2013年7月22日 (月)

第294回:フランスにおける3ストライク法のネット切断の罰の廃止他

 選挙の結果、参院でも自公が過半数を占め、ねじれが解消された。日本の政策動向もどうにも予断を許さない状況が続くとは思うが、今回からしばらく、なかなかきちんとまとめて書く暇がなかった各国の著作権政策動向について紹介して行きたいと思う。

(1)大臣令による3ストライク法のネット切断の罰の廃止
 まずはフランスについて、去年の選挙でサルコジ氏が敗れ、社会党のオランド氏が大統領になってから、その見直しは必至と見られていた訳だが、lefigaro.frの記事1(フランス語)zdnet.frの記事(フランス語)generation-nt.comの記事1(フランス語)、フランス文化通信省のリリース1(フランス語)などに書かれている通り、この7月10日にまず大臣令によって3ストライク法のネット切断の罰が廃止された。

 この大臣令はこの5月13日にフィリペッティ仏文化大臣へ提出されたレスキュール氏の検討委員会報告書(フランス文化通信省のリリース2(フランス語)参照)を受けてのものである。この報告書(第1分冊(pdf)第2分冊(pdf))は、フランスでの政権交代の後、政府から託されたデジタル時代の文化政策の検討の結果を報告したものであり、対象は3ストライク法に限らず、かなり盛りだくさんの内容となっている。到底全部は紹介し切れないが、その提言から3ストライク関係の部分だけ抜き出すと、

55. Clarifier l'articulation entre reponse graduee et contrefacon: demander aux Parquets de n'engager des poursuites pour contrefacon que lorsqu'il existe des indices d'enrichissement personnel ou collectif ; engager, sous l'egide du CSPLA, une reflexion sur la redefinition de la contrefacon afin de prendre en compte le prejudice cause aux titulaires de droits et la finalite lucrative ou non de l'acte incrimine.

56. Alleger le dispositif de reponse graduee : renforcer la phase pedagogique, supprimer la sanction de suspension de l'acces Internet, depenaliser la sanction et en reduire le montant, et faire de l'obligation de securisation une obligation de moyens.

57. Confier au CSA la mise en oeuvre de la reponse graduee ainsi allegee, afin d'inscrire la protection du droit d'auteur dans une politique globale de regulation de l'offre culturelle numerique.

58. Inscrire la sensibilisation au droit d'auteur et aux pratiques culturelles en ligne dans l'education artistique et culturelle et dans l'education aux medias.

55.ストライクポリシーと著作権侵害の間の連関を明らかにすること:個人的あるいは集合的利益の獲得を示す証拠がない限り検察に著作権侵害の訴追をしないように求めること;文化芸術財産高等評議会(CSPLA)の監督下で、権利者に生じる損害と最終利益あるいは不起訴相当ケースについて把握するため、著作権侵害の再定義を検討すること。

56.ストライクポリシーの規定を軽減すること:教育段階を強化し、インターネット・アクセスの遮断の罰を廃止し、罰則から罰の性質を取り除いて罰金の額も下げ、その手段においてセキュリティの確保を義務化すること。

57.デジタル文化作品に関する規則の世界的政治動向において著作権の保護を示すべく、このように軽減したストライクポリシーの実施を視聴覚高等評議会(CSA)に任せること。

58.芸術文化教育とメディア教育においてネットにおける文化活動と著作権の意識啓発を行うこと。

となる。つまり、この報告書はストライクポリシーにおける罰を相当軽減し、現行のストライク機関(Hadopi)を廃止して後は全てCSAに任せるというかなり大胆な提言をしているのだが、無論一足飛びにそこまで行くということはなく、オランド政権としては手っ取り早くできることとしてまず大臣令でネット切断の罰を廃止したということだろう。(上でリンクを張ったフランス文化通信省のリリース1でも、2013年末か2014年頭までにストライク機関をCSAに統合する法改正案を予定していると書かれている。)

 ここで、このネット切断の罰を廃止する大臣令も訳出しておくと以下のようになる。

JORF n° 0157 du 9 juillet 2013 page 11428 texte n° 60

Decret n° 2013-596 du 8 juillet 2013 supprimant la peine contraventionnelle complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne et relatif aux modalites de transmission des informations prevue a l'article L. 331-21 du code de la propriete intellectuelle

Publics concernes : personnes titulaires d'un acces a un service de communication au public en ligne, operateurs de communications electroniques.

Objet : infraction de negligence caracterisee ; abrogation de la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne ; modalites de transmission des informations necessaires a l'identification des abonnes.

Entree en vigueur : le texte entre en vigueur le lendemain de sa publication.

Notice : le present decret abroge le III de l'article R. 335-5 du code de la propriete intellectuelle. Seule une peine d'amende contraventionnelle de 5e classe pourra desormais etre prononcee pour l'infraction de negligence caracterisee prevue a ce meme article. Le decret precise egalement les modalites de transmission securisee des informations necessaires a l'identification des abonnes.
...

Le Premier ministre,
...
Decrete :

Article 1
Au premier alinea de l'article R. 331-37 du code de la propriete intellectuelle, apres le mot : << communiquer >>, sont inseres les mots : << , par une interconnexion au traitement automatise de donnees a caractere personnel mentionne a l'article L. 331-29 ou par le recours a un support d'enregistrement assurant leur integrite et leur securite, >>.

Article 2
Le III de l'article R. 335-5 du meme code est abroge.

Article 3
Le present decret est applicable sur l'ensemble du territoire de la Republique, a l'exception de la Polynesie francaise.

Article 4
La garde des sceaux, ministre de la justice, et la ministre de la culture et de la communication sont chargees, chacune en ce qui la concerne, de l'execution du present decret, qui sera publie au Journal officiel de la Republique francaise.

フランス共和国官報2013年7月9日第0157号第11428ページ第60番

知的財産法第331−21号に規定されたオンライン公衆通信サービスへのアクセスを遮断する補助的な罰を廃止する2013年7月8日の大臣令第2013−596号

関係する者:オンライン公衆通信サービスへのアクセスの所有者、電気通信事業者。

対象:特定の懈怠による違反;オンライン公衆通信サービスへのアクセスを遮断する補助的な罰の廃止;契約者の特定に必要な情報の伝達の態様。

施行日:公布の日の翌日から本令を施行する。

注意:本令は知的財産法規則第335−5条第3項を削除する。今後は第5級の罰金(訳注:1500ユーロ以下の罰金)のみが同条の懈怠による違反に課され得る。また、本令は契約者の特定に必要な情報の伝達におけるセキュリティの確保についても定める。

(中略:参照法文)

総理大臣は、
(中略:関連条項の列挙)
以下の通り宣告する:

第1条 知的財産法規則第331−37条の第1段落の「伝達する」の語の前に、「法第331−29条に書かれている個人的な性格を持つ情報の自動的な取扱いの相互連絡によってか、その全体性とセキュリティを確保する形で記録媒体を使って」が挿入される。

第2条 知的財産法規則第335−5条第3項を削除する。

第3条 本令は、フランス領ポリネシアを除き、共和国全土で適用される。

第4条 司法大臣及び文化通信大臣が、それぞれの担当に応じて、フランス共和国官報において公布される本令の実施に責任を負う。

 さらに、この大臣令で削除された規則第335−5条第3項の条文も見ておくと、

Article R335-5
...
III.-Les personnes coupables de la contravention definie au I peuvent, en outre, etre condamnees a la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne pour une duree maximale d'un mois, conformement aux dispositions de l'article L. 335-7-1.

規則第335−5条
(略:第1項及び第2項は罰金について規定)
第3項 第1項に規定されている違反を犯した者は、法第335−7−1条の規定に合致する形で、さらに最長1ヶ月間のオンライン公衆通信サービスの遮断という補助的な罰を課され得る。

となり、このようにネット切断の罰の実施について定めた最後の第3項が削除されたことで、この罰は実施不能となったということである。

 フランスの3ストライク法に関しては、2010年10月の最初の送付以来今までで累計200万通近い警告メールが送付されて来た訳だが、結局最終段階のネット切断まで行ったのは1人のみという状態で、このようにその罰が廃止されるに至った。(pcinpact.comの記事(フランス語)lefigaro.frの記事2(フランス語)itespresso.fr(フランス語)の記事など参照。)

 そして、この3ストライク法の効果はと言えば、lefigaro.frの記事3(フランス語)に書かれている通り、ストライク機関の最近の調査でも、違法ソースからの複製が減ったとは言いがたいという結果に終わっている。ストライク法の推進派はこのような取り組みには教育的効果があるといったことをさんざん主張して来た訳だが、そのような効果すら怪しいことが明らかになって来ていると言って良い。(ストライク機関のリリースも参照。この調査自体日本の文化庁などの調査と同じくどこまで信頼できるかという問題はあるが。)

 大臣令による規則改正を通じた罰の廃止ということで多少変則的であり、ネット切断の罰を廃止したと言っても、ストライク機関そのものまで廃止した訳ではなく、警告メールの送付は続けられており、最終的に罰金が課される可能性があることに注意が必要だが、何にせよ、ストライク法の本家フランスでネット切断というあまりにもバランスを欠いたバカげた罰が廃止されたのは喜ばしいことである。

 3ストライク法を巡る憲法裁判等の過去の経緯については過去のエントリを見てもらえればと思うが、ストライクポリシーは今に至るも変形例を含めて導入した国はわずかで、国際的に全く主流とはなっていない。そして、本家のフランスがこのようにネット切断の罰を廃止したことで、今後ネット切断について追随する国はもはや出て来ないだろう。

(2)20世紀の絶版作品電子化法
 また、いささか旧聞に属するが、フランスは、去年の3月、まだサルコジ政権のときに20世紀の絶版作品電子化法を可決・成立させている。(current.ndl.go.jpの記事も参照。)

 この絶版作品電子化法によってフランス知的財産法に挿入された条文のうち、ポイントとなる第134−2条、第134−3条と第134−4条の一部は以下のようなものである。

Article L134-2
Il est cree une base de donnees publique, mise a disposition en acces libre et gratuit par un service de communication au public en ligne, qui repertorie les livres indisponibles. La Bibliotheque nationale de France veille a sa mise en oeuvre, a son actualisation et a l'inscription des mentions prevues aux articles L. 134-4, L. 134-5 et L. 134-6.

Toute personne peut demander a la Bibliotheque nationale de France l'inscription d'un livre indisponible dans la base de donnees.
...

Article L134-3
I. — Lorsqu'un livre est inscrit dans la base de donnees mentionnee a l'article L. 134-2 depuis plus de six mois, le droit d'autoriser sa reproduction et sa representation sous une forme numerique est exerce par une societe de perception et de repartition des droits regie par le titre II du livre III de la presente partie, agreee a cet effet par le ministre charge de la culture.
Sauf dans le cas prevu au troisieme alinea de l'article L. 134-5, la reproduction et la representation du livre sous une forme numerique sont autorisees, moyennant une remuneration, a titre non exclusif et pour une duree limitee a cinq ans, renouvelable.

Article L134-4
I. — L'auteur d'un livre indisponible ou l'editeur disposant du droit de reproduction sous une forme imprimee de ce livre peut s'opposer a l'exercice du droit d'autorisation mentionne au premier alinea du I de l'article L. 134-3 par une societe de perception et de repartition des droits agreee. ...

第134−2条 オンライン公衆通信サービスによって自由かつ無償でアクセス可能とされる絶版本の公共データベースが作られる。国立図書館がその運用、更新並びに第134−4条、第134−5条及び第134−6条に規定された付記について監督する。

誰でもこのデータベースへの絶版本の登録を国立図書館に求めることができる。
(略)

第134−3条
第1項 第134−2条に記載されたデータベースに本が登録されて6ヶ月以上経過したとき、デジタル形式での複製及び上演を許諾する権利は、その権限について文化担当大臣の認可を受けた、本部第3編第2章の著作権管理団体によって行使される。
 第134−5条の第3段落に規定された場合を除き、その本のデジタル形式での複製及び上演は、補償金により、非独占的条件で5年間許諾され、その期間は更新可能である。
(略)

第134−4条
第1項 絶版本の作者又はその本の印刷形式での複製権を有する出版社は、第134−3条第1項に記載された認可を受けた著作権管理団体による権利許諾の行使に反対することができる。(後略)

 この部分だけからも分かるように、この法改正は政府が強く関与する形で実質オプトアウト方式で強力に絶版作品の電子化を図るものである。その背景には、無論グーグルブック対抗という意味が強くあったとは言え、やはり行き過ぎた著作権保護を緩和する意味もあると言って差し支えないだろう。

 この法改正についても成立前後からいろいろと騒がれて来たが、ITmediaの記事にもなっている通り、2013年3月に6万件のデータが登録された絶版作品データベースReLIREが公開され、この9月から絶版作品の非独占電子化権が他社に与えられ得るというところまで来ている。

 フランスほどラディカルな方法を取るべきというつもりもなく、すぐにどうこうという話でもないが、孤児作品だけでなく絶版作品について著作権法的にどう考えるべきかという点はもっと議論されて良いところではないかと、日本だと絶版作品についてあまり問題にされていないのは残念なことと私は常々思っている。

 欧州のことというと兎角著作権保護強化のことばかり取り沙汰され、それはそれで一面正しいのだが、そのような非道な保護強化の動きばかりがある訳ではない。本当に国際動向云々と言うのなら、当然のこととして反対の動きも含めて丁寧に見て行かなければならない。

 フランスでもまた何かしら動きがあれば随時取り上げて行きたいと思っているが、次はドイツの話をまとめて書きたいと思っている。

(なお、これも出て来て当然の話だが、generation-nt.comの記事2(フランス語)にあるように、ストライク機関を騙った偽の警告メール・詐欺メールも出て来ており、またなお、恐らくまだどうともなっていないと思うが、infojustice.orgの記事のになっている通り、変形ストライクポリシー導入国の韓国でも廃止の動きがあるということを最後に合わせ書いておく。)

(2013年7月23日夜の追記:いくつか誤記を直した。)

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2012年6月10日 (日)

第271回:欧米主要国におけるダウンロード違法化・犯罪化を巡る現状

 この6月8日に衆議院文部科学委員会で内閣提出の著作権法改正案(内容については第266回参照)の主旨説明が再度行われ、来週(定例日とすると最も早くて6月13日(水)だろうか)には採決が見込まれている(internet watchの記事も参照)目下この内閣提出の著作権法改正案に対し自公がダウンロード犯罪化のための修正提案を行うことはまず間違いない情勢で、与党の民主党がこれにどう対応するのか私も本当に不安である。

 このダウンロード犯罪化問題について、先日MIAUあるいは津田大介氏が業界団体の議員向けロビー資料を入手し公開してくれた(MIAUのツイートあるいは津田大介氏のツイート参照)。既に海外の法制がどうとか言う次元の問題ではなくなっている気もしているが、この資料の海外の法制に関する記載には到底看過し難い歪んだ理解が多々見られるので、ここでざっと欧米主要国におけるダウンロード違法化・犯罪を巡る状況をまとめて書いておきたいと思う。

(1)アメリカ
 まずアメリカについてだが、単なるダウンロードがフェアユースや表現の自由などとの関係でどう考えられるかが判例まで含めて明確になっている訳ではなく、アメリカは明確なダウンロード違法化・犯罪化国とは言えない。

 アメリカのような判例法の国で、僅かな条文だけを取り上げてどうこう言うのは間違いの元でしかないが、念のため説明しておくと、確かにアメリカの著作権法(アメリカ著作権局の条文ページ参照)に以下のような刑事罰に関する条文がある。(以下、翻訳は全て拙訳。なお、著作権法情報センターの翻訳も参照した。)

第506条 著作権侵害罪
(a)著作権侵害罪
(1)総則−以下の場合に、故意に著作権を侵害した者は、アメリカ合衆国法典第18編第2319条の規定に従い処罰される:
(A)私的な経済的利益を得ること、あるいは商業的利得を得ることを目的として著作権を侵害した場合;
(B)180日間に、著作物の1つ以上のコピー又は録音レコード(合計で1000ドル以上の市価を有する場合に限る)を、電気的手段による場合も含め、複製あるいは頒布し、著作権を侵害した場合;又は
(C)そのような者がその著作物が商業的頒布されるためにあると知っているかそうと知っているに違いない時に、商業的頒布のために作成された著作物をコンピュータネットワーク上で公衆送信可能とすることで著作権を侵害した場合。

(2)証拠−本条の目的において、著作物の複製又は頒布それ自体は故意の著作権侵害を立証するに足らない。
(後略)

(なお、対応するアメリカ刑法第2319条(アメリカ政府印刷局の条文ページ参照)から量刑を見ると、この第506条(1)(A)の場合について、通常は1年以下の懲役又は罰金であり、これが合計2500ドル以上の市価を有する10個以上のコピー又は録音レコードの複製又は頒布による侵害の場合になると5年以下の禁固又は罰金(重い再犯の場合は10年以下)となっており、この第506条(1)(B)の場合について、やはり通常は1年以下の懲役又は罰金で、これが合計2500ドル以上の市価を有する10個以上のコピー又は録音レコードの複製又は頒布による侵害の場合になると3年以下の禁固又は罰金(重い再犯の場合は6年以下)となっている。)

 大体、この条文は1997年の電子窃盗対策法(アメリカ著作権局の解説ページ参照)により導入されたものだが、導入以来10年以上経ちながら、単なるダウンロードに対する刑事訴追例が1件もないという状況が、このような立法の持つ意味と効果を良く表しているだろう(なお、単なるダウンロードを訴えたケースは民事でもないはずである)。ダウンロード犯罪化がどうこう言う以前に、アメリカでは違法ファイル共有に対する大量訴訟の時点で全く上手く行っていないというのが正しい現状認識だろうが、本当にこの条文に基づいて単なるダウンロードを訴追した場合、フェアユースや表現の自由、故意性や証拠による立証の観点から極めて重大な問題を生じさせるに違いない。ついでに言っておくと、このアメリカの著作権侵害に関する刑事規定において小売価格によるクライテリアや立証に関する規定が存在していることも忘れてはいけないだろう。

(2)イギリス
 イギリスについては、著作権法にダウンロードを明確に違法・犯罪とする条文は存在しておらず、またこれを違法・犯罪とする判例も存在していない。

 業界団体のロビー資料にはイギリスでダウンロードが違法化されていると書かれているのは、イギリス著作権法(イギリス政府の条文ページ、著作権情報センターの翻訳も参照)の私的複製に関する権利制限の範囲が非常に狭いため、条文上ダウンロードが入らないように見えるということを言っているのだろうが、これも明確な判例が存在している訳ではなく、やはり判例法の国であるイギリスでダウンロードが明確に違法化されているというのも正しい理解とは言い難い。

 イギリスについては、第261回で紹介したように、私的複製の範囲を広げようとする動きがあるくらいであり、イギリスについて言及しながらこのような権利制限の拡充の動きを無視するのは不公正のそしりを免れないだろう。

 また、第222回で紹介したように、イギリス版ストライク法であるデジタル経済法の話もあるが、これもなお揉め続けており、いまだに実施されていない。(bbc.co.ukの記事参照。)

(3)ドイツ
 ドイツが、世界で唯一ダウンロード違法化・犯罪化を明確に行いかつそれをエンフォースしようとした国であるということは間違っていない。

 しかし、このブログでずっと書いてきているように(第13回第97回第255回など参照)、ドイツは、2007年に、ダウンロード違法化・犯罪化を世界に先駆けて行ったものの、刑事訴訟の乱発を招き、裁判所・警察・検察ともに到底捌ききれない状態に落ち入ったため、2008年に再度法改正を行い、民事的な警告を義務づけ、要求できる警告費用も限定したが、やはり情報開示請求と警告状送付が乱発され、あまり状況は改善せず、今なお消費者団体やユーザーから大反発を招いているという状態にあり、かつダウンロード違法化・犯罪化のお陰でCDの売り上げが伸びたなどということもない(「P2Pとかその辺のお話@はてな」のブログ記事も参照)。大体、ドイツのダウンロード違法化・犯罪化が上手く行っていたら、各地方議会で選挙がある度に海賊党が躍進するといったことがある訳がないだろう(例えば最近のノルトライン・ヴェストファーレン州議会選挙の結果についてrp-online.deの記事など参照)。

(4)フランス
 フランスは3ストライクポリシーの主導国であり、ダウンロード違法化・犯罪化の文脈で持ち出すことは適切ではない。

 ただし、念のために書いておくと、フランスの知的財産法(フランス政府の条文ページ参照)が、2011年12月19日にフランス上下院を通過した法改正(正式名称は、「私的複製補償金に関する法改正案」)により、以下のように、権利制限条項において私的複製のソースを合法ソースに限定する改正がされているのはその通りである。(下線部が追加部分。この最新の法改正は反映されていないが、著作権情報センターの翻訳も参照した。)

第122−5条 公開された著作物について、著作権者は以下のことを禁止できない:
(中略)
第2項 複製を行う者の私的利用に厳密に当てられ、集団的な利用を目的としない、合法ソースからなされる複製又はコピー、ただし、オリジナルの著作物と同じ目的のための利用を意図した美術の著作物のコピー、第122−6−1条第2項に規定されている条件でなされたバックアップコピー以外のプログラムのコピー並びに電子的なデータベースのコピー又は複製を除く。;
(後略)

第221−3条 本編の権利者(訳注:隣接権者)は以下のことを禁止できない:
(中略)
第2項
 複製を行う者の私的利用に厳密に当てられ、集団的な利用を目的としない、合法ソースからなされる複製;
(後略)

 しかし、まずこの法改正は、私的複製補償金に関する合理化の観点から出て来たものであり、ダウンロード違法化・犯罪化を直接的な目的としていないことに注意しておく必要がある。つまり、この法改正は、第105回で紹介した、私的複製補償金は合法の私的複製に対する補償に限られるとする2008年7月のフランス行政裁判所(コンセイユ・デタ)の判決や、第241回で紹介した、欧州指令における私的複製補償金規定の解釈を示した欧州司法裁判所の判決を受けたものであり、フランス議会の法改正ページ中の法改正の検討をざっと見ても、フランス議会の審議では、この条項と私的複製補償金との関係こそ議論されているものの、このような私的複製の範囲の限定と民事訴訟・刑事訴追との関係はほとんど何も議論されていないのである。大体、国としてネット上での海賊版対策についてはストライクポリシーで行くという決定をしている中で、条文のこの部分だけを取り上げてダウンロード違法化・犯罪化であるとあげつらうのはかなり難があるだろう。

(今回は補償金問題に関してはひとまずおくが、フランスでも2008年の判決から法改正に至るまでに3年以上の歳月を要しているということが洋の東西で変わらない補償金問題の難しさを良く示しているだろう。この法改正の詳細については必要であればまた別途紹介しても良いが、一言だけ書いておくとフランスにおける補償金問題はこの法改正後もなお全く落ち着いていない。)

 業界団体の資料では、過去2009年以降フランスでアップロードとダウンロードを一体で訴追したケースがあるということを述べている。しかし、まずアップロードとダウンロードを同時に行うP2Pを用いた違法ファイル共有の場合と単なるダウンロードの場合を混同するのは決して適切でなく、さらに、この間にはストライクポリシーの導入もあり、上の法改正が大統領の署名を受けて成立したのが2011年12月20日のことであることも考えると、2011年4月までの判例を持ち出してあたかもダウンロード違法化・犯罪化が昔からフランスでなされており、その訴追事例もあるかの如き印象操作をしているのは悪質極まりない。フランスについても、単なるダウンロードを訴追したケースは1件もなく、ネット上での海賊版対策はストライクポリシーを主としており、その効果はなお不明であると言う方が正しいだろう。

 なお、フランスにおける3ストライク法の対象は主としてP2Pにおける違法ファイル共有だが、到底上手く行っているとは言い難く、その対象をストリーミングや直接ダウンロードに対して広げようとする法改正の目論見も頓挫し、大統領選で主導者であったサルコジ氏が落選しオランド氏が当選した結果、フランスで3ストライク法そのものについて見直しの機運が高まっていることも見逃せない。(chizai.nikkeibp.co.jpの記事も参照。)

(5)オランダ・スイス
 オランダ・スイスについては、ダウンロードを合法化したというより、ダウンロード違法化の動きが止まったという方が正しい。

 スイスでダウンロード違法化が止まった要因の一つとして確かにスイスにおいては音楽市場の規模が小さく外国の著作物のシェアが高いこともあげられるだろうが、第260回で紹介したスイス政府の報告書にはっきり書かれているように、それだけが要因ではない。スイス政府は、ダウンロード違法化・犯罪化のような法改正にはプライバシーや訴追の限界の問題があること、このような抑圧的手段では効果が見込まれないこと、現行法で対処可能であることなどを正しく認識してこのような判断に至っているのである。

 オランダにおけるダウンロード違法化の動きもかなり複雑でかつ幸いにも止まった話なのであまり紹介して来なかったが、TorrentFreakの記事にも書かれているように、オランダ議会も、市場規模がどうこう言うより、ダウンロード違法化・犯罪化のようなやり方が自由でオープンなインターネットに反すること、プライバシーや表現の自由の観点から問題があること、告発・訴訟の乱発・濫用の懸念があることなどを正しく認識してダウンロード違法化・犯罪化をしないと決定している。(オランダに関することについて必要であればもう少し詳しく紹介しても良い。)

 スイスやオランダでダウンロード違法化・犯罪化の動きが止まったことについて、市場の規模やシェアの話だけを要因として強調するのも極めて悪質な印象操作であると言わざるを得ない。

 最後に、上で書いたことを表にまとめておくと、以下のようになるだろうか。

Download_table
 ダウンロード違法化・犯罪化のような動きについて国内外問わずずっとフォローして来ているが、海外でもこのような立法が成功した例は一つもないという状況には何ら変わりはない。第256回参照。さらにさかのぼってダウンロード違法化問題当時に第40回で書いたことからでもあまり変わっていない。)唯一明確にダウンロード違法化・犯罪化を行ったドイツはその混乱から来る反動が今なお続いており、反面教師としての参考にしかならないだろうし、かえってオランダやスイスのようにプライバシーや表現の自由の観点からの懸念や効果に対する疑問からダウンロード違法化・犯罪化を明確に否定する国も出て来ているくらいなのである。

 自公による修正提案が今国会でどのように扱われるか実に不安だが、例えダウンロード犯罪化が提案されたとしても、不透明極まる与野党談合によることなく特に慎重に審議し、長期に渡り禍根を残すに違いない有害無益なものとして否決されることを私は切に願っている。

(6月11日の追記:誤記を修正するとともに、フランスにおける権利制限規定の翻訳を増やし、一覧表を追加した。共産党の宮本たけし議員の6月10日の日記ページによると、民自公での与野党談合により実質審議なしでダウンロード犯罪化を通そうとしているようだが、宮本たけし議員の言う通り引き続き与野党の議員に対する働きかけは続けて行くべきだろう。)

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2009年10月24日 (土)

第195回:フランスの3ストライク法案の第2案に対する憲法裁判所の判決

 この10月22日にフランスの3ストライク法案の第2案に対する憲法裁判所の判決が出された(Le Mondeの記事nouvel Obsの記事Le Figaroの記事ZDnetの記事01netの記事cnetの記事参照)。

 前回3ストライク法案の第1案の本質部分を否定したフランスの憲法裁判所も、今回は、あらゆる期待を裏切り、この第2案をほぼ認めた。ここに至っては、フランスもストライクポリシーの実運用で混乱することになるだろうが、今回の判決(フランス憲法裁判所のリリース)も、今後の話をする上で重要なものと考えるので、以下にその本文を訳出する。

...
- SUR L'ARTICLE 1er :

3. Considerant que l'article 1er de la loi deferee insere dans le code de la propriete intellectuelle un article L. 331-21-1 ainsi redige : " Les membres de la commission de protection des droits, ainsi que ses agents habilites et assermentes devant l'autorite judiciaire mentionnes a l'article L. 331-21, peuvent constater les faits susceptibles de constituer des infractions prevues au present titre lorsqu'elles sont punies de la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne mentionnee aux articles L. 335-7 et L. 335-7-1.
" Ils peuvent en outre recueillir les observations des personnes concernees. Il est fait mention de ce droit dans la lettre de convocation.
" Lorsque les personnes concernees demandent a etre entendues, ils les convoquent et les entendent. Toute personne entendue a le droit de se faire assister d'un conseil de son choix.
" Une copie du proces-verbal d'audition est remise a la personne concernee " ;

4. Considerant que, selon les requerants, les mots " constater les faits susceptibles de constituer des infractions " meconnaissent l'objectif d'intelligibilite et d'accessibilite de la loi ; qu'ils demandent en consequence au Conseil constitutionnel, d'une part, de " preciser que l'adjectif " susceptible " doit conduire les autorites d'application de la loi a proceder en tout etat de cause a un complement d'enquete afin que les seules constatations de la HADOPI ne permettent pas la condamnation des abonnes suspectes " et, d'autre part, d'imposer que toute procedure donne lieu a une audition au stade de la constitution du dossier fondant les poursuites ;

5. Considerant, d'une part, que les dispositions critiquees n'etant ni obscures ni ambiguës, le grief tire de la meconnaissance de l'objectif constitutionnel d'intelligibilite et d'accessibilite de la loi manque en fait ;

6. Considerant, d'autre part, qu'en vertu du deuxieme alinea de l'article 61 de la Constitution, le Conseil constitutionnel a competence pour se prononcer sur la conformite a la Constitution d'une loi soumise a son examen ; qu'il ne lui appartient de proceder a l'interpretation du texte qui lui est defere que dans la mesure où cette interpretation est necessaire a l'appreciation de sa constitutionnalite ; qu'en l'espece, les autorites judiciaires competentes apprecieront au cas par cas, comme il leur appartient de le faire, si un supplement d'enquete ou d'instruction est necessaire ou si les elements de preuve rassembles par les fonctionnaires et agents charges de fonctions de police judiciaire suffisent a etablir la culpabilite de la personne mise en cause et permettent, le cas echeant, la determination de la peine ; qu'en consequence, il n'y a pas lieu, pour le Conseil constitutionnel, de donner suite a la demande en interpretation dont il est saisi ;

7. Considerant que, des lors, l'article 1er de la loi n'est pas contraire a la Constitution ;

- SUR L'ARTICLE 6 :

8. Considerant que le I de l'article 6 modifie l'article 398-1 du code de procedure penale ; qu'il ajoute a la liste des delits juges par le tribunal correctionnel statuant a juge unique " les delits prevus aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 du code de la propriete intellectuelle, lorsqu'ils sont commis au moyen d'un service de communication au public en ligne " ; que le II de l'article 6 insere dans le code de procedure penale un article 495-6-1 ainsi redige : " Les delits prevus aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 du code de la propriete intellectuelle, lorsqu'ils sont commis au moyen d'un service de communication au public en ligne, peuvent egalement faire l'objet de la procedure simplifiee de l'ordonnance penale prevue par la presente section. - Dans ce cas, la victime peut demander au president de statuer, par la meme ordonnance se prononçant sur l'action publique, sur sa constitution de partie civile. L'ordonnance est alors notifiee a la partie civile et peut faire l'objet d'une opposition selon les modalites prevues par l'article 495-3 " ;

9. Considerant que, selon les requerants, l'institution d'une procedure specifique applicable aux delits de contrefaçon commis au moyen d'un service de communication au public en ligne et permettant qu'ils soient juges par un seul juge ou selon la procedure simplifiee de l'ordonnance penale meconnait le principe d'egalite devant la justice ; que, selon eux, cette " regression des garanties procedurales " est incompatible tant avec la complexite des litiges relatifs a la contrefaçon qu'avec la gravite des sanctions susceptibles d'etre prononcees ; qu'en outre, la possibilite reservee aux victimes de demander au juge de se prononcer par ordonnance penale sur la demande de dommages et interets de la partie civile priverait les personnes mises en cause de la possibilite de contester ces demandes ; que, des lors, ces dispositions meconnaitraient le droit a un proces equitable, le respect des droits de la defense et la presomption d'innocence ;

10. Considerant que l'article 6 de la Declaration des droits de l'homme et du citoyen de 1789 dispose que la loi " doit etre la meme pour tous, soit qu'elle protege, soit qu'elle punisse " ; que, si le legislateur peut prevoir des regles de procedure differentes selon les faits, les situations et les personnes auxquelles elles s'appliquent, c'est a la condition que ces differences ne procedent pas de distinctions injustifiees et que soient assurees aux justiciables des garanties egales, notamment quant au respect du principe des droits de la defense, qui implique en particulier l'existence d'une procedure juste et equitable ;

11. Considerant, en premier lieu, qu'eu egard aux particularites des delits de contrefaçon commis au moyen d'un service de communication au public en ligne, il etait loisible au legislateur de soumettre la poursuite de ces infractions a des regles specifiques ; qu'en prevoyant que ces delits seraient juges par le tribunal correctionnel compose d'un seul magistrat du siege ou pourraient etre poursuivis selon la procedure simplifiee, le legislateur a entendu prendre en compte l'ampleur des contrefaçons commises au moyen de ces services de communication ; que les regles de procedure instituees par les dispositions critiquees ne creent pas de difference entre les personnes qui se livrent a de tels actes ;

12. Considerant, en deuxieme lieu, que, comme le Conseil constitutionnel l'a juge aux considerants 78 a 82 de sa decision du 29 aout 2002 susvisee, la procedure simplifiee prevue par les articles 495 a 495-6 du code de procedure penale ne meconnait pas le principe d'egalite devant la justice ; que l'extension du champ d'application de cette procedure aux delits de contrefaçon commis au moyen d'un service de communication au public en ligne et la possibilite qu'une peine de suspension de l'acces a un tel service soit prononcee par ordonnance penale ne meconnaissent pas davantage ce principe ;

13. Considerant, en troisieme lieu, qu'aucune regle ni aucun principe constitutionnel ne s'oppose a ce que le juge puisse egalement statuer, par ordonnance penale, sur la demande de dommages et interets formee par la victime des lors qu'il estime disposer des elements suffisants lui permettant de statuer ;

14. Considerant, toutefois, que l'article 34 de la Constitution reserve a la loi le soin de fixer les regles de procedure penale ; que le deuxieme alinea de l'article 495-6-1 du code de procedure penale prevoit que, dans le cadre de la procedure simplifiee, la victime pourra former une demande de dommages et interets et, le cas echeant, s'opposer a l'ordonnance penale ; que, toutefois, cette disposition ne fixe pas les formes selon lesquelles cette demande peut etre presentee ; qu'elle ne precise pas les effets de l'eventuelle opposition de la victime ; qu'elle ne garantit pas le droit du prevenu de limiter son opposition aux seules dispositions civiles de l'ordonnance penale ou a ses seules dispositions penales ; qu'ainsi le legislateur a meconnu l'etendue de sa competence ; que, des lors, le deuxieme alinea de l'article 495-6-1 du code de procedure penale doit etre declare contraire a la Constitution ;

15. Considerant qu'il resulte de ce qui precede que, pour le surplus, l'article 6 n'est pas contraire a la Constitution ;

- SUR L'ARTICLE 7 :

16. Considerant que l'article 7 de la loi deferee retablit dans le code de la propriete intellectuelle un article L. 335-7 ainsi redige : " Lorsque l'infraction est commise au moyen d'un service de communication au public en ligne, les personnes coupables des infractions prevues aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 peuvent en outre etre condamnees a la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne pour une duree maximale d'un an, assortie de l'interdiction de souscrire pendant la meme periode un autre contrat portant sur un service de meme nature aupres de tout operateur.
" Lorsque ce service est achete selon des offres commerciales composites incluant d'autres types de services, tels que services de telephonie ou de television, les decisions de suspension ne s'appliquent pas a ces services.
" La suspension de l'acces n'affecte pas, par elle-meme, le versement du prix de l'abonnement au fournisseur du service. L'article L. 121-84 du code de la consommation n'est pas applicable au cours de la periode de suspension.
" Les frais d'une eventuelle resiliation de l'abonnement au cours de la periode de suspension sont supportes par l'abonne.
" Lorsque la decision est executoire, la peine complementaire prevue au present article est portee a la connaissance de la Haute Autorite pour la diffusion des œuvres et la protection des droits sur internet, qui la notifie a la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne afin qu'elle mette en œuvre, dans un delai de quinze jours au plus a compter de la notification, la suspension a l'egard de l'abonne concerne.
" Le fait, pour la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne, de ne pas mettre en œuvre la peine de suspension qui lui a ete notifiee est puni d'une amende maximale de 5 000 €.
" Le 3° de l'article 777 du code de procedure penale n'est pas applicable a la peine complementaire prevue par le present article " ;

17. Considerant que, selon les requerants, la peine de suspension de l'acces a internet pour une duree d'un an est disproportionnee et ne doit notamment pas pouvoir etre prononcee dans le cadre de la procedure simplifiee ; qu'ils font valoir que l'obligation de s'acquitter du prix de l'abonnement souscrit pendant la duree de la suspension constitue une sanction manifestement disproportionnee ; qu'ils soutiennent, en outre, que l'impossibilite technique, au moins temporaire, de faire respecter les dispositions du deuxieme alinea de l'article L. 335-7 du code de la propriete intellectuelle sur l'ensemble du territoire national confere a certains citoyens une forme d'immunite qui meconnait le principe d'egalite et s'oppose a l'application immediate de la loi ; qu'enfin, ils estiment qu'en confiant a une autorite administrative le pouvoir de faire executer les peines de suspension de l'acces a internet, le cinquieme alinea de l'article L. 335-7 meconnait le principe de separation des pouvoirs ;

18. Considerant, en premier lieu, que l'article 8 de la Declaration de 1789 dispose : " La loi ne doit etablir que des peines strictement et evidemment necessaires... " ; qu'aux termes de l'article 34 de la Constitution : " La loi fixe les regles concernant... la determination des crimes et delits ainsi que les peines qui leur sont applicables " ;

19. Considerant que l'article 61 de la Constitution ne confere pas au Conseil constitutionnel un pouvoir general d'appreciation et de decision de meme nature que celui du Parlement, mais lui donne seulement competence pour se prononcer sur la conformite a la Constitution des lois deferees a son examen ;

20. Considerant que, si la necessite des peines attachees aux infractions releve du pouvoir d'appreciation du legislateur, il incombe au Conseil constitutionnel de s'assurer de l'absence de disproportion manifeste entre l'infraction et la peine encourue ;

21. Considerant que l'instauration d'une peine complementaire destinee a reprimer les delits de contrefaçon commis au moyen d'un service de communication au public en ligne et consistant dans la suspension de l'acces a un tel service pour une duree maximale d'un an, assortie de l'interdiction de souscrire pendant la meme periode un autre contrat portant sur un service de meme nature aupres de tout operateur, ne meconnait pas le principe de necessite des peines ;

22. Considerant, en deuxieme lieu, que le troisieme alinea de l'article L. 335-7 du code de la propriete intellectuelle precise les consequences de la peine de suspension de l'acces a internet sur les relations contractuelles entre le fournisseur d'acces et l'abonne ; que l'obligation imposee a ce dernier de s'acquitter du prix de l'abonnement, a defaut de resiliation, ne constitue ni une peine ni une sanction ayant le caractere d'une punition ; que cette disposition, qui trouve son fondement dans le fait que l'inexecution du contrat est imputable a l'abonne, ne meconnait aucune exigence constitutionnelle ;

23. Considerant, en troisieme lieu, que les dispositions deferees sont applicables a l'ensemble du territoire de la Republique, a l'exception de la Polynesie française, collectivite d'outre-mer regie par l'article 74 de la Constitution ; que, si, pour des raisons tenant aux caracteristiques des reseaux de communication dans certaines zones, l'impossibilite d'assurer le respect des prescriptions du deuxieme alinea de l'article L. 335-7 du code de la propriete intellectuelle peut faire temporairement obstacle a ce que la peine complementaire de suspension de l'acces a internet soit effectivement executee, cette circonstance, qu'il appartiendra au juge de prendre en compte dans le prononce de la peine, n'est pas, par elle-meme, de nature a entrainer une meconnaissance du principe d'egalite devant la loi ;

24. Considerant, en quatrieme lieu, qu'aucune regle ni aucun principe constitutionnel ne s'oppose a ce qu'une autorite administrative participe a la mise en œuvre de l'execution de la peine de suspension de l'acces a internet ;

25. Considerant qu'il resulte de ce qui precede que l'article 7 n'est pas contraire a la Constitution ;

- SUR L'ARTICLE 8 :

26. Considerant que l'article 8 insere dans le code de la propriete intellectuelle un article L. 335-7-1 ainsi redige : " Pour les contraventions de la cinquieme classe prevues par le present code, lorsque le reglement le prevoit, la peine complementaire definie a l'article L. 335-7 peut etre prononcee selon les memes modalites, en cas de negligence caracterisee, a l'encontre du titulaire de l'acces a un service de communication au public en ligne auquel la commission de protection des droits, en application de l'article L. 331-25, a prealablement adresse, par voie d'une lettre remise contre signature ou de tout autre moyen propre a etablir la preuve de la date de presentation, une recommandation l'invitant a mettre en œuvre un moyen de securisation de son acces a internet.
" La negligence caracterisee s'apprecie sur la base des faits commis au plus tard un an apres la presentation de la recommandation mentionnee a l'alinea precedent.
" Dans ce cas, la duree maximale de la suspension est d'un mois.
" Le fait pour la personne condamnee a la peine complementaire prevue par le present article de ne pas respecter l'interdiction de souscrire un autre contrat d'abonnement a un service de communication au public en ligne pendant la duree de la suspension est puni d'une amende d'un montant maximal de 3 750 € " ;

27. Considerant que, selon les requerants, ces dispositions creent une nouvelle incrimination de negligence caracterisee sanctionnee par une peine de suspension de l'acces a internet ; que son imprecision meconnaitrait le principe de legalite des delits et des peines et instituerait une presomption de culpabilite contraire au principe de la presomption d'innocence ; qu'enfin cette peine revetirait un caractere manifestement disproportionne ;

28. Considerant, d'une part, que l'article 8 de la loi deferee n'instaure pas une contravention mais cree une nouvelle categorie de peine complementaire qui sera applicable a certaines contraventions de la cinquieme classe ; que si, en vertu des dispositions critiquees, ces contraventions ne pourront etre assorties de la peine complementaire de suspension de l'acces a internet pour une duree maximale d'un mois qu'en cas de negligence caracterisee, il appartient au pouvoir reglementaire, dans l'exercice de la competence qu'il tient de l'article 37 de la Constitution, et sous le contrôle des juridictions competentes, d'en definir les elements constitutifs ; qu'en outre, le caractere proportionne d'une peine s'apprecie au regard de l'ensemble des elements constitutifs de l'infraction qu'elle est destinee a reprimer ; que, des lors, les griefs tires de ce que la nouvelle incrimination meconnaitrait les articles 8 et 9 de la Declaration de 1789 ne peuvent qu'etre rejetes ;

29. Considerant, d'autre part, que, s'il appartient aux juridictions competentes d'apprecier les situations de fait repondant a la " negligence caracterisee " mentionnee a l'article L. 335-7-1 du code de la propriete intellectuelle, cette notion, qui ne revet pas un caractere equivoque, est suffisamment precise pour garantir contre le risque d'arbitraire ;

30. Considerant que, des lors, l'article 8 n'est pas contraire a la Constitution ;

- SUR L'ARTICLE 11 :

31. Considerant que l'article 11 modifie l'article 434-41 du code penal ; qu'il punit d'une peine de deux ans d'emprisonnement et 30 000 € d'amende " la violation, par le condamne, des obligations ou interdictions resultant des peines... d'interdiction de souscrire un nouveau contrat d'abonnement a un service de communication au public en ligne resultant de la peine complementaire prevue en matiere delictuelle par l'article L. 335-7 du code de la propriete intellectuelle " ; que, contrairement a ce que soutiennent les requerants, cette disposition n'institue pas une peine manifestement disproportionnee ; que, des lors, l'article 11 n'est pas contraire a la Constitution ;

32. Considerant qu'il n'y a lieu, pour le Conseil constitutionnel, de soulever d'office aucune question de conformite a la Constitution,

D E C I D E :

Article premier.- Le second alinea de l'article 495-6-1 du code de procedure penale, tel qu'il resulte de l'article 6 de la loi relative a la protection penale de la propriete litteraire et artistique sur internet, est declare contraire a la Constitution.

Article 2.- Les articles 1er, 7, 8 et 11 de la meme loi, ainsi que le surplus de son article 6, ne sont pas contraires a la Constitution.

Article 3.- La presente decision sera publiee au Journal officiel de la Republique française.
...

-第1条について:

3.問題の法律の第1条は、知的財産法に、次のように書かれた第331-21-1条を追加するものである:
「権利保護委員会のメンバー並びに、第331-21条に記載されている司法当局の前で宣誓を行い権限を有する代理人が、本部に規定されている違反を構成すると考えられる事実を立証した時、それには、第335-7条と第335-7-1条に記載されているオンライン公衆通信と電子通信サービスへのアクセスを遮断するという補助的な罰が科され得る。
 それらは、さらに、問題となっている者の観察をすることができる。その権利は、召喚状の中で言及される。
 問題となっている者が意見の陳述を求める場合、その請求を行い、聴取を受けることができる。聴取される者は、その選択になる補助人を同席させる権利を有する。
 調書のコピーは、問題となっている者に渡される」;

4.出訴人は、「違反を構成すると考えられる事実を立証」という語は、法律の明確性という目的をないがしろにしていると主張し;したがって、彼らは、一方で「公的機関の立証のみで疑われた契約者に罰が科されないようにするため、『考えられる』という形容詞を明確にし、機関が法律を適用する際、状況のあらゆる点において補充の証拠調べを行うようにする」ことを、他方で、全ての手続きにおいてその調査を裏付ける資料の作成の段階で聞き取りを行うことを課すことを、憲法裁判所に求めている;

5.しかしながら、批判されている規定は不明確でも曖昧でも無く、実際には、法律の明確性という憲法の目的を蔑ろにしているという点に関する出訴理由は失当であることを考え;

6.他方で、憲法の第61条の第2段落に基づいて、憲法裁判所は、その審査に付託された法律の合憲性について判断する権限を有しているが;憲法裁判所には、その解釈が合憲性の判断に必要な限りにおいてのみ、付託された条文の解釈を行うことが認められていることを;このことについては、補充の証拠調べあるいは予審が必要であるか、役人と司法警察の役を果たす代理人によって集められた証拠の要素が、問題の者の有罪を証明するのに十分なものであり、場合によって、罰の決定をすることができるほどのものであるかは、そうできる通り、ケースバイケースで、権限を有する司法当局によって判断されることを;したがって、求められているように、その解釈を憲法裁判所が与えることはないということを考え;

7.すなわち、本法の第1条は違憲ではないということを考え;

-第6条について:

8.第6条のⅠは、刑事訴訟法の第398-1条を修正するもので;裁判官1人で構成される軽罪裁判所によって裁かれる罪のリストに、「オンライン公衆通信サービスを使って犯される、第335-2条、第335-3条と第335-4条に規定された罪」を追加するものであり;第6条のⅡは、刑事訴訟法に、次のように書かれた第495-6-1条を追加するものである:「オンライン公衆通信サービスを使って犯される、知的財産法の第335-2条、第335-3条と第335-4条に規定された罪も、同じく、本節に規定された刑事規則の略式手続きの対象とすることができる。-その際、命令を宣告された被疑者は、公訴、民事部への訴えに関する決定を、裁判長に求めることができる。その場合、命令は、民事部に通知され、第495-3条に規定されている様式に従い、異議の対象とされ得る」;

9.出訴人によると、オンライン公衆通信サービスを用いて犯された著作権侵害行為に対して適用され得る特別な手続きを作り、1人の裁判官あるいは刑事規則の略式手続きに従って裁判が行われることを可能とすることは、司法の前の平等をないがしろにするものであり;彼らによれば、この「手続きの保証における後退」は、著作権侵害行為に関する訴訟の複雑さと、課され得る罰の重大性と相容れないものであるが;さらに、刑事規則から裁判官に損害と民事部への訴えの要求に関して宣告することを求める可能性が被疑者には留保されているものの、これらの要求をする可能性を問題となる者から奪っており;すなわち、これらの規定は、公平な裁判、弁護の権利と推定無罪の原理に対する権利をないがしろにするものであるが;

10.1789年の市民と人の権利宣言の第6条に、法律は「保護するにせよ、罰するにせよ、全ての者に対して平等でなくてはならない」と規定されていることを;それが適用される事実、状況と者により手続きが異なる規則を立法者が規定し得るかどうかは、特に公正な手続きの存在の前提となる弁護の権利の原則の尊重に関して、その違いが不当な区別から生まれることが無く、保証されている平等のもとで正当であることが確保されるという条件にかかっていることを考え;

11.第1に、オンライン公衆通信サービスを用いて犯される著作権侵害の特性に鑑み、この侵害の調査を特別な規則の下に服させることは立法者に許されていることを;この罪が唯一の裁判官によって構成される軽罪裁判所によって裁かれ、略式手続きに従って手続きが進められ得ることを規定した立法者は、通信サービスを用いた著作権侵害の多さを考慮に入れていたと理解されることを;批判されている規定によって作られる手続きの規則は、そのような行為を行う者の間に違いを作るものではないことを考え;

12.第2に、憲法裁判所が以前の2002年8月29日の判決の第78から82段落の考察において判断しているように、刑事訴訟法の第495条から第495-6条に規定されている略式手続きは、司法の前での平等の原則をないがしろにしているものではないことを考え;オンライン公衆通信サービスを用いて犯される著作権侵害へのこの手続きの適用範囲の拡張と、そのようなサービスへのアクセスの中断の罰が刑事規則に基づいて宣告されることは、その原理をさらにないがしろにするものではないことを考え;

13.第3に、憲法のどのような規則も原理も、裁判官が、決定を下すことができるほど十分な証拠があると考えるときに、被疑者によって申し立てられる利益と損害の要求に対し、刑事規則から同じく決定を下すことと相反していないことを考え;

14.しかしながら、憲法の第34条は、刑事訴訟に関する規則を法定することと定めていることを;刑事訴訟法の第495-6-1条の第2段落が、略式手続きの枠組みにおいて、被疑者が利益と損害に対する要求を申し立て得るが、場合によっては、刑事規則に反し得ることを規定していることを考え;また、この規則は、この要求が提出される形式を定めていないことを;被疑者のあり得る異議の効果を明確に定めていないことを考え;規定の権利の異議が刑事規則の民事規定のみあるいは刑事規定のみに制限されることが保証されていないことを考え;このように、立法者はその権限の範囲をないがしろにしていることを考え;すなわち、刑事訴訟法の第495-6-1条の第2段落は、違憲とされるべきであることを考え;

15.以上のことから、残りの点について、第6条は違憲ではないということを考え;

-第7条について:

16.付託された法律の第7条は、知的財産権法に、次のように書かれた第335-7条を挿入するものである:「その違反が、オンライン公衆通信あるいは電気通信サービスを通じて犯された場合、第335-2条、第335-3条、第335-4条に規定されている違反をした者は、さらに、あらゆる事業者と同じ性質のサービスの他の契約を同期間中できないという中断を伴う、最長1年のオンライン公衆通信あるいは電気通信サービスへのアクセス遮断という補助的な罰を科され得る。
 電話やテレビサービスのような他のタイプのサービスを含む複合サービスを購入していた場合、遮断の決定は、これらの他のタイプのサービスには適用されない。
 アクセス遮断は、それ自体で、サービス提供者へ支払った契約料金の返還をもたらすものではない。消費者法の第121-84条は、遮断期間中は適用され得ない。
 遮断期間中の、契約の偶発的な解約の費用は、契約者によって賄われる。
 判決に執行力がある場合、問題の契約者に関する遮断を通知から15日以内に実施するために、オンライン公衆通信サービスを提供する者にそのことを知らせる、インターネットにおける著作物の頒布と権利の保護のための公的機関に、本条に規定されているこの補助的な罰が知らされる。
 オンライン公衆通信サービスへのアクセスを提供する事業者が、通知された遮断の罰を実施しなかったと認められた時、それは、最高5000ユーロの罰金を科される。
 刑事訴訟法第777条第3号は、本条によって規定される補助的な罰には適用されない」;

17.出訴人によれば、1年間のインターネットアクセスの遮断は、バランスの取れたものでなく、略式手続きで宣告されてはならないものであり;遮断期間中も契約費用を支払う義務を有することは、明らかにバランスの取れた罰で無いということを彼らは主張しており;さらに、少なくとも現時点で、全土に適用される知的財産法の第335-7条の第2段落の規定を守らせることが技術的に不可能であることにより、一部の市民にある種の無罰性が与えられることになるが、これは平等の原則をないがしろにし、法律の即時の適用にも反するものであるとも主張しており;加えて、インターネットアクセスの遮断の罰を実行させる権限を行政機関に与えている点で、第335-7条の第5段落は、三権分立の原理をないがしろにしていると主張している;

18.第1に、1789年の人権宣言の第8条に「法律は、厳密に明らかに必要な罰のみを規定する...」と規定されていることを;憲法の第34条で「犯罪並びにそれに適用され得る罰...に関する規則を規定する」とされていることを考え;

19.憲法第61条は、国会の権限と同じ性質の、一般的な判断と決定の権限を憲法裁判所に与えておらず、その審査に付託された法律の合憲性について宣告する権限のみを与えていることを考え;

20.違反に対する罰の必要性が、立法者の判断の権限に属するとしても、違反と受ける罰の間に明らかな不均衡が存在していないことを確認することが、憲法裁判所の責任であることを考え;

21.オンライン公衆通信サービスを用いて犯された著作権侵害の抑制のため、あらゆる事業者と同じ性質のサービスの他の契約を同期間中できないという中断を伴う、最長1年のそのようなサービスへのアクセスを遮断することにある補助的な罰は、罰の必要性の原理をないがしろにするものではないことを考え;

22.第2に、知的財産法の第335-7条の第3段落が、アクセスプロバイダーと契約者の間の契約関係に対するインターネット遮断の罰の効果を明確にしていることを;契約が解除されず、遮断期間中も契約費用を支払う義務を有することは、罰の性質を有するものでは無いことを;契約の不実行は契約者に帰するという事実を元とするこの規定は、憲法上の要請をないがしろにするものではないことを考え;

23.第3に、付託された規定は、フランス領ポリネシア以外を除き、共和国全土、憲法第74条の管理下にある全海外地に適用されるものであることを;ある地域の通信網の特徴に起因する理由により、知的財産法の第335-7条の第2段落の規定の遵守を確保することが不可能であることが一時的に、インターネットアクセスの遮断の罰を有効に執行する妨げとなるとしても、この状況は、罰の宣告において裁判官が考慮に入れるべきものであるが、それ自体では、法の前の平等の原理をないがしろにする性質のものではないことを考え;

24.第4に、憲法のどのような規則も原理も、インターネットアクセスの遮断の罰を行政機関が執行することとそう反するものではないことを考え;

25.したがって、上記のことから、第7条は違憲ではないということを考え;

-第8条について:

26.第8条は、知的財産法に、次のように書かれた第335-7-1条を追加するものである:「法規則にそう規定されている時、第335-7条で規定されている補助的な罰は、特別な懈怠として、権利保護委員会が、第331-25条の適用に関して、発送日を証明するのに適切な、署名その他の手段を取った手紙により、そのインターネットアクセスに対するセキュリティ手段の適用を事前に勧告したオンライン公衆通信サービスの所有者に本法の第5級の軽犯罪が認められた場合にも、科され得る。
 特別な懈怠は、前段に記載されている勧告の提示後1年以内に行われた事実に基づいて判断される。
 この場合、遮断の最長期間は1ヶ月である。
 本条に規定された補助的な罰を科された者が、遮断期間中に他のオンライン公衆通信サービス提供者と契約できないという禁止を尊重しなかったと時、それは最高3750ユーロの罰金を科される」;

27.出訴人によると、この規定は、インターネットアクセスの罰によって罰される特別の懈怠という新たな罪を作るものであり;その不明確性が、罪と罰の平等の原理をないがしろにしており、推定無罪の原理に反する、推定有罪を作り出すものであり;さらに、この罰は明らかに不釣り合いな性質を有するものであるが;

28.一方で、付託された法律の第8条は、軽犯罪を作るものではなく、第5級の軽犯罪に適用される補助的な罰の新しいカテゴリーを作るものであることを;批判されている規定において、この違反は、特別の懈怠においてのみ、最長1ヶ月のインターネットアクセスの遮断という補助的な罰を伴い得るが、その構成要件を定めることは、憲法第37条に由来する権限の実行として、規則を作る当局に認められていることを;さらに、罰との釣り合いは、抑制しようとする違反の構成要件全体に照らして判断されるものであることを;すなわち、この新たな罪が1789年の人権宣言の第8条と第9条をないがしろにしているとする出訴理由は却下せざるを得ないことを考え;

29.他方で、第335-7-1条に記載されている「特別な懈怠」に対応する状況を判断することは権限を有する司法当局の仕事であり、この概念に曖昧な性質は無く、これは恣意的な判断リスクを防ぐことができるほど明確であることを考え;

30.すなわち、第8条は違憲ではないことを考え;

-第11条について:

31.第11条は、刑法第434-41条を修正するもので;それは、2年の禁固と3万ユーロの罰金で「知的財産法の第335-7条によって軽犯罪に対するものとして規定されている補助的な罰に由来する、オンライン公衆通信・電気通信サービスの新たな契約をできないという中断の...罰に由来する義務あるいは中断の、罰を受けた者による違反」を罰するものであるが;出訴人が主張することに反して、この規定は、明らかに不均衡な罰を作るものではないことを考え;

32.したがって、合憲性に関する問題を、憲法裁判所が職務として提起することはないことを考え;

以下の通り決定する:

第1条-著作権の刑事的保護に関する法律の第6条に由来する、刑法第495-6-1条の第2段落は、違憲である。

第2条-第1、7、8と11条並びに第6条の残りは違憲ではない。

第3条-本判決はフランス共和国官報に掲載される。

 この判決では、被疑者による異議の形式をきちんと定めていないことについてのみ、違憲という判断を示しているが、これはストライクポリシーの本質とは大きく関係しない。第1案に対してあれだけ明確にストライクポリシーを否定したフランスの憲法裁判所も(第178回参照)、今回の案については、その本質的な理解を拒み、まがりなりにも司法手続きを使用していることのみをもって問題なしするという日和見を決め込んだ。

 第2案の条文については、第191回でも紹介しているが、この判決は、公的機関の役割の不明瞭、推定無罪の原理をないがしろにする推定有罪と、行為に対して明かにバランスの取れていない罰の問題に対するフランス社会党の的確な指摘に対する反論として十分納得の行く理由を示しているとは言いがたいものである。

 行政機関に過ぎない公的機関が一方的に認める事実に基づいて、そのまま裁判がなされるというのは、行政と司法の役割から考えて全くおかしな話であるし、このような行政機関による認定がまず信用され、弁論を必要としない簡易裁判所における略式手続きで、一方的にネット切断という個人に極めて大きな影響を与える罰が科されかねないというのは、推定無罪の原理、弁護を受ける権利などの基本的な権利を完全にないがしろにするものだろうが、これらの問題は、事実上憲法裁判でも見逃された。

 フランスは、これで、著作権検閲へ向けて突き進むことになるだろうが、韓国を例に引くまでも無く、3ストライクポリシーは、ダウンロード違法化と同じく、混乱しか生まない百害あって一利無い政策である。今後も何かあればその動向は随時紹介したいと考えているが、残念ながら、大革命で流した自らの血で購った自由の意味を見失っている限り、フランスもまた、当面反面教師としかならない混乱と迷走のみを示し続けることだろう。

 最後に少しニュースも紹介しておくと、ウィニー裁判が上告された(internet watchの記事1参照)。これでまた、最高裁による事実上のルールメイキングがまた行われることになるが、妥当な結論が出されることを願っている。

 アメリカでは、FCCがネット中立性規則の制定に関する意見募集を始めている。(internet watchの記事2ITproの記事参照。)

 また、第156回で私的複製補償金関連規定を紹介しているスペインで、買ったブランクCDは民事手続きの記録に使ったので、他人の著作物の複製に用いたのではないとして、ある弁護士が、私的録音補償金の返還を求める裁判を起こして勝ったとするニュースが話題になっている(diariodesevilla.esの記事ABC.esの記事1参照)。スペインでも今年は補償金が減っているようだが(EL PAISの記事1参照)、やはり対象と額において最も非道い国の1つであることに変わりはなく、他の裁判では、自身の不当な既得権益を守ろうと著作権団体が憲法裁判所に上告するに至るなど(EL PAISの記事2ABC.esの記事参照)、スペインでも補償金問題に関しては泥沼の訴訟闘争が続いており、事態が収集する気配は全く見られない。

 次回も、何かしら著作権国際動向の話を書くつもりである。

(2013年7月23日夜の追記:誤記に気がついたので1カ所修正した(「法律のの第1条」→「法律の第1条」)。)

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2009年9月29日 (火)

第191回:上下院通過後、憲法裁判を提起されたフランスの3ストライク法案の第2案

 この22日にフランスの上下院ともに3ストライク法案の第2案を通したが、この28日に野党のフランス社会党によって再び憲法裁判所に訴えが提起された(ecransの記事Le Echosの記事Le Echosの訴状の転載記事01netの記事PC INpactの記事参照)。この第2案の初期の条文については第181回で既に取り上げており、本質的な部分に変更が入っている訳ではないのだが、この現時点での条文が憲法裁判の前提となるので、ここで、上下院通過版の条文を念のため紹介しておきたいと思う。

 フランス下院のHPに載っている、通過版の3ストライク法案の第2案(正式名称は、「インターネットにおける著作権の刑事的保護に関する法律」)の条文は以下のようなものである(いつもの如く、翻訳は拙訳)。

Article 1er

Apres l'article L. 331-21 du code de la propriete intellectuelle, dans sa redaction issue de la loi n° 2009-669 du 12 juin 2009 favorisant la diffusion et la protection de la creation sur internet, il est insere un article L. 331-21-1 ainsi redige :

<< Art. L. 331-21-1. - Les membres de la commission de protection des droits, ainsi que ses agents habilites et assermentes devant l'autorite judiciaire mentionnes a l'article L. 331-21, peuvent constater les faits susceptibles de constituer des infractions prevues au present titre lorsqu'elles sont punies de la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne mentionnee aux articles L. 335-7 et L. 335-7-1.

<< Ils peuvent en outre recueillir les observations des personnes concernees. Il est fait mention de ce droit dans la lettre de convocation.

<< Lorsque les personnes concernees demandent a etre entendues, ils les convoquent et les entendent. Toute personne entendue a le droit de se faire assister d'un conseil de son choix.

<< Une copie du proces-verbal d'audition est remise a la personne concernee. >>

Article 2

Le code de la propriete intellectuelle, dans sa redaction issue de la loi n° 2009-669 du 12 juin 2009 precitee, est ainsi modifie :

Le dernier alinea de l'article L. 331-22 est supprime ;

L'article L. 331-25 est abroge.

Article 3

Le code de la propriete intellectuelle, dans sa redaction issue de la loi n° 2009-669 du 12 juin 2009 precitee, est ainsi modifie :

L'article L. 331-26 est ainsi modifie :

a) La premiere phrase du premier alinea est completee par les mots : << et l'avertissant des sanctions encourues en application des articles L. 335-7 et L. 335-7-1 >> ;

b) A la derniere phrase du deuxieme alinea, le mot : <<  peut >> est remplace par le mot : << doit >> et les mots : << d'envoi >> sont remplaces par les mots : << de presentation >> ;

La seconde phrase du premier alinea de l'article L. 331-35 est completee par les mots : << et en application de l'article L. 335-7-1 >>.

Article 4

L'article L. 331-36 du meme code, dans sa redaction issue de la loi n° 2009-669 du 12 juin 2009 precitee, est complete par un alinea ainsi redige :

<< La personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne est tenue d'informer la commission de protection des droits de la date a laquelle elle a debute la suspension ; la commission procede a l'effacement des donnees a caractere personnel relatives a l'abonne des le terme de la periode de suspension. >>

Article 5

Au deuxieme alinea de l'article L. 331-37 du meme code, dans sa redaction issue de la loi n° 2009-669 du 12 juin 2009 precitee, les mots : << et de tous les actes de procedure afferents >> sont remplaces par les mots : << , de tous les actes de procedure afferents et des modalites de l'information des organismes de defense professionnelle et des societes de perception et de repartition des droits des eventuelles saisines de l'autorite judiciaire ainsi que des notifications prevues au cinquieme alinea de l'article L. 335-7 >>.

Article 6

I. - Apres le onzieme alinea (9°) de l'article 398-1 du code de procedure penale, il est insere un 10° ainsi redige :

<< 10° Les delits prevus aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 du code de la propriete intellectuelle, lorsqu'ils sont commis au moyen d'un service de communication au public en ligne. >>

II. - Apres l'article 495-6 du meme code, il est insere un article  495-6-1 ainsi redige :

<< Art. 495-6-1. - Les delits prevus aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 du code de la propriete intellectuelle, lorsqu'ils sont commis au moyen d'un service de communication au public en ligne, peuvent egalement faire l'objet de la procedure simplifiee de l'ordonnance penale prevue par la presente section.

<< Dans ce cas, la victime peut demander au president de statuer, par la meme ordonnance se prononcant sur l'action publique, sur sa constitution de partie civile. L'ordonnance est alors notifiee a la partie civile et peut faire l'objet d'une opposition selon les modalites prevues par l'article 495-3. >>

Article 7

Apres l'article L. 335-6 du code de la propriete intellectuelle, il est retabli un article L. 335-7 ainsi redige :

<< Art. L. 335-7. - Lorsque l'infraction est commise au moyen d'un service de communication au public en ligne, les personnes coupables des infractions prevues aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 peuvent en outre etre condamnees a la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne pour une duree maximale d'un an, assortie de l'interdiction de souscrire pendant la meme periode un autre contrat portant sur un service de meme nature aupres de tout operateur.

<< Lorsque ce service est achete selon des offres commerciales composites incluant d'autres types de services, tels que services de telephonie ou de television, les decisions de suspension ne s'appliquent pas a ces services.

<< La suspension de l'acces n'affecte pas, par elle-meme, le versement du prix de l'abonnement au fournisseur du service. L'article L. 121-84 du code de la consommation n'est pas applicable au cours de la periode de suspension.

<< Les frais d'une eventuelle resiliation de l'abonnement au cours de la periode de suspension sont supportes par l'abonne.

<< Lorsque la decision est executoire, la peine complementaire prevue au present article est portee a la connaissance de la Haute Autorite pour la diffusion des oeuvres et la protection des droits sur internet, qui la notifie a la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne afin qu'elle mette en oeuvre, dans un delai de quinze jours au plus a compter de la notification, la suspension a l'egard de l'abonne concerne.

<< Le fait, pour la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne, de ne pas mettre en oeuvre la peine de suspension qui lui a ete notifiee est puni d'une amende maximale de 5 000 Euro.

<< Le 3° de l'article 777 du code de procedure penale n'est pas applicable a la peine complementaire prevue par le present article. >>

Article 8

Apres l'article L. 335-6 du meme code, il est insere un article L. 335-7-1 ainsi redige :

<< Art. L. 335-7-1. - Pour les contraventions de la cinquieme classe prevues par le present code, lorsque le reglement le prevoit, la peine complementaire definie a l'article L. 335-7 peut etre prononcee selon les memes modalites, en cas de negligence caracterisee, a l'encontre du titulaire de l'acces a un service de communication au public en ligne auquel la commission de protection des droits, en application de l'article L. 331-25, a prealablement adresse, par voie d'une lettre remise contre signature ou de tout autre moyen propre a etablir la preuve de la date de presentation, une recommandation l'invitant a mettre en oeuvre un moyen de securisation de son acces a internet.

<< La negligence caracterisee s'apprecie sur la base des faits commis au plus tard un an apres la presentation de la recommandation mentionnee a l'alinea precedent.

<< Dans ce cas, la duree maximale de la suspension est d'un mois.

<< Le fait pour la personne condamnee a la peine complementaire prevue par le present article de ne pas respecter l'interdiction de souscrire un autre contrat d'abonnement a un service de communication au public en ligne pendant la duree de la suspension est puni d'une amende d'un montant maximal de 3 750 Euro. >>

Article 9

Apres l'article L. 335-6 du meme code, il est insere un article L. 335-7-2 ainsi redige :

<< Art. L. 335-7-2. - Pour prononcer la peine de suspension prevue aux articles L. 335-7 et L. 335-7-1 et en determiner la duree, la juridiction prend en compte les circonstances et la gravite de l'infraction ainsi que la personnalite de son auteur, et notamment l'activite professionnelle ou sociale de celui-ci, ainsi que sa situation socio-economique. La duree de la peine prononcee doit concilier la protection des droits de la propriete intellectuelle et le respect du droit de s'exprimer et de communiquer librement, notamment depuis son domicile. >>

Article 10

Le dernier alinea de l'article L. 336-3 du code de la propriete intellectuelle, dans sa redaction issue de la loi n° 2009-669 du 12 juin 2009 precitee, est complete par les mots : << , sous reserve des articles L. 335-7 et L. 335-7-1 >>.

Article 11

Le premier alinea de l'article 434-41 du code penal est complete par les mots : << , d'interdiction de souscrire un nouveau contrat d'abonnement a un service de communication au public en ligne resultant de la peine complementaire prevue en matiere delictuelle par l'article L. 335-7 du code de la propriete intellectuelle >>.
...

第1条

インターネットにおける創造の保護と頒布を促進するための2009年6月12日の法律第2009-669号により修正された知的財産権法の第331-21条の後に、次のような第331-21-1条を追加する:

「第331-21-1条 権利保護委員会のメンバー並びに、第331-21条に記載されている司法当局の前で宣誓を行い権限を有する代理人が、本部に規定されている違反を構成すると考えられる事実を立証した時、それには、第335-7条と第335-7-1条に記載されているオンライン公衆通信と電子通信サービスへのアクセスを遮断するという補助的な罰が科され得る。

それらは、さらに、問題となっている者の観察をすることができる。その権利は、召喚状の中で言及される。

問題となっている者が意見の陳述を求める場合、その請求を行い、聴取を受けることができる。聴取される者は、その選択になる補助人を同席させる権利を有する。

調書のコピーは、問題となっている者に渡される。」

第2条

前述のインターネットにおける創造の保護と頒布を促進する2009年6月12日の法律第2009-669号により修正された知的財産権法は、次のように修正される:

1°第331-22条の最終段落(訳注:公的機関の代理人が著作権違反をしていると考えられる契約者の個人情報を入手できるとしていた条項。第173回参照)は削除される。

2°第331-25条(訳注:権利保護委員会によって取られる処置は必要なだけに限られるとしていた条項。第174回参照)は削除される。

第3条

前述のインターネットにおける創造の保護と頒布を促進する2009年6月12日の法律第2009-669号により修正された知的財産権法は、次のように修正される:

1°第331-26条(訳注:警告に関する条項。第174回参照)は、次のように修正される:

a)第1段落の最初の文に、次の語を追加する:「、そして、第335-7条と第335-7-1条の適用による罰が科されることを警告する。」;

b)第2段落の最後の文の「できる」という語を、「しなければならない」という語に置き換え:「送付」という語を、「発送」という語に置き換える;

2°第331-35条(訳注:契約時の注意に関する条項。第174回参照)の第1段落の第2文に、次の語を追加する:「、そして、第335-7-1条の適用についても記載する。」

第4条

前述のインターネットにおける創造の保護と頒布を促進する2009年6月12日の法律第2009-669号により修正された知的財産権法の第331-36条(訳注:技術保護委員会における個人情報の保持に関する条項。第174回参照)に、次のような段落を追加する:

「オンライン公衆通信サービスを提供する者は、遮断を開始する日時を権利保護委員会に通知する義務を有する;遮断期間が終わり次第、委員会は、契約者に関する個人情報を消去する。」

第5条

前述のインターネットにおける創造の保護と頒布を促進する2009年6月12日の法律第2009-669号により修正された知的財産権法の第331-37条(訳注:技術保護委員会における国レベルのブラックリストの作成に関する条項。第174回参照)の第2段落の「関係する手続き中のあらゆる行為」という語を、「、関係する手続き中のあらゆる行為と、職業的保護団体と著作権料徴収分配団体による司法当局への訴え中並びに第335-7条の第5段落に規定されている通知中の情報様式」という語で置き換える。

第6条

Ⅰ.刑事訴訟法の第398-1条(訳注:裁判官1人で構成される軽罪裁判所によって裁かれる罪を列挙している条項)の第11段落(第9号)の後に、次のような段落を追加する:

「第10号 オンライン公衆通信サービスを使って犯される、第335-2条、第335-3条と第335-4条(訳注:著作権侵害の罰則規定。なお、権利制限との関係があるので、第173回にも書いたように、純粋なダウンロードがどうなるのかは分からない)に規定された罪。」

Ⅱ.同法の第495-6条の後に、次のような第495-6-1条を追加する:

「第495-6-1条 オンライン公衆通信サービスを使って犯される、知的財産法の第335-2条、第335-3条と第335-4条に規定された罪も、同じく、本節に規定された刑事規則の略式手続きの対象とすることができる。

その際、命令を宣告された被疑者は、公訴、民事部への訴えに関する決定を、裁判長に求めることができる。その場合、命令は、民事部に通知され、第495-3条に規定されている様式に従い、異議の対象とされ得る。」

第7条

知的財産権法の第335-6条の後に、次の新条項を挿入する:

「第335-7条 その違反が、オンライン公衆通信あるいは電気通信サービスを通じて犯された場合、第335-2条、第335-3条、第335-4条に規定されている違反をした者は、さらに、あらゆる事業者と同じ性質のサービスの他の契約を同期間中できないという中断を伴う、最長1年のオンライン公衆通信あるいは電気通信サービスへのアクセス遮断という補助的な罰を科され得る。

電話やテレビサービスのような他のタイプのサービスを含む複合サービスを購入していた場合、遮断の決定は、これらの他のタイプのサービスには適用されない。

アクセス遮断は、それ自体で、サービス提供者へ支払った契約料金の返還をもたらすものではない。消費者法の第121-84条(訳注:電気通信サービスの提供の契約条件の変更を規制する条項)は、遮断期間中は適用され得ない。

遮断期間中の、契約の偶発的な解約の費用は、契約者によって賄われる。

判決に執行力がある場合、問題の契約者に関する遮断を通知から15日以内に実施するために、オンライン公衆通信サービスを提供する者にそのことを知らせる、インターネットにおける著作物の頒布と権利の保護のための公的機関に、本条に規定されているこの補助的な罰が知らされる。

オンライン公衆通信サービスへのアクセスを提供する事業者が、通知された遮断の罰を実施しなかったと認められた時、それは、最高5000ユーロの罰金を科される。

刑事訴訟法第777条第3号(訳注:自身の前科情報の請求に関する条項)は、本条によって規定される補助的な罰には適用されない。」

第8条

知的財産法の第335-6条の後に、次のような第335-7-1条を追加する:

「第335-7-1条 法規則にそう規定されている時、第335-7条で規定されている補助的な罰は、特別な懈怠として、権利保護委員会が、第331-25条の適用に関して、発送日を証明するのに適切な、署名その他の手段を取った手紙により、そのインターネットアクセスに対するセキュリティ手段の適用を事前に勧告したオンライン公衆通信サービスの所有者に本法の第5級の軽犯罪が認められた場合にも、科され得る。

特別な懈怠は、前段に記載されている勧告の提示後1年以内に行われた事実に基づいて判断される。

この場合、遮断の最長期間は1ヶ月である。

本条に規定された補助的な罰を科された者が、遮断期間中に他のオンライン公衆通信サービス提供者と契約できないという禁止を尊重しなかったと時、それは最高3750ユーロの罰金を科される。」

第9条

知的財産法の第335-6条の後に、次のような第335-7-2条を追加する:

「第335-7-2条 第335-7条と第335-7-1条に規定されている遮断の罰を宣告し、その期間を決定するために、裁判所は、違反の状況と重大性並びに違反者の人格と、特に、この者の職業的あるいは社会的活動並びに社会経済的立場を考慮に入れる。宣告される罰の期間につき、知的財産権と表現と通信の自由の権利、特にその家庭からの権利との間で調和を取らなくてはならない。」

第10条

前述のインターネットにおける創造の保護と頒布を促進する2009年6月12日の法律第2009-669号により修正された知的財産権法の第336-3条(訳注:利用者の義務を規定している条項。第173回参照)に、次のような語を追加する:「、ただし第335-7条と第335-7-1条の留保の下で。」

第11条

刑法第434-41条(訳注:判決履行義務違反の罰則を定めた条項。2年の禁固と3万ユーロの罰金)の第1段落の後に、次のような語を追加する:「、知的財産法の第335-7条によって軽犯罪に対するものとして規定されている補助的な罰に由来する、オンライン公衆通信・電気通信サービスの新たな契約をできないという中断。」

(後略:第12で条項の引用関係の変更、第13条で法律のフランス領ポリネシアを除くフランス全土での適用を規定。)

 細かなことが気になるようであれば、第181回で紹介した条文と比べて読んで頂ければと思うが、インターネット・アクセス・プロバイダーへがユーザーのアクセス遮断の命令に従わなかったときの罰金が3750ユーロから5000ユーロへと増やされていたり、通知からアクセス遮断の実施までの期間が15日以内とされていたり、最長1年のアクセス遮断とは別に、最長1ヶ月のアクセス遮断が科される場合をセキュリティ手段導入の勧告に従わない場合としていたり、異議について申し訳程度に条文が追加されていたり、遮断期間において表現の自由とのバランスを取ることといった実際には何の役にも立たないだろう条文の追加がなされていたりするが、本質的な点で変更は無い。公的機関の役割の不明瞭、推定無罪の原理をないがしろにする推定有罪と、行為に対して明かにバランスの取れていない罰の問題を解消するような修正が、フランスの国会で加えられることは結局無かった。

 前に書いたことの繰り返しになるが、行政機関に過ぎない公的機関が一方的に認める事実に基づいて、そのまま裁判がなされるというのは、行政と司法の役割から考えて全くおかしな話であるし、このような行政機関による認定がまず信用され、弁論を必要としない簡易裁判所における略式手続きで、一方的にネット切断という個人に極めて大きな影響を与える罰が科されかねないというのは、推定無罪の原理、弁護を受ける権利などの基本的な権利を完全にないがしろにするものだろう。

 上でリンクを張った記事に載っているフランス社会党の憲法裁判所への訴状でも、こうした問題点を的確に突いており、フランスの憲法裁判所がこの3ストライク法案の第2案についてどのような判断を示すのかは要注目である。

 この第2案に対する憲法裁判の判決もまた出され次第紹介したいと思っている。

(2009年10月24日の追記:誤訳を少し訂正し(「刑事命令」→「刑事規則」)、「特別な懈怠」に関する部分の訳が抜けていたので追加した。)

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2009年7月 6日 (月)

第181回:違憲判決後のフランス3ストライクアウト法案の第2案

 フランスが3ストライク法案を復活させようと画策していることは、「P2Pとかその辺のお話」で既に触れられているが、先週の7月2日に、違憲判決後の3ストライク法案の第2案(正式名称は、「インターネットにおける著作権の刑事的保護に関する法律」)が、フランス上院の委員会を通過した(01netの記事Numeramaの記事参照)ので、今回は、その通過版の法案の紹介をしておきたいと思う。

 多少修正の入った上院委員会通過版を訳しても良いのだが、まだ上院の委員会を通過しただけであり、特に本質的な部分で修正が入った訳でも無く、この後の本会議、下院での審議でどうせまたいろいろと修正が入ると思うので、ここでは、よりシンプルで分かり易い最初の政府提出時の法案を以下に訳出する。(例によって、翻訳は拙訳。)

Article 1er

Apres l'article L. 331-21 du code de la propriete intellectuelle, il est ajoute un article L. 331-21-1 ainsi redige :

<< Art. L. 331-21-1. -- Les membres de la commission de protection des droits, ainsi que ses agents habilites et assermentes a cette fin dans les conditions determinees par decret en Conseil d'Etat, peuvent constater les infractions prevues au present titre lorsqu'elles sont punies de la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne et de communication electronique.

<< Ils peuvent en outre recueillir les observations des personnes concernees.

<< Leurs proces-verbaux font foi jusqu'a preuve contraire. >>

Article 2

I. -- Apres le onzieme alinea de l'article 398-1 du code de procedure penale (9°), il est insere un alinea ainsi redige :

<< 10° Les delits prevus aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 du code de la propriete intellectuelle. >>

II. -- Apres le sixieme alinea de l'article 495 du meme code (5°), il est insere un alinea ainsi redige :

<< 6° Les delits prevus aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 du code de la propriete intellectuelle. >>

Article 3

Apres l'article L. 335-6 du code de la propriete intellectuelle, il est insere un nouvel article ainsi redige :

<< Art. L. 335-7. -- Lorsque l'infraction est commise au moyen d'un service de communication au public en ligne ou de communications electroniques, les personnes coupables des infractions prevues aux articles L. 335-2, L. 335-3 et L. 335-4 peuvent en outre etre condamnees a la peine complementaire de suspension de l'acces a un service de communication au public en ligne ou de communication electronique pour une duree maximale d'un an, assortie de l'interdiction de souscrire pendant la meme periode un autre contrat portant sur un service de meme nature aupres de tout operateur.

<< Lorsque ce service est achete selon des offres commerciales composites incluant d'autres types de services, tels que services de telephonie ou de television, les decisions de suspension ne s'appliquent pas a ces services.

<< La suspension de l'acces n'affecte pas, par elle-meme, le versement du prix de l'abonnement au fournisseur du service. L'article L. 121-84 du code de la consommation n'est pas applicable au cours de la periode de suspension.

<< Les frais d'une eventuelle resiliation de l'abonnement au cours de la periode de suspension sont supportes par l'abonne.

<< Lorsque la decision est executoire, la peine complementaire prevue au present article est portee a la connaissance de la Haute autorite pour la diffusion des oeuvres et la protection des droits sur internet, qui la notifie a la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne afin qu'elle mette en oeuvre, dans les meilleurs delais, la suspension a l'egard de l'abonne concerne.

<< Le fait, pour la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne, de ne pas mettre en oeuvre la peine de suspension qui lui a ete notifiee est puni d'une amende de 3750 Euro.

<< Lorsque le reglement le prevoit, la peine complementaire definie au present article peut etre prononcee a l'encontre des personnes reconnues coupables des contraventions de la cinquieme classe prevues par le present code. Dans ce cas, la duree maximale de la suspension est de un mois. >>

Article 4

A la fin du premier alinea de l'article 434-41 du code penal, apres les mots : << ou 131-17 >> sont ajoutes les mots : << , d'interdiction de souscrire un nouveau contrat d'abonnement a un service de communication au public en ligne et de communication electronique. >>

Article 5

La presente loi est applicable sur l'ensemble du territoire de la Republique, a l'exception de la Polynesie francaise.

第1条

知的財産権法の第331-21条の後に、次の第331-21-1条を追加する:

「第331-21-1条 権利保護委員会のメンバー並びに、コンセイユ・デタの政令で定められる条件で、その目的のために宣誓を行い権限を有する代理人が、本部に規定されている違反を立証した時、それは、オンライン公衆通信と電子通信サービスへのアクセスを遮断するという補助的な罰で罰される。

それらは、さらに、問題となっている者の観察をすることができる。

その調書は、反証が出されるまで信用される。」

第2条

Ⅰ.刑事訴訟法の第398-1条(訳注:裁判官1人で構成される軽罪裁判所によって裁かれる罪を列挙している条項)の第11段落(第9号)の後に、次のような段落を追加する:

「第10号 第335-2条、第335-3条と第335-4条(訳注:著作権侵害の罰則規定。なお、権利制限との関係があるので、第173回にも書いたように、純粋なダウンロードがどうなるのかは分からない)に規定された罪。」

Ⅱ.同法の第495条(訳注:軽罪裁判所の略式手続きにかけることができる罪を列挙している条項)の第6段落(第5号)の後に、次のような段落を追加する:

「第6号 第335-2条、第335-3条と第335-4条に規定された罪。」

第3条

知的財産権法の第335-6条の後に、次の新条項を挿入する:

「第335-7条 その違反が、オンライン公衆通信あるいは電気通信サービスを通じて犯された場合、第335-2条、第335-3条、第335-4条に規定されている違反をした者は、あらゆる事業者と同じ性質のサービスの他の契約を同期間中できないという中断を伴う、最長1年のオンライン公衆通信あるいは電気通信サービスへのアクセス遮断という補助的な罰を科される。

電話やテレビサービスのような他のタイプのサービスと複合的に販売されているサービスを購入していた場合、遮断の決定は、これらの他のタイプのサービスには適用されない。

アクセス遮断は、それ自体で、サービス提供者へ支払った契約料金の返還をもたらすものではない。消費者法の第121-84条(訳注:電気通信サービスの提供の契約条件の変更を規制する条項)は、遮断期間中は適用され得ない。

遮断期間中の、契約の偶発的な解約の費用は、契約者によって賄われる。

判決に執行力がある場合、問題の契約者に関する遮断を適切な期間を置いて実施するために、オンライン公衆通信サービスを提供する者にそのことを知らせる、インターネットにおける著作物の頒布と権利の保護のための公的機関に、本条に規定されているこの補助的な罰が知らされる。

オンライン公衆通信サービスへのアクセスを提供する事業者が、通知された遮断の罰を実施しなかったと認められた時、それは、3750ユーロの罰金を科される。

法規則にそう規定されている時、本条で規定されている補助的な罰は、本法の第5級の軽犯罪を認められた者に対しても科され得る。この場合、遮断の最長期間は1ヶ月である。」

第4条

刑法第434-41条(訳注:判決履行義務違反の罰則を定めた条項。2年の禁固と3万ユーロの罰金)の第1段落の後の、「あるいは131-17条」の後に、「、オンライン公衆通信・電気通信サービスの新たな契約をできないという中断。」という語を追加する

第5条

本法は、フランス領ポリネシアを除き、共和国全土で適用される。

 細かなことが気になるようであれば、以前の3ストライク法案と、憲法裁判所の判決を取り上げた、第173回第174回第175回第178回と見比べながら、読んでもらえればと思うが、この法案は、要するに、行政機関が直接ネット切断という罰を科すことが、憲法裁判所で明確に違憲として否定されたので、ネット切断を明確に著作権侵害に対する刑罰の1つとして規定し、警告を送るところまでは公的機関が行うが、そこから先は裁判所に持ち込まれ、罰を科すか否かは最終的には司法判断に委ねるとするものである。

 上でもリンクを張った「P2Pとかその辺の話」の記事や、Nouvel Obsの記事(この記事でリンクを張られている政府調査(pdf)も参照)で、数十分の裁判手続きで年5万件のケースを処理するというフランス政府の見積もりだけで決してバカにならない費用となると書かれているが、5万という数字の根拠も不明であり、本気で運用するとなれば、実際のコストはさらに膨れ上がることだろう。

 費用に関する問題もさることながら、一番の問題は、上の条文にも露骨に現れている、公的機関の役割の不明瞭、推定無罪の原理をないがしろにする推定有罪と、行為に対して明かにバランスの取れていない罰の問題である。

 フランス政府は、とにかく裁判所に判断をさせれば良いのだろうと、最も簡単な簡易裁判所の略式命令で何とかごまかしてネット切断をしようとしているが、公的機関の調書が検察に送られ、そのまま行政機関の作った調書に基づいて裁判がなされるというのは、行政と司法の役割から考えて全くおかしな話であるし、このような調書がまず信用され、反証が無い限り、弁論を必要としない簡易裁判所における略式手続きで、一方的にネット切断という個人に極めて大きな影響を与える罰が科されかねないというのは、推定無罪の原理、弁護を受ける権利を完全にないがしろにするものだろう。このままで、著作権と情報アクセス権という2つの基本的な権利の間できちんとしたバランスが取られるとは到底思えないのである。(無論被告が通常裁判を求めることは可能だろうが、日本と同じく、弁論を省略する略式手続きは、通常軽い罰を科す場合にしか適用され得ないものであり、インターネットにおける著作権侵害という事実の認定からして難しいケースにおいて、ネット切断という個人に対して極めて大きな影響を与える可能性のある罰を与え得る裁判にまで適用されて良いものとは思えない。)

 上院委員会通過版でも、第5種の軽微な著作権違反に対して1ヶ月のネット切断の罰が科され得るのは、警告を受けた者に明らかな懈怠が認められた時とされたり、インターネット・アクセス・プロバイダーへの罰金が3750ユーロから5000ユーロへと増やされたりはしているものの、上記のような、本質的な問題は手つかずのまま残されている。

 この3ストライク法案の第2案は、まがりなりにもネット切断は司法判断によることとしているので、以前の3ストライク法案ほどの大騒ぎにはならないと思うが、フランス国内では既に騒がれており、さらに相当の紆余曲折を経ることになるだろう。今後の国会審議で、権力分立、推定無罪、罪と罰の間のバランス等の最も重要な法原理を尊重する形への修正が図られない限り、この第2案も最後、憲法裁判によって断罪されることになるのではないかと私は予想する。

 次回は、今のところ、表現の自由に関する一般論を書くつもりでいる。

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2009年6月20日 (土)

第178回:3ストライクアウトポリシーの本質を否定するフランス憲法裁判所の判決

 第173回第174回第175回と3回に渡って、フランスの上下院通過版の3ストライクアウト法案(pdf)を紹介して来たが、60人以上の議員の同意により提起が可能な、法律の可決後公布前の憲法裁判の結果、番外その18のついでに少し書いたように、この6月10日に、最終的に、フランスの憲法裁判所は、3ストライクポリシーの本質的な部分を違憲とする判決(pdf)を出した(時事通信のネット記事Numeramaの記事1記事2参照)。

 この判決(pdf)は、フランスにおける3ストライクポリシーの息の根を完全に止めるものとして、結果、ヨーロッパ各国における、著作権検閲機関・ネット切断型の違法コピー対策の採用を事実上不可能とするものとして、世界的にも非常に大きい意味を持つと思うので、今回は、この判決の内容の紹介をしたいと思う。

 まず、判決(pdf)の主要部分を以下に訳出する。(いつもの如く翻訳は拙訳。)

Decision n° 2009-580 DC
du 10 juin 2009

...

LE CONSEIL CONSTITUTIONNEL,
...

・SUR LES ARTICLES 5 ET 11 :
...

- En ce qui concerne la repression des manquements a l'obligation de surveillance :
...

11. Considerant que, selon les requerants, en conferant a une autorite administrative, meme independante, des pouvoirs de sanction consistant a suspendre l'acces a internet, le legislateur aurait, d'une part, meconnu le caractere fondamental du droit a la liberte d'expression et de communication et, d'autre part, institue des sanctions manifestement disproportionnees ; qu'ils font valoir, en outre, que les conditions de cette repression institueraient une presomption de culpabilite et porteraient une atteinte caracterisee aux droits de la defense ;

12. Considerant qu'aux termes de l'article 11 de la Declaration des droits de l'homme et du citoyen de 1789 : << La libre communication des pensees et des opinions est un des droits les plus precieux de l'homme : tout citoyen peut donc parler, ecrire, imprimer librement, sauf a repondre de l'abus de cette liberte dans les cas determines par la loi >> ; qu'en l'etat actuel des moyens de communication et eu egard au developpement generalise des services de communication au public en ligne ainsi qu'a l'importance prise par ces services pour la participation a la vie democratique et l'expression des idees et des opinions, ce droit implique la liberte d'acceder a ces services ;

13. Considerant que la propriete est au nombre des droits de l'homme consacres par les articles 2 et 17 de la Declaration de 1789 ; que les finalites et les conditions d'exercice du droit de propriete ont connu depuis 1789 une evolution caracterisee par une extension de son champ d'application a des domaines nouveaux ; que, parmi ces derniers, figure le droit, pour les titulaires du droit d'auteur et de droits voisins, de jouir de leurs droits de propriete intellectuelle et de les proteger dans le cadre defini par la loi et les engagements internationaux de la France ; que la lutte contre les pratiques de contrefacon qui se developpent sur internet repond a l'objectif de sauvegarde de la propriete intellectuelle ;

14. Considerant que le principe de la separation des pouvoirs, non plus qu'aucun principe ou regle de valeur constitutionnelle, ne fait obstacle a ce qu'une autorite administrative, agissant dans le cadre de prerogatives de puissance publique, puisse exercer un pouvoir de sanction dans la mesure necessaire a l'accomplissement de sa mission des lors que l'exercice de ce pouvoir est assorti par la loi de mesures destinees a assurer la protection des droits et libertes constitutionnellement garantis ; qu'en particulier doivent etre respectes le principe de la legalite des delits et des peines ainsi que les droits de la defense, principes applicables a toute sanction ayant le caractere d'une punition, meme si le legislateur a laisse le soin de la prononcer a une autorite de nature non juridictionnelle ;

15. Considerant qu'aux termes de l'article 34 de la Constitution : << La loi fixe les regles concernant… les droits civiques et les garanties fondamentales accordees aux citoyens pour l'exercice des libertes publiques >> ; que, sur ce fondement, il est loisible au legislateur d'edicter des regles de nature a concilier la poursuite de l'objectif de lutte contre les pratiques de contrefacon sur internet avec l'exercice du droit de libre communication et de la liberte de parler, ecrire et imprimer ; que, toutefois, la liberte d'expression et de communication est d'autant plus precieuse que son exercice est une condition de la democratie et l'une des garanties du respect des autres droits et libertes ; que les atteintes portees a l'exercice de cette liberte doivent etre necessaires, adaptees et proportionnees a l'objectif poursuivi ;

16. Considerant que les pouvoirs de sanction institues par les dispositions critiquees habilitent la commission de protection des droits, qui n'est pas une juridiction, a restreindre ou a empecher l'acces a internet de titulaires d'abonnement ainsi que des personnes qu'ils en font beneficier ; que la competence reconnue a cette autorite administrative n'est pas limitee a une categorie particuliere de personnes mais s'etend a la totalite de la population ; que ses pouvoirs peuvent conduire a restreindre l'exercice, par
toute personne, de son droit de s'exprimer et de communiquer librement, notamment depuis son domicile ; que, dans ces conditions, eu egard a la nature de la liberte garantie par l'article 11 de la Declaration de 1789, le legislateur ne pouvait, quelles que soient les garanties encadrant le prononce des sanctions, confier de tels pouvoirs a une autorite administrative dans le but de proteger les droits des titulaires du droit d'auteur et de droits voisins ;

17. Considerant, en outre, qu'en vertu de l'article 9 de la Declaration de 1789, tout homme est presume innocent jusqu'a ce qu'il ait ete declare coupable ; qu'il en resulte qu'en principe le legislateur ne saurait instituer de presomption de culpabilite en matiere repressive ; que, toutefois, a titre exceptionnel, de telles presomptions peuvent etre etablies, notamment en matiere contraventionnelle, des lors qu'elles ne revetent pas de caractere irrefragable, qu'est assure le respect des droits de la defense et que les faits induisent raisonnablement la vraisemblance de l'imputabilite ;

18. Considerant, en l'espece, qu'il resulte des dispositions deferees que la realisation d'un acte de contrefacon a partir de l'adresse internet de l'abonne constitue, selon les termes du deuxieme alinea de l'article L. 331-21, << la materialite des manquements a l'obligation definie a l'article L. 336-3 >> ; que seul le titulaire du contrat d'abonnement d'acces a internet peut faire l'objet des sanctions instituees par le dispositif defere ; que, pour s'exonerer de ces sanctions, il lui incombe, en vertu de l'article L. 331-38, de produire les elements de nature a etablir que l'atteinte portee au droit d'auteur ou aux droits voisins procede de la fraude d'un tiers ; qu'ainsi, en operant un renversement de la charge de la preuve, l'article L. 331-38 institue, en meconnaissance des exigences resultant de l'article 9 de la Declaration de 1789, une presomption de culpabilite a l'encontre du titulaire de l'acces a internet, pouvant conduire a prononcer contre lui des sanctions privatives ou restrictives de droit ;

19. Considerant qu'il resulte de ce qui precede, et sans qu'il soit besoin d'examiner les autres griefs, que doivent etre declares contraires a la Constitution, a l'article 11 de la loi deferee, les deuxieme a cinquieme alineas de l'article L. 336-3 et, a son article 5, les articles L. 331-27 a L. 331-31, L. 331-33 et L. 331-34 ; qu'il en va de meme, au deuxieme alinea de l'article L. 331-21, des mots : << et constatent la materialite des manquements a l'obligation definie a l'article L. 336-3 >>, du dernier alinea de l'article L. 331-26, ainsi que des mots : << pour etre consideres, a ses yeux, comme exonerant valablement de sa responsabilite le titulaire d'acces au titre de l'article L. 336-3 >> figurant au premier alinea de l'article L. 331-32 et des mots : << dont la mise en oeuvre exonere valablement le titulaire de l'acces de sa responsabilite au titre de l'article L. 336-3 >> figurant au deuxieme alinea de ce meme article ;

20. Considerant que doivent egalement etre declares contraires a la Constitution, en tant qu'ils n'en sont pas separables, a l'article 5, les mots : << et l'avertissant des sanctions encourues en cas de renouvellement du manquement presume >> figurant au premier alinea de l'article L. 331-26, les mots : << ainsi que des voies de recours possibles en application des articles L. 331-26 a L. 331-31 et L. 331-33 >> figurant a l'article L. 331-35, les mots : << et, au plus tard, jusqu'au moment ou la suspension de l'acces prevue par ces dispositions a ete entierement executee >> figurant au premier alinea de l'article L. 331-36 et le second alinea de cet article, les mots : << ainsi que du repertoire national vise a l'article L. 331-33, permettant notamment aux personnes dont l'activite est d'offrir un acces a un service de communication en ligne de disposer, sous la forme d'une simple interrogation, des informations strictement necessaires pour proceder a la verification prevue par ce meme article >> figurant a l'article L. 331-37, ainsi que le second alinea de l'article L. 331-38 ; qu'il en va de meme, a l'article 16, des mots : << de manquement a l'obligation definie a l'article L. 336-3 du code la propriete intellectuelle et >>, ainsi que des I et V de l'article 19 ;

- En ce qui concerne le droit au respect de la vie privee :

21. Considerant que, selon les requerants, la loi deferee opere une conciliation manifestement desequilibree entre la protection des droits d'auteur et le droit au respect de la vie privee ; que l'objectif poursuivi par le legislateur necessiterait la mise en oeuvre de mesures de surveillance des citoyens et l'instauration d'un << controle generalise des communications electroniques >> incompatibles avec l'exigence constitutionnelle du droit au respect de la vie privee ; que les requerants font valoir que les pouvoirs reconnus aux agents prives, habilites a collecter les adresses des abonnes suspectes d'avoir partage un fichier d'oeuvre protegee, ne sont pas encadres par des garanties suffisantes ;

22. Considerant, en premier lieu, qu'aux termes de l'article 2 de la Declaration de 1789 : << Le but de toute association politique est la conservation des droits naturels et imprescriptibles de l'homme. Ces droits sont la liberte, la propriete, la surete et la resistance a l'oppression >> ; que la liberte proclamee par cet article implique le respect de la vie privee ; 

23. Considerant, en second lieu, qu'il appartient au legislateur, en vertu de l'article 34 de la Constitution, de fixer les regles concernant les garanties fondamentales accordees aux citoyens pour l'exercice des libertes publiques ; qu'il lui appartient d'assurer la conciliation entre le respect de la vie privee et d'autres exigences constitutionnelles, telles que la protection du droit de propriete ;

24. Considerant qu'en vertu de l'article L. 331-24 du code de la propriete intellectuelle, la commission de protection des droits agit sur saisine d'agents assermentes et agrees dans les conditions definies a l'article L. 331-2 du meme code ; que ces agents sont designes par les organismes de defense professionnelle regulierement constitues, par les societes de perception et de repartition des droits ou par le Centre national de la cinematographie ; 

25. Considerant qu'aux termes de l'article 9 de la loi du 6 janvier 1978 susvisee : << Les traitements de donnees a caractere personnel relatives aux infractions, condamnations et mesures de surete ne peuvent etre mis en oeuvre que par : ... 4° Les personnes morales mentionnees aux articles L. 321-1 et L. 331-1 du code de la propriete intellectuelle, agissant au titre des droits dont elles assurent la gestion ou pour le compte des victimes d'atteintes aux droits prevus aux livres Ier, II et III du meme code aux fins d'assurer la defense de ces droits >> ; que ces personnes morales sont les societes de perception et de repartition des droits et les organismes de defense professionnelle regulierement constitues ;

26. Considerant que les dispositions combinees de l'article L. 34-1 du code des postes et des communications electroniques, tel qu'il est modifie par l'article 14 de la loi deferee, des troisieme et cinquieme alineas de l'article L. 331-21 du code de la propriete intellectuelle et de son article L. 331-24 ont pour effet de modifier les finalites en vue desquelles ces personnes peuvent mettre en oeuvre des traitements portant sur des donnees relatives a des infractions ; qu'elles permettent en effet que, desormais, les donnees ainsi recueillies acquierent un caractere nominatif egalement dans le cadre de la procedure conduite devant la commission de protection des droits ;

27. Considerant que la lutte contre les pratiques de contrefacon sur internet repond a l'objectif de sauvegarde de la propriete intellectuelle et de la creation culturelle ; que, toutefois, l'autorisation donnee a des personnes privees de collecter les donnees permettant indirectement d'identifier les titulaires de l'acces a des services de communication au public en ligne conduit a la mise en oeuvre, par ces personnes privees, d'un traitement de donnees a caractere personnel relatives a des infractions ; qu'une telle autorisation ne saurait, sans porter une atteinte disproportionnee au droit au respect de la vie privee, avoir d'autres finalites que de permettre aux titulaires du droit d'auteur et de droits voisins d'exercer les recours juridictionnels dont dispose toute personne physique ou morale s'agissant des infractions dont elle a ete victime ;

28. Considerant qu'a la suite de la censure resultant des considerants 19 et 20, la commission de protection des droits ne peut prononcer les sanctions prevues par la loi deferee ; que seul un role prealable a une procedure judiciaire lui est confie ; que son intervention est justifiee par l'ampleur des contrefacons commises au moyen d'internet et l'utilite, dans l'interet d'une bonne administration de la justice, de limiter le nombre d'infractions dont l'autorite judiciaire sera saisie ; qu'il en resulte que les traitements de donnees a caractere personnel mis en oeuvre par les societes et organismes precites ainsi que la transmission de ces donnees a la commission de protection des droits pour l'exercice de ses missions s'inscrivent dans un processus de saisine des juridictions competentes ;

29. Considerant que ces traitements seront soumis aux exigences prevues par la loi du 6 janvier 1978 susvisee ; que les donnees ne pourront etre transmises qu'a cette autorite administrative ou aux autorites judiciaires ; qu'il appartiendra a la Commission nationale de l'informatique et des libertes, saisie pour autoriser de tels traitements, de s'assurer que les modalites de leur mise en oeuvre, notamment les conditions de conservation des donnees, seront strictement proportionnees a cette finalite ;

30. Considerant, en outre, que, contrairement a ce que soutiennent les requerants, les agents assermentes vises a l'article L. 331-24 du code de la propriete intellectuelle ne sont pas investis du pouvoir de surveiller ou d'intercepter des echanges ou des correspondances prives ;

31. Considerant qu'il resulte de ce qui precede que, sous la reserve enoncee au considerant 29, la mise en oeuvre de tels traitements de donnees a caractere personnel ne meconnait pas les exigences constitutionnelles precitees ;
...

DECIDE :

Article premier.- Sont declarees contraires a la Constitution les dispositions suivantes du code de la propriete intellectuelle, telles qu'elles resultent des articles 5 et 11 de la loi favorisant la diffusion et la protection de la creation sur internet :
- au deuxieme alinea de l'article L. 331-21, les mots : << et constatent la materialite des manquements a l'obligation definie a l'article L. 336-3 >> ;
- au premier alinea de l'article L. 331-26, les mots : << et l'avertissant des sanctions encourues en cas de renouvellement du manquement presume >> ;
- le dernier alinea de l'article L. 331-26 ;
- les articles L. 331-27 a L. 331-31 ;
- au premier alinea de l'article L. 331-32, les mots : << pour etre consideres, a ses yeux, comme exonerant valablement de sa responsabilite le titulaire d'acces au titre de l'article L. 336-3 >> ;
- au deuxieme alinea du meme article, les mots : << dont la mise en oeuvre exonere valablement le titulaire de l'acces de sa responsabilite au titre de l'article L. 336-3 >> ;
- les articles L. 331-33 et L. 331-34 ;
- a l'article L. 331-35, les mots : << ainsi que des voies de recours possibles en application des articles L. 331-26 a L. 331-31 et L. 331-33 >> ;
- a l'article L. 331-36, les mots : << et, au plus tard, jusqu'au moment ou la suspension de l'acces prevue par ces dispositions a ete entierement executee >> figurant au premier alinea ainsi que le second alinea ;
- au deuxieme alinea de l'article L. 331-37, les mots : << , ainsi que du repertoire national vise a l'article L. 331-33, permettant notamment aux personnes dont l'activite est d'offrir un acces a un service de communication en ligne de disposer, sous la forme d'une simple interrogation, des informations strictement necessaires pour proceder a la verification prevue par ce meme article >> ;
- le second alinea de l'article L. 331-38 ;
- les deuxieme a cinquieme alineas de l'article L. 336-3.

Il en est de meme des mots : << de manquement a l'obligation definie a l'article L. 336-3 du code la propriete intellectuelle et >> figurant a l'article 16 de la meme loi, ainsi que des I et V de l'article 19.

Article 2.- Au premier alinea de l'article L. 331-17 du meme code, tel qu'il resulte de l'article 5 de la meme loi, les mots : << aux articles L. 331-26 a L. 331-31 et a l'article L. 331-33 >> sont remplaces par les mots : << a l'article L. 331-26 >>.

Article 3.- Sous les reserves enoncees aux considerants 29 et 38, l'article 10 de la meme loi, ainsi que le surplus de ses articles 5, 11, 16 et 19, ne sont pas contraires a la Constitution.

Article 4.- La presente decision sera publiee au Journal officiel de la Republique francaise.
...

第2009-580号判決
2009年6月10日

(中略:訴えを提起した議員の名前など。)

憲法裁判所は、
(中略:根拠法など。)

・第5条と第11条について:
(中略:アクセス所有者の注意義務についてなど。)

-注意義務の懈怠の抑圧に関して:
(中略:ネット切断に関する法律の内容説明。)

11.訴えの通り、独立であるにせよ、行政機関にインターネットへのアクセス遮断の罰の権限を与えた立法府は、一方で、表現と通信の自由の権利の基本的な権利をないがしろにし、もう一方で、明らかにバランスの取れていない罰を作っていることを;さらに、この抑圧の条件は、有罪を推定しており、弁護の権利に対する明白な侵害を構成していることを考え;

12.「思想と意見の自由な伝達は、人間の最も貴重な権利である:したがって、あらゆる市民は、法律によって確定される濫用に対応する場合を除き、自由に話し、書き、出版することができる」という1789年の市民と人間の権利の宣言の第11条の規定を;現在の通信手段の状況において、そして、オンライン公衆通信サービスの一般的な発展に鑑み、民主的生活と思想と意見の表現に参加するために、この権利は、これらのサービスへのアクセスの自由を課すものであることを考え;

13.財産権も、1789年の宣言の第2条と第17条に規定されている尊い権利として数えられていることを;財産権の行使の目的と条件は、1789年以来、その新たな適用範囲の拡大によって特徴づけられる発展をして来たものであることを;その中に、知的財産権として享受されるものとして、フランスの法と国際条約によって決められる枠組みの中で保護されるものとして、著作権者と隣接権者のための権利もあることを;インターネット上で発達している知的財産の侵害行為に対する戦いが、知的財産権を保障する目的に応えるものであることを考え;

14.その力の行使が、憲法によって保障される権利と自由の保護を確保するための手段である法と釣り合うべきものである以上、その使命の達成に必要な手段だったとしても、公権力の特別な枠組みの中で動く行政機関による罰の執行は、憲法上の原理原則に他ならない権力分立の原理から、禁じられていることを;立法府が、司法ではない性質の機関に、それを課すことを許したとしても、特に、刑罰の性質を有するあらゆる罰に適用される原理である、罪刑法定主義の原理並びに弁護の権利は尊重されなくてはならないことを考え;

15.「法は、市民権と、公的自由の行使のために市民に与えられる基本的な保障...に関する規則を定める」という憲法第34条の規定を;この基礎の上に、インターネット上の知的財産権侵害行為に対する戦いの目的の追求と、通信の自由及び話し、書き、出版する自由の権利の行使を両立させる性質の規則を、立法府が制定することは許されることを;しかしながら、表現と通信の自由は、その行使が、民主主義の条件であり、他の権利と自由の尊重を保障するものであるだけ、より貴重なものであることを;この自由の行使に対する侵害は、追求する目的に照らして、必要で、適切で、バランスの取れたものでなくてはならないことを考え;

16.批判されている規定によって作られる罰の権限が、司法当局では無い権利保護委員会に、契約者あるいは受益者のインターネットアクセスを抑制あるいは阻害する権限を与えるものであることを考え;この行政機関に与えられる権限の対象は、特定のカテゴリーの者に限られず、全国民に及ぶことを考え;この権限は、あらゆる者の、特にその家庭から自由に表現し、通信するというその権利の行使を妨げることにつながり得ることを;その条件において、1789年の宣言の第11条によって保障される自由の性質に照らし、この保障によって加えられる罰は制約され、著作権者と隣接権者を保護するという目的において、行政機関にこのような権限を与えることは、立法府にはできないことを考え;

17.さらに、1789年の宣言の第9条によって、有罪と宣告されるまで無罪が推定されることを;原則として、立法府は、抑圧的な有罪推定を作り出すことはできないことを;しかしながら、それが争いようの無い性質のもので、弁護の権利の尊重が確保され、事実から、その責任が確かに存在していることは合理的に導かれる限りにおいて、軽犯罪の名で、例外的な条件で、このような推定が作られ得ることを考え;

18.ここで、告発されている規定によると、契約者のインターネットアクセスからの知的財産権侵害行為の実行が、第331-21条の第2段落の規定によれば、「第336-3条で規定されている義務を具体的に欠く」ことになることを;インターネットへのアクセスの契約者のみが、告発されている規定によって作られる罰の対象となり得ることを;これらの罰を免れるためには、第331-38条により
著作権あるいは隣接権に対する侵害が不正に用いた他人によることを示す性質の事項を出さなければならなくなることを;このように、証明責任の転嫁を行うことで、第331-38条は、1789年の宣言の第9条に由来する要請をないがしろにし、インターネットへのアクセス所有者に反する形で有罪の推定を作り出し、否定的あるいは抑圧的な罰をこの者に科すことにつながり得ることを考え;

19.以上のことから、他の訴えを確かめるまでも無く、告発されている法律の第11条、第336-3条の第2段落から第5段落、第331-27条から第331-31条、第331-33条と第331-34条は明確に憲法に違反していると導かれることを;同じ事が、第331-21条の第2段落の「第336-3条で規定されている義務を具体的に欠くかどうかを確かめる」という語、第331-26の最終段落、並びに、第331-32段落の第1段落に記載されている、「その目から見て、アクセス所有者に、第336-3条に規定されている、その責任を効果的に免れさせることができると考えられる」という語、同じ条項の第2段落に記載されている、「その使用によって、第336-3条に規定されている、その責任を効果的に免れさせることができる」という語についても同じことが言えることを考え;

20.分離不可能のものである、第5条の、第331-26条の第1段落に記載されている、「懈怠が繰り返される場合には罰則が科されることを警告する」という語、第331-35条に記載されている、「並びに、第331-26条から第331-31条と第331-33条の適用に対する可能な救済手段」という語、第331-36条の第1段落に記載されている、「遅くとも、これらの規定に定められているアクセス遮断が完全に実施された時まで」、第331-37条に記載されている、「並びに、第331-33条に規定されている国レベルのブラックリストを目的とするものであり、特に、オンライン公衆通信サービスを提供する者に、単純な質問の形式で、同じ条項に規定されている確認を行うのに厳格に必要なだけに限り情報を入手することを可能とする」という語、並びに、第331-8条の第2段落も、等しく、憲法に違反していることを考え;同じ事が、第16条の「知的財産法の第336-3条に規定されている義務を欠いた」という語、第19条のⅠとⅤについても言えることを考え;

-私的生活の尊重の権利に関して:

21.告訴者の言う通り、告発されている法律は、著作権と隣接権の保護と私的生活の尊重の間で明らかにバランスを欠いた妥協を図っていることを;立法府の追求する目的が、私的生活の尊重と両立しない、市民の監視手段の使用と、「電気通信の一般的な統制」を必要とすることを;告訴者が、保護を受ける作品データを共有したと疑われた契約者のアドレスを収集することを許される、民間代理人に認められる権限が、十分な保証によって枠を嵌められていないことを考え;

22.第1に、「あらゆる政治団体の目的は、人間の永遠かつ自然の権利の保全を目的とする。この権利は、自由、財産権、安全と、抑圧への抵抗である」という1789年の宣言の第2条の規定を;この条項に宣言されている自由は私的生活の尊重を含むものであることを考え;

23.第2に、憲法の第34条により、公的自由の行使に対する基本的な保障に関する規則を作ることが、立法府の責務であることを;私的生活の尊重と、著作権のような、他の憲法上の要請との間の両立を確保することが、立法府の責務であることを考え;

24.知的財産権法第331-24条により、権利保護委員会が、同法第331-32条に規定されている条件に適い宣誓をした者の訴えに基づいて動くことを;これらの宣誓代理人は、規則通りに作られた職業的保護団体、著作権料徴収分配団体、国立映画センターによって指定されることを考え;

25.上記の1978年1月6日の法律の第9条の「違反、罰と公安に関する私的な性格を有するデータの取り扱いは、次の者によってしかなされ得ない:...4°徴収を行う権利の名において、あるいは、知的財産法のⅠ、ⅡとⅢ部に規定されている権利侵害の被侵害者のために動く、知的財産権法第321-1条第331-1条に記載されている法人」という規定を考え;これらの法人は、著作権料徴収分配団体と規則通りに作られた職業的保護団体であることを考え;

26.告発されている法律の第14条によって修正された通りの電気通信法第34-1条、知的財産権法第331-21条の第2段落と第5段落と、その第331-24条の規定の組み合わせが、これらの者のみが違反に関するデータを取り扱いを行えるという、あるべき形を歪める効果を持つものであることを;以降、結果として、このように収集されたデータが、同じく、権利保護委員会においてなされる手続きの枠組みにおいて、名簿的性質を有するようになり得ることを考え;

27.インターネットにおける知的財産権侵害行為に対する戦いは、知的財産権と文化的創造を保障するという目的に応えるものであることを;しかしながら、オンライン公衆通信サービスへのアクセス所有者を間接的に特定することを可能とするデータの収集をこれらの私人に許すことは、これらの私人によって違反に関係する性質の個人情報を取り扱えるようにするということを導くことを;私的生活の尊重の権利に対してバランスを欠いた侵害をなしてはならず、このような許可は、自身が被侵害者となっった場合にあらゆる自然人あるいは法人に可能なこととして、司法救済の執行において著作権者あるいは隣接権者に許されるという以外の形ではなされてはならないということを考え;

28.考察19と20の違憲判断の結果として、権利保護委員会は、告発されている法律に規定されている罰を科すことはできないことを;司法手続きに先立つ役割のみがそれに委ねられていることを;その介入は、インターネットによって犯された知的財産権侵害の量と、司法の正しい手続きに入り、司法当局に訴えられた違反の数を制限するという効用によってのみ正当化されることを;結果、前記の団体と組織によってなされる私的な性質のデータの取り扱い、並びに、その使命の実行のための権利保護委員会への伝達が、管轄裁判所の訴状に書き込まれることになることを考え;

29.この取り扱いが、上記の1978年の1月6日の法律に規定された要請に服するものであることを考え;このデータは、この行政機関あるいは司法当局にしか伝えられてはならないものであることを考え;このような取り扱いの実行様式を確かめるのは、そのような許可を与えるための申請を受ける、情報自由委員会の責務であることを、特に、このデータの保存条件は、その目的に照らして厳格に必要な限りでなければならないことを考え;

30.さらに、告発者の主張に反し、知的財産権法第331-24条に規定されている宣誓代理人は、私的通信あるいは交信を監視する、あるいは、途中で押さえる権限を付与されるものではないことを考え;

31.以上のことから、考察29の留保の下、このような私的な性質のデータの取り扱いは、前記の憲法上の要請をないがしろにするものではないことを考え;

(中略:合法ラベル等について。なお、第10条は第175回に訳出したが、考察38では、表現の自由を考慮して権利保護に厳格に必要なだけの手段を宣告することが司法の義務であることを留保して、裁判所があらゆる手段を命じられるとする、この第10条を憲法違反ではないとしている。)

以下の通り決定する:

第1条 インターネットにおける創造の保護と頒布促進法法の第5条と第11条によるところの、知的財産権法の次の規定は、憲法に明らかに違反している:
第331-21条の第2段落の「第336-3条で規定されている義務を具体的に欠くかどうかを確かめる」という語;
第331-26条の第1段落の「懈怠が繰り返される場合には罰則が科されることを警告する」という語;
第331-26条の最終段落;
第331-27条から第331-31条;
第331-32条の第1段落の「その目から見て、アクセス所有者に、第336-3条に規定されている、その責任を効果的に免れさせることができると考えられる」という語;
同条の第2段落の「第336-3条に規定されている、その責任をアクセス所有者に効果的に免れさせることができる」という語;
第331-33条から第331-34条;
第331-35条の「並びに、第331-26条から第331-31条と第331-33条の適用に対する可能な救済手段」という語;
第331-36条の、第1段落に記載されている、「遅くとも、これらの規定に定められているアクセス遮断が完全に実施された時まで」という語、並びに、第2段落;
第331-37条の第2段落の「並びに、第331-33条に規定されている国レベルのブラックリストを目的とするものであり、特に、オンライン公衆通信サービスを提供する者に、単純な質問の形式で、同じ条項に規定されている確認を行うのに厳格に必要なだけに限り情報を入手することを可能とする」という語;
第331-38条の第2段落;
第336-3条の第2段落から第5段落。

第2条 同法の第5条によるところの、第331-17条の第1段落の「第331の26条から第331の31条までと第331の33条」は、「第331の26条」という語によって置き換えられる。

第3条 考察29と38の留保の下、同法の第10条、並びに、第5条、第11条、第16条と第19条の残りは、憲法に反するものではない。

第4条 本決定は、フランス共和国官報に掲載される。

 細かな点が気になるようなら、第173回第174回第175回に訳出した条文と見比べながら読んで頂ければと思うが、この判決は、要するに、技術の発展を考慮し、インターネットのアクセスを、表現の自由に関係する情報アクセスの権利、つまり、最も基本的な権利の1つとしてとらえ、権力分立等の各種の民主主義の基本原理から、そのような基本権を阻害するような罰は、行政機関によって一方的に与えられることはあってはならないとするものであり、フランス政府が長年目論んで来た著作権検閲行政機関・ネット切断型の違法コピー対策を真っ向から否定するものである。

 これは、民主主義の最重要の基礎である、表現、思想、意見の自由等の精神的自由の基本に立ち返って考えれば、極当たり前の帰結なのだが、このことが、世界的に見ても、なかなか政策決定のレベルにおいてまで理解されるに至らないのは、本当に残念なことと言わざるを得ない。

 著作権も保護されるべきものではあるだろうが、どこまで行っても重要なのは権利間のバランスであり、著作権を言いつのるばかりに、表現の自由・情報アクセスの権利やプライバシーといった他の基本的な権利がないがしろにされることは絶対にあってはならないことである。

 フランスの3ストライクアウトポリシーは、この判決によって完全に葬り去られたと見て良いのではないかと私は思う。この判決を受けて、フランス政府は、司法判断を利用する形にさらに法律を改めるのではないかと思うが、それはもはや、いわゆる3ストライクポリシーと称されているものとは別物と考えた方が良いだろう。欧州議会の数度に渡るフランス政府との応酬も決してムダとはならなかった。韓国と台湾においてのみ、その立法に妙な影響を残したものの、よほどの恥知らずでも無い限り、フランスと同じ形でこのポリシーを推進しようとする国は、この先もう出てこないに違いない。

 このフランスの判決は、世界的に見ても、1つの大きなターニングポイントをなすものとして評価されて行くことになるのではないかと私は思っている。国会議員や役人といった、本来法律を慎重に扱うべき人々においてすら、表現の自由などの最重要の基本権・基本原理に関する本質的な理解が全く足りていないことが、この日本でも、極めて良く見受けられるのは痛恨の極みだが、世界の趨勢として、インターネットへのアクセスは情報に関する基本的な権利の1つとして確立して行くとする私の確信が揺らぐことは無い。

 良いニュースは無いのだが、最後に、いくつか国内外のニュースの紹介もしておく。

 まず、児童ポルノ法改正問題については、26日の衆議院法務委員会からの改正法案の審議入りが決まったという報道があった(毎日のネット記事参照)。「チラシの裏(3週目)」で既に突っ込まれているが、この問題は今最低最悪の状況にある。著作権問題はおろか、表現・情報規制問題でも、民主党は、政策的に全く問題の本質を理解していないことに加え、政治的にも本当にロクでもない妥協政党であることまで露呈した。所詮同じ穴のムジナである。個人的にやれるだけのことはやっておきたいと思うが、民主党に票を入れる理由はこれで一切無くなった。

 また、特に新しい情報が含まれている訳では無いが、警察庁が、児童ポルノ対策重点プログラム(pdf)リリース(pdf)概要(pdf)internet watchの記事も参照)なるものを、この18日に公表した。今までのペーパーに比べると児童保護についての記載が多少増えているあたり、少しはマシになって来ているのかも知れないが、相変わらずどこをどうやっても検閲にしかならないサイトブロッキングなどに示している執着といい、タイミングといい、本当に今の警察庁の悪辣も底知れない。

 総務省では、「通信・放送の総合的な法体系の在り方」答申案(pdf)に対するパブリックコメントの募集(総務省のリリース概要(pdf)internet watchの記事も参照)が始まった。この報告書では、コンテンツ規制の対象は従来の「放送」の範囲にとどめ、インターネットは対象外となっているので、大きく文句をつけるところは無いのだが、他のことも含め、いくつか念のために釘を刺しておきたいと思うので、また、パブコメは提出次第ここに載せたいと思っている。

 この16日に、イギリス文化省から、「デジタル・ブリテン」最終報告書(pdf)が出されている(イギリス文化省のリリースも参照)ので、今のところ、次回は、この内容の紹介をしたいと思っているが、動き次第で、他の話を取り上げることになるかも知れない。

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2009年5月28日 (木)

第175回:フランスの3ストライクアウト法案(その3:その他補足)

 前々回前回の続きで、フランスの上下院通過版3ストライク法案(pdf)(正式名称は、「インターネットにおける創造の保護と頒布促進法案」("Le projet de loi favorisant la diffusion et la protection de la creation sur internet")。通称は、Hapopi法("Haute Autorite pour la Diffusion des Oeuvres et la Protection des Droits sur Internet"「インターネット上における著作物の頒布と権利の保護のための公的機関」の略))について、もう少しだけ補足を書いておく。

 改正法案では、教育法を改正して、第336-3条に規定されている利用者の義務や、著作物の違法頒布が芸術的創造に与える危険について教えるとしていたり、映画産業法の改正をして、映画館の封切りからビデオ媒体になるまでの期間を決めていたり、ジャーナリストの作品の利用について細かな規定を作っていたりもする。

 例え、このまま法改正案が通ったとしても、純粋なダウンロードの扱いが微妙なまま残されるだろうことは、前々回に書いた通りだが、権利制限条項については、図書館に関するものだけ変えようとしているので、その部分だけ念のため以下に訳出する。(赤字強調部分が追加部分。なお、フランスの私的複製に関する権利制限条項については、第16回参照。)

Art. L. 122-5. Lorsque l'oeuvre a ete divulguee, l'auteur ne peut interdire :
...
8° La reproduction d'une oeuvre et sa representation, effectuee a des fins de conservation ou destinee a preserver les conditions de sa consultation sur placea des fins de recherche ou d'etudes privees par des particuliers, dans les locaux de l'etablissement et sur des terminaux dedies par des bibliotheques accessibles au public, par des musees ou par des services d'archives, sous reserve que ceux-ci ne recherchent aucun avantage economique ou commercial;

第122-5条 公表された作品について、作者は次のことを禁止できない。
(中略)
8°建物内の提供端末による、個人による私的な調査研究の目的でのその場での照会の条件を守る、あるいは、保存の目的で実行される、公衆にアクセス可能となっている図書館、博物館あるいは公文書館による著作物の複製とその上演、ただし、それらが経済的あるいは商業的利益を求めない場合に限る。

 細かな話だが、このような法改正は図書館で資料のデジタル化ができることを明確にするものだろう。(無論、日本のように国会図書館のみに限るといった無意味に厳し過ぎる限定は入っていない。)

 フランスでは、60人以上の議員の同意により、法律の可決後公布前に憲法裁判の提起が可能であるため、この法案は今現在、当然のように憲法裁判にかかっている。補足として、ここで、フランス社会党による憲法裁判所への訴状(pdf)の概要も以下に訳しておく。(PC INpactの記事Numeramaの記事、フランス社会党のリリース、フランス社会党のウルヴォアス議員のブログ記事も参照。)

SOMMAIRE

1. Le defaut d'information des parlementaires et l'atteinte au principe de clarte et de sincerite des debats parlementaires.

2. Des mesures legislatives manifestement inappropriees a l'objectif poursuivi par le legislateur

. Une loi contournable
. Une loi contre-productive
. Une loi inapplicable
. Une loi couteuse

3. Une conciliation manifestement desequilibree entre la protection des droits d'auteur et la protection de la vie privee.

4. La meconnaissance par le legislateur de sa propre competence

5. Le caractere flou et imprecis du manquement institue par la loi (article 11).

6. Une sanction manifestement disproportionnee (article 5)

a - Sur le principe de la suspension de l'acces a Internet
b - La double sanction resultant de l'obligation pour l'abonne dont l'acces a Internet a ete suspendu de continuer a payer le prix de son abonnement.

7. Une telle sanction ne peut etre prononcee que par l'autorite judiciaire

8. Les competences et les pouvoirs exorbitants reconnus a la HADOPI (article 5)

a - Les pouvoirs exorbitants accordes aux agents publics de la HADOPI
b - Le pouvoir discretionnaire des agents prives charges de saisir la HADOPI.
c - Le pouvoir d'appreciation exorbitant confere a la commission de protection des droits dans le cadre du mecanisme de sanction graduee.
d - Cette marge de manoeuvre expose non seulement les ≪ abonnes ≫ a l'arbitraire de cette autorite, mais risque en outre d'entrainer des atteintes caracterisees au principe d'egalite.

9. Une atteinte caracterisee au principe du respect des droits de la defense et au droit a un recours effectif (article 5).

10. L'instauration d'une presomption de culpabilite. L'imputabilite des actes de telechargement et l'atteinte caracterisee au principe de personnalite des delits et des peines (article 11 et 5).

11. L'article 10 viole le principe de proportionnalite et porte atteinte a la liberte d'expression

a. L'article 10 de la loi viole le principe general de proportionnalite
b. L'article 10 de la loi viole la liberte d'expression 

概要

1.国会における情報の欠如と国会審議の透明性と信義則の原理に対する侵害

2.立法の追求する目的に大して明らかに不適切な立法措置

 .回避可能な法律
 .創造性に反する法律
 .実運用不能の法律
 .コストばかりかかる法律

3.著作権の保護と私的生活の保護の間の明らかにバランスを欠いた調整

4.立法府による自らの権限範囲の無視

5.この法律が作り出す欠陥の曖昧かつ不明確な性質(改正法案第11条(訳注:利用者の義務を定めた著作権法第336-3条を含む条項))

6.明らかにバランスを欠いた罰(改正法案第5条(訳注:公的機関を規定する第331-12条以下を含む条項))

 a-インターネットへのアクセスの遮断の原理について
 b-インターネットへのアクセスを遮断された者が、その契約料金を支払い続けなければならないことから来る二重の罰

7.このような罰は、司法当局によってしか課され得ない

8.公的機関に認められる法外な権限と権力(改正法案第5条)

 a-公的機関の役人に与えられる法外な権力
 b-公的機関への訴えができる民間代理人の裁量権
 c-段階的罰のメカニズムの枠内で権利保護委員会に与えられる法外な判断権
 d-その運用の幅が、契約者を、この機関の恣意による危険に晒すのみならず、さらに、平等の原理に対する明白な侵害をもたらす危険がある

9.防衛の権利の尊重の原理と有効な救済を求める権利に対する明白な侵害(改正法案第5条)

10.推定有罪の導入。通信行為の責任と罪と罰の個人性の原理の明白な侵害(改正法案第11条と第5条)

11.改正法案第10条はバランスの原理に反しており、表現の自由を侵害するものである

 a.この法案の第10条は、一般的なバランスの原理に違反している
 b.この法案の第10条は、表現の自由を侵害するものである

 詳細はリンク先に当たってもらえればと思うが、この法案がどのような点からフランスの憲法違反として反対されているのかはこれだけでも大体分かるだろう。著作権の保護が重要でないなどということを言うつもりは無いが、このようなスリーストライク法案は、明らかにバランスを欠いており、通常の民主主義国家のほとんどの憲法で規定されているだろう、情報アクセス権を含む表現の自由、プライバシーの権利等々、民主主義の最重要の基礎である精神的自由とそれを守るための仕組みを蹂躙するものとなるだろうと私も考える。

(なお、上で取り上げられている改正法案第10条は、

Art. L. 336-2. - En presence d'une atteinte a un droit d'auteur ou a un droit voisin occasionnee par le contenu d'un service de communication au public en ligne, le tribunal de grande instance, statuant le cas echeant en la forme des referes, peut ordonner a la demande des titulaires de droits sur les oeuvres et objets proteges, de leurs ayants droit, des societes de perception et de repartition des droits visees a l'article L. 321-1 ou des organismes de defense professionnelle vises a l'article L. 331-1, toutes mesures propres a prevenir ou a faire cesser une telle atteinte a un droit d'auteur ou un droit voisin, a l'encontre de toute personne susceptible de contribuer a y remedier.

第336-2条 オンライン公衆通信サービスの内容によって引き起こされ、著作権あるいは著作隣接権侵害が存在する時には、大審裁判所は、迅速審理でもしもの場合を規定し、保護を受ける作品の権利の保持者、権利者、第321-1条に規定された著作権料徴収分配団体あるいは第331-1条に規定された職業的保護団体の求めに応じ、その救済に寄与すると考えられるあらゆる者の意を無視して、このような著作権あるいは著作隣接権の侵害を防止あるいは停止するのに適当なあらゆる手段を命じることができる。

という第336-2条を含むものである。このように、裁判所が、フィルタリングの強制も含め、あらゆることを命じられるとすることは、一般的なバランスの原理に反し、表現の自由が侵害され得るとしているのである。)

 これほど基本的な問題についてフランスの憲法裁判所がどのような判断を示すか、フランスの動向は引き続き注目しておく必要がある。フランスの3ストライクアウト法案については、この憲法裁判の判決が出され次第、また続報を書きたいと思っている。

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2009年5月23日 (土)

第174回:フランスの3ストライクアウト法案(その2:3ストライクアウトルール関連部分)

 前回の続きで、フランスの上下院通過版3ストライク法案(pdf)(正式名称は、「インターネットにおける創造の保護と頒布促進法案」("Le projet de loi favorisant la diffusion et la protection de la creation sur internet")。通称は、Hapopi法("Haute Autorite pour la Diffusion des Oeuvres et la Protection des Droits sur Internet"「インターネット上における著作物の頒布と権利の保護のための公的機関」の略))から、今回は、3ストライクルールを規定する第3章第3節を以下に訳出する。(前回も書いた通り、今現在憲法裁判所に訴えが提起されているので、さらに条文が変わる可能性があることにご留意頂きたい。なお、以前のバージョンは、第104回参照。)

Sous-section 3 Mission de protection des oeuvres et objets auxquels est attache un droit d'auteur ou un droit voisin

Art. L. 331-24. - La commission de protection des droits agit sur saisine d'agents assermentes et agrees dans les conditions definies a l'article L. 331-2 qui sont designes par :
- les organismes de defense professionnelle regulierement constitues ;
- les societes de perception et de repartition des droits ;
- le Centre national de la cinematographie.

La commission de protection des droits peut egalement agir sur la base d'informations qui lui sont transmises par le procureur de la Republique.

Elle ne peut etre saisie de faits remontant a plus de six mois.

Art. L. 331-25. - Les mesures prises par la commission de protection des droits sont limitees a ce qui est necessaire pour mettre un terme au manquement a l'obligation definie a l'article L. 336-3.

Art. L. 331-26. - Lorsqu'elle est saisie de faits susceptibles de constituer un manquement a l'obligation definie a l'article L. 336-3, la commission de protection des droits peut envoyer a l'abonne, sous son timbre et pour son compte, par la voie electronique et par l'intermediaire de la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne ayant conclu un contrat avec l'abonne, une recommandation lui rappelant les dispositions de l'article L. 336-3, lui enjoignant de respecter l'obligation qu'elles definissent et l'avertissant des sanctions encourues en cas de renouvellement du manquement presume. Cette recommandation contient egalement une information de l'abonne sur l'offre legale de contenus culturels en ligne, sur l'existence de moyens de securisation permettant de prevenir les manquements a l'obligation definie a l'article L. 336-3 ainsi que sur les dangers pour le renouvellement de la creation artistique et pour l'economie du secteur culturel des pratiques ne respectant pas le droit d'auteur et les droits voisins.

En cas de renouvellement, dans un delai de six mois a compter de l'envoi de la recommandation visee au premier alinea, de faits susceptibles de constituer un manquement a l'obligation definie a l'article L. 336-3, la commission peut adresser une nouvelle recommandation comportant les memes informations que la precedente par la voie electronique dans les conditions prevues au premier alinea. Elle peut assortir cette recommandation d'une lettre remise contre signature ou de tout autre moyen propre a etablir la preuve de la date d'envoi de cette recommandation.

Les recommandations adressees sur le fondement du present article mentionnent la date et l'heure auxquelles les faits susceptibles de constituer un manquement a l'obligation definie a l'article L. 336-3 ont ete constates. En revanche, elles ne divulguent pas le contenu des oeuvres ou objets proteges concernes par ce manquement. Elles indiquent les coordonnees telephoniques, postales et electroniques ou leur destinataire peut adresser, s'il le souhaite, des observations a la commission de protection des droits et obtenir, s'il en formule la demande expresse, des precisions sur le contenu des oeuvres ou objets proteges concernes par le manquement qui lui est reproche.

Le bien-fonde des recommandations adressees sur le fondement du present article ne peut etre conteste qu'a l'appui d'un recours dirige contre une decision de sanction prononcee en application de l'article L. 331-27.

Art. L. 331-27. - Lorsqu'il est constate que l'abonne a meconnu l'obligation definie a l'article L. 336-3 dans l'annee suivant la reception d'une recommandation adressee par la commission de protection des droits et assortie d'une lettre remise contre signature ou de tout autre moyen propre a etablir la preuve de la date d'envoi de cette recommandation et celle de sa reception par l'abonne, la commission peut, apres une procedure contradictoire, prononcer, en fonction de la gravite des manquements et de l'usage de l'acces, l'une des sanctions suivantes :
1°La suspension de l'acces au service pour une duree de deux mois a un an assortie de l'impossibilite, pour l'abonne, de souscrire pendant la meme periode un autre contrat portant sur l'acces a un service de communication au public en ligne aupres de tout operateur ;
2°Une injonction de prendre, dans un delai qu'elle determine, des mesures de nature a prevenir le renouvellement du manquement constate, notamment un moyen de securisation figurant sur la liste definie au deuxieme alinea de l'article L. 331-32, et d'en rendre compte a la Haute Autorite, le cas echeant sous astreinte.

Les sanctions prevues par le present article sont prononcees dans les conditions suivantes.

La commission rappelle a l'abonne les recommandations dont il a deja fait l'objet, ainsi que leurs motifs. Elle lui notifie les faits nouveaux qui lui sont reproches et lui indique les mesures qu'elle est susceptible de prendre a son egard. L'abonne est egalement informe de la possibilite de se faire assister d'un conseil, de consulter l'integralite du dossier le concernant et de presenter des observations ecrites et orales.

La commission peut egalement entendre toute personne dont l'audition lui parait susceptible de contribuer a son information.

Les decisions par lesquelles la commission inflige l'une des sanctions prevues au present article sont motivees. Elles precisent les raisons pour lesquelles les elements recueillis lors de la procedure contradictoire ne sont pas suffisants pour mettre en doute l'existence du manquement presume a l'obligation de vigilance definie a l'article L. 336-3, non plus que pour retenir l'existence de l'une des causes d'exoneration prevues au meme article.

La commission notifie a l'abonne la sanction prise a son encontre et l'informe des voies et delais de recours et, lorsque la sanction consiste en la suspension de l'acces au service, de son inscription au repertoire vise a l'article L. 331-33 et de l'impossibilite temporaire de souscrire, pendant la periode de suspension, un autre contrat portant sur l'acces a un service de communication au public en ligne aupres de tout operateur.

Aucune sanction ne peut etre prise sur le fondement du present article pour des faits concernant une oeuvre ou un objet protege dont tous les ayants droit resident dans un Etat etranger ou un territoire situe hors de France a regime fiscal privilegie, mentionne a l'article 238 A du code general des impots, a charge pour les personnes mentionnees a l'article L. 331-24 du present code de preciser que l'objet de leur saisine de la commission de protection des droits ne releve pas d'un tel cas de figure.

Les sanctions prises en application du present article peuvent faire l'objet d'un recours en annulation ou en reformation par les parties en cause devant les juridictions judiciaires, forme dans un delai de trente jours francs suivant leur notification a l'abonne.

Un decret en Conseil d'Etat fixe les conditions dans lesquelles les sanctions peuvent faire l'objet d'un sursis a execution.

Un decret determine les juridictions competentes pour connaitre de ces recours.

Art. L. 331-28. - Avant d'engager une procedure de sanction dans les conditions prevues a l'article L. 331-27, la commission de protection des droits peut proposer une transaction a l'abonne qui s'engage a ne pas reiterer le manquement constate a l'obligation prevue a l'article L. 336-3 ou a prevenir son renouvellement. Dans ce cas, l'abonne est informe de son droit d'etre assiste d'un conseil. La transaction peut porter sur l'une des sanctions suivantes :
Une suspension de l'acces au service d'une duree d'un mois a trois mois, assortie de l'impossibilite de souscrire pendant la meme periode un autre contrat portant sur l'acces a un service de communication au public en ligne aupres de tout operateur ;
Une obligation de prendre, dans un delai que la commission de protection des droits determine, des mesures de nature a prevenir le renouvellement du manquement constate, notamment un moyen de securisation figurant sur la liste definie au deuxieme alinea de l'article L. 331-32, et d'en rendre compte a la Haute Autorite.

Aucune sanction ne peut etre prise sur le fondement du present article pour des faits concernant une oeuvre ou un objet protege dont tous les ayants droit resident dans un Etat etranger ou un territoire situe hors de France a regime fiscal privilegie mentionne a l'article 238 A du code general des impots, a charge pour les personnes mentionnees a l'article L. 331-24 du present code de preciser que l'objet de leur saisine de la commission de protection des droits ne releve pas d'un tel cas de figure.

Art. L. 331-29. - En cas d'inexecution, du fait de l'abonne, d'une transaction acceptee par celui-ci, la commission de protection des droits peut prononcer l'une des sanctions prevues a l'article L. 331-27.

Art. L. 331-30. - La suspension de l'acces mentionnee aux articles L. 331-27 et L. 331-28 n'affecte pas, par elle-meme, le versement du prix de l'abonnement au fournisseur du service. L'article L. 121-84 du code de la consommation n'est pas applicable au cours de la periode de suspension.

Les frais d'une eventuelle resiliation de l'abonnement au cours de la periode de suspension sont supportes par l'abonne.

La suspension s'applique uniquement a l'acces a des services de communication au public en ligne et de communications electroniques. Lorsque ce service d'acces est achete selon des offres commerciales composites incluant d'autres types de services, tels que services de telephonie ou de television, les decisions de suspension ne s'appliquent pas a ces services.

Art. L. 331-31. - Lorsque la sanction mentionnee a l'article L. 331-27 ou a l'article L. 331-29 ou la transaction mentionnee a l'article L. 331-28 comporte une suspension de l'acces de l'abonne, la commission de protection des droits notifie ladite suspension a la personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne ayant conclu un contrat avec l'abonne concerne et lui enjoint de mettre en oeuvre cette mesure de suspension dans un delai de quarante-cinq jours au moins et soixante jours au plus.

Si cette personne ne se conforme pas a l'injonction qui lui est adressee, la commission de protection des droits peut, a l'issue d'une procedure contradictoire, lui infliger une sanction pecuniaire d'un montant maximal de 5000 Euro par manquement constate a l'obligation visee au premier alinea.

Les sanctions prises en application du present article peuvent faire l'objet d'un recours en annulation ou en reformation par les parties en cause devant les juridictions judiciaires.

Un decret en Conseil d'Etat fixe les conditions dans lesquelles les sanctions peuvent faire l'objet d'un sursis a execution.

Un decret determine les juridictions competentes pour connaitre de ces recours.

Art. L. 331-32. - Apres consultation des concepteurs de moyens de securisation destines a prevenir l'utilisation illicite de l'acces a un service de communication au public en ligne, des personnes dont l'activite est d'offrir l'acces a un tel service ainsi que des societes regies par le titre II du present livre et des organismes de defense professionnelle regulierement constitues, la Haute Autorite rend publiques les specifications fonctionnelles pertinentes que ces moyens doivent presenter pour etre consideres, a ses yeux, comme exonerant valablement de sa responsabilite le titulaire de l'acces au titre de l'article L. 336-3.

Au terme d'une procedure d'evaluation certifiee prenant en compte leur conformite aux specifications visees au premier alinea et leur efficacite, la Haute Autorite etablit une liste labellisant les moyens de securisation dont la mise en oeuvre exonere valablement le titulaire de l'acces de sa responsabilite au titre de l'article L. 336-3. Cette labellisation est periodiquement revue.

Un decret en Conseil d'Etat precise la procedure d'evaluation et de labellisation de ces moyens de securisation.

Art. L. 331-33. - La Haute Autorite etablit un repertoire national des personnes qui font l'objet d'une suspension en cours de leur acces a un service de communication au public en ligne en application des articles L. 331-27 a L. 331-29.

La personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne verifie, a l'occasion de la conclusion de tout nouveau contrat ou du renouvellement d'un contrat arrive a expiration portant sur la fourniture d'un tel service, si le cocontractant figure sur ce repertoire. Elle peut egalement verifier a l'occasion d'une reclamation de l'un de ses abonnes relative a une interruption de service justifiant, selon lui, une resiliation du contrat les liant, si celui-ci figure dans ce repertoire.

Pour chaque manquement constate a l'obligation de consultation prevue a la premiere phrase du deuxieme alinea ou pour tout contrat conclu par cette personne avec l'interesse nonobstant son inscription sur le repertoire, la commission de protection des droits peut, a l'issue d'une procedure contradictoire, lui infliger une sanction pecuniaire d'un montant maximal de 5000 Euro.

Les sanctions prises en application du present article peuvent faire l'objet d'un recours en annulation ou en reformation par les parties en cause devant les juridictions judiciaires.

Un decret en Conseil d'Etat determine les conditions dans lesquelles les sanctions peuvent faire l'objet d'un sursis a execution.

Un decret determine les juridictions competentes pour connaitre de ces recours.

Art. L. 331-34. - Les informations recueillies, a l'occasion de chaque verification effectuee sur le repertoire mentionne a l'article L. 331-33 par les personnes dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne, dans les conditions definies au meme article, ne peuvent etre conservees par ces personnes, ni faire l'objet d'aucune communication excedant la conclusion ou la non-conclusion du contrat de fourniture de services de communication ayant provoque ladite verification.

Art. L. 331-35. - Les personnes dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne font figurer, dans les contrats conclus avec leurs abonnes, la mention claire et lisible des dispositions de l'article L. 336-3 et des mesures qui peuvent etre prises par la commission de protection des droits ainsi que des voies de recours possibles en application des articles L. 331-26 a L. 331-31 et L. 331-33. Elles font egalement figurer, dans les contrats conclus avec leurs abonnes, les sanctions penales et civiles encourues en cas de violation des droits d'auteur et des droits voisins.

En outre, les personnes visees au premier alinea du present article informent leurs nouveaux abonnes et les personnes reconduisant leur contrat d'abonnement sur l'offre legale de contenus culturels en ligne, sur l'existence de moyens de securisation permettant de prevenir les manquements a l'obligation definie a l'article L. 336-3 ainsi que sur les dangers pour le renouvellement de la creation artistique et pour l'economie du secteur culturel des pratiques ne respectant pas le droit d'auteur et les droits voisins.

Art. L. 331-36. - La commission de protection des droits peut conserver les donnees techniques mises a sa disposition pendant la duree necessaire a l'exercice des competences qui lui sont confiees a la presente sous-section et, au plus tard, jusqu'au moment ou la suspension de l'acces prevue par ces dispositions a ete entierement executee.

La personne dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne est tenue d'informer la commission de protection des droits de la fin de la suspension afin que celle-ci procede a l'effacement des donnees stockees.

Art. L. 331-37. - Est autorisee la creation, par la Haute Autorite, d'un traitement automatise de donnees a caractere personnel portant sur les personnes faisant l'objet d'une procedure dans le cadre de la presente sous-section.

Ce traitement a pour finalite la mise en oeuvre, par la commission de protection des droits, des mesures prevues a la presente sous-section et de tous les actes de procedure afferents, ainsi que du repertoire national vise a l'article L. 331-33, permettant notamment aux personnes dont l'activite est d'offrir un acces a un service de communication au public en ligne de disposer, sous la forme d'une simple interrogation, des informations strictement necessaires pour proceder a la verification prevue a ce meme article.

Un decret en Conseil d'Etat, pris apres avis de la Commission nationale de l'informatique et des libertes, fixe les modalites d'application du present article. Il precise notamment :
- les categories de donnees enregistrees et leur duree de conservation ;
- les destinataires habilites a recevoir communication de ces donnees, notamment les personnes dont l'activite est d'offrir un acces a des services de communication au public en ligne ;
- les conditions dans lesquelles les personnes interessees peuvent exercer, aupres de la Haute Autorite, leur droit d'acces aux donnees les concernant conformement a la loi n°78-17 du 6 janvier 1978 relative a l'informatique, aux fichiers et aux libertes.

Art. L. 331-38. - Un decret en Conseil d'Etat fixe les regles applicables a la procedure et a l'instruction des dossiers devant le college et la commission de protection des droits de la Haute Autorite.

S'agissant des mesures prononcees par la commission de protection des droits en application de l'article L. 331-27, ce decret precise notamment les conditions dans lesquelles l'exercice des droits de la defense garantit, de maniere effective, le respect du principe de la responsabilite personnelle des abonnes mis en cause. A ce titre, il definit les conditions dans lesquelles peuvent etre utilement produits par l'abonne, a chaque stade de la procedure, tous elements de nature a etablir qu'il a mis en oeuvre l'un des moyens de securisation figurant sur la liste mentionnee au deuxieme alinea de l'article L. 331-32, que l'atteinte portee au droit d'auteur ou au droit voisin est le fait d'une personne qui a frauduleusement utilise l'acces au service de communication au public en ligne, ou l'existence d'un cas de force majeure.

第3節 著作権あるいは著作隣接権の保護を受ける作品の保護の仕事

第331-24条 権利保護委員会は、次の者によって指定され、第331-2条(訳注:代理人に関する規定)に規定されている条件に適い宣誓をした代理人の訴えに基づいて動く:
ー規則通りに作られた職業的保護団体
ー著作権料徴収分配団体
ー国立映画センター

 権利保護委員会は、同じく、共和国検察によって伝えられた情報に基づいて動くことができる。

 6ヶ月以前の行為について訴えることはできない。

第331-25条 権利保護委員会によって取られる処置は、第336-3条に規定されている義務の懈怠を終わらせるのに必要なだけに限られる。

第331-26条 第336-3条に規定されている義務違反を構成すると思われる事実が認められたときには、権利保護委員会は、契約者に、その名の下、その予算で、電子的に、あるいは、契約者と契約を結んでいる、オンライン公衆通信サービスへのアクセスを提供事業者の仲介によって、第336-3条の規定を思い出させる勧告を送り、そこに定められている義務を尊重することを求め、懈怠が繰り返される場合には罰則が科されることを警告する。この勧告はまた、オンライン文化コンテンツの合法提供について、第336-3条に規定されている義務の懈怠を予防することができるセキュリティ手段の存在について、並びに、著作権と著作隣接権を尊重しないことによる、芸術的再創造と、文化部門の経済に対する危険についての、契約者のための情報も含む。

 前段に規定された勧告の送付から数えて6ヶ月以内に、第336-3条に規定されている義務の懈怠を構成すると思われる事実が繰り返された場合、委員会は、前を同じ情報を含んだ新たな勧告を、前段に規定された条件で電子的に送ることができる。委員会は、この勧告に合わせ、勧告の送付日時と契約者の受け取り日時を確定するのに適切な、署名あるいは他の手段を取った手紙を送ることができる。

 本条に基づいて発送された勧告は、第336-3条に規定されている義務の懈怠を構成すると思われる事実が認められた日時を記載する。反対に、勧告は、その懈怠に関する保護を受ける作品の内容を明かさない。それは、その宛先となり得る、電話番号、住所、電子メールアドレスを、求められる場合は、権利保護委員会の意見を、明確に要求を書き下す場合は、非難されているところの関係する保護を受ける作品の内容に関する詳細を示す。

 本条に規定されている通り発送された勧告の合理性は、第331-25条の適用により発される罰則の決定に対する訴えにおいてのみ、確かめられ得る。

第331-27条 その送付日時と契約者の受け取り日時を確定するのに適当な、署名あるいは他の手段が取られた手紙を伴う、権利保護委員会によって発送された勧告の受け取りから1年以内に、契約者が、第336-3条に規定されている義務を怠ったと認められた時、委員会は、反駁可能な手続きの後に、アクセス利用と懈怠の重大性に応じて、次の罰の1つを科することができる。
1°契約者が、他のあらゆる事業者とのオンライン公衆通信サービスへのアクセスのための他の契約を同じ期間できないこととすることを伴う、2ヶ月から1年間のサービスへのアクセス遮断;
2°それが定める猶予付きで、認められた懈怠の繰り返しを防止する性質を有する手段、特に、第331-32条の第2段落に規定されているリストに載っているセキュリティ手段を取るようにとの、その強制がうまく行かなかった場合は、そのことを公的機関に報告するようにとの命令。

 本条に規定されている罰は、次の条件に基づいて科される。

 委員会は、彼が対象となっている勧告、並びにその理由を、契約者に思い出させる。委員会は、契約者に、非難されるべき新たな事実を知らせ、それに関して委員会が取り得る手段を示す。契約者はまた、助言を求め、関係する書類の全てを紹介し、書面あるいは口頭による意見を提出することができることについても知らされる。

 委員会はまた、その聴取がその情報に寄与すると思われるあらゆる者から聞くことができる。

 委員会が本条に規定されている罰の1つを科す決定は、理由が無くてはならない。この決定は、反駁が可能な手続きの際に収集した要素が、第336-3条に規定されている注意義務の懈怠の存在に疑義を抱かせるに、やはり本条に規定された免除理由の存在を維持するに足らないとする理由を詳細に書く。

 委員会は、彼に不利となる罰について契約者に通知し、救済手段と猶予期間について、罰がサービスへのアクセス遮断であるときには、第331-3条に規定されているブラックリストに書き込まれることについて、遮断期間中、あらゆる事業者との公衆通信サービスへのアクセスのあための他の契約が一時的にできなくなることについて、知らされる。

 その全権利者が、外国か、租税法第238A条に記載されている、税制優遇地域に住んでいる場合の、保護を受ける作品に関する事実に対しては、本法の第331-24条に記載されている者がその権利保護委員会への訴えの対象に重要な場合として取り上げない限り、いかなる罰も、本条に基づいて科され得ない。

 本条の適用により与えられる罰は、契約者への通知から、30日以内に出される司法判断を通じて、関係者による取り消しあるいは変更の対象となり得る。

 コンセイユ・デタの政令によって、罰が執行猶予の対象となり得る条件が定められる。

 政令によって、その救済のための管轄裁判所が決められる。

第331-28条 第331-27条に規定されている条件での罰の手続きに入る前に、権利保護委員会は、権利者が、認められた、第336-3条に規定されている義務の懈怠を繰り返さないとするか、その繰り返しを予防すると約束する取引を提案することができる。この場合、契約者は、その助言を求めることができる権利について知らされる。取引は、次の罰の1つを含み得る:
1°契約者が、他のあらゆる事業者とのオンライン公衆通信サービスへのアクセスのための他の契約を同じ期間できないこととすることを伴う、1ヶ月から3ヶ月間のサービスへのアクセス遮断;
2°権利保護委員会が決める期間内に認められた懈怠を予防する性質を有する手段、特に、第331-32条の第2段落に規定されているリストに載っているセキュリティ手段を取り、それを公的機関に報告する義務。

 その全権利者が、外国か、租税法第238A条に記載されている税制優遇地域に住んでいる場合の、保護を受ける作品に関する事実に対しては、本法の第331-24条に記載されている者がその権利保護委員会への訴えの対象に重要な場合として取り上げない限り、いかなる罰も、本条に基づいて科され得ない。

第331-29条 契約者が受け入れた取引が、その者によって実行されなかった場合、権利保護委員会は、第331-27条に規定されている罰の1つを科すことができる。

第331-30条 第331-27条と第331-28条に記載されているアクセス遮断は、それ自体では、サービス提供者との契約の支払いの返還をもたらすものでは無い。消費者法第121-84条(訳注:電気通信サービスの提供の契約条件の変更を規制する条項)は、遮断期間中には適用されない。

 遮断期間中の偶発的な解約による費用は、契約者によって負担される。

 遮断は、オンライン公衆通信サービスと電気通信サービスへのアクセスに対してのみ適用される。このアクセスサービスが、電話あるいはテレビのような他のタイプのサービスを含めた複合サービスとして商業的に提供されている場合、遮断の決定は、これらのサービスには提供されない。

第331-31条 第331-27条あるいは第331-29条に記載されている罰あるいは、第331-28条に記載されている取引が、契約者のアクセス遮断を伴う時、権利保護委員会は、前記の遮断を、契約者と契約を結んでいる、オンライン公衆通信サービスによるアクセスを提供している者に通知し、45日から60日以内に、遮断を実行に移すことを命令する。

 この者が、自身に当てられた命令に従わなかった場合、権利保護委員会は、反駁可能な手続きの結果、前段に規定された義務の懈怠が認められた場合、最大5000ユーロの罰金を科すことができる。

 本条の適用により与えられる罰は、契約者への通知から、司法判断を通じて、関係者による取り消しあるいは変更による救済の対象となり得る。

 コンセイユ・デタの政令によって、罰が執行猶予の対象となり得る条件が定められる。

 政令によって、その救済のための管轄裁判所が決められる。

第331-32条 オンライン公衆通信サービスへのアクセスの不合法利用を防止するためのセキュリティ手段提供者、そのようなサービスへのアクセスを提供する者、並びに、本法の第2部の管理を受ける団体と規則通りに作られた職業的保護団体の助言に従い、公的機関は、その目から見て、アクセス所有者に、第336-3条に規定されている、その責任を効果的に免れさせることができると考えられるそのセキュリティ手段が持つべき適切な機能的特徴を公表する。

 その前段に規定されている特徴との一致とその有効性を考慮する評価手続きの後、公的機関は、その使用によって、第336-3条に規定されている、その責任をアクセス所有者に効果的に免れさせることができるセキュリティ手段のラベル付与リストを作成する。このラベル付与は定期的に見直される。

 コンセイユ・デタの政令によって、このセキュリティ手段の評価とラベル付与の手続きの詳細が定められる。

第331-33条 公的機関は、第331-27条から第331-29条の適用を受けオンライン公衆通信サービスへのアクセス遮断の対象となっている者の国レベルのブラックリストを作成する。

 オンライン公衆通信サービスへのアクセスを提供する者は、あらゆる新契約、あるいは、そのようなサービス提供の期間満了に伴う契約更新の際、契約を求める者が、このブラックリストに載っていないかどうかを確かめる。また、その者がそのブラックリストに載っていた場合、正当なサービス中断に関して契約者の1人から求めがあった際には、その言うところに従い、互いを縛る契約の解約について確認する。

 第2段落の第1文に規定されている確認義務の懈怠が認められた場合、あるいは、ブラックリストに記入されているにも関わらず契約を交わした場合は、権利保護委員会は、反駁可能な手続きの後に、最大5000ユーロの罰金をサービス提供者に科すことができる。

 本条の適用により与えられる罰は、契約者への通知から、司法判断を通じて、関係者による取り消しあるいは変更による救済の対象となり得る。

 コンセイユ・デタの政令によって、罰が執行猶予の対象となり得る条件が定められる。

 政令によって、その救済のための管轄裁判所が決められる。

第331-34条 オンライン公衆通信サービスを提供する者が、第331-33条に規定されている条件で、同じ条項に記載されているブラックリストを確認した際に得た情報は、この者によって保存され得ず、通信サービス提供の契約の締結あるいは非締結のために必要となる確認を超えて伝えられてはならない。

第331-35条 オンライン公衆通信サービスを提供する者は、その契約者との契約において、第336-3条の規定、権利保護委員会が取り得る手段、並びに、第331-26条から第331-31条と第331-33条の適用に対する可能な救済手段を明確かつ読み易く記載する。また、その契約者との契約において、著作権と著作隣接権を侵害した場合に受け得る民事あるいは刑事の罰についても記載する。

 さらに、本条の第1段落に規定されている者は、新たな契約者と、オンラインにおける文化コンテンツの合法提供契約を行う者に、第336-3条に規定された義務の懈怠の防止を可能とする手段の存在について、並びに、著作権と著作隣接権を尊重しないことによる、芸術的再創造と、文化部門の経済に対する危険についても知らせる。

第331-36条 権利保護委員会は、本節でそれに委ねられている権限の実行に必要な期間だけ、遅くとも、これらの規定に定められているアクセス遮断が完全に実施された時まで、委ねられた技術データを保存することができる。

 オンライン公衆通信サービスを提供する者は、委員会の保存するデータの消去に先立って、権利保護委員会に、遮断の完結について知らせなくてはならない。

第331-37条 本節の枠内の手続きの対象となっている者について個人情報の性格を有するデータの、公的機関による作成は認められる。

 この取り扱いは、権利保護委員会によって用いられる、本節に規定されている措置、関係する手続き中のあらゆる行為、並びに、第331-33条に規定されている国レベルのブラックリストを目的とするものであり、特に、オンライン公衆通信サービスを提供する者に、単純な質問の形式で、同じ条項に規定されている確認を行うのに厳格に必要なだけに限り情報を入手することを可能とする。

 国家情報自由委員会の意見を聞いた後、コンセイユ・デタの政令によって、本条の適用の様式が定められる。それは特に次の詳細を定める:
ー保存されるデータのカテゴリーとその保存期間;
ーこれらのデータを受け取る資格を有する者、特に、オンライン公衆通信サービスへのアクセスを提供する者;
ー公的機関において、関係者が、情報、索引と自由に関する1978年1月6日の法律第78-17号(訳注:個人情報の保護などに関する法律)に一致する形で、データのアクセスを行うことができる条件。

第331-38条 コンセイユ・デタの政令によって、公的機関のコレージュと権利保護委員会における手続きと書類の取り扱いが定められる。

 第331-27条を適用し権利制限保護委員会によって課される措置については、その政令によって、特に、効果的に問題となる契約者の個人的責任の原理の尊重を保証する形で権利保護を実行する条件が詳細に定められる。そのために、政令は、第331-32条の第2段落に記載されたリストに載っているセキュリティ手段の1つを用いていたこと、著作権あるいは著作隣接権の侵害がオンライン公衆通信サービスへのアクセスを不正に用いた他人によること、やむを得ざる事情が存在していることを確立する性質の、手続きの全段階において契約者によって有益になされ得る、あらゆる要素の条件を規定する。

 上下院での審議の結果、いろいろと細かな規定は付け加えられているが、3ストライクルールの本質に変更は無い

 要するに、権利者団体の訴えから、公的機関内の権利保護委員会が、ユーザーのアクセス利用が義務に沿ったものかどうかを調べ、義務を怠ったと認められた場合(前回書いたように、純粋なダウンロードの扱いは微妙なままだろうことは注意しておいた方が良い)、利用者に警告が送られて来る。さらに、1回目の警告から6ヶ月以内に、同じユーザーが義務違反を繰り返したと認められた場合2回目の警告が送られ、さらに1年以内に違反を繰り返した場合、2ヶ月から1年のアクセス遮断か、政府がリスト化する著作権侵害防止措置の導入を強制されるかのどちらかの罰を受けることになるのである。(行政判断で、1ヶ月から3ヶ月間のサービスへのアクセス遮断か著作権侵害防止措置の導入に罰が緩和されることもあるようだが、詳しい判断基準などは現時点では分からない。)

 しかも、国レベルで違反者のブラックリストを作り契約の度に確認するとしており、このネット時代に、数ヶ月から1年全くネットにアクセスできなくなる国民をフランスでは発生させようとしているのである。このようなブラックリストの作成自体問題だろうし、このような罰は完全にバランスを欠いている

 公的機関がリスト化し、罰として利用者に科され得る、詳細不明の著作権侵害防止措置も、何かしらのフィルタリングサービス・ソフトなり帯域制限なりの強制を考えているのだろうが、遮断でないにせよ、情報に関するアクセス制限を行政機関の一方的な選択と判断で押しつけること自体極めて大きな問題があるだろう。

 フランス政府がどこまで考えているのかは分からないが、運用の面でも問題は山積みである。政令で詳細を定めるとしているが、他人によるアクセスの不正な乗っ取りは証明が非常に難しく、ネットカフェやフリーの無線LANアクセスポイントなどをどうするのか、やむを得ざる事情としてどのようなことが認められるのかも良く分からない。電話やテレビなどとの複合IPサービスの場合、ネットアクセスのみを遮断するとしているが、そのようなことが本当にコスト的・技術的に可能なのかどうかも怪しい。また、このネット遮断は、プロバイダーとの契約を自動的に解消するものではなく、自動的に契約料金が返還される訳でもないともしているが、本当にこのような条件で一方的にネット切断を行ったら、消費者から非難が囂々とわき起こることだろう。

 この法案の形だと、その運用コストは、ほぼ全て国庫あるいはプロバイダーと利用者に押しつけられるので、権利者団体による訴えの乱発によって社会的混乱が引き起こされるに違いない。この点でも、この法案はバランスを欠いている

 今現在、EU議会に真っ向から否定され、フランス国内でも憲法裁判にかかっているところであり、最終的にこの法案がどうなるかはまだ分からないが、このように完全にバランスを欠いた形で何ら統制を受けずに行政機関が著作権検閲・ネット切断を行えるとする、このような3ストライクルールの採用は、権利者団体の訴えの乱発による社会的混乱を招き、確実に、情報アクセス権やプライバシーなどの基本的な権利の不当かつ重大な侵害をもたらすことにつながるだろう。この体たらくでは、フランスも、自らその大革命によって購った自由の意味を見失っているとしか言いようが無い。

 次回も、この続きで、この3ストライク法案についての補足をもう少し書いておきたいと思っている。

(6月19日の追記:誤訳では無いが、少し正確性に欠ける点があったので、上の訳を直した。第331-36条の「アクセス遮断の時まで」→「アクセス遮断が完全に実施された時まで」)

(6月20日の追記:やはり誤訳では無いが、もう一つ修正した。第331-32条の第2段落の「その責任を効果的に免れさせることができる」→「その責任をアクセス所有者に効果的に免れさせることができる」)

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2009年5月21日 (木)

第173回:フランスの3ストライクアウト法案(その1:著作権検閲機関の創設関連部分他)

 今現在憲法裁判所に訴えが提起されている(01netの記事ZDNetの記事参照)ので、さらに条文が変わる可能性があるのだが、残念ながら、上下院は通されたので、ここでフランスの今の3ストライクアウト法案(正式名称は、「インターネットにおける創造の保護と頒布促進法案」("Le projet de loi favorisant la diffusion et la protection de la creation sur internet")。通称は、Hapopi法("Haute Autorite pour la Diffusion des Oeuvres et la Protection des Droits sur Internet"「インターネット上における著作物の頒布と権利の保護のための公的機関」の略))の内容を紹介しておきたいと思う。様々な修正の結果、今の法案(pdf)は非常に長いものとなっているので、いくつかに回を分けて紹介する。(なお、以前のバージョンは、第104回参照。)

 法案(pdf)は改め文で書かれているので多少分かりにくいのだが、まず、その中から、著作権法の条文番号で、著作権検閲機関の構成と合法ラベルの付与などを規定する第3章の第1節から第2節までを以下に訳出する。

Section 3 Haute Autorite pour la diffusion des oeuvres et la protection des droits sur internet
Sous-section 1 Competences, composition et organisation

Art. L. 331-12. - La Haute Autorite pour la diffusion des oeuvres et la protection des droits sur internet est une autorite publique independante. A ce titre, elle est dotee de la personnalite morale.

Art. L. 331-13. - La Haute Autorite assure :
Une mission d'encouragement au developpement de l'offre legale et d'observation de l'utilisation licite et illicite des oeuvres et des objets auxquels est attache un droit d'auteur ou un droit voisin sur les reseaux de communications electroniques utilises pour la fourniture de services de communication au public en ligne ;

Une mission de protection de ces oeuvres et objets a l'egard des atteintes a ces droits commises sur les reseaux de communications electroniques utilises pour la fourniture de services de communication au public en ligne ;

Une mission de regulation et de veille dans le domaine des mesures techniques de protection et d'identification des oeuvres et des objets proteges par un droit d'auteur ou par un droit voisin.

Au titre de ces missions, la Haute Autorite peut recommander toute modification legislative ou reglementaire.

Elle peut etre consultee par le Gouvernement sur tout projet de loi ou de decret interessant la protection des droits de propriete litteraire et artistique. Elle peut egalement etre consultee par le Gouvernement ou par les commissions parlementaires sur toute question relative a ses domaines de competence.

Art. L. 331-14. - La Haute Autorite remet chaque annee au Gouvernement et au Parlement un rapport rendant compte de son activite, de l'execution de ses missions et de ses moyens, et du respect de leurs obligations et engagements par les professionnels des differents secteurs concernes. Ce rapport est rendu public.

Art. L. 331-15. - La Haute Autorite est composee d'un college et d'une commission de protection des droits. Le president du college est le president de la Haute Autorite.

Sauf disposition legislative contraire, les missions confiees a la Haute Autorite sont exercees par le college.

Dans l'exercice de leurs attributions, les membres du college et de la commission de protection des droits ne recoivent d'instruction d'aucune autorite.
...

Art. L. 331-17. - La commission de protection des droits est chargee de prendre les mesures prevues aux articles L. 331-26 a L. 331-31 et a l'article L. 331-33.
...

Art. L. 331-21. - Pour l'exercice, par la commission de protection des droits, de ses attributions, la Haute Autorite dispose d'agents publics assermentes habilites par le president de la Haute Autorite dans des conditions fixees par un decret en Conseil d'Etat. Cette habilitation ne dispense pas de l'application des dispositions definissant les procedures autorisant l'acces aux secrets proteges par la loi.

Les membres de la commission de protection des droits et les agents mentionnes au premier alinea recoivent les saisines adressees a ladite commission dans les conditions prevues a l'article L. 331-24. Ils procedent a l'examen des faits et constatent la materialite des manquements a l'obligation definie a l'article L. 336-3.

Ils peuvent, pour les necessites de la procedure, obtenir tous documents, quel qu'en soit le support, y compris les donnees conservees et traitees par les operateurs de communications electroniques en application de l'article L. 34-1 du code des postes et des communications electroniques et les prestataires mentionnes aux 1 et 2 du I de l'article 6 de la loi n°2004-575 du 21 juin 2004 pour la confiance dans l'economie numerique.

Ils peuvent egalement obtenir copie des documents mentionnes a l'alinea precedent.

Ils peuvent, notamment, obtenir des operateurs de communications electroniques l'identite, l'adresse postale, l'adresse electronique et les coordonnees telephoniques de l'abonne dont l'acces a des services de communication au public en ligne a ete utilise a des fins de reproduction, de representation, de mise a disposition ou de communication au public d'oeuvres ou d'objets proteges sans l'autorisation des titulaires des droits prevus aux livres Ier et II lorsqu'elle est requise.
...

Sous-section 2 Mission d'encouragement au developpement de l'offre legale et d'observation de l'utilisation licite et illicite d'oeuvres et d'objets proteges par un droit d'auteur ou par un droit voisin sur les reseaux de communications electroniques

Art. L. 331-23. - Au titre de sa mission d'encouragement au developpement de l'offre legale, qu'elle soit ou non commerciale, et d'observation de l'utilisation, qu'elle soit licite ou illicite, des oeuvres et des objets proteges par un droit d'auteur ou par un droit voisin sur les reseaux de communications electroniques, la Haute Autorite publie chaque annee des indicateurs dont la liste est fixee par decret. Elle rend compte du developpement de l'offre legale dans le rapport mentionne a l'article L. 331-14.

Dans des conditions fixees par decret en Conseil d'Etat, la Haute Autorite attribue aux offres proposees par des personnes dont l'activite est d'offrir un service de communication au public en ligne un label permettant aux usagers de ce service d'identifier clairement le caractere legal de ces offres. Cette labellisation est revue periodiquement.

La Haute Autorite veille a la mise en place, a la mise en valeur et a l'actualisation d'un portail de referencement de ces memes offres.

Elle evalue, en outre, les experimentations conduites dans le domaine des technologies de reconnaissance des contenus et de filtrage par les concepteurs de ces technologies, les titulaires de droits sur les oeuvres et objets proteges et les personnes dont l'activite est d'offrir un service de communication au public en ligne. Elle rend compte des principales evolutions constatees en la matiere, notamment pour ce qui regarde l'efficacite de telles technologies, dans son rapport annuel prevu a l'article L. 331-14.

Elle identifie et etudie les modalites techniques permettant l'usage illicite des oeuvres et des objets proteges par un droit d'auteur ou par un droit voisin sur les reseaux de communications electroniques. Dans le cadre du rapport prevu a l'article L. 331-14, elle propose, le cas echeant, des solutions visant a y remedier.

第3章 インターネットにおける著作物の頒布と権利の保護のための公的機関
第1節 権限、構成、機関

第331-12条 インターネットにおける著作物の頒布と権利の保護のための公的機関は独立の公的機関である。その名において、それは法人格を与えられる。

第331-13条 公的機関は次のことを行う:
1°合法提供の拡大の促進と、オンライン公衆通信サービス提供のために使われる電気通信網の上での、著作物と著作権あるいは著作隣接権の保護を受ける作品の合法、不合法の利用の監視の仕事;

2°オンライン公衆通信サービス提供のために使われる電気通信網の上で置かされる権利侵害に関する、これらの著作物の保護;

3°著作権あるいは著作隣接権によって保護を受ける作品の保護と特定のための技術的手段の領域における規制と監視(訳注:前回の法改正で入った技術的手段規制機関(l'Autorite de regulation des mesures techniques)も、同じ機関に統合される。)

 これらの仕事の名において、公的機関は、あらゆる立法あるいは規制に関する助言を行うことができる。

 機関に対して、著作権の保護に関するあらゆる法案あるいは政令について、政府は意見を求めることが可能である。同じく、権限を有する領域に関係するあらゆる質問について、政府あるいは国会の委員会は意見を求めることが可能である。

第331-14条 公的機関は、毎年、その活動、その仕事の実行、その義務の遵守と、関係する様々な部門の専門家の採用とその義務の遵守に関する報告を政府と国会に行う。この報告は公表される。

第331-15条 公的機関は、コレージュと権利保護委員会で構成される。コレージュの長が、公的機関の長である。

 反する法規定が無い限り、公的機関に委ねられる仕事は、コレージュによって実行される。

 その権限の実行に関して、コレージュと権利保護委員会のメンバーは、いかなる機関の指示も受けない。

(中略:第331-16条、コレージュのメンバーを規定。)

第331-17条 権利保護委員会は、第331の26条から第331の31条までと第331の33条に規定された措置を取る役割を負う。

(中略:第331の17条の後半~第331の20条まで:権利保護委員会のメンバーの規定など。)

第331-21条 権利保護委員会による、その権限の実行のために、公的機関は、コンセイユ・デタによる政令で定められる条件で、公的機関長によって資格を与えられる、宣誓官を用いることができる。この資格授与は、法律の保護を受ける秘密に対するアクセスを認める手続きを定める法規定の適用を免れさせるものではない。

 前段に記載されている、権利保護委員会と宣誓官は、第331-24条に規定されている条件で、この委員会に当てられた訴えを受理する。これらは、調査を行い、第336-3条で規定されている義務を具体的に欠くかどうかを確かめる。

 これらは、手続きに必要であれば、電気通信法の第34-1条とデジタル経済における信用のための2004年6月21日の法律第2004-575号の第6条のⅠの1と2に記載されている義務の適用を受ける電気通信事業者が取り扱い、保存するデータを含め、どんな媒体であろうと、あらゆる資料を入手し得る。

 これらはまた、前段に記載されている資料のコピーも入手できる。

 これらは、特に、公衆通信サービスへのアクセスを、それが求められているにもかかわらず、本法の第1部と第2部で規定されている権利の保持者の許可無く、保護されている作品を複製、上演、公衆送信可能化することに用いた、契約者の個人特定情報、住所、電子メールアドレスと電話番号を、電気通信事業者から入手できる。

(中略:第331-22条、公的機関の構成員の守秘義務などを規定。)

第2節 電気通信網上での、著作権あるいは著作隣接権の保護を受ける作品の、合法提供の拡大の促進と、合法、非合法の利用の監視の仕事

第331-23条 電子通信網上での、商業的なものであれ非商業的なものであれ、合法提供の拡大の促進と、合法であれ非合法であれ、著作権あるいは著作隣接権の保護を受ける作品の利用の監視の仕事の名において、公的機関は、政令によってそのリストが定められる指標を毎年公表する。機関は、第331-14条に記載されている報告書で、合法提供の拡大について報告する。

 コンセイユ・デタによる政令によって定められる条件において、オンライン公衆サービスを提供する者によって提供された物に、そのサービスの利用者にその提供の合法性を明確に特定することを可能とするラベルを付与する。このラベル付与は定期的に見直される。

 公的機関は、これらの提供の参照のためのポータルの配置、維持、実現に努める。

 機関は、さらに、内容検出とフィルタリング技術の領域における、これらの技術の提案者、保護を受ける作品の権利保持者とオンライン公衆通信サービスの提供者によって行われる実験を評価する。第331-14条で規定されている年報で、機関は、この事項に関して認められた発展、特に、このような技術の有効性に関する事について報告する。

 機関は、電気通信網上での、著作権あるいは著作隣接権の保護を受ける作品の合法利用を可能とする技術形式を特定し、調査する。第331-14条に規定された報告の枠内で、機関は、もしもの場合には、その善後策を提案する。

 あまりにも長くなるので3ストライクルールそのものを規定する第3節は次回に回すが、この部分だけからでも、この法案によって作られる公的機関が、独自の判断でプロバイダーからあらゆる個人特定情報を集めることができるとしているなど、フランスは、極めて強力な著作権検閲機関を作ろうとしていることが分かるだろう。(訳出はしないが、同法案では電気通信法も変え、個人特定情報を得られる主体としては今まで司法当局だけだったものを、行政機関であるこの公的機関も追加している。)

 また、どこでも規制屋の考えることは同じと見えて、合法ラベルの話も出てくるが、日本の適法マーク(エルマーク)の例を持ち出すまでも無く、フランスにおいても、ネットにおけるラベリングが機能するとは思えない。

 この公的機関が、立法にまで口を挟めるようにしている点は、アメリカの著作権皇帝法(第120回参照)を彷彿とさせるタチの悪さである。このような規制当局による立法・規制政策への介入によって、フランスがさらに危険な規制強化へと突き進む可能性も高い。

 さらに、上の条文に出てくる、利用者の義務を規定した第336-3条も、ここで訳しておくと、

Art. L. 336-3. - La personne titulaire de l'acces a des services de communication au public en ligne a l'obligation de veiller a ce que cet acces ne fasse pas l'objet d'une utilisation a des fins de reproduction, de representation, de mise a disposition ou de communication au public d'oeuvres ou d'objets proteges par un droit d'auteur ou par un droit voisin sans l'autorisation des titulaires des droits prevus aux livres Ier et II lorsqu'elle est requise.

Aucune sanction ne peut etre prise a l'egard du titulaire de l'acces dans les cas suivants :
Si le titulaire de l'acces a mis en oeuvre l'un des moyens de securisation figurant sur la liste mentionnee au deuxieme alinea de l'article L. 331-32 ;
Si l'atteinte aux droits vises au premier alinea du present article est le fait d'une personne qui a frauduleusement utilise l'acces au service de communication au public en ligne ;
En cas de force majeure.

Le manquement de la personne titulaire de l'acces a l'obligation definie au premier alinea n'a pas pour effet d'engager la responsabilite penale de l'interesse.

第336-3条 オンライン公衆通信サービスへのアクセスを有する者は、このアクセスが、それが求められているにもかかわらず、本法の第1部と第2部で規定されている権利の保持者の許可無く、保護されている作品を複製、上演、公衆送信可能化することのために用いられることがないようにする義務を負う。

 次の場合は、アクセスを有する者に対していかなる罰も加えられない。
1°第331-32条(訳注:全訳とコメントは次回に回すが、公的機関が、違法利用を防止するために有効なセキュリティ手段をリスト化するとしている条文)の第2段落に記載されているリストに載っているセキュリティ手段の一つを用いていた場合;
2°本条の第1段落の権利侵害が、そのオンライン公衆サービスへのアクセスを不正に用いた他人による場合;
3°やむを得ざる場合;

 アクセスを有する者の第1段落に規定されている義務の懈怠は、関係する者の刑事責任を発生させる効果を持たない。

となる。利用者の義務の中には無許諾の「複製」をしないようにするということも含まれているが、当然権利制限の対象となっておらず許諾が求められる場合に限られ、この法案は私的複製の範囲に明確な制限を加えていないので、この法改正が憲法裁判を経て成立したとしても、フランスにおける純粋なダウンロードの取扱いは極めて微妙な状態のまま残されるだろう。特にこの法案が狙いとしているのはP2Pにおける違法ファイル共有なので、それ以前の問題で、P2Pユーザーを対象とした訴えの乱発で混乱するだけに終わるのではないかとも私は予想する。(第40回で書いたように、フランスでは、条文に3ステップテストを入れただけでダウンロードについてまだ最高裁の結論が出ていない。なお、フランスの今現在の権利制限規定そのものについては第16回参照。)

 また、上の条文で合法提供の参照のためのポータルのことも書かれているが、これに関連する部分として法改正案の第25条も一緒に紹介しておくと(なお、この第25条は、著作権法の条文番号では無く、この法改正案そのものの条文番号である)、

Article 25
I.
- Le Centre national de la cinematographie est charge d'initier ou d'elaborer, avant le 30 juin 2009, la mise en place d'un portail de referencement destine a favoriser le developpement des offres legales d'oeuvres cinematographiques francaises ou europeennes.

II. - Dans un delai de trois mois a compter de l'entree en vigueur de la presente loi, les services de communication au public en ligne qui proposent un service de vente a l'acte de phonogrammes concluent avec les producteurs, pour l'exploitation de ce service et dans le respect des droits et exclusivites reconnus, un accord destine a commercialiser ces phonogrammes dans le cadre d'une offre sans mesures techniques de protection lorsque celles-ci ne permettent pas l'interoperabilite.

第25条
Ⅰ.
国立映画センターは、フランスあるいはヨーロッパの映画作品の合法提供の拡大を促進するための参照ポータルを、主導し、作り、2009年6月30日までに、設置する。

Ⅱ.本法の施行後3ヶ月以内に、オンライン公衆通信サービス事業者は、録音の販売サービスを提案し、認められた排他的権利を尊重しながらそのサービスが利用されるよう、それが相互運用性を害する場合には技術的保護手段を用いずに提供される形で録音を販売するための契約をレコード製作者と結ぶ。

と、実際にどうするつもりなのかは良く分からないし、大体この手の官製ビジネスは今となってはどこの国でもほぼ確実に失敗すると相場が決まっているが、フランスも国策で何かしらの映画作品ポータルなり、新しい音楽配信サービスなりを作ろうとしていると見える。(音楽配信サービスにおいて、相互運用性を害するDRMを排除しようとしている点は少し注目しておいても良いかも知れないが。)

 全体的な話は一通り条文を紹介し終わったところでしたいと思うが、このように何ら統制を受けずに著作権検閲・ネット切断を行える行政機関を創設することは、確実に情報アクセス権やプライバシーなどの基本的な権利の不当かつ重大な侵害につながるだろう。著作権検閲機関の創設は、番外その17のついでに書いたようにEU議会に真っ向から否定されているところであり、今起こされている憲法裁判の中でも、フランス憲法上本当に妥当なものか否かという点から議論されることだろう。フランスの3ストライク法案を巡る戦いは、まだ続いている。

 次回は、この続きで、3ストライクルールを規定している部分を紹介するつもりである。

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2009年3月19日 (木)

第161回:フランスの私的複製補償金問題の現状

 今回は、フランスの私的複製補償金問題の現状についてざっと取り上げておきたいと思う。(フランスというと3ストライク法案も今下院の審議にかかっているが、大いに揉める中、様々な修正も入っており、また一区切り付いたところで紹介したいと考えている。)

 第16回で書いたように、フランスの私的複製補償金委員会は、委員長を国の代表として、権利者団体代表が2分の1、メーカー団体代表が4分の1、消費者代表が4分の1となっていて、権利者団体は国の代表を抱き込むだけで課金対象をいくらでも広げることができるという非道い構成を取っており、以前から、メンバーの半数を占めている権利者団体代表が、適当な料率を提案して、それを過半数で可決するというやりたい放題のことをやっていたため、2007年の11月(議事録(pdf))の委員会で、メーカー代表から委員会の構成・進め方自体に問題があるという非難がされた後、2008年2月の委員会(議事録(pdf))から、メーカー団体代表が完全に出席しなくなり、出席メンバー数が委員会を開催するための充足数に満たず委員会を開催できないことも間々あるという異常事態が続いていた。

 そして、第105回で紹介したように、去年の7月11日に、私的複製補償金は、合法の私的複製に対する補償に限られるのであって、非合法なコピーに関する補償まで含めて考えていた前回の料率決定は誤りであり破棄されるべきであるとフランス行政裁判所が判決を下すと、ようやくその後の9月の委員会(議事録(pdf))からメーカー代表も姿を見せ、何回かに渡ってメーカー側もフルメンバーに近い形で参加するのだが、日本と似たようなアンケート調査から補償金維持拡大を主張する権利者団体と、行政裁判所の判決を引き合いに出し、複製ソースや用途の観点などから縮小を主張するメーカー団体等で議論は完全に平行線を辿り、結局、再びメーカー代表が参加しなくなる中、強行採決に近い形で12月17日に全ての機器・媒体に対する料率完全維持が決定(決定本文(pdf))されるに至る。

 この12月17日の議事録(pdf)を見ると、委員会の出席は、メーカー代表とされる1名、消費者代表とされる2名、権利者団体代表12名とデタラメな片寄りを見せており、法律的には成立しているとしても、これでは公平性も何もあったものではないだろう。(権利者団体やメーカー団体の主張は、日本と大して変わらないので省略するが、興味のある方は、フランスの私的複製補償金委員会のHPに載っている各議事録を追って頂ければと思う。ただし、消費者代表については、消費者連合(UFC)のような制度に批判的な普通の消費者団体は、この委員会は出席するだけ汚点になると思っているのか、2007年当初から全く参加しておらず、家族国家連合(UNAF)や消費研究組合(ASSECO-CFDT)のようなスジ違いの団体が、ピントのずれた発言や票入れをしている。)

 その結果、この委員会ではもはやどうしようもないということで、機器メーカー代表のAV機器協会(SIMAVELEC)やAV情報機器国際企業組合(SECIMAVI)、媒体メーカー代表の情報画像メディア協会(SNSII)など(これらの団体は委員会に席も持っているが、議決を行った回には欠席している。)から、この12月17日の決定に対してまた行政裁判が起こされるという事態になっているのである(PC INPACTの記事参照)。

 繰り返しになるが、欧州だからと言って消費者やメーカーが納得して補償金を支払っているということは全く無い。第122回で紹介した補償金制度改革プランの先行きこそ良く分からないものの、世間の批判などどこ吹く風とばかりに、この3月16日にも補償金委員会でやはり勝手にブルーレイ課金を決める(PC INPACTの記事参照)など、このようなやり方が続く限り、フランスでも、私的複製補償金問題に関して裁判等による争いが止むことはないだろう。

 次回も、著作権国際動向の話をするつもりである。

(3月21日の追記:補償金・・・様、コメント・情報ありがとうございます。なかなか手が回っていませんが、ラテンアメリカの国々も含め、世界各国の私的複製関連規定も順々に紹介して行きたいと思っています。

 今のところ、アルゼンチンの著作権法に補償金制度は入っていませんし、まだラテンアメリカ諸国では補償金制度を導入した国は無いと思いますが、教えて頂いた記事にもある通り、アルゼンチンでも権利者団体が結構前から補償金制度創設のためのロビー活動をしており、アルゼンチンのフィルムス上院議員が、最近、この3月にも補償金制度創設法案を提出するべく何らかのクライテリアを作りたいと権利者団体と相談し、そのことを自身のブログに載せたところ、この議員は、早速反対派からも猛烈な抗議のロビー活動を受け、権利者団体・ユーザー・メーカー等関係各者全ての間でコンセンサスが出来ない限り、法案を提出しないことを約束させられたようです(反対派のブログ記事参照)。アルゼンチンの著作権法は少し特殊なところもあるのですが、関係各者の意見に日本と大きな違いは見られず、短時間でコンセンサスを作り法案を提出することはおよそ困難でしょう。ただ、このような形で明確に戦端が開かれた以上議論は活発化すると思いますし、分かる限りでまた動きがあれば適宜順を繰り上げて、アルゼンチンのことを紹介したいと思います。)

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