するための情報の人力を求めることその他の受信を制限するための手段が講じられている場合にあつては、当該自動公衆送信の受信について当該手段を講じた者の承諾を得たものに限る。)について、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行い、及び公衆からの求めに応じ、当該求めに関する送信可能化された情報に係る送信元識別符号の提供と併せて、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物(当該著作物に係る当該二次的著作物の複製物を含む。以下この条において「検索結果提供用記録」という。)のうち当該送信元識別符号に係るものを用いて自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該検索結果提供用記録に係る著作物に係る送信可能化が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたときは、その後は、当該検索結果提供用記録を用いた自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つてはならない。
(情報解析のための複製等)
第四十七条の七 著作物は、電子計算機による情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の統計的な解析を行うことをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とする場合には、必要と認められる限度において、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行うことができる。ただし、情報解析を行う者の用に供するために作成されたデータベースの著作物については、この限りでない。
(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)
第四十七条の八 電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には、当該著作物は、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、当該電子計算機の記録媒体に記録することができる。
(複製権の制限により作成された複製物の譲渡)
第四十七条の九第四十七条の四 第三十一条第一項(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)、第三十二条第三十一条第一号、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項若しくは第四項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条、第三十七条の二(第二号を除く。以下この条において同じ。)第三十七条第一項若しくは第二項、第三十九条第一項、第四十条第一項若しくは第二項、第四十一条から第四十二条の二まで又は第四十六条から第四十七条の二まで第四十一条、第四十二条、第四十二条の二、第四十六条又は第四十七条の規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第三十一条第一項(第三十一条第一号、第三十五条第一項、第三十六条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第三十一条第一号、第三十三条の二第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第四十一条、第四十二条又は第四十二条の二の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第三十一条第一号、第三十五条第一項又は第四十二条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く。)を、第三十一条第一項第三十一条第一号、第三十三条の二第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第四十一条から第四十二条の二まで又は第四十七条の二第四十一条、第四十二条又は第四十二条の二に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。
(出所の明示)
第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
一 第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十七条第一項、第四十二条又は第四十七条の規定により著作物を複製する場合
二 第三十四条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二、第三十九条第一項、第四十条第一項若しくは第二項又は第四十七条の二又は第四十条第一項若しくは第二項の規定により著作物を利用する場合
三 第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第三十五条、第三十六条第一項、第三十八条第一項、第四十一条若しくは第四十六条の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。
(複製物の目的外使用等)
第四十九条 次に掲げる者は、第二十一条の複製を行つたものとみなす。
一 第三十条第一項、第三十一条第一項第一号第三十一条第一号、第三十三条の二第一項若しくは第四項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二本文(同条第二号に係る場合にあつては、同号。次項第一号において同じ。)、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十四条第一項若しくは第二項、第四十七条の二又は第四十七条の六又は第四十四条第一項若しくは第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第四号の複製物に該当するものを除く。)を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物を公衆に提示した者
二 第四十四条第三項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者又は有線放送事業者
三 第四十七条の三第一項第四十七条の二第一項の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第二号の複製物に該当するものを除く。)若しくは「第四十七条の四第一項第四十七条の三第一項若しくは第二項の規定の適用を受けて同条第一項若しくは第二項に規定する内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録された著作物の複製物を頒布し、又はこれらの複製物によつてこれらの著作物を公衆に提示した者
四 第四十七条の三第二項、第四十七条の四第三項又は第四十七条の五第三項第四十七条の二第二項又は第四十七条の三第三項の規定に違反してこれらの規定の複製物(次項第二号の複製物に該当するものを除く。)を保存した者
五 第四十七条の五第一項若しくは第二項又は第四十七条の七に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第六号の複製物に該当するものを除く。)を用いて当該著作物を利用した者
六 第四十七条の六ただし書の規定に違反して、同条本文の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第五号の複製物に該当するものを除く。)を用いて当該著作物の自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つた者
七 第四十七条の八の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を、当該著作物の同条に規定する複製物の使用に代えて使用し、又は当該著作物に係る同条に規定する送信の受信(当該送信が受信者からの求めに応じ自動的に行われるものである場合にあつては、当該送信の受信又はこれに準ずるものとして政令で定める行為)をしないで使用して、当該著作物を利用した者
2 次に掲げる者は、当該二次的著作物の原著作物につき第二十七条の翻訳、編曲、変形又は翻案を行つたものとみなす。
一 第三十一条第一項第一号、第三十三条の二第一項、第三十五条第一項第三十条第一項、第三十一条第一号、第三十五条、第三十七条第三項、第三十七条の二本文、第四十一条又は第四十二条に定める目的以外の目的のために、第四十三条の規定の適用を受けて同条各号同条第一号若しくは第二号に掲げるこれらの規定に従い作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者
二 第四十七条の三第一項第四十七条の二第一項の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者
三 第四十七条の三第二項第四十七条の二第二項の規定に違反して前号の複製物を保存した者
四 第四十七条の六に定める目的以外の目的のために、同条の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該二次的著作物を公衆に提示した者
五 第四十七条の六ただし書の規定に違反して、同条本文の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を用いて当該二次的著作物の自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つた者
六 第四十七条の七に定める目的以外の目的のために、同条の規定の適用を受けて作成された二次的著作物の複製物を用いて当該二次的著作物を利用した者
(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
第六十七条 公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合できないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。
2 前項の裁定を受けようとする者は、著作物の利用方法その他政令で定める事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料その他政令で定める資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
32 第一項前項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の裁定に係る複製物である旨及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。
(裁定申請中の著作物の利用)
第六十七条の二 前条第一項の裁定(以下この条において単に「裁定」という。)の申請をした者は、当該申請に係る著作物の利用方法を勘案して文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間(裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間)、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用することができる。ただし、当該著作物の著作者が当該著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるときは、この限りでない。
2 前項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の規定の適用を受けて作成された複製物である旨及び裁定の申請をした年月日を表示しなければならない。
3 第一項の規定により著作物を利用する者(以下「申請中利用者」という。)が裁定を受けたときは、前条第一項の規定にかかわらず、同項の補償金のうち第一項の規定により供託された担保金の額に相当する額(当該担保金の額が当該補償金の額を超えるときは、当該額)については、同条第一項の規定による供託を要しない。
4 申請中利用者は、裁定をしない処分を受けたとき(当該処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つた場合を除く。)は、当該処分を受けた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託しなければならない。この場合において、同項の規定により供託された担保金の額のうち当該補償金の額に相当する額(当該補償金の額が当該担保金の額を超えるときは、当該額)については、当該補償金を供託したものとみなす。
5 申請中利用者は、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、当該連絡をすることができるに至つた時までの間における第一項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
6 前三項の場合において、著作権者は、前条第一項又は前二項の補償金を受ける権利に関し、第一項の規定により供託された担保金から弁済を受けることができる。
7 第一項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が前項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなつたときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
(裁定に関する手続及び基準)
第七十条
2 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国又は独立行政法人のうち業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるもの(第七十八条第六項第七十八条第五項及び第百七条第二項において「国等」という。)であるときは、適用しない。
5 文化庁長官は、前項の裁定をしない処分をしようとするとき(第七項の規定により裁定をしない処分をする場合を除く。)は、あらかじめ申請者にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならないものとし、当該裁定をしない処分をしたときは、理由を付した書面をもつて申請者にその旨を通知しなければならない。
7 文化庁長官は、申請中利用者から第六十七条第一項の裁定の申請を取り下げる旨の申出があつたときは、当該裁定をしない処分をするものとする。
87 前各項に規定するもののほか、この節に定める裁定に関し必要な事項は、政令で定める。
第九節 補償金等
(文化審議会への諮問)
第七十一条 文化庁長官は、第三十三条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第二項、第六十七条第一項、第六十七条の二第四項、第六十八条第一項又は第六十九条の補償金の額を定める場合には、文化審議会に諮問しなければならない。
(補償金の額についての訴え)
第七十二条 第六十七条第一項、第六十七条の二第四項、第六十八条第一項又は第六十九条の規定に基づき定められた補償金の額について不服がある当事者は、これらの規定による裁定(第六十七条の二第四項に係る場合にあつては、第六十七条第一項の裁定をしない処分)があつたことを知つた日から六月以内に、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
2 前項の訴えにおいては、訴えを提起する者が著作物を利用する者であるときは著作権者を、著作権者であるときは著作物を利用する者を、それぞれ被告としなければならない。
(補償金の額についての異議申立ての制限)
第七十三条 第六十七条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条の裁定又は裁定をしない処分規定による裁定についての行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立てにおいては、その裁定又は裁定をしない処分に係る補償金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。ただし、第六十七条第一項の裁定又は裁定をしない処分を受けた者が著作権者の不明その他これに準ずる理由により前条第一項の訴えを提起することができない場合は、この限りでない。
(補償金等の供託)
第七十四条
3 第六十七条第一項、第六十七条の二第四項若しくは前二項又は前二項の規定による補償金等の供託又は同条第一項の規定による担保金の供託は、著作権者が国内に住所又は居所で知れているものを有する場合にあつては当該住所又は居所の最寄りもよりの供託所に、その他の場合にあつては供託をする者の住所又は居所のもよりの供託所に、それぞれするものとする。
4 前項の供託をした者は、すみやかにその旨を著作権者に通知しなければならない。ただし、著作権者の不明その他の理由により著作権者に通知することができない場合は、この限りでない。
(著作権の登録)
第七十七条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
一 著作権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。次号において同じ。)若しくは信託による変更又は処分の制限
二 著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
第七十八条 第七十五条第一項、第七十六条第一項、第七十六条の二第一項又は前条の登録は、文化庁長官が著作権登録原簿に記載し、又は記録して記載して行う。
2 著作権登録原簿は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。第四項において同じ。)をもつて調製することができる。
32 文化庁長官は、第七十五条第一項の登録を行なつたときは、その旨を官報で告示する。
43 何人も、文化庁長官に対し、著作権登録原簿の謄本若しくは抄本若しくはその附属書類の写しの交付、交付又は著作権登録原簿若しくはその附属書類の閲覧又は著作権登録原簿のうち磁気ディスクをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。
5〜10 4〜9
(出版権の制限)
第八十六条 第三十条第一項(第三号を除く。次項において同じ。)、第三十一条第一項第三十一条、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条第一項及び第三項、第三十七条の二、第三十九条第一項、第四十条第一項及び第二項、第四十一条から第四十二条の二まで並びに第四十六条から第四十七条の二まで、第四十六条並びに第四十七条の規定は、出版権の目的となつている著作物の複製について準用する。この場合において、第三十五条第一項、第四十二条第一項及び第四十七条の二及び第四十二条第一項中「著作権者」とあるのは、「出版権者」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する第三十条第一項、第三十一条第一項第一号第三十一条第一号、第三十三条の二第一項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二本文(同条第二号に係る場合にあつては、同号)、第四十一条から第四十二条の二まで又は第四十七条の二第四十一条、第四十二条又は第四十二条の二に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該著作物を公衆に提示した者は、第八十条第一項の複製を行つたものとみなす。
(出版権の登録)
第八十八条
2 第七十八条(第三項第二項を除く。)の規定は、前項の登録について準用する。この場合において、同条第二項、第四項、第八項及び第九項第一項、第三項、第七項及び第八項中「著作権登録原簿」とあるのは、「出版権登録原簿」と読み替えるものとする。
(商業用レコードの二次使用)
第九十五条
12 第七十条第三項、第六項及び第八項第七項並びに第七十一条から第七十四条までの規定は、前項の裁定及び二次使用料について準用する。この場合において、第七十条第三項中「著作権者」とあるのは「当事者」と、第七十二条第二項中「著作物を利用する者」とあるのは「第九十五条第一項の放送事業者等」と、「著作権者」とあるのは「同条第五項の団体」と、第七十四条中「著作権者」とあるのは「第九十五条第五項の団体」と読み替えるものとする。
(譲渡権)
第九十五条の二
3 第一項の規定は、実演(前項各号に掲げるものを除く。以下この条において同じ。)の録音物又は録画物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 第一項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
二 第百三条において準用する第六十七条第一項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
三 第百三条において準用する第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
四二 第一項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された実演の録音物又は録画物
五三 国外において、第一項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された実演の録音物又は録画物
(譲渡権)
第九十七条の二
2 前項の規定は、レコードの複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
一 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡されたレコードの複製物
二 第百三条において準用する第六十七条第一項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物
三 第百三条において準用する第六十七条の二第一項の規定の適用を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物
四二 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡されたレコードの複製物
五三 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡されたレコードの複製物
(著作隣接権の制限)
第百二条 第三十条第一項、第三十一条、第三十二条、第三十五条、第三十六条、第三十七条第三項、第三十七条の二(第一号を除く。次項において同じ。)、第三十八条第二項及び第四項、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十四条(第二項を除く。)並びに第四十七条の四から第四十七条の八まで第四十七条の三の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード、放送又は有線放送の利用について準用し、第三十条第二項及び第四十七条の九第四十七条の四の規定は、著作隣接権の目的となつている実演又はレコードの利用について準用し、第四十四条第二項の規定は、著作隣接権の目的となつている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する。この場合において、同条第一項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項、第九十九条第一項又は第百条の三」と、同条第二項中第四十四条第二項中「第二十三条第一項」とあるのは「第九十二条第一項又は第百条の三」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する第三十二条、第三十七条第三項、第三十七条の二若しくは第三十七条第三項又は第四十二条の規定又は次項若しくは第四項の規定により実演若しくはレコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(以下「実演等」と総称する。)を複製する場合において、その出所を明示する慣行があるときは、これらの複製の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、その出所を明示しなければならない。
3 第三十三条の二第一項の規定により教科用図書に掲載された著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードを複製し、又は同項に定める目的のためにその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
4 視覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で第三十七条第三項の政令で定めるものは、同項の規定により視覚著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードについて、複製し、又は同項に定める目的のために、送信可能化を行い、若しくはその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
5〜8 3〜6
97 次に掲げる者は、第九十一条第一項、第九十六条、第九十八条又は第百条の二の録音、録画又は複製を行つたものとみなす。
一 第一項において準用する第三十条第一項、第三十一条第一項第一号第三十一条第一号、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二第二号、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十四条第一項若しくは第二項又は第四十七条の六又は第四十四条第一項若しくは第二項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演、当該レコードに係る音若しくは当該放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を公衆に提示した者
二 第一項において準用する第四十四条第三項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者又は有線放送事業者
三 第一項において準用する第四十七条の四第一項第四十七条の三第一項若しくは第二項の規定の適用を受けて同条第一項若しくは第二項に規定する内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録された実演等の複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演、当該レコードに係る音若しくは当該放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を公衆に提示した者
四 第一項において準用する第四十七条の四第三項又は第四十七条の五第三項第四十七条の三第三項の規定に違反してこれらの規定同項の複製物を保存した者
五 第一項において準用する第四十七条の五第一項若しくは第二項又は第四十七条の七に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて当該実演等を利用した者
六 第一項において準用する第四十七条の六ただし書の規定に違反して、同条本文の規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて当該実演等の送信可能化を行つた者
七 第一項において準用する第四十七条の八の規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を、当該実演等の同条に規定する複製物の使用に代えて使用し、又は当該実演等に係る同条に規定する送信の受信(当該送信が受信者からの求めに応じ自動的に行われるものである場合にあつては、当該送信の受信又はこれに準ずるものとして政令で定める行為)をしないで使用して、当該実演等を利用した者
八 第三十三条の二第一項又は第三十七条第三項に定める目的以外の目的のために、第三項若しくは第四項の規定の適用を受けて作成された実演若しくはレコードの複製物を頒布し、又は当該複製物によつて当該実演若しくは当該レコードに係る音を公衆に提示した者
(実演家人格権との関係)
第百二条の二 前条の著作隣接権の制限に関する規定(同条第七項及び第八項同条第五項及び第六項の規定を除く。)は、実演家人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。
(著作隣接権の譲渡、行使等)
第百三条 第六十一条第一項の規定は著作隣接権の譲渡について、第六十二条第一項の規定は著作隣接権の消滅について、第六十三条の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の許諾について、第六十五条の規定は著作隣接権が共有に係る場合について、第六十七条、第六十七条の二(第一項ただし書を除く。)、第七十条(第三項及び第四項を除く。)、第七十一条から第七十三条まで並びに第七十四条第三項及び第四項の規定は著作隣接権者と連絡することができない場合における実演、レコード、放送又は有線放送の利用について、第六十六条の規定は著作隣接権を目的として質権が設定されている場合について、それぞれ準用する。この場合において、第六十三条第五項中「第二十三条第一項」とあるのはあるのは、「第九十二条の二第一項、第九十六条の二、第九十九条の二又は、第七十条第五項中「前項」とあるのは「第百三条において準用する第六十七条第一項」と第百条の四」と読み替えるものとする。
(著作隣接権の登録)
第百四条 第七十七条及び第七十八条(第三項第二項を除く。)の規定は、著作隣接権に関する登録について準用する。この場合において、同条第一項、第二項、第四項、第八項及び第九項第三項、第七項及び第八項中「著作権登録原簿」とあるのは、「著作隣接権登録原簿」と読み替えるものとする。
(侵害とみなす行為)
第百十三条 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
二 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布若しくは頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
2 プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によつて作成された複製物(当該複製物の所有者によつて第四十七条の三第一項第四十七条の二第一項の規定により作成された複製物並びに前項第一号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物及び当該複製物の所有者によつて同条第一項の規定により作成された複製物を含む。)を業務上電子計算機において使用する行為は、これらの複製物を使用する権原を取得した時に情を知つていた場合に限り、当該著作権を侵害する行為とみなす。
第百二十一条の二 次の各号に掲げる商業用レコード(当該商業用レコードの複製物(二以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、その又はその複製物を頒布の目的をもつて所持し、又はその複製物を頒布する旨の申出をした所持した者(当該各号の原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した後において当該複製、頒布、所持又は申出又は所持を行つた者を除く。)は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 国内において商業用レコードの製作を業とする者が、レコード製作者からそのレコード(第八条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
二 国外において商業用レコードの製作を業とする者が、実演家等保護条約の締約国の国民、世界貿易機関の加盟国の国民又はレコード保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)であるレコード製作者からそのレコード(第八条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
(4)附則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十二年一月一日から施行する。ただし、第七十条第二項、第七十八条、第八十八条第二項及び第百四条の改正規定並びに附則第六条の規定は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(視覚障害者のための録音物の使用についての経過措置)
第二条 この法律の施行前にこの法律による改正前の著作権法(以下「旧法」という。)第三十七条第三項(旧法第百二条第一項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けて作成された録音物(この法律による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第三十七条第三項(新法第百二条第一項において準用する場合を含む。)の規定により複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる著作物、実演、レコード、放送又は有線放送に係るものを除く。)の使用については、新法第三十七条第三項及び第四十七条の九(これらの規定を新法第百二条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(裁定による著作物の利用等についての経過措置)
第三条 新法第六十七条及び第六十七条の二(これらの規定を新法第百三条において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の日以後に新法第六十七条第一項(新法第百三条において準用する場合を含む。)の裁定の申請をした者について適用し、この法律の施行の日前に旧法第六十七条第一項の裁定の申請をした者については、なお従前の例による。
(商業用レコードの複製物の頒布の申出についての経過措置)
第四条 新法第百二十一条の二の規定は、著作権法の一部を改正する法律(平成三年法律第六十三号)附則第五項又は著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律(平成六年法律第百十二号)附則第六項の規定によりその頒布又は頒布の目的をもってする所持について同条の規定を適用しないこととされる商業用レコードを頒布する旨の申出をする行為であって、この法律の施行後に行われるものについては、適用しない。
(罰則についての経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部改正)
第六条 プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律(昭和六十一年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。
第二条を次のように改める。
第二条 削除
第三条中「プログラム登録の」を「プログラムの著作物に係る著作権法第七十五条第一項、第七十六条第一項、第七十六条の二第一項又は第七十七条の登録(以下「プログラム登録」という。)の」に改める。
第五条第一項中「第二条第二項又は」を削り、「第七十八条第三項」を「第七十八条第四項」に改め、同条第四項中「第二条第二項、」を削り、「第七十八条第一項から第三項まで」を「第七十八条第一項、第三項及び第四項」に、「同法第七十八条第二項」を「同条第三項」に、「行なつた」を「行つた」に改める。
第九条中「第七十八条第二項」を「第七十八条第三項」に改める。
第二十六条及び第二十七条中「第二条第三項若しくは」を削り、「第七十八条第四項」を「第七十八条第五項」に改める。
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投稿: 官報 | 2009年3月18日 (水) 18時36分