カテゴリー「規制一般」の39件の記事

2009年8月31日 (月)

番外その21:情報・表現規制問題に関する注目選挙区・候補当落結果リスト

 これも、選挙速報を見ていれば分かる話ではあるのだが、前回注目選挙区・候補リストを作ったので、その続きとして当落結果のリストも作っておく。

 民主党で慎重派として知られる枝野幸男氏や吉田泉氏は無事当選しているが、表現規制問題に関して、今回の選挙で、元議員中の最大の理解者であった社民党の保坂展人氏が落選したのは痛恨の極みである。

 自民党の野田聖子氏、高市早苗氏の両名は、小選挙区で落選したが、残念ながら比例で復活した。この2人が小選挙区で落選した程度で自分の行いを改める訳は無く、引き続き何かにつけて根拠無く規制強化を叫び暴走を続けるだろう。この2人の危険人物には引き続き要注意である。やはり残念ながら当選している自民党の鳩山邦夫氏も含めて野党議員になるので、その影響力は格段に低くなるだろうが。

 ただし、葉梨康弘氏は無事落選し、あの児童ポルノの規制強化に関する話にならない言い訳を次の国会で聞くことは、これで無くなった。

 民主党から当選した慎重派の枝野氏や吉田氏他、また連立与党になると想定される社民党に期待したいところだが、民主党内の規制推進派の危険人物、小宮山洋子氏も残念ながら当選している。

 議席数で言うと、民主党308、自民党119、公明党21、共産党9、社民党7、みんなの党5、国民新党3、新党日本1、諸派1、無所属6で、公明党もかなり議席を減らし、自公政権が崩れたこと自体は良いニュースだが、先読みは難しいとは言え、情報・表現規制問題に関しては今後も変わらず厳しい情勢が続くと覚悟しておいた方が良い。個人的には、他の重要政策の迷走による混乱により、当分児童ポルノ規制強化などの有害かつ危険な情報・表現規制どころでは無くなることを期待しているが、恐らくこれは甘い見通しだろう。

 選挙も重要だが、情報・表現規制に関する問題は全て一朝一夕で片付く問題では無い。今後も国会と役所の動向を注視しながら、引き続き地道にできることをして行く。前回も書いた通り、今の日本の歪みは、もはや既存政党ではどうにもならないところまで来ており、既存政党とは全く異なる政党が必要だろうことも分かっているのだが、残念ながら、参入障壁の問題もあり、すぐに作れるものでも無い。何でも地道にできることをやって行くしかない。

 次回は、もしかしたら表現の自由の話を先にするかも知れないが、久しぶりに著作権国際動向の話を書きたいと思っている。

(以下、言うまでも無いことと思うが、名前の後の○が当選、×が落選である。なお、さらに細かな説明は前回をご覧頂ければと思うが、前回と同じく、青字で規制反対派・慎重派として知られる方の名前を、赤字で規制推進派として知られる方の名前を強調している。)

(1)児童ポルノ規制問題において反対派・慎重派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○東京8区:
保坂展人候補<社民>:×
・沢田俊史候補<共産>:×
・石原伸晃候補<自民>:○

○埼玉5区:
枝野幸男候補<民主>:○
・牧原秀樹候補<自民>:×

○福島5区:
吉田泉候補<民主>:○
・坂本剛二候補<自民>:×

(2)児童ポルノ規制問題において推進派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○岐阜1区:
・鈴木正典候補<共産>:×
・柴橋正直候補<民主>:○
野田聖子候補<自民>:×→比例復活○

○奈良2区:
・西ふみ子候補<共産>:×
・滝実候補<民主>:○
高市早苗候補<自民>:×→比例復活○

○茨城3区:
・小泉俊明候補<民主>:○
葉梨康弘候補<自民>:×

○福岡6区:
・古賀一成候補<民主>:×→比例復活○
鳩山邦夫候補<自民>:○

○東京6区:
・佐藤直樹候補<共産>:×
小宮山洋子候補<民主>:○
・越智隆雄候補<自民>:×

(3)他児童ポルノ規制に対して慎重な検討を求める請願を紹介した元議員候補
○大阪10区・辻元清美候補<社民>:○

(4)他児童ポルノ規制強化を求める請願を紹介した元議員候補
○秋田3区・御法川信英候補<自民>:×
○神奈川18区・山際大志郎候補<自民>:×
○東京19区・松本洋平候補<自民>:×
○福井1区・稲田朋美候補<自民>:○
○愛知7区・鈴木淳司候補<自民>:×
○滋賀2区・藤井勇治候補<自民>:×
○滋賀3区・宇野治候補<自民>:×
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>:×

(5)他MIAUのアンケートで児童ポルノ規制問題において慎重な姿勢を示した候補
○東京1区:
・冨田なおき候補<共産>:×
・海江田万里候補<民主>:○
○東京2区・中島つかね候補<共産>:×
○東京3区・沢田英次候補<共産>:×
○東京4区:
・渋谷要候補<共産>:×
・宇佐美登候補<無所属>:×
○東京5区・宮本栄候補<共産>:×
○東京7区・太田のりおき候補<共産>:×
○東京9区:
・岸良信候補<共産>:×
・木内孝胤候補<民主>:○
○東京10区・山本としえ候補<共産>:×
○東京11区・とくとめ道信候補<共産>:×
○東京12区:
・池内さおり候補<共産>:×
・小田々豊候補<無所属>:×
○東京13区・渡辺修次候補<共産>:×
○東京14区・伊藤文雄候補<共産>:×
○東京15区:
・吉田としお候補<共産>:×
・東祥三候補<民主>:○
○東京16区・かわい恭一候補<共産>:×
○東京17区・新井杉生候補<共産>:×
○東京18区・小泉たみじ候補<共産>:×
○東京19区・清水あきお候補<共産>:×
○東京20区・池田真理子候補<共産>:×
○東京21区・星あつまろ候補<共産>:×
○東京22区・吉岡正史候補<共産>:×
○東京23区
・古橋良恭候補<共産>:×
・くしぶち万里候補<民主>:○
○東京24区・長谷川あきら候補<共産>:×
○東京25区・鈴木おさむ候補<共産>:×

○比例東京ブロック・池田一慶<社民>:×
○比例東京ブロック・笠井亮<共産>:○
○比例東京ブロック・谷川智行<共産>:×

○宮城4区・かとう幹夫候補<共産>:×
○新潟1区:
・武田勝利候補<共産>:×
・西村智奈美候補<民主>:○
○新潟3区:
・黒岩宇洋候補<民主>:○
・稲葉大和<自民>:×
○埼玉15区・村主明子候補<共産>:×
○神奈川3区・古谷靖彦候補<共産>:×
○神奈川7区・鈴木馨祐候補<自民>:×
○神奈川13区・近藤知明候補<共産>:×
○愛知1区:
・木村恵美候補<共産>:×
・しのだ陽介候補<自民>:×
○大阪7区:
・駒井正男候補<共産>:×
・藤村修候補<民主>:○
○滋賀3区・木村真佐美候補<共産>:×
○高知1区:
・春名直章候補<共産>:×
・田村久美子候補<民主>:×
○高知2区:
・山中正博候補<共産>:×
・楠本清世候補<民主>:×
○高知3区・村上信夫候補<共産>:×

(6)他MIAUのアンケートで児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○東京2区・深谷隆司候補<自民>:×
○東京7区・松本文明候補<自民>:×
○東京11区:
・有田芳生候補<新党日本>:×
・下村博文候補<自民>:○
○東京15区・柿沢未途候補<みんなの党>:×
○東京16区・初鹿明博候補<民主>:○
○東京17区・早川久美子候補<民主>:×
○東京21区・長島昭久候補<民主>:○
○東京24区・阿久津幸彦候補<民主>:○
○東京25区:
・井上信治候補<自民>:○
・まさご太郎候補<国民新>:×

○比例東京ブロック・清水清一朗候補<自民>:

○宮城4区・石山けいき候補<民主>:○
○山形2区
・近藤洋介候補<民主>:○
・鈴木啓功候補<自民>:×
○新潟1区・吉田六左エ門候補<自民>:×
○埼玉15区・高山さとし候補<民主>:○
○神奈川7区・首藤信彦候補<民主>:○
○大阪7区・渡嘉敷奈緒美候補<自民>:×

(7)他名も無き市民の会のアンケートで、児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○埼玉4区・神風英男候補<民主>:○
○東京18区・土屋正忠候補<自民>:×
○東京24区・萩生田光一候補<自民>:×

(8)他ゲーム・ネット・表現規制を求める請願を紹介した元議員候補
○北海道10区・飯島夕雁候補<自民>:×
○栃木1区・船田元候補<自民>:×
○栃木2区・西川公也候補<自民>:×
○千葉7区・内山晃候補<民主>:○
○神奈川4区・林潤候補<自民>:×
○東京10区・小池百合子候補<自民>:×→比例復活○
○富山1区・村井宗明候補<民主>:○
○三重3区・平田耕一候補<自民>:×
○京都3区・泉健太候補<民主>:○
○京都6区・井澤京子候補<自民>:×
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>:×
○奈良3区・奥野信亮候補<自民>:×
○奈良4区・田野瀬良太郎候補<自民>:○
○岡山3区・平沼赳夫候補<無所属>:○
○岡山5区・加藤勝信候補<自民>:○
○沖縄1区・下地幹郎候補<国民新>:○
○沖縄2区・安次富修候補<自民>:×

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2009年8月14日 (金)

番外その20:情報・表現規制問題に関する注目選挙区・候補リスト

 前回書いた通り、個人的には、今回の選挙は児童ポルノ規制法選挙と思って投票するつもりだが、特に、このような情報・表現規制問題に関しては、公明党を除き、政党レベルでどうこうというより、規制官庁あるいは少数の規制派議員が暴走するのが常であり、次の選挙で、ピンポイントに規制派議員がどれくらい落ちるか、慎重派・反対派議員がどれくらい通るかで、今後の動向が大きく左右される。(繰り返しておくが、表現・情報問題に関して、公明党は、議員1人1人がどうこうと言うレベルでは無く党全体として極めて危険である。)

 「チラシの裏(3周目)」、「表現規制について少しだけ考えてみる(仮)」、「表現の数だけ人生が在る」、「『反ヲタク国会議員リスト』メモ」、「選挙に行こう」、「王様を欲しがったカエル」「カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記」、「止めろ!規制社会・監視国家ブログ版」、「創作物は理論で性的虐待は実践か?」等々の他のブログの選挙関連エントリをご覧頂ければ良い話ではあるのだが、今回の選挙は極めて重要なので、ここでも、注目選挙区・候補リストのエントリを番外として立てておきたいと思う(過去2年間の国会での主な動きは番外その19参照)。

 以下、主に児童ポルノ規制問題に対する姿勢から注目選挙区・候補リストを作って行く。児童ポルノ規制問題に対するスタンスの取り方は難しいのだが、難しいだけに端的に政党・候補の情報・表現・ネット規制問題に関する理解力を示す。以下のリストでは、青字で強調するのは規制反対派・慎重派として知られる候補の名前であり、赤字で強調しているのは規制推進派として知られる候補の名前である。なお、実際に候補が立てられるのは公示日となるので、以下のリストの選挙区等は、もしかしたら最終的に多少変動があるかも知れないことをお断りしておく。

 ご覧頂ければ分かるように、児童ポルノの単純所持規制問題について、社民と共産はほぼ党として問題点を理解し反対している。新党日本は党としては反対しているようだが、議員レベルではあまりアテにならない国民新も全くアテにならない民主も一部の慎重派議員を除き信用できず、規制より以外の動きが見られない自民・公明は論外という状況である。

 前回の選挙は郵政選挙だったはずだが、ほんの4年で、郵政改革すらグダグダになっている上、自由な民主主義社会を守るためには、主として社民か共産に票を投じるしかないというところまで追い込まれているのである。これは全く笑い事ではない。この状況こそ、今の日本の歪みを典型的に表している。

 今の日本の歪みは、もはや既存政党ではどうにもならないところまで来ており、既存政党とは全く異なる政党が必要だろうことも分かっているが、残念ながら、参入障壁の問題もあり、すぐに作れるものでも無い。今のところ、どこをどう転んでも選挙後に待っているのは、確実に政策迷走の地獄だが、少しでもマシな政党・人間を選挙で選ぶことは極めて重要である。今度の選挙では、1人でも多くの人に、ネットも含め様々な媒体から情報を取り、自分で良く考えて政党・候補を選んでもらいたいものと私は思う。

(8月17日の追記:先日公表されたMIAUのアンケート結果東京以外の内容を追加した。なお、このアンケートには、渡辺喜美氏らの新党「みんなの党」の柿沢候補(東京15区)が、児童ポルノの単純所持規制について推進よりの回答をしており、みんなの党もこの問題では全くアテにならないことを示している。)

(1)児童ポルノ規制問題において反対派・慎重派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○東京8区:
保坂展人候補<社民>(HPwiki):この問題について内心の自由や表現の自由まで踏み込み、最も問題点を良く理解し国会審議において明確に反対をして下さっている貴重な候補。比例東京ブロック名簿1位とされる予定のようであり、児童ポルノ問題等情報・表現規制問題に懸念を抱いている東京在住の方には、社民党への投票をお勧めしたいと思う。
沢田俊史候補<共産>(HP):MIAUのアンケートで児童ポルノ規制について慎重な立場を示している。
石原伸晃候補<自民>(HPwiki):要するに石原慎太郎都知事の長男。情報・表現規制問題においては陰は薄いが、自民党候補なので当然規制よりと考えた方が良い。根拠無くアダルトゲーム規制を強力に押し進めようとしている自民党女性局の提言を幹事長代理として受けている(自民党女性局のHP参照)。(MIAUのアンケートに対しても、「冤罪等には十二分に配慮しつつ、児童ポルノの蔓延を一日も速く抑止すべきと考えます」と答えて単純所持規制に関する選択を回避しており、規制よりと考えられてしかるべき回答をしている。)

○埼玉5区:
枝野幸男候補<民主>(HPwiki):民主党案にも問題はあるものと思うが、所持規制における情報と有体物の特性の違いをきちんと理解し、自民党案の主観的要件のみによる情報の単純所持規制による冤罪発生の危険性を国会審議において的確に指摘した貴重な候補。
牧原秀樹候補<自民>(HPwiki):根拠無くアダルトゲーム規制を強力に押し進めようとしている自民党女性局の役員。児童ポルノ法改正案の国会審議では、自民党規制派の茶番劇要員として葉梨元議員の話にならない説明に対してオウム返しに分かったと繰り返す。また、ネット規制を求める請願を紹介している。

○福島5区:
吉田泉候補<民主>(HPwiki):国会審議において、日本を児童ポルノ大国と決めつける米シーファー大使の発言を批判し、それが根拠の無いものであることを明らかにした。
坂本剛二候補<自民>(HPwiki):情報・表現規制問題における陰は薄いが、自民党候補なので当然規制よりと考えた方が良いだろう。

 保坂展人氏を筆頭に、枝野幸男氏、吉田泉氏の3名は、今回の選挙で最も受かってもらいたい候補である。

(2)児童ポルノ規制問題において推進派として知られる元議員候補のいる注目選挙区
○岐阜1区:

鈴木正典候補<共産>(HP):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、野田聖子氏より危険ということはあり得ないだろう。
柴橋正直候補<民主>(HP):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、野田聖子氏より危険ということはあり得ないだろう。
野田聖子候補<自民>(HPwiki):根拠無く表現・情報弾圧を叫ぶ日本ユニセフともつながりが強く、単純所持規制に加え創作物規制まで児童ポルノ規制を押し進めようとしている自民党の危険な規制派議員の代表格の1人。なお、ただのマッチポンプだが、自民党の山谷えり子女性局長から、科学技術担当相として、有害サイトや性暴力ゲームの規制強化を求める要望書も受けている(日刊スポーツの記事参照)。

○奈良2区:
西ふみ子候補<共産>(HP):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、高市早苗氏より危険ということはあり得ないだろう。
滝実候補<民主>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、高市早苗氏より危険ということはあり得ないだろう。また、児童ポルノ規制慎重派として知られる中村哲治参議院議員の支援を受けている。
高市早苗候補<自民>(HPwiki):自民党内の青少年特別問題委員長として、青少年ネット規制法の導入を強力に推進した中心人物。自民党の「児童ポルノ禁止法見直しに関する小委員会」の事務局長でもあった。

○茨城3区:
小泉俊明候補<民主>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明だが、葉梨康弘氏より危険ということはあり得ないだろう。
葉梨康弘候補<自民>(HPwiki):児童ポルノ規制法改正案の国会審議において、表現弾圧・焚書を明言、ロリコンを思想犯罪として国民の表現・内心・思想の自由を蹂躙すると宣言し、最も危険な違憲発言を繰り返していた危険人物。

○福岡6区:
古賀一成候補<民主>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明。
鳩山邦夫候補<自民>(HPwiki):国会審議において、総務大臣として、児童ポルノについて「断固として単純所持を禁止するべき」であり、「表現の自由で守られる法益と児童ポルノによって失われる人権というものとの比較をすれば、それは表現の自由という部分が大幅に削られて構わない」と発言。

○東京6区:
佐藤直樹候補<共産> (HP):MIAUのアンケートで児童ポルノ規制について慎重な姿勢を示している。
小宮山洋子候補<民主>(HPwiki):国会審議において、民主党案を離れて与党案の単純所持規制を支持すると、自身が規制派であることを暴露し、妥協発言を繰り返した民主党内の危険人物。(当然ながら、MIAUのアンケートでも単純所持規制を推進するべきと答えている。)
越智隆雄候補<自民>(HPwiki):情報・表現規制問題における姿勢は不明。

 野田聖子氏を筆頭に、高市早苗氏、葉梨康弘氏、鳩山邦夫氏、小宮山洋子氏の5名は、今回の選挙で最も落ちてもらいたい候補である。また、もし出馬していれば、その選挙区は問答無用で大注目区となったことだろうが、自民党の規制派の大ボスの1人森山眞弓氏が引退となりそうなのは非常に良いニュースである。 

 また、以下は、各種の請願・アンケートから作った候補リストである。

(3)他児童ポルノ規制に対して慎重な検討を求める請願を紹介した元議員候補
○大阪10区・辻元清美候補<社民>(HPwiki

(4)他児童ポルノ規制強化を求める請願を紹介した元議員候補
○秋田3区・御法川信英候補<自民>(HPwiki
○神奈川18区・山際大志郎候補<自民>(HPwiki
○東京19区・松本洋平候補<自民>(HPwiki
○福井1区・稲田朋美候補<自民>(HPwiki
○愛知7区・鈴木淳司候補<自民>(HPwiki
○滋賀2区・藤井勇治候補<自民>(HPwiki
○滋賀3区・宇野治候補<自民>(HPwiki
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>(HPwiki

(5)他MIAUのアンケート(東京以外)で児童ポルノ規制問題において慎重な姿勢を示した候補
○東京1区:
・冨田なおき候補
<共産>(HP
・海江田万里候補<民主>(HPwiki
○東京2区・中島つかね候補<共産>(HP
○東京3区・沢田英次候補<共産>
○東京4区:
・渋谷要候補
<共産>(HP
・宇佐美登候補<無所属>(HPwiki
○東京5区・宮本栄候補<共産>(HP
○東京7区・太田のりおき候補<共産>(HP
○東京8区・沢田俊史候補<共産>(HP
○東京9区:
・岸良信候補
<共産>(HP
・木内孝胤候補<民主>(HPwiki
○東京10区・山本としえ候補<共産>
○東京11区・とくとめ道信候補<共産>(HP
○東京12区:
・池内さおり候補
<共産>(HP
・小田々豊候補<無所属>(HP
○東京13区・渡辺修次候補<共産>
○東京14区・伊藤文雄候補<共産>(HP
○東京15区:
・吉田としお候補
<共産>
・東祥三候補<民主>(HPwiki
○東京16区・かわい恭一候補<共産>
○東京17区・新井杉生候補<共産>(HP
○東京18区・小泉たみじ候補<共産>(HP
○東京19区・清水あきお候補<共産>
○東京20区・池田真理子候補<共産>(HP
○東京21区・星あつまろ候補<共産>(HP
○東京22区・吉岡正史候補<共産>
○東京23区
・古橋良恭候補
<共産>
・くしぶち万里候補<民主>(HP
○東京24区・長谷川あきら候補<共産>(HP
○東京25区・鈴木おさむ候補<共産>(HP

○比例東京ブロック・池田一慶
<社民>(HP
○比例東京ブロック・笠井亮<共産>(HPwiki
○比例東京ブロック・谷川智行<共産>(HP

○宮城4区・かとう幹夫候補<共産>
○新潟1区:
・武田勝利候補
<共産>(HP
・西村智奈美候補<民主>(HPwiki
○新潟3区:
・黒岩宇洋候補
<民主>(HPwiki
・稲葉大和<自民>HPwiki
○埼玉15区・村主明子候補<共産>(HP
○神奈川3区・古谷靖彦候補<共産>(HP
○神奈川7区・鈴木馨祐候補<自民>(HPwiki
○神奈川13区・近藤知明候補<共産>
○愛知1区:
木村恵美候補<共産>
しのだ陽介候補<自民>(HPwiki
○大阪7区:
駒井正男候補<共産>(HP
藤村修候補<民主>(HPwiki
○滋賀3区・木村真佐美候補<共産>
○高知1区:
春名直章候補<共産>(HP
田村久美子候補<民主>(HP
○高知2区:
・山中正博候補
<共産>(HP
・楠本清世候補<民主>(HP
○高知3区・村上信夫候補<共産>(HP

(6)他MIAUのアンケートで児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○東京2区・深谷隆司候補<自民>(HPwiki
○東京7区・松本文明候補
<自民>(HPwiki
○東京11区:
有田芳生候補<新党日本>(HPwiki
下村博文候補<自民>(HPwiki
○東京15区・柿沢未途候補<みんなの党>(HP
○東京16区・初鹿明博候補<民主>(HP
○東京17区・早川久美子候補<民主>(HP
○東京21区・長島昭久候補<民主>(HPwiki
○東京24区・阿久津幸彦候補<民主>(HPwiki
○東京25区:
・井上信治候補
<自民>(HPwiki
・まさご太郎候補<国民新>(HP

○比例東京ブロック・清水清一朗候補<自民>(HPwiki

○宮城4区・石山けいき候補<民主>(HP
○山形2区
・近藤洋介候補
<民主>(HPwiki
・鈴木啓功候補<自民>(HP
○新潟1区・吉田六左エ門候補<自民>(HPwiki
○埼玉15区・高山さとし候補<民主>(HPwiki
○神奈川7区・首藤信彦候補<民主>(HPwiki
○大阪7区・渡嘉敷奈緒美候補<自民>(HPwiki

(7)他名も無き市民の会のアンケートで、児童ポルノ規制問題において推進の姿勢を示した候補
○埼玉4区・神風英男候補<民主>(HPwiki
○東京18区・土屋正忠候補<自民>(HPwiki
○東京21区・長島昭久候補<民主>(HPwiki
○東京24区・萩生田光一候補<自民>(HPwiki

(8)他ゲーム・ネット・表現規制を求める請願を紹介した元議員候補
○北海道10区・飯島夕雁候補<自民>(HPwiki
○栃木1区・船田元候補<自民>(HPwiki
○栃木2区・西川公也候補<自民>(HPwiki
○千葉7区・内山晃候補<民主>(HPwiki
○神奈川4区・林潤候補<自民>(HPwiki
○東京10区・小池百合子候補<自民>(HPwiki
○富山1区・村井宗明候補<民主>(HPwiki
○三重3区・平田耕一候補<自民>(HPwiki
○京都6区・井澤京子候補<自民>(HP
○京都3区・泉健太候補<民主>(HPwiki
○兵庫7区・大前繁雄候補<自民>(HPwiki
○奈良3区・奥野信亮候補<自民>(HPwiki
○奈良4区・田野瀬良太郎候補<自民>(HPwiki
○岡山3区・平沼赳夫候補<無所属>(HPwiki
○岡山5区・加藤勝信候補<自民>(HPwiki
○沖縄1区・下地幹郎候補<国民新>(HPwiki
○沖縄2区・安次富修候補<自民>(HPwiki

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2009年8月 5日 (水)

第187回:主要政党のマニフェスト案比較(知財・情報政策関連)

 主要政党のマニフェスト案(公示日以降に配られるものが正式版らしいので、案としているが、どうせ大した変更はされないだろう)がほぼ出そろった(自民党(pdf)政策BANK(pdf))、民主党(pdf)政策集INDEX(pdf))、社民党共産党(pdf)公明党(pdf)国民新党(pdf)新党日本(pdf)改革クラブ(pdf)要約版(pdf))。

 どの政党も、思いつきのように具体的な実現可能性の良く分からない項目を並べてマニフェストの体裁を整えているだけであり、自民党と民主党という2大政党が、お互い自分のバラマキは良いバラマキ、相手のバラマキは悪いバラマキと自分のことを棚に上げて、足下の定まらない中で意味の無い財源批判をし合っている時点で、さらに、今までの日本の政策決定の迷走を考えても、マニフェストの底が知れるというものだが、それでも多少の参考にはなるだろうと思うので、ここで、主に知財・情報政策という観点から、各政党のマニフェスト案の比較をしておきたいと思う。

 (なお、一緒に取り上げているが、民主党の政策集INDEXは、党の政策だが政権公約ではないという位置づけになっているようである。)

(1)知財
<自民党>

独自のコンテンツや伝統文化を盛り上げ、世界へ。
同時に、観光でも魅力ある「ジャパン」を目指します。

ゲームやアニメ、キャラクターなど、日本が強みを持つコンテンツ。
お家芸とも言えるこの分野の人材育成、製作者の待遇改善を行い、世界に誇る作品が生み出される環境を作ります。
デジタルアーカイブ化を通じて日本文化を国内外へ発信。地域の文化・芸術・音楽活動の振興・継承に努めます。
「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を進め、2020年までに観光で訪れる外国人2000万人を目指します。

<公明党>
経済基盤強化へ、中小企業の知財活性化策
●研究力・開発力・信用力の向上など中小企業の経営基盤の強化に資する知的財産の活用を促進するため、法整備や税制措置など戦略的なインフラ整備を行い、創造・活用・保護など知的財産活用促進のための総合的支援を強化します。
●経営基盤の弱い事業者による知的財産の創造のため総合的な支援策を講じるとともに、技術およびビジネスモデル等における知的財産権の獲得と確保に向けた軽減措置に取り組みます。
●知的財産権の発掘・強化・拡大に向けた産学連携モデル事業の推進を図るとともに、共同研究の成果を迅速に事業化に結びつける仕組みを整備します。

全国で新たな事業活動を促進
●マンガ、ゲーム、アニメ、映画、デザイン・ファッションなど、価値を生産するコンテンツ(クリエイティプ)産業を日本経済の一翼を担う産業として位置付け抜本的な支援強化に取り組みます。
著作権取引支援システム構築支援
プロデュース人材の育成や事業化支援
コンテンツ技術開発の促進
ファイナンスや販路開拓等海外展開支援
国際共同製作案件への支援
コンテンツ取引市場作り支援
人材流出防止や海賊版防止
●ゲーム・ソフトウエアなどさまざまな知的資産によって、国外への情報発信を応援します。

ICT産業の成長促進
●放送コンテンツなどわが国が強みとするコンテンツの流通促進により、わが国コンテンツ市場を約5兆円拡大させます。

<民主党>
(政策集INDEXより)インターネットを用いたコンテンツの2次利用促進
 過去に放送されたテレビ番組(コンテンツ)をインターネットで2次利用する場合には、すべての権利者から許諾を得なければならず、2次利用はなかなか進んでいません。インターネット上でのコンテンツの活用を図るため、著作権の保護に配慮しつつ、著作権処理の円滑化に向けて抜本的な検討を進めます。
 特に、権利処理が困難な過去のコンテンツの再利用を円滑化するための措置を早急に検討します。

 知財に関しては、どの政党も全く意味のあることを書いていない。自民党・公明党はマンガ、ゲーム、アニメなどの振興に触れているが、ここ数年の与党が強力に推進して来たのは文化・コンテンツ弾圧政策に他ならないのであり、この連中が文化・コンテンツ産業振興に言及すること自体噴飯ものである。

(2)情報通信
<自民党>

(政策BANKより)地上デジタル放送の推進・情報通信網の整備による地域間格差の解消
全国どこでも医療や教育などのサービスを受けることができるネットワーク基盤を整備するため、2010年度末までにブロードバンド・ゼロ地域の解消を実現するとともに、携帯電話不感エリアの解消のため、特に条件的に厳しい地域の整備を行う。さらに、テレビ放送について、過疎地域・山間部の整備や年の難視聴対策、経済的弱者への支援策を強化し、2011年にデジタルへの完全移行を実現する。それにより余裕が生まれる電波を、防災や交通安全対策や新規事業など、生活に密着した分野へ活用し、情報通信技術の恩恵が実感できる豊かな生活を実現する。

(政策BANKより)IT利活用社会の実現
世界トップのブロードバンド環境とIT技術のフル活用、国民視点にたった電子政府(e-Gov)の推進により、行政・医療・産業・福祉・教育・司法・交通・テレワーク等、生活に密着した分野を情報通信ネットワークで接続し、2015年までに国民生活の利便性向上、行政事務の簡素効率化・標準化・見える化を実現する。また、デジタル技術の活用による新規性・先進性の高い事業の創出、雇用確保、生産性の工場により、経済を活性化させる。

<公明党>
ICT産業のグローバル化の推進
●ワイヤレス、デジタル放送、次世代IPネットワークなど、わが国が強みを発揮しうるICT産業分野について、特にアジア地域に重点をおいたグローバル展開を積極的に推進します。
●日本ASEAN(アセアン)経済連携協定後の中長期的なアセアンとの協力として、アジア地域での「グリーンICT」の推進・企業情報セキュリティの確保・電子商取引の環境整備・ICT人材育成など、ICTを活用したより高度な知識経済圏の構築に向けた協力プロジェクトを推進します。

ICT産業の成長促進
●2010年代に成長が期待される新たな電波利用システムやサービスの実現、わが国が強みを持つ分野について研究開発の加速化などにより、現在約100兆円のICT産業の市場規模を、2015〜20年に倍増させます。

国民電子私書箱構想の推進
●2015年までに、国民が自らの年金記録などの情報を入手・管理することができ、また、幅広い分野で24時間簡単にワンストップの行政サービスを利用することができる「国民電子私書箱」構想を実現します。

地上デジタル放送への円滑な完全移行の実現
●2011年7月の地上デジタル放送への円滑な完全移行に向けて、デジタル受信機やチューナーの国民への一層の普及促進を図ります。また、地形や建造物等によるデジタル難視聴対策を推進します。さらに、適正な廃棄・リサイクルの一層の推進など、環境に配慮した取り組みを行います。

デジタルディバイドの早期解消
●市町村が実施するブロードバンド整備に対して支援を行い、「ブロードバンド・ゼロ地域」の解消を早期に実現します。また、ブロードバンドと防災・医療等の公共的アプリケーションとの一体的整備を推進します。さらに、市町村が実施する鉄塔整備に対して支援を行
い、携帯電話がつながらない地域を解消します。

携帯電話のさらなる利便性の向上と料金引き下げ
●携帯電話のSIMロック解除や、携帯メールアドレスの持ち運び等により、さらなる利便性の向上を図るとともに、携帯電話料金の引き下げを行います。

ICTによる安心・安全な地域社会の実現
●ICT関連技術を活用して、遠隔医療、児童・高齢者見守り、防災情報提供などの取り組みを推進し、地域住民が安心・安全を実感できる環境をつくります。

テレワークの推進
●子育て中の女性、障がい者等の就業機会の拡大、ワーク・ライフ・バランスの実現等の観点からテレワーク(ICTを活用した場所と時間に制約されない柔軟な働き方)の普及拡大を推進します。

電子行政クラウドの推進による行政の効率化
●クラウドコンピューティング技術などの最新の技術を活用し、中央省庁の保有する情報システムのハードウエアの統合化・集約化などを図る「霞が関クラウド」の実現により、中央省庁の情報システム経費を削減します。また、地方公共団体の保有する情報システムについても、可能なものから統合・集約などを図る「自治体クラウド」の構築を推進します。

医療分野におけるICT利活用による医療の質と安全性の向上
●地域の医師不足などの問題に対応するとともに、全国で質の高い安全な医療を受けることを可能とするため、ICTを利用した遠隔医療を推進します。

高度ICT人材の育成
●ICTに関する技術や利活用方法を理解し、高い付加価値を創造できる高度ICT人材について、産学官連携によりその育成拠点の形成を図ります。

情報バリアフリーの推進
●高齢者・障がい者が使いやすい情報通信機器・技術の開発およびサービスの提供の促進等により、ユニバーサルデザインの普及促進を実施するとともに、字幕放送・解説放送等を普及・促進します。

<民主党>
(政策集INDEXより)NHKの改革
 NHK職員によるインサイダー取引など、NHKの信頼を揺るがす不祥事が続出していることにかんがみ、経営改革と体質改善を推進し、NHKが法令順守を徹底するように厳しく監視します。
 受信料不払者の存在から来る不公平感の解消と未だ収入に対して比率の高い受信料徴収コストの削減のため、受信料のあり方や、受信料の徴収方法について検討します。
 NHKの業務範囲が国民に理解されるものとなるよう、とかく不透明性が問題となる子会社について設置基準を見直して整理を進めるとともに、NHK本体と子会社の契約のあり方についても見直します。また、NHKの各チャンネルの位置づけを再度明確にした上でBS放送波の削減を検討します。

(政策集INDEXより)通信・放送委員会(日本版FCC)の設置
 通信・放送行政を総務省から切り離し、独立性の高い独立行政委員会として通信・放送委員会(日本版FCC)を設置し、通信・放送行政を移します。これにより、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介入を排除します。
 また、技術の進展を阻害しないよう通信・放送分野の規制部門を同じ独立行政委員会に移し、事前規制から事後規制への転換を図ります。
 さらに、通信・放送の融合や連携サービスの発展による国民の利益の向上、そしてわが国の情報通信技術(ICT)産業の国際展開を図るため、現行の情報通信にかかる法体系や規制のあり方などを抜本的に見直していきます。

(政策集INDEXより)通信・放送行政の改革
 近年の技術革新により通信と放送の融合が進展しており、既存の通信・放送に関する法体系の総合的な見直しが課題となっています。現代の通信・放送の融合時代に対応した法制のあり方を検討します。
 同時に、多様なメディアが存在する現状にかんがみ、表現の多様性を確保するために、クロスメディア所有(同一の者が新聞・テレビ・ラジオなど複数のメディアを所有すること)の是非も含めたマスメディア集中排除原則のあり方を検討します。

(政策集INDEXより)電波の有効利用
 産業活性化や新たな技術開発、国民の利便性向上につなげるため、有限な資源である電波(周波数)の有効利用に取り組みます。
既存利用者の効率利用と新規需要への迅速な再配分を図るため、①電波利用料に電波の経済的価値を反映させることによる電波の効率利用促進②適当と認められる範囲内でオークション制度を導入することも含めた周波数割当制度の抜本的見直し――などを行います。

(政策集INDEXより)情報格差の解消
 インターネットや携帯電話は、災害対策をはじめ、遠隔医療を可能にする、子どもの安全を守るなど、日常生活でも、また企業の活動でも重要になっています。しかし、地域によってはインターネットに接続できる環境の整備が遅れているところがあり、情報格差の拡大が懸念されています。情報ネットワークの構築が遅れている地域に情報格差が生じないよう、条件不利地域等に対する整備支援策等を通して、必要な環境整備・支援を行います。

(政策集INDEXより)地上デジタル放送への円滑な移行
 2011年7月24日に地上アナログテレビ放送は終了し、地上デジタルテレビ放送のみになります。しかし、地上デジタル放送に対応できるテレビやチューナーを持っている世帯はまだ半数ほどです。また、山間部や離島など、地上デジタル放送が見られない地域も残っています。
 地上デジタル放送への円滑な移行のため、①自治体との連携などによるデジタル放送受信に関する相談体制の強化②安価なチューナーの開発促進および経済的弱者に対するチューナーの購入支援③電波が届かない過疎、離島地域などでの中継局設置に対する支援④都市部などで高層ビル等が障害になり電波が届かない場合の共同アンテナ等の設置に対する支援⑤環境に配慮した地上デジタル放送対応機器への買替え促進策導入――など必要な環境整備・支援を行います。

<改革クラブ>
 IT分野では特に、放送と通信の融合施策を進めるとともに、成長が見込まれるアニメ、漫画、デザイン、ファッション等の分野とも連携させ、経済の活力を維持・強化します。これは同時に日本の庶民文化(ポップカルチャー)を世界に広める文化的効果も発揮します。
 通信や放送の監督のための中立性を確保することはもちろん、電波の割り当てにオークション制度を導入すると、サービス提供が高くつくため適当ではないと考えます。また私たちの主張により地上デジタル化は一歩前進しましたがさらに万全を尽くします。

 情報通信政策についても、あまり大したことは書かれていない。次の政権与党には、地デジ移行の問題が重くのしかかるのではないかと思うが、この点について今の与野党ともに本気で何かしらの対策を考えている様子は見られない。特に、自民党・公明党の政策は、ほとんど総務省の政策をそのまま書いているだけであり、公明党のマニフェスト内で「ICT」という語が連発されていることから考えても、自民党・公明党の情報通信関連項目は実質的に総務省が書いているのではないかと思われる。

 民主党の政策で見るべきものは、日本版FCCの設置と電波オークションの実施だが、これもどこまでどのように行うということが良く分からず、何とも言いようが無い。今の総務省の放送通信行政部門がそっくりそのまま別の役所になり、同じことが繰り返されるようなら何の意味も無い。無意味な規制強化に流れないように相互監視・牽制が行われるようにきちんと権限の分離を行わなければならないのだが、民主党にそこまで考えている様子が無いようなのは残念であり、情報通信政策に関しても、まだまだ混乱が続くだろう。

(3)児童ポルノ規制
<公明党>

児童ポルノの所持等の禁止
●子どもの福祉の観点から、児童ポルノ禁止法を改正し、児童ポルノの所持等を禁止するとともに、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等を処罰する罰則を新設します。

<民主党>
(政策集INDEXより)性的虐待・性的搾取から子どもを守る
 子どもたちを性的虐待や性的搾取から守るため、児童買春・児童ポルノ処罰法を改正します。
 児童ポルノの定義の明確化、児童ポルノ取得罪の新設、罰則の全般的引き上げと対象範囲の拡大、被害にあった子どもたちに対する保護規定の見直しやフォローアップ体制確立などを図り、実効性ある内容に充実させることを検討します。

<新党日本>
法制度改革
「児童ポルノ法案」に反対

 今回の選挙も残念ながら著作権選挙にはなりそうも無いので、児童ポルノ規制問題は、個人的には今回の選挙における最大の争点である。

 この問題について、公明党は、そのマニフェスト中で明確に児童ポルノの単純所持罪を創設すると明言している。表現・情報規制問題に関する限り、創価学会を支持母体とする宗教政党の公明党には絶対投票してはならない。表現・情報規制強化に懸念を抱いているようであれば、選挙に行き、公明党以外の政党に投票することは第1条件となる。政権与党として、一緒になって児童ポルノの単純所持規制を強力に推進した自民党も基本的には同断である。

 民主党も、自民党・公明党よりはマシだが、やはり危険な児童ポルノ取得罪の創設を政策集INDEXにあげており、この問題に関しては、今後も危険な状態が続くことが予想される。

 具体的にどのような点に反対しているのかは不明だが、児童ポルノ法案に反対と明確に書いている新党日本のマニフェストは高く評価しておきたい。新党日本も選挙区によっては選択肢の1つとなるだろう。

 なお、マニフェスト案には書いていないが、社民党は、保坂展人氏を筆頭に、ほぼ党として明確に児童ポルノの単純所持規制等に反対しているので、この問題に関しては第1に推す党である。

(4)ネット規制
<公明党>

治安の回復を実現
●刑法犯の認知件数を減らし国民生活の安全安心を確保するため、警察官の増員や質の向上などにより、ひったくりなどの街頭犯罪や振り込め詐欺などの防止、取り締まりを強化します。また、DNA型鑑定の一層の活用や、110番通報に対してより迅速に対応するため、携帯電話の発信地を通知する機能の導入を進めます。さらに、パソコンやインターネットなどを悪用したサイバー犯罪への取り締まりを強化し、犯罪仲間を募ったり、犯罪を助長したりするような「闇サイト」を法的に規制する方法を検討するとともに、情報モラル教育や啓発活動を推進します。

違法・有害情報対策の推進
●青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするため、全国で青少年のリテラシー(情報の理解力・発信力)を向上させる活動やインターネットが青少年に与える影響の調査を踏まえた的確な対策、違法・有害情報の検出等に資する技術開発への積極的な支援を行います。

 「闇サイト」とは何を差すのかいまだに良く分からない言葉の1つだが、ネット規制についても、公明党は、さらなる規制強化をねらっているとマニフェストで露骨に表明している。公明党の危険性はいくら強調してもし過ぎでは無い。

(5)規制緩和一般
<自民党>

(政策BANKより)規制改革
消費者行政とのバランスをとりつつ、各種規制のあり方を見直し、発展的経済活動を側面支援する。また、新たな立法時における規制の新設についても、国民の安全安心を確保するとともに、自由で活力ある経済活動を阻害しないようにする観点から、引き続き十分な事前審査を行う。

<民主党>
(政策集INDEXより)事業規制の原則撤廃と次世代競争力の確保
 現行の事業規制はすべてゼロベースで見直し、民間事業活動に関する規制を改革します。他方、公正競争の環境整備を推進します。すべての官業を納税者・生活者の視点で徹底して見直し、効率化と質の向上を図ります。
 IT、バイオ、ナノテク、環境、エネルギーなどの先端技術分野における研究者・技術者の質的・量的不足の解消に向けて、集中的に施策を展開し、民間経済の成長・拡大を支えます。

 規制緩和の検討に関しては、あまり民主党もアテにならないのだが、公明党と組んで、自由で活力ある経済活動を阻害する規制強化を全力で押し進めてきた自民党が、いまさら規制緩和によって経済活動を側面支援するとは片腹痛いとしか言いようが無い。

(6)共謀罪
<民主党>

(政策集INDEX 2009より)共謀罪を導入することなく国連組織犯罪防止条約の批准手続きを進めます。
 政府は、国連組織犯罪防止条約を批准するための国内法整備として、共謀罪を新設する法案を繰り返し国会に提出してきましたが、民主党は、共謀罪に反対する国民の広範な世論と連携して法案の成立を阻んできました。共謀罪は、団体の活動として犯罪の遂行を共謀した者を処罰するものですが、犯罪の実行の着手、準備行為がなくても相談をしただけで犯罪となること、およそ国際性とは無縁な犯罪や重大犯罪とまではいえないようなものを含め619もの犯罪が対象となることなど、わが国の刑法体系を根底から覆しかねないものです。条約は「自国の国内法の基本原則に従って必要な措置をとる」ことを求めているにすぎず、また、条約が定める重大犯罪のほとんど
について、わが国では現行法ですでに予備罪、準備罪、幇助犯、共謀共同正犯などの形で共謀を犯罪とする措置がとられています。したがって、共謀罪を導入しなくても国連組織犯罪防止条約を批准することは可能です。

 共謀罪も長いこと議論されている話だが、共謀罪の導入をしないということを、民主党の政策として明確にしていることは高く評価しておきたい。

(7)人権侵害救済法
<公明党>
人権擁護へ、「人権侵害救済法」(仮称)を制定
●人権侵害による被害を適正かつ迅速に救済するとともにその実効的な予防を図るため、新たな人権救済制度の創設などを含む「人権侵害救済法」を制定し、人権擁護施策を総合的に推進することにより人権尊重社会の実現を目指します。

<民主党>
人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する
【具体策】
○内閣府の外局として人権侵害救済機関を創設する。
○個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書を批准する。

<社民党>
政府から独立した人権救済機関を設ける人権侵害救済法を制定します。

 人権擁護法案絡みの話も長いが、これも残念ながら与野党ともにあまり変わらず、どこをどう転んでも、選挙後も危険な状態が続くだろう。

(8)天下り
<自民党>

官僚の特権は認めない。行政と公務員のムダを徹底的になくします。
「天下り」や「渡り」は全面的に禁止。

信賞必罰の徹底など、評価制度を一新。国家公務員は、2015年までに8万人(2005年比)以上削減。
施策の重複をチェックする「政策の棚卸し」や、公益法人・独立行政法人の徹底したスリム化を進めます。
ムダ撲滅は終わりなき課題。今年度は一般会計で5500億円、特別会計で3300億円の予算見直しを実現しましたが、今後も税金のムダ遣いを徹底的に追求します。

<公明党>
“天下り”の根絶
●各省による再就職あっせんを禁止し退職管理を「官民人材交流センター」に一元化する改革を早期に実施し、“わたり”あっせんの年内廃止を実現します。
●退職公務員の独立行政法人、公益法人等役職員の給与・退職金を大幅に引き下げます。
●早期勧奨退職慣行の廃止、定年の延長、再就職あっせんの全面廃止等を実現し、3年で天下りの根絶を目指します。

<民主党>
特別会計、独立行政法人、 公益法人をゼロベースで見直す
【具体策】
○実質的に霞が関の天下り団体となっている公益法人は原則として廃止する。公益法人との契約関係を全面的に見直す。

公務員制度の抜本改革の実施
【具体策】
○定年まで働ける環境をつくり、国家公務員の天下りのあっせんは全面的に禁止する。

<社民党>
官僚の天下りや「わたり」を禁止します。キャリア制度を廃止します。公務員に労働基本権を付与します。審議会や公的法人の役員人事の公募を進めます。

<共産党>
天下り禁止・企業献金禁止など、政官財のゆ着を断ち切る法的措置を講じます……中央省庁の高級官僚が、政治家、財界とゆ着して、相互に特権的な利益を享受しあう関係になっています。この「政官財」ゆ着は、財界・業界が、一部の特権官僚に“特別席”“指定席”を保障する(天下り)、その見返りに官僚が財界・業界の利益につながる政策をたてる、それを自民党などの政治家が国会で成立させ、その見返りとして財界・業界が多額の政治献金をするという、いわゆる「トライアングル」と呼ばれる根深い構造に支えられています。一昨年明るみにでた、国が発注元になったダム工事をめぐる「官製談合」問題は、事業それ自体が巨大な税金の無駄遣いであったうえに、国土交通省が音頭を取って談合を組織して巨大ゼネコンに受注させ、それらのゼネコンが高級官僚には「天下り先」を、政治家には企業献金を提供するという「構造的」なものでした。
この「政官財」のゆ着を断ち切り、行政を、憲法が明記する通り主権者国民全体に奉仕するものに改革するために、企業・団体献金を即時・無条件に禁止するとともに、高級官僚の営利企業・業界団体、政府関係法人への天下りを禁止する法律を制定します。

<国民新党>
●一部高級官僚の天下りや渡りは早急に止め、これを可能とする定年制の導入等、職場環境を整備し、三権の一角である行政の権威を確立します。

<新党日本>
行政改革
●退職金目当ての公務員(国・地方)の天下り(=「渡り」)の禁止。「調整額」「退職手当債」の即時全廃

<改革クラブ>
健全な財政と信頼される行政を確立します。
 現下の厳しい経済状況にあっては景気対策が最優先ですが、同時に新たな経済成長戦略のもと自然増収による財政健全化に向けた道筋を示すことが重要です。
 行政への信頼を取り戻すため、天下りや渡りを規制します。そしてすべての行政の情報公開を行い、国民によく見えるようにすることをお約束します。これにより国民に納得を得る政治、行政を実現します。

 天下りを容認する政党は無く、天下りに関しては全政党が一致して禁止である。本当に重要なことは、具体的に今後の公務員制度の設計をどうするのかということなのだが、この具体的な制度設計については、どの政党もあまり明確でない。

 なお、日本新党が地方公務員の天下り禁止にも触れていることは注目に値する。地方でも天下りは存在しており、やはり同じような問題を抱えているのである。

(9)選挙制度
<自民党>
国会議員の数がまだ多い。国のスリム化は、まず国会のスリム化から。
日本より人口の多いアメリカでも、上院議員の定数は100人、下院議員は435人。
議員数を含め、正しい国会のあり方が求められるいま、
次の第46回負う選挙から衆議院議員定数を1割以上削減、10年後には衆参議員定数の3割以上を削減します。
また、企業献金の脱法行為を防ぐ対策なども1年以内に結論を出します。引退する議員の配偶者と3等親内の親族が
同じ選挙区で立候補する場合は、次回の総選挙から公認または推薦をせず、「世襲候補」を制限します。
一方で、官邸機能の強化は不可欠。早急に総理を補佐する国家戦略スタッフ等を発足させます。

<公明党>
定数削減
●衆議院の選挙制度については、新しい中選挙区制を導入し、定数を大幅削減します。参議院の選挙制度については、大選挙区制を導入し、定数を大幅削減します。

国民主役の公選法へ
●国民主役の公職選挙法への改革を目指し、政策について十分な対話を行うことができる選挙運動を実現します(戸別訪問の解禁)。

永住外国人の地方選挙権
●永住外国人への地方選挙権の付与を実現します。

世襲制限
●国会議員の配偶者および三親等以内の親族が同一選挙区から立候補することを党として禁止します。

<民主党>
企業団体献金・世襲を禁止する
【具体策】
○現職の国会議員の配偶者及び三親等以内の親族が、同一選挙区から連続して立候補することは、民主党のルールとして認めない。
○政治資金を取り扱う団体を親族に引き継ぐことは、法律で禁止する。
○誹謗中傷の抑制策、「なりすまし」への罰則などを講じつつ、インターネット選挙活動を解禁する。

国会議員の定数を削減する
【具体策】
○衆議院の比例定数を80削減する。参議院については選挙制度の抜本的改革の中で、衆議院に準じて削減する。

(政策集INDEXより)永住外国人の地方選挙権
民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げており、この方針は今後とも引き続き維持していきます。

<社民党>
同一選挙区からの世襲立候補や政治団体の相続をただちに制限します。
多様な民意を反映する比例代表中心の選挙制度への改革をめざします。

<共産党>
民意を切り捨てる比例代表定数削減に反対し、選挙制度の民主的改革をおこないます
 自民・民主両党が、「国会議員定数削減」を競い合っています。民主党は「衆議院の比例定数を80削減する」、自民党は「少なくとも1割、50人以上削減」という具合です。
 比例代表制は、各党の得票率に応じて議席数を配分することで、有権者の選択を議席に正確に反映する仕組みです。比例代表制の定数削減の最大の狙いは、少数政党を国会と国政の舞台から締め出すこと、これらの政党が代表している国民の声を国会と国政の場から切り捨てることです。
 日本共産党は比例定数削減に強く反対し、衆議院選挙制度を全国11ブロックの比例代表制に改革します。高すぎる供託金制度の抜本的見直しをはかります。憲法がうたう「国権の最高機関」「国民の代表機関」にふさわしい国会を実現するために全力をあげます。

<新党日本>
国会改革・地方分権
●国会議員の世襲禁止(同一選挙区からの立候補禁止)、ならびに親族(三親等)の公設秘書登用の禁止
●選挙制度の改革により、衆議院、参議院の役割を明確化。
 衆議院議員は選挙区から選出、参議院は都道府県知事と全国比例区選出議員で構成する
●議員定年制の導入
 議員定年制を導入し、公示日の立候補者の年齢上限を70歳とする

<改革クラブ>
○ 衆参の選挙制度を見直します。
1) 衆議院選挙制度は死票の少ない複数当選者がある選挙区制。
2) 衆参の議員定数削減。

 国会議員定数削減の話1つとっても、比例を削減したい大政党と、小選挙区を削減したい他の小政党との間で、国民そっちのけで単なる政争が行われているだけというのが現実であり、選挙制度改革絡みの話も今のところほとんど何も評価できない。マニフェストも含めて、政党レベルでの政策論争が極めて貧弱なレベルにとどまっているという今の状況で、比例の比率を上げることはかえって日本にとって危険なものとなるだろう。主要政党のほぼ全て(上では引用しなかったが、共産党もマニフェスト世襲禁止に言及している)があげている世襲制限も、やりたければやれば良いと思うが、本当の問題は政策決定・政治における規制の多さ・参入障壁の高さにあるので、それを下げる努力がなされてしかるべきところ、出てくる主な案が世襲制限と規制を増やすことしか政治屋の頭にないのでは日本の未来は本当に暗い。単なる政治屋同士の派閥抗争に国民を巻き込まないで欲しいものである。

 ただし、選挙制度改革について、民主党がマニフェストでインターネット選挙の解禁に触れていることだけは高く評価しておきたいと思う。(なお、公明党が、ネット選挙では無く、戸別訪問の解禁を求めている点など非常に露骨である。)

 どの政党のマニフェスト案も政策論としてはお粗末極まるものであり、アテにならないのは見えているのだが、それでも、今の与党である自民党・公明党のマニフェストは群を抜いてお粗末であり、全くお話にならない。マニフェストを見ただけでも、表現・情報規制問題における、創価学会を支持母体とするカルト政党、公明党の危険性は明らかであり、表現・情報規制強化に懸念を抱いているようであれば、選挙に行き、公明党以外の政党・議員に投票することは第1条件となる。

 比較の問題に過ぎず、今後も危険な状態が続くとは思うが、表現・情報規制問題に関する限り、今の与党より、民主党などの野党の方がかなりマシである。保坂展人氏を擁する社民は引き続き推したいと思うが、児童ポルノ法案に反対とマニフェスト案に明記している新党日本もポイントが高い。

 戦略は細部に宿るという言葉の意味をカケラも理解しておらず、政策とは何かということを全く理解していない時点で、どの政党が政権を取ろうと、選挙後も待っているのは、政策迷走の地獄に他ならないが、それでも、少しでもマシな政党・人間を今度の選挙で選ぶことは極めて重要であり、なるべく多くの人に選挙に行ってもらいたいものと私は思う。

 個人的には、今回の選挙は児童ポルノ規制法選挙と思って投票するつもりだが、特に、このような情報・表現規制問題に関しては、公明党を除き、政党レベルでどうこうというより、規制官庁あるいは少数の規制派議員が暴走するのが常であり、次の選挙で、ピンポイントに規制派議員がどれくらい落ちるか、慎重派・反対派議員がどれくらい通るかで、今後の動向が大きく左右される。そのため、情報・表現規制問題に関しては、注目選挙区がいくつかはっきり存在しているので、次回はその紹介をしたいと思っている。

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2009年8月 1日 (土)

番外その19:最近2年間の情報規制関連の主な動き

 それ以前も兆候はあったが、この2年の情報規制関連の動きは異常という他なかった。今回は、今後の参考に、番外として、特に出会い系サイト規制法、青少年ネット規制法、ダウンロード違法化、児童ポルノ規制法に関する主な動きを個人的にまとめておきたいと思う。全て書いて行くと分かりにくくなるので、以下では国会における動きのみを書いて行くが、内閣提出法案の場合、その前に各官庁が自前の審議会で法改正に関する報告書を一方的に作った上で、パブコメも無視し、国会における法案審議を出来レースで済ますことが常態化しているし、議員提出法案の場合でも、与野党協議という名の密室談合によって法案をまとめ、実質的な国会審議を省略することが普通にまかり通っているというのが日本の今の政策決定における悲惨な現状である。(以下、赤字で強調したのは、衆議院で危険な情報・表現規制派として知られている衆議院議員であり、青字で強調したのは情報・表現規制慎重派・反対派として知られている衆議院議員である。なお、公明党は、表現・情報規制問題において、1人1人がどうこうということは無く、党全体として極めて危険である。)

2007年11月28日 衆議院・内閣委員会で、高市早苗議員<自民・奈良2区>が、青少年ネット規制法を与党内で検討していることを披露(議事録。高市早苗議員は、自民党内の青少年特別問題委員長として、青少年ネット規制法の導入を強力に推進した中心人物である。)

2008年 2月 4日 参議院・予算委員会で、有村治子議員<自民・比例19年>が、米シーファー大使の読売への寄稿文を取り上げ、単純所持規制の必要性を訴える。(議事録

      2月29日 出会い系サイト規制法(正式名称は、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」)改正案衆議院提出(内閣(警察庁)提出。問題点については第50回前回のパブコメ参照)

      4月2日・14日 「子供が使用する携帯電話への法規制に関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:井澤京子議員<自民党・比例近畿ブロック>、泉健太議員<民主党・京都3区>)

      4月10日 衆議院・青少年問題に関する特別委員会で、吉田泉議員<民主・東北ブロック>が、日本を児童ポルノ大国と決めつける米シーファー大使の発言を批判(議事録

      4月18日 出会い系サイト規制法改正案衆議院・青少年問題に関する特別委員会出来レース審議・可決議事録

      4月22日 出会い系サイト規制法改正案衆議院・本会議可決(実質審議無し)

      5月21日〜6月10日 「インターネットの有害情報から、子供を守るための法規制の早期実現に関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員高市早苗議員<自民・奈良2区>、やまぎわ大志郎議員<自民・神奈川18区>、安次富修議員<自民・比例九州ブロック>、中森ふくよ議員<自民・比例北関東ブロック>、平沼赳夫議員<自民・岡山3区>、内山晃議員<民主・比例南関東ブロック>、牧原秀樹議員<自民党・埼玉5区>)

      5月21日〜10日 「青少年健全育成のための有害図書類・有害情報規制に関する法整備を求めることに関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:大前繁雄議員<自民党・兵庫7区>、下地幹郎議員<国民新・沖縄1区>、奥野信亮議員<自民・奈良3区>、高市早苗議員<自民・奈良2区>、鍵田忠兵衛議員<自民・比例近畿ブロック>、小池百合子議員<自民・東京10区>、西川公也議員<自民党・北関東ブロック>、森山眞弓議員<自民・栃木2区>、萩生田光一議員<自民・東京24区>、田野瀬良太郎議員<自民・奈良4区>、平田耕一議員<自民・比例東海ブロック>、平沼赳夫議員<自民・岡山3区>、高鳥修一議員<自民・比例北陸信越ブロック>、藤井勇治議員<自民・比例近畿ブロック>、船田元議員<自民・栃木1区>、加藤勝信議員<自民・比例中国ブロック>)

      5月23日 「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:円より子<民主党・比例16年>、下田敦子<民主党・比例16年>)

      5月27日 出会い系サイト規制法改正案参議院・内閣委員会出来レース審議・可決議事録

      5月28日 出会い系サイト規制法改正案参議院・本会議可決・成立(実質審議無し)

      6月 6日 青少年ネット規制法(正式名称は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」)衆議院提出・可決(与野党の密室政策談合により、合意案を青少年問題に関する特別委員長・玄葉光一郎<民主・福島3区>から提出し、実質審議を省略して可決。青少年問題に関する特別委員会議事録。なお、民主党で青少年ネット規制法案の対案をまとめたプロジェクトチームの座長は松本剛明<民主・近畿ブロック>、事務局長は高井美穂議員<民主・四国ブロック>(民主党のリリース参照)。自民党では、高市早苗<自民・奈良2区>が法案推進の中心人物だが、2008年10月6日の衆議院・予算委員会で自ら述べているように、葉梨康弘議員<自民・茨城3区>も青少年の違法・有害情報対策委員会の主査として関わっている。)

         同日 「青少年健全育成のための有害情報規制に関する法整備を求めることに関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:林潤議員<自民・神奈川4区>)

         同日・10日 「青少年健全育成のための有害図書類・有害情報に関する法整備を求めることに関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:島尻安伊子<自民・沖縄>、有村治子<自民・比例19年>、亀井郁夫<国民新・広島>)

      6月10日 青少年ネット規制法参議院・内閣委員会出来レース審議・可決議事録

         同日 与党(自民・公明)による単純所持規制を含む児童ポルノ規制法(正式名称は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律」)改正案衆議院提出(提出者:森山眞弓議員<自民・栃木2区>葉梨康弘議員<自民・茨城3区>富田茂之議員<公明・南関東ブロック>。単純所持・与党案の問題については、第70回番外その14前回のパブコメ参照)

         同日 「インターネット上の青少年有害情報規制に関する法整備を求めることに関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員:飯島夕雁議員<自民・比例北海道ブロック>)

         同日 「児童買春、児童ポルノ禁止法改悪反対に関する請願」衆議院・青少年問題に関する特別委員会付託(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>

         同日 「子供ポルノ問題に関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:自見庄三郎<国民新・比例19年>)

         同日 「児童買春、児童ポルノ禁止法改悪反対に関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:松浦大悟<民主・秋田>)

      6月11日 青少年ネット規制法参議院・本会議可決・成立(実質審議無し)

     10月15日 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求めることに関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>

         同日 「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員:村井宗明議員<民主・北陸信越ブロック>)

     11月 7日・14日・20日 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たって、拙速を避け、極めて慎重な取扱いを求めることに関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:中村哲治<民主・奈良>、松浦大悟<民主・秋田>、鈴木寛<民主・東京>)

     12月 1日 改正出会い系サイト規制法施行

     12月15日 参議院・決算委員会で、松あきら議員<公明・神奈川>が、単純所持規制を含む与党の児童ポルノ規制法改正案の早期成立を訴える。(議事録

     12月17日 「子どもの保護に名を借りた創作物の規制、捜査機関による濫用の危険性が高い児童ポルノの単純所持規制反対に関する請願」衆議院・法務委員会(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>

2009年 2月18日 衆議院・予算委員会で、鳩山邦夫総務大臣<自民・福岡6区>が、児童ポルノについて「断固として単純所持を禁止するべき」であり、「表現の自由で守られる法益と児童ポルノによって失われる人権というものとの比較をすれば、それは表現の自由という部分が大幅に削られて構わない」と発言(議事録

      3月10日
 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案国会提出(内閣(文化庁)提出。問題点については第160回前々回のパブコメ参照)

      3月19日 民主党による反復取得規制を含む児童ポルノ規制法改正案衆議院提出(提出者:細川律夫議員<民主・北関東ブロック>、吉田泉議員<民主・東北ブロック>枝野幸男議員<民主・埼玉5区>小宮山洋子議員<民主・東京ブロック>、西村智奈美議員<民主・新潟1区>。民主党案の問題点については、第162回参照)

      4月 1日 青少年ネット規制法施行

      4月10日・5月1日・7月3日 「子供の保護に名を借りた創作物の規制、捜査機関による濫用の危険性が高い児童ポルノの単純所持規制反対に関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:川田龍平議員<無所属・東京>、松浦大悟議員<民主・秋田>、中村哲治議員<民主・奈良>、福島みずほ議員<社民・比例16年>)

      4月15日 「子どもの保護に名を借りた創作物の規制、捜査機関による濫用の危険性が高い児童ポルノの単純所持規制反対に関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員吉田泉議員<民主・東北ブロック>保坂展人議員<社民・東京ブロック>枝野幸男議員<民主・埼玉5区>辻元清美議員<社民・近畿ブロック>

      4月28日 参議院・消費者問題に関する特別委員会で、野田聖子消費者行政担当大臣<自民・岐阜1区>が「児童ポルノの法律の改正というのを随分ユニセフ辺りから言われている」と発言(議事録

      5月 8日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案衆議院・文部科学委員会出来レース審議・可決第171回参照)

      5月12日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案衆議院可決(実質審議無し)

      5月20日 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正に当たり、拙速を避け、極めて慎重な取り扱いを求めることに関する請願」衆議院・法務委員会付託(紹介議員保坂展人議員<社民・東京ブロック>枝野幸男議員<民主・埼玉5区>吉田泉議員<民主・東北ブロック>

      6月11日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案参議院・文教科学委員会出来レース審議・可決第177回参照)

      6月12日 ダウンロード違法化を含む著作権法改正案参議院可決・成立(実質審議無し)

      6月19日 「子供ポルノ問題に関する請願」参議院・内閣委員会付託(紹介議員:自見庄三郎議員<国民新・比例19年>)

 

        同日 「子供ポルノ問題のための、児童買春・児童ポルノ等禁止法の改正、厳格な適用等に関する請願」参議院・法務委員会付託(紹介議員:自見庄三郎議員<国民新・比例19年>)

      6月26日 児童ポルノ規制法改正案衆議院・法務委員会審議葉梨康弘議員<自民・茨城3区>は焚書・表現弾圧を明言して違憲発言を繰り返す。富田茂之議員<公明・南関東ブロック>丸谷佳織議員<公明・北海道ブロック>も危険極まりない宗教政党・公明党の構成員として、根拠無く単純所持規制が必要と違憲発言を繰り返す。小宮山洋子議員<民主・東京ブロック>は、民主党案を離れ、単純所持規制を支持していることを暴露。民主党案にも問題はあるものと思うが、枝野幸男議員<民主・埼玉県>は、所持規制における情報と有体物の特性の違いをきちんと理解し、自民党案の主観的要件のみによる情報の単純所持規制による冤罪発生の危険性を的確に指摘。保坂展人議員<社民・東京ブロック>は、この問題におけるほぼ唯一の良心として、必要な規制はきちんとやるべきだが、それによって表現の自由や内心の自由が萎縮するようなことはあってはならないという立場を明確に表明。(会議録目次6参照)

      6月    「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の改正を求めることに関する請願」衆議院受理(紹介議員:宇野治議員<自民・近畿ブロック>、稲田朋美議員<自民・福井1区>、大前繁雄議員<自民・兵庫7区>、やまぎわ大志郎議員<自民・神奈川18区>、藤井勇治議員<自民・近畿ブロック>、松本洋平議員<自民・東京19区>、鈴木淳司議員<自民・愛知7区>、御法川信英議員<自民・秋田3区>)

2010年 1月 1日 ダウンロード違法化施行予定

 前々回前回のパブコメにも書いた通り、これらの法改正による歪みは既に出始めている。出会い系サイト規制法とダウンロード違法化はそれぞれ警察庁と文化庁の暴走によるものであるが、これらの規制官庁の暴走を止めなかったことも含めて今の自公政権の罪は極めて重い。この2年間の役所と国会の審議のレベルは全体的にあまりにも低く、残念ながら選挙後も危険な状態が続くとは思うが、表現・情報規制問題において今度の選挙は非常に重要である。

 各政党のマニフェストは政策としては見る限りロクな項目が無いのだが、次回は、情報・知財政策という観点から、各政党のマニフェストの比較をやっておきたいと思っている。

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2009年6月 6日 (土)

番外その18:アダルトゲーム自主規制問題とコンピュータ・ソフトウェア倫理機構の問題

 アダルトゲーム自主規制問題については、表現規制を主に取り扱っている「チラシの裏(3週目)」や「表現の数だけ人生がある」等々におまかせするつもりだったが、この問題に関する一連の動きはあまりにも腹立たしく、その影響は表現・情報規制問題全体に及ぶと思うので、ここでも1つエントリを立てて書くことにする。

 まず、コンピュータ・ソフトウェア倫理機構(通称、ソフ倫)自体、映倫やビデ倫と同じく、自主規制団体に過ぎないということと、今回の問題が、いつもの「児童ポルノ」とはまた別の「性暴力」と称する曖昧な規制派の概念から来ているということは、前提としてはっきり認識しておく必要がある。(各都道府県における有害図書指定との関係や、このような自主規制団体が、一般流通のほぼ全てを握っているということが、そもそも問題だと思うが、自主規制そのものの問題は、そのうち別途書くこととして、ここではひとまずおいておく。)

 一連の動きは、「王様を欲しがったカエル」に分かり易くまとめられているが、一連の流れは、イギリスのアマゾンに何故か出品されていた「レイプレイ」がイギリスの国会やアメリカの人権団体で問題にされ、英米のアマゾンマーケットプレイスへの出品が取り下げに→日本に飛び火して、日本の小売りが「レイプレイ」の取り扱いを停止→国内の一部の規制議員他の圧力から、凌辱ゲームの事実上の自主規制をソフ倫が決定、というものである。(なお、リンク先のエントリによると、内閣府が「政府(この場合は官僚)は表現の自由を規制する法律を作れない。憲法に抵触するおそれがあるからだ。しかし、議員立法の場合は、表現の自由を切り離した規制法案を成立させることは可能である」という見解を示したらしい。確かに、国会の多数決で法律を成立させることは可能かも知れないが、表現の自由に抵触するなら、当然そのような法律は裁判で最終的に憲法違反で無効とされるはずである。本当にこのような見解を役所がそれだけで示したとすると、これは社会的コストを無視した大暴言である。)

 しかし、「レイプレイ」騒動自体、英米でも一部の規制団体と規制議員が騒いでいるくらい(それすら、日本の一部の規制派団体のマッチポンプの疑いが濃いが)で、欧米においてそこまで大きな反響を呼んでいる訳では無い。(そもそも、表現の自由の問題は多数決の問題では無いが、日本のアダルトゲームは欧米の一般販路に乗っていないので、内容の良くわからないゲームについて一般世論が盛り上がる訳がない。欧米でより大きな騒ぎとなっているのは、性暴力というポルノ全体の否定につながる概念から来る話よりも、サイトブロッキングなどの児童ポルノに関する問題である。)

 何か裏があるのかも分からないが、表に見えている構図は、いつもの日本の一部の規制派団体のメンバーと規制議員と規制官庁が針小棒大に問題を騒ぎ立て、根拠不明・意味不明の主張から、その政治力を不当に行使して、ソフ倫に規制強化方針を飲ませたというものである。猥褻性などを考慮して、業界の総意として何らかの具体的基準に基づいて製作・販売を自粛するという判断をしたという話であるなら、外野からどうこう言うスジの話では無いのだが、どうも、外から見る限り、業界の総意としてそのような判断をした様子は見えない。(なお、表現の自由とポルノグラフィーの関係については、第76回に書いた。)

 ソフ倫の定款や倫理規定等は、法人概要の沿革ページの「情報公開」から読めるが、こうした自主規制団体において最も重要なものである倫理規定の改正は定款において総会決議事項とされているのであり、そう短時間でおいそれと変更できるものではないはずである。(なお、情報公開のボタンをクリックすると、著作権に関する警告が出てくる。そもそも、本題とは関係ないのでここではおくが、法人の定款や賃貸対照表といったものは、創作性のある表現では無く、著作権の保護の対象とはならないものだろう。)

 ソフ倫自体透明性に欠けるところがあり(このような団体がある特定ジャンルの一般販路のほぼ全てを握っていること自体問題だと思うが)、ひそかに総会を開いて決議していたという可能性も否定できないのだが、最近の一連の報道(朝日のネット記事cnetの記事ITmediaの記事参照)から見る限り、具体的な判断基準の妥当性を検討して総会の決議をあおぐ前に、ソフ倫は、理事レベルで規制強化方針を勝手に決定し、一方的に通知・発表して既成事実化を図ったものとしか見えない。

 任意団体だったとしても問題になるだろうが、ソフ倫自体は、既に一般社団法人となっている(ソフ倫のリリース参照)ので、本当に理事によって定款無視が行われたのだとしたら、一般社団法人法(正式名称は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」)からも、当然問題があるものと言わざるを得ない。(例えば、一般社団法人法第83条では、「理事は、法令及び定款並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない」とされている。)

 もし、本当に理事レベルで一方的に規制強化方針を決定し、勝手に通知・公表してその既成事実化を図ったということが事実であり、本騒動で具体的な被害を被ったメーカーがあるなら、確実に、法律に基づいて会員メーカーはソフ倫に対して損害賠償請求の訴えを提起することができるだろう。(一般社団法人法上、理事や監事は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負うとされている(第111条)のであり、団体の理事や監事は、定款・法令違反について無責任ではいられない。)

 損害賠償請求とまで行かなくとも、会員メーカーは、定款に基づいて、そのような決定の無効と、社員総会(ソフ倫の定款上、正会員が社員であるとされ、議決権は各1とされている)でのきちんとした決議を求めることは当然できるだろう。本当に定款が無視されたのならば、そもそもそのような決定は無効だと思うが、一般社団法人法上も、総社員の議決権の30分の1の以上の議決権を有する社員で、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができるとされている(第43条)のであり、法律に基づいても、今回の一連の騒動について、社員総会におけるきちんとした説明や正式な決議を求められるだろう。(総会の決議自体の多数派工作は大変だと思うが、動議の請求だけなら、ソフ倫の正会員数の233社の30分の1、わずか8社で済む。)

 また、このレベルの団体だと、理事と監事が一緒くたに扱われている可能性も否定できないが、監事とは、理事の職務の執行を監査し、監査報告を作成する者であり、例えば、一般社団法人法の第102条でも、監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案等を調査しなければならず、法令若しくは定款に違反する場合は、その調査の結果を社員総会に報告しなければならないとされているのであり、監事にその義務を忠実に果たすよう求めることも、1つの手だろうと思う。

 表に見えることから判断する限り、相手は、何ら根拠も無くいたずらに不当な圧力を行使し、法律も定款も業界ルールも無視して、本来最大限認められるべき表現の自由を侵害しようとして来ているのである、このブログをアダルトゲーム業界の関係者が読んでいるとはあまり思わないのだが、もし読んでおられるなら、是非、なるべく横のつながりを広げ、何らかの対策を練ってもらいたいと思う。まだまだいくらでも手はあるはずである。(あくまでもソフ倫が不透明かつ不当な形で規制強化を強要して来るようなら、そのような団体はもはや自主規制団体、業界団体の名に値しない。その場合、単なる検閲団体と化したソフ倫は解体を模索されても良いくらいである。)

 そして、アダルトゲームのファン層と、このブログの読者層が重なっているともあまり思わないのだが、もし読んでおられるなら、善良なアダルトゲームファン諸氏には(善良なだけになかなか筆を取りづらいのかも知れないが)、支持している各メーカーや流通事業者等に、例えば、良識を持った大人のファンとして今まで通りの作品の製作・18歳以上の者への流通を支持すると、自分も含め良識を持った大人のユーザーを全て性犯罪者予備軍として扱うような規制強化は大変残念であると、作品の製作・流通を阻害することになりかねない規制強化に対しては、業界全体として本当にあるべき姿を考えて判断してもらいたいといった、お願い・応援のメールなりを是非書いてもらいたいと思う。クリエーターにとって一番重要なのはユーザーの支持であり、メーカー・流通事業者にとって一番重要なのは消費者の支持のはずである。(流通事業者等にメールなどを書く際には、是非、「王様を欲しがったカエル」や「表現の数だけ人生がある」、「チラシの裏(3週目)」の各エントリを一読してから、書くことをお勧めする。出す場合には、特に、一方的な非難や批判は逆効果となり得るので、お願い・応援として書くこと、きちんと普段利用しているメーカーなり店なりに出し、見せかけの需要を作ることはしないことなどに、是非ご注意頂ければと思う。)

 一連の騒動で、不当な圧力に屈したという形を表し、良識ある大多数のユーザーの信頼を裏切り、表現・情報規制問題全体の危険性を高めたアダルトゲーム業界に対する失望の念もあるのだが、できることなら今後、不当な圧力は不当なものとして断固跳ね返すことを、業界全体として、本当にどうあるべきかを時間をかけて検討してもらいたいものと私は思っている。

(6月9日の追記:何故か今コメントできないので、コメント頂いたristma88様への自分の返信コメントをここに載せておく。

「ristma88様

コメントありがとうございます。

全て関係しているとは思いますが、今回取り上げた問題は、いつもの「児童ポルノ」とはまた違う「性暴力」という切り口からの規制の問題であることにご留意下さい。また、法規制では無く自主規制の話ですし、刑法の「猥褻物」規制の話とも異なること、そもそも、そのような内閣府の発言が本当にあったのかどうかすら良く分からないことにもご注意下さい。

その上で法規制の話をしますが、判例上、違憲判決がなかなか出されないことは、私も承知しています。ですが、表現の自由に関する規制に関しては、規制目的が正当かつ重大であり、規制を正当化するに足る根拠が十分に明確であることに加え、表現に対する萎縮が発生しないよう規制範囲も明確でなければならないとされていると思います。(ristma88様は判例等を勉強されているようですので、現行刑法の猥褻物規制についても違憲論があることは、ご承知かと思います。)

表現を規制する新たな法律が成立した場合、確かに、まずは行政裁量によらざるを得ませんが、規制の対象となった者が、その行政裁量の妥当性と、その元となった法律の合憲性を裁判で争うことは当然可能です。そして、その法律が、内容の如何にかかわらずアダルトゲームすべてを規制しかねないような、根拠無く曖昧な範囲で表現を規制しようとするものだった場合、最終的に違憲と判断されることも十分考えられると思います。そこまで到達するのに相当な社会的コストが必要になると思いますが、このような場合にまで司法的救済がまず得られないとすることは妥当では無いでしょう。

莫大な社会的コストがムダに費やされる恐れが強い表現の規制に関しては、立法は特に慎重になされるべきだと私は考えています。

(合憲限定解釈についても、いろいろと言われていますが、もし必要でしたらwikiなどをご覧下さい。)」)

(6月11日の追記:今度は、参議院文教科学委員会が、何ら変更無く、ダウンロード違法化を含む著作権法改正法案を通した(付帯決議(pdf)審議経過状況(現時点で未反映)参照)。参議院審議中継から審議の様子を見ることができるが、ほぼ衆議院の文部科学委員会(第171回参照)と同じような質疑を繰り返しているだけであり、やはり実質的にほとんど意味の無い馴れ合いの出来レース審議である。

 しかし、フランスでは、憲法裁判所が、ネット切断を含む3ストライク法案を違憲とする判決を出し、法施行にストップがかかった(時事通信のネット記事TorrentFreakのブログ記事Numeramaの記事1記事2ZDNetの記事フランス憲法裁判所の判決文(pdf)参照)。

 これらはどちらも極めて重要なことと思うので、次回、次々回とこれらの話について書きたいと思っている。)

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2009年5月18日 (月)

第172回:内閣府・「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(素案)」に対する提出パブコメ

 内容はほぼ今まで出して来た各種パブコメのまとめだが、第170回で取り上げた青少年ネット規制法の基本計画素案に対してパブコメを提出したので、念のために、ここに載せておく。

 次回は、フランスの3ストライクアウト法案の内容の紹介をしようかと思っている。

(5月19日夜の追記:フランスで、今日、3ストライク法案に対して憲法裁判所への訴えが提起された(01netの記事ZDNetの記事参照)。この裁判の結果次第で、また条文が変わってくる可能性があるのだが、次回は、現時点での条文の紹介をしたいと思っている。)

(以下、提出パブコメ)

(1)官製キャンペーンについて
 第8ページの「第2 5.(2)インターネット利用者・事業者の主体的な活動への支援」に書かれている、官製キャンペーンについて、総務省への参加申請・登録の要請や総務省製のロゴマークの販促といった、ニーズを無視したいつもの官製キャンペーンに過ぎず、普通に考えて税金のムダ使いしかならない、「e-ネットづくり!」宣言のような官製キャンペーンに反対する。今以上に、規制よりにしかならないだろう官製「自主憲章」やガイドラインなども不要である。

 また、このような官製キャンペーンの受け皿となるのであろう、第13ページの「第4 5.その他のインターネットの利用環境整備に向けた活動に対する支援」に書かれている「安心ネットづくり促進協議会」の全事業について、その必要性について、きちんとした再検討を行ってもらいたい。

(2)携帯電話フィルタリングについて
 第10ページの「第3 2.(2)携帯電話・PHSのフィルタリングの閲覧制限対象の適正化支援」において、健全サイト認定第3者機関を支援するとしているが、フィルタリングで無意味に利権を作ろうとしている総務省と携帯電話事業者他の今の方針については、完全に白紙に戻されるべきである。

 携帯フィルタリングについて、ブラックリスト方式ならば、まずブラックリストに載せる基準の明確化から行うべきなので、不当なブラックリスト指定については、携帯電話事業者がそれぞれの基準に照らし合わせて無料で解除する簡便な手続きを備えていればそれで良く、健全サイト認定第3者機関など必要ないはずである。ブラックリスト指定を不当に乱発し、認定機関で不当に審査料をせしめ取り、さらにこの不当にせしめた審査料と、正当な理由もなく流し込まれる税金で天下り役人を飼うのだとしたら、これは官民談合による大不正行為以外の何物でもない。このようなブラックリスト商法の正当化は許されない。

(3)インターネット・ホットラインセンターについて
 第10ページの「第3 3.フィルタリング提供事業者による閲覧制限対象の把握の支援」、及び、第14ページの「第5 2.(1)インターネット・ホットラインセンターを通じた削除等の対応依頼推進」に書かれている、インターネット・ホットラインセンターについて、その廃止を求める。

 サイト事業者が自主的に行うならまだしも、何の権限も有しないインターネット・ホットラインセンターなどの民間団体からの強圧的な指摘により、書き込みなどの削除が行われることなど本来あってはならないことである。このようなセンターは単なる一民間団体で、しかもこの団体に直接害が及んでいる訳でもないため、削除を要請できる訳がない。勝手に有害と思われる情報を収集して、直接削除要請などを行う民間団体があるということ自体おかしいと考えるべきであり、このような有害無益な半官検閲センターは即刻廃止が検討されて良い。このような無駄な半官検閲センターに国民の血税を流すことは到底許されないのであって、その分できちんとした取り締まりと削除要請ができる人員を、法律によって明確に制約を受ける警察に確保するべきである。

(4)児童ポルノ規制について
 第14~第15ページの「第5 2.(2)事業者や民間団体の効果的な閲覧防止策の検討支援」において、児童ポルノサイトブロッキングの検討を支援するとしているが、総務省なり警察なり天下り先の検閲機関・自主規制団体なりの恣意的な認定により、全国民がアクセスできなくなるサイトを発生させるなど、絶対にやってはならないことである。例えそれが何であろうと、情報の単純所持や単なる情報アクセスではいかなる被害も発生し得えないのであり、自主的な取組という名目でいくら取り繕おうとも、憲法に規定されている表現の自由(知る権利・情報アクセスの権利を含む)や検閲の禁止といった国民の基本的な権利を侵害するものとならざるを得ないサイトブロッキングは導入されてはならないものである。

 また、例えそれが児童ポルノであろうと、情報の単純所持・アクセス・ダウンロード・収集・取得・閲覧等の規制・犯罪化は、恣意的にしか運用され得ず、利用者から見て回避不能の危険極まるものであり、新たな思想犯罪を作り出す非人道的なものとして絶対導入されるべきでない。創作物の規制についても、ごく一部の国内団体等の根拠のない、保護法益すら無視した一方的な主張で、憲法で保障されている表現の自由が規制されることなどあってはならないことである。

 かえって、児童ポルノの単純所持規制・創作物規制といった非人道的な規制を導入している諸国は即刻このような規制を廃止するべきと、そもそも最も根本的なプライバシーに属し、何ら実害を生み得ない個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の国際的かつ一般的に認められている基本的な権利からあってはならないことであると、日本政府から国際的な場において各国に積極的に働きかけてもらいたい。

 児童ポルノの閲覧の犯罪化と創作物の規制まで求める「子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議」の根拠のない狂った宣言を国際動向として一方的に取り上げ、児童ポルノ規制の強化を正当化することなどあってはならない。児童ポルノ規制に関しては、最近、ドイツのバンド「Scorpions」が32年前にリリースした「Virgin Killer」というアルバムのジャケットカバーが、アメリカでは児童ポルノと見なされないにもかかわらず、イギリスでは該当するとしてブロッキングの対象となり、プロバイダーによっては全Wikipediaにアクセス出来ない状態が生じたなど、欧米では、行き過ぎた規制の恣意的な運用によって弊害が生じていることも見逃されるべきではない。アメリカにおいて、この1月に連邦最高裁で児童オンライン保護法が違憲として完全に否定され、この2月に連邦控訴裁でカリフォルニア州のゲーム規制法が違憲として否定されていることや、つい最近からのドイツ国会への児童ポルノサイトブロッキング反対電子請願(https://epetitionen.bundestag.de/index.php?action=petition;sa=details;petition=3860)に既に8万筆を超える数の署名が集まっていることなども注目されるべきである。政府・与党内の検討においては、このような国際動向もきちんと取り上げるべきであり、一方的な見方で国際動向を決めつけることなどあってはならない。

(5)基本計画素案全体について
 そもそも、フィルタリングサービスであれ、ソフトであれ、今のところフィルタリングに関するコスト・メリット市場が失敗していない以上、かえって必要なことは、不当なフィルタリングソフト・サービスの抱き合わせ販売の禁止によって、消費者の選択肢を増やし、利便性と価格の競争を促すことだったはずである。一昨年から昨年にかけて大騒動になったあげく、ユーザーから、ネット企業から、メディア企業から、とにかくあらゆる者から大反対されながらも、有害無益なプライドと利権の確保を最優先する一部の議員と官庁の思惑のみから成立した今の青少年ネット規制法による規制は、一ユーザー・一消費者・一国民として全く評価できないものであり、次の法改正の検討時には速やかに法律の廃止が検討されるべきであり、この基本計画において、今後、青少年ネット規制法の廃止を速やかに検討すると明記してもらいたい。

 また、出会い系サイト規制法の改正は、警察庁が、どんなコミュニケーションサイトでも人は出会えるという誰にでも分かることを無視し、届け出制の対象としては事実上定義不能の「出会い系サイト事業」を定義可能と偽り、改正法案の閣議決定を行い、法案を国会に提出したものであり、他の重要法案と審議が重なる中、国会においてもその本質的な問題が見過ごされて可決され、成立したものである。憲法上の罪刑法定主義や検閲の禁止にそもそも違反している、今回の出会い系サイト規制法の改正については、今後、速やかに元に戻すことが検討されるべきである。

 なお、青少年ネット規制法の規制は、フィルタリングソフト・サービスの不当な抱き合わせ販売を助長することにつながる恐れが強く、政府全体で、特に公正取引委員会において、規制を理由にした不当な便乗商法に対する監視を強めるべきであり、フィルタリングソフト・サービスの不当な抱き合わせ販売について独禁法の適用が検討されるべきである。出会い系サイト規制法は、その曖昧さから別件逮捕のツールとして使われ、この制度によって与えられる不透明な許認可権限による、警察の出会い系サイト業者との癒着・天下り利権の強化を招く恐れが極めて強い。これらの危険な法律の運用については慎重の上に慎重が期されるべきである。

 政府与党にあっては今までの行いを猛省し、今後は、これらの法律の廃止・元の形への再改正の検討とともに、恣意的な運用しか招きようのない危険な規制強化の検討ではなく、ネットにおける各種問題は情報モラル・リテラシー教育によって解決されるべきものという基本に立ち帰り、主として、基本計画素案の他の項目に書かれているような、各種の地道な教育・啓発に関する施策のみに注力する検討が進むことを期待する。

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2009年4月29日 (水)

第170回:内閣府・「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(素案)」に対するパブコメ募集

 青少年ネット規制法第12条に書かれている「基本計画」の素案が5月25日〆切でパブコメにかかった。(電子政府の該当ページ意見募集要領(pdf)素案概要(pdf)基本計画素案本文(pdf)internet watchの記事参照。なお、パブコメの対象ではないようだが、基本計画の作成と推進のための「幹事会の設置について(pdf)」なるペーパーも一緒に公表されている。)

 対応する有識者会議が違うためか(この素案に対応している会議は「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」である)、児童ポルノの規制強化について既にデタラメな与野党案が両方とも国会に提出されている状態で安心しているのか、何かの空気を読んでいるのか、何故か良く分からないが、この基本計画素案(pdf)は、以前の、共謀罪早期導入や児童ポルノ規制強化を謳う内閣府の犯罪計画案(第133回参照)や、ロリコンを思想犯罪化し、国民の情報・表現・思想等々の最も基本的な精神的自由と安全を脅かすと宣言して来た総務省の違法有害報告書案(第135回参照)と比べると、危険な項目は少なく、格段に規制強化色は薄くなっている。基本的に情報モラル・リテラシー教育/啓発運動とフィルタリングの導入促進を中心とした地道な取り組みを推進するとしているもので、最近出された役所のネット規制絡みのペーパーとしては格段に出来が良い。(無論、比較の問題で今までが非道すぎただけの話であり、上の検討会の4月7日(第4回)の資料(pdf)によると、素案の後に本格的な案を作るようなので、次の案でより非道い項目を追加してくるという可能性も否定できないが。)

 出来が良いとは言っても、総務省関係では、第8ページの、

(2)インターネット利用者・事業者の主体的な活動への支援
 地球温暖化防止の国民運動として取り組まれている「チーム・マイナス6%」のように、インターネット利用者・事業者などが自らインターネットの利用環境整備に向け具体的に取り組むことを決め、ロゴマークなどを用いてそれを明らかにし、実践するなどの、取組主体の更なる広がりを促進する活動を支援する。

といった記載や、第13ページの、

5.その他のインターネットの利用環境整備に向けた活動に対する支援
 産学連携した自主的取組を推進する民間団体である安心ネットづくり促進協議会等のインターネットの利用環境整備に向けた活動を支援する。

といった記載で触れられている、安心ネットづくり(第137回参照)の話や、第10ページの、

(2)携帯電話・PHSのフィルタリングの閲覧制限対象の適正化支援
 携帯電話・PHSのフィルタリングサービスにより、青少年有害情報に該当しない情報まで閲覧を制限されることがないよう、民間の第三者機関による青少年保護に配慮した運営体制等をとるウェブサイトを認定する取組等を支援する。

というブラックリスト商法の正当化(第139回参照)の話については、繰り返し釘を差しておきたいと思うし、警察庁関係では、これもいつも通りだが、第10ページの、

3.フィルタリング提供事業者による閲覧制限対象の把握の支援
 フィルタリングによる閲覧制限対象の把握を支援するため、インターネット・ホットラインセンターが一般利用者から通報されたウェブサイトのURL情報を、フィルタリング提供事業者へ継続的に提供することを支援する。

といった記載や、第14ページの、

(1)インターネット・ホットラインセンターを通じた削除等の対応依頼推進
 インターネット上に氾濫する違法情報・有害情報への対策を進めるため、インターネット・ホットラインセンターを通じた、インターネット上の違法情報・有害情報の削除依頼を推進するとともに、いわゆる出会い系サイトや会員制サイト等における違法情報のインターネット・ホットラインセンターへの通報が促進されるよう、サイバーパトロール業務の民間委託を推進する。

といった記載で触れられている、半官検閲センターであるインターネット・ホットラインセンターについて、その存在自体に対する反対意見をまた出したいと思う。

 児童ポルノ規制に関しては、デタラメな与野党の案が既に両方とも国会に提出されてしまっているためか、大きくは第14ページで、

(1)取締り推進及び体制強化
 インターネットを通じた青少年等の犯罪被害の抑止に資する、いわゆる出会い系サイト上の禁止誘引行為、インターネット上の児童ポルノ事犯等サイバー犯罪の取締りを推進するとともに、これに必要な取締り体制を強化するほか、サイバー犯罪を犯した者に対する厳正な科刑を実現する。

と、単に取り締まり強化としか書かれていないものの、同ページの下から第15ページに、

(2)事業者や民間団体の効果的な閲覧防止策の検討支援
 インターネット上の児童ポルノについて、被害者である青少年の権利を保護するため、事業者及び民間団体における効果的な閲覧防止策の検討を支援する。

と、やはり、どこをどうやっても検閲にしかならないサイトブロッキングをまだ検討するとしている点は非常にタチが悪く、児童ポルノ規制強化・児童ポルノサイトブロッキングに対する反対意見も引き続き出して行く必要があると思っている。

(なお、警察が大手サイトへの閲覧防止措置要請を検討しているという話もあり(産経のネット記事参照)、青少年ネット規制法の第21条に書かれているサーバー管理者の閲覧防止措置努力義務(基本計画の第4ページでも触れられている)の運用にも注意しておいた方が良いかも知れない。)

 そもそも、これらの個別の各点以前に、本来主として情報モラル・リテラシー教育によって解決されるべきと、あらゆる者の反対を受けながら、一部の寄生議員と規制官庁の暴走のみによって成立した青少年ネット規制法など、一国民・一ユーザー・一消費者として全く評価できないものであり、基本計画において、今後、青少年ネット規制法の廃止を速やかに検討すると明記するべきであるという意見を出すつもりであるが、この基本計画の他の項目は各種の地道な教育・啓発・調査に関する取り組みが多く、どうして有害無益な法律を作る前にこうした地道な取り組みのみの推進ができなかったのかと非常に残念に思う。

 このパブコメについても、提出次第ここに載せるつもりである。

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2009年1月11日 (日)

第147回:共謀罪創設のための法改正案に含まれているウィルス作成罪等の創設、あらゆる電磁的記録の差し押さえ・令状無しのアクセス記録保持命令の可能化

 第145回の追記でも触れたが、先月、犯罪閣僚会議で、犯罪計画2008が特に問題箇所の変更はないまま決定されており、共謀罪の創設を含む法改正案についても今年は注意を高めておくに越したことはない。

 共謀罪自体は、国会でも修正が入るほどの大トピックとして、いろいろなところに書かれており、これ以上何も言うことが無いくらいなので、ここでは、共謀罪の陰に隠れているがやはり重要な問題点である、ウィルス作成罪等の創設や、あらゆる電磁的記録の差し押さえ・捜査機関による令状無しのアクセス記録保持命令の可能化の部分について犯罪計画案に対する提出パブコメについて少し補足をしておきたいと思う。(念のために書いておくと、提出パブコメに書いたように私も共謀罪創設には反対である。)

(1)ウィルス作成罪等の創設
 アニメ画像1枚の著作権違反でウィルス作成者が別件逮捕されたのは記憶に新しいが、このような別件逮捕をして恬として恥じない政府に相応しく、今なお継続審議となっている法案(概要(pdf)要綱(pdf)新旧対照条文(pdf)理由(pdf)法改正案(改め文pdf)修正案1修正案2修正案3))中のウィルス作成罪等に関する規定もひどいものである。

この法案は、刑法の法改正として、

第十九章の二不正指令電磁的記録に関する罪(新設)
(不正指令電磁的記録作成等)
第百六十八条の二
 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録

 前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。

 前項の罪の未遂は、罰する。

(不正指令電磁的記録取得等)
第百六十八条の三
 前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

という規定を追加しようとしているが、読めば分かる通り、コンピュータ/プログラムが使用者の意図に沿うべき動作をするかどうかという純主観的要件に全てがかかってしまっているため、このような要件では、ソフトウェアの通常のバージョンアップや不正コピー対策ですら恣意的に該当するとされてしまいかねない。

 ウィルス作成罪等について、人がどのような意図でコンピュータ/プログラムを使用するかは、他の誰にも知り得ないことであるため、プログラムの作成者・提供者から見たとき、今の法案の規定は完全にお手上げであり、罪刑法定主義等の観点からも問題があり、今のままでは情報産業全体に甚大な萎縮効果をもたらす可能性が高いと、このような非客観的かつ曖昧な要件しか含まず、恣意的な運用しか招きようのない危険な形で刑罰が規定されることはあってはならないことであると私は考えているのである。

(2)あらゆる電磁的記録の差し押さえ・捜査機関による令状無しのアクセス記録保持命令の可能化
 この法改正案は、刑事訴訟法に以下のような条文を追加する改正も含んでいる。

第九十九条
2(新設)
差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で処理すべき電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。
(中略)

第百九十七条
3(新設)
捜査については、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、九十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

4(新設) 前二項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。
(後略)

 差し押さえるべき物がコンピューターである場合には、このコンピューターと接続されているあらゆる記録媒体上の情報を差し押さえを可能としようとし、捜査機関による令状無しのアクセス記録保持命令についても可能としようとしているのだが、昨今のインターネットの状況を考えると、ほとんどインターネット上のあらゆるサーバー上の情報が差し押さえの対象となり得、差し押さえの範囲が過度に不明確になる懸念が強く、また、令状無しのアクセス記録保持命令についても捜査権の濫用が懸念される。

 捜索する場所と押収する物の範囲を曖昧にし、令状無しで捜査用強制命令を出すことを可能とする、このような刑事訴訟法の基本的枠組みの変更は、憲法第35条の、

何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

という令状主義・国民の権利をないがしろにするものであり、引いては捜査機関による濫用によって通信の秘密やプライバシーの侵害にもつながるのではないかと私は考えているのである。

 共謀罪の陰に隠れて、これらの問題点があまり議論されていないのは残念だが、サイバー犯罪条約と国際組織犯罪条約締結のための法改正の問題点は共謀罪ばかりではない。のっけから迷走しているとは言え、今国会の情勢はいくら気をつけ過ぎても気をつけ過ぎということはない。

 まだ年初であり、大したニュースはないが、いくつか紹介しておくと、「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」という民間協議団体が、その政策提言案について意見を求めている(ITproの記事マイコミニュースの記事internet watchの記事も参照)。番外その8のついでに突っ込んだ「デジタル・コンテンツ法有識者法フォーラム」のバカげたネット権創設の提言よりはマシだが、やはり既存のコンテンツのネット流通が進んでいないことを問題としている点でピントがずれていると私は思う。この提言には、会長として中山信弘東大名誉教授、副会長として角川歴彦角川グループ会長、世耕弘成参議院議員、和田洋一スクウェア・エニックス社長という錚々たるメンバーが名を連ねており、その政府与党に対する影響力を考えても、残念ながら今年も、コンテンツ流通という無意味なキーワード(第78回参照)に引き摺られて日本の知財政策・コンテンツ政策は大いに迷走することとなるのだろう。

 「チラシの裏(3週目)」など、既にいろいろなところで取り上げられているが、「子どもの人権と表現の自由を考える会」が、児童ポルノ法改正問題に関する各政党への質問状とその回答(民主党、共産党、国民新党、公明党が回答。自民、社民、新党日本は無回答。)を公開している(ITmediaの記事も参照)ので、念のために、ここでもリンクを張っておく。今後選挙で票を投じる際にも参考になるもので、非常に有り難い。

 文部科学省の今年の天下り状況も公表されていた(リリース再就職状況(pdf)。相変わらず学校・教育関係への天下りが多い。)ので、念のため、リンクを張っておく。

 次回は、各国著作権法の紹介の続きをしようかと考えている。

(2月24日夜の追記:taffy様、コメントありがとうございます。

 ただ、少年による強姦犯の摘発件数増に関しては、様々な要因が考えられるので、この数字だけでは何とも言えないかと思います。情報規制の強化と犯罪件数の関係については、常に慎重に考えるべきだと私は思っています。

 また、「チラシの裏(3週目)」様で既に細かな突っ込みをされていますが、児童ポルノ関係の話も引き続き危険な状態が続いています。taffy様も是非できることをされるよう、どうかよろしくお願い致します。)

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2008年12月16日 (火)

第142回:総務省・「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」最終取りまとめ(案)に対する提出パブコメ

 総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」最終取りまとめ(案)に対してパブコメを提出したので、ここに載せておく。

(以下、提出パブコメ)

1.氏名及び連絡先
氏名:兎園(個人)
連絡先:

2.意見要旨
(児童ポルノ規制について)
 児童ポルノ対策について今以上の規制は必要なく、児童ポルノを理由とした新たな規制、特に情報・表現に関する国民の基本的な権利の重大な侵害となる単純所持規制・創作物規制の検討に反対する。やはり情報・表現に関する国民の基本的な権利を侵害するものとならざるを得ないブロッキングについても、その実証実験すらするべきではない。
 児童ポルノの閲覧の犯罪化と創作物の規制まで求める「子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議」の根拠のない狂った宣言を国際動向として一方的に取り上げ、児童ポルノ規制の強化を正当化することなどあってはならない。かえって、児童ポルノの単純所持規制・創作物規制といった非人道的な規制を導入している諸国は即刻このような規制を廃止するべきと、そもそも最も根本的なプライバシーに属し、何ら実害を生み得ない個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の国際的かつ一般的に認められている基本的な権利からあってはならないことであると、日本政府から国際的な場において各国に積極的に働きかけてもらいたい。

(ネット規制について)
 青少年ネット規制法の廃止及び出会い系サイト規制法の法改正前の形への再改正を求める。
 半官天下り検閲センターに他ならないインターネット・ホットラインセンターの廃止を求める。
 「e-ネットづくり!」宣言について、そもそも民間が求めていない、「民間による自主的な取組」など取りやめるべきである。検討が必要であるとしたら、今ですら訳が分からないほど沢山ある各種ガイドラインの整理削減のみである。天下り利権の強化・税金のムダな浪費にしかつながらない、ニーズを無視した「相談センター」の拡充に反対する。「違法・有害情報通報受付」と称する、総務省版の半官天下り検閲センターをさらに作ることなど論外である。

(プロバイダーの責任制限について)
 プロバイダー責任制限法に関し、被侵害者との関係において、刑事罰リスクも含めたプロバイダーの明確なセーフハーバーについて検討することを求める。特に、著作権侵害について、最近の事件から考えて、間接侵害や著作権侵害幇助罪まで含めて、著作権法にきちんとした明確なセーフハーバーが早急に作られるべきである。特に、そのセーフハーバーの要件において、標準的な仕組み・技術や違法性の有無の判断を押しつけるような、権利侵害とは無関係の行政機関なり天下り先となるだろう第3者機関なりの関与を必要とすることは、検閲の禁止・表現の自由等の国民の権利の不当な侵害に必ずなるものであり、絶対にあってはならないことである。

(報告書案全体について)
 この狂った報告書案の危険性は小手先の修正では治癒不能であり、情報モラル・リテラシー教育に関する「4.利用者を育てる取組の促進」以外全て白紙に戻してゼロから検討し直されるべきである。今後は、恣意的な運用しか招きようのない危険な規制強化の検討ではなく、ネットにおける各種問題は情報モラル・リテラシー教育によって解決されるべきものという基本に立ち帰り、政府において、地道な施策のみに注力する検討が進むことを期待する。

3.意見及び理由
(1)「2.(1)安心ネット利用のための基本法制の整備等」(第9~47ページ)関連

意見:
 「社会的公益侵害」・「権利侵害」という意味不明の区別を用いた検討を白紙に戻し、プロバイダー責任制限法に関し、被侵害者との関係において、刑事罰リスクも含めたプロバイダーの明確なセーフハーバーについて検討するべきである。特に、著作権侵害について、最近の事件から考えて、間接侵害や著作権侵害幇助罪まで含めて、著作権法にきちんとした明確なセーフハーバーが早急に作られるべきである。特に、そのセーフハーバーの要件において、標準的な仕組み・技術や違法性の有無の判断を押しつけるような、権利侵害とは無関係の行政機関なり天下り先となるだろう第3者機関なりの関与を必要とすることは、検閲の禁止・表現の自由等の国民の権利の不当な侵害に必ずなるものであり、税金のムダな浪費と技術の発展の阻害につながるだけの危険かつ有害無益な規制強化であり、絶対にあってはならないことである。

理由:
 表現・情報の自由は民主主義の最重要の基礎であり、被害者を伴わない表現・情報に対する規制にほとんど正当化の余地はないのであり、そもそもここで社会的法益侵害と権利侵害という類型分けを使うこと自体不適切である。

 報告書案中で、プロバイダー責任制限法の適用範囲を拡大するニーズが多くないと勝手に決めつけているが、意味不明の社会的法益侵害と権利侵害の区別による是非や発信者との関係での責任の問題だけを取り上げているから奇妙なことになるので、プロバイダーの責任の問題においては、被侵害者との関係において、民事的な責任制限だけではなく、刑事罰リスクまで含め、明確なプロバイダーのセーフハーバーを作ることは非常に重要である。

 特に、そのセーフハーバーの要件において、標準的な仕組み・技術や違法性の有無の判断を押しつけるような、権利侵害とは無関係の行政機関なり天下り先となるだろう第3者機関なりの関与を必要とすることは、検閲の禁止・表現の自由等の国民の権利の不当な侵害に必ずなるものであり、税金のムダな浪費と技術の発展の阻害につながるだけの危険かつ有害無益な規制強化であり、絶対にあってはならないことである。

 さらに言えば、動画投稿サイト事業者がJASRACに訴えられた「ブレイクTV」事件や、レンタルサーバー事業者が著作権幇助罪で逮捕され、検察によって姑息にも略式裁判で50万円の罰金を課された「第(3)世界」事件等を考えても、今現在、間接侵害や著作権侵害幇助のリスクが途方もなく拡大し、甚大な萎縮効果・有害無益な社会的大混乱が生じかねないという非常に危険な状態にある。間接侵害事件や著作権幇助事件においてネット事業者がほぼ直接権利侵害者とみなされてしまうのでは、プロバイダー責任制限法によるセーフハーバーだけでは不十分であることを考え、間接侵害や著作権幇助罪も含め、著作権侵害とならない範囲を著作権法上きちんと確定することが喫緊の課題である。

 また、論外の印象操作等、ほとんど報告書案を全て白紙に戻すべきと私が思っている所以の記載を以下に指摘して行く。なお、以下で指摘して行くのは余りにも目に余る部分だけであるとも念を押しておく。

 そもそも、青少年ネット規制法は、あらゆる者から反対されながら、有害無益なプライドと利権を優先する一部の議員と官庁の思惑のみで成立したものであり、速やかに廃止が検討されるべきものである。また、出会い系サイト規制法の改正は、警察庁が、どんなコミュニケーションサイトでも人は出会えるという誰にでも分かることを無視し、届け出制の対象としては事実上定義不能の「出会い系サイト事業」を定義可能と偽り、改正法案の閣議決定を行い、法案を国会に提出したものであり、他の重要法案と審議が重なる中、国会においてもその本質的な問題が見過ごされて可決され、成立したものであり、憲法上の罪刑法定主義や検閲の禁止にそもそも違反している、今回の出会い系サイト規制法の改正についても、今後、速やかに元に戻すことが検討されるべきである。

 携帯フィルタリングによるブラックリスト商法を大臣要請で後押しするかのような書き方がされているが、ブラックリスト方式ならば、まずブラックリストに載せる基準の明確化から行うべきなので、不当なブラックリスト指定については、携帯電話事業者がそれぞれの基準に照らし合わせて無料で解除する簡便な手続きを備えていればそれで良く、健全サイト認定第3者機関など必要ないはずである。ブラックリスト指定を不当に乱発し、認定機関で不当に審査料をせしめ取り、さらにこの不当にせしめた審査料と、正当な理由もなく流し込まれる税金で天下り役人を飼うのだとしたら、これは官民談合による大不正行為以外の何物でもない。このようなブラックリスト商法の正当化は許されない。

 児童ポルノ規制については主に(5)で述べるが、第23~25ページで、海外からの声として、国会でも批判された根拠の無い米シーファー大使の発言などを取り上げ、一方的に児童ポルノ規制強化を正当化している点など行政の報告書として不当の極みである。児童ポルノ規制強化について、優先度が高く個別対処の検討を必要があるとする合理的根拠は何一つない。また、「権利侵害情報の例としては、名誉毀損情報、プライバシー侵害情報及び著作権や商標権を侵害する情報などがあり、社会的法益侵害情報の例としては児童ポルノ公然陳列罪、わいせつ物公然陳列罪(刑法第175条)、麻薬特例法違反、覚せい剤取締法違反など薬物関連法に係る情報などがある」(第18ページ)、「児童ポルノ関係の情報については、社会的法益侵害情報と整理されるが、被害児童が存在するため権利侵害の側面もある」(第24ページ)と、勝手に児童ポルノ規制の法益を、実在の児童の保護から、意味不明の「社会的法益」に勝手にすり替えようとしていることも、到底許されることではない。

 第30ページの「エ)刑罰法規の厳正な執行の必要性等」で、一方的な見方で刑罰法規による取り締まり強化を唱えている点も到底許せるものではない。レンタルサーバー管理者が著作権幇助罪で逮捕された「第(3)世界」事件のことを考えても、情報の違法性の本質的な相対性を忘れ、情報の流通という姑息な言葉で情報の提供者が誰かという最も重要な論点をごまかし、幇助といった曖昧な概念で刑罰法規の適用範囲を不当に広げることはインターネットの法的安定性を大きく揺るがす危険極まりないことである。

 第31ページ以下の「b)行政機関による措置制度」で書かれている、ほとんど青少年ネット規制法案の初期案の悪夢を彷彿とさせる、行政主導の検閲機関創設案は絶対に導入されてはならない論外の案である。このような問題が大き過ぎる検閲機関創設案が、役所で大真面目に検討されること自体異常なことと言わざるを得ない。

 第34ページの脚注で、憲法上の検閲の禁止について、過去の最高裁の判決を引いてあたかも狭く解釈ができるかの如きことが書かれているが、学説上は必ずしもそのような狭い解釈が取られている訳ではなく、この最高裁判決自体、昨今のインターネットの普及を踏まえたものでなく今日もなお通用するかどうか怪しいものである。今日ではインターネット上でしか発表・流通の機会を持たない表現物が既に多く存在しているのであり、例え事後規制だろうと、そのような表現物の発表・流通を完全に抑制しかねない規制は、やはり検閲に該当すると考える方が妥当である。

 第31ページ以下の「a)プロバイダ責任制限法の適用範囲の拡大」で、発信者の関係で責任制限範囲を拡大するニーズがないとしながら、第36ページ以下の「c)自主的取組にインセンティブを与える形での責任制限等の方策」では、発信者との関係のみで責任範囲を拡大することがインセンティブになるとしているところなど、天下り役人の考えは心底理解に苦しむ。また、現行のプロバイダー責任制限法でも、プロバイダーが、侵害の事実を知りながら、技術的に可能であるにも関わらず不特定の者に対する送信防止措置を取らなけらない場合、その責任追求を免れないのであり、被侵害者との関係で、違法な情報を放置した場合に、現行法よりも責任追及を容易にするとしている点も全く理解不能である。

 「c)自主的取組にインセンティブを与える形での責任制限等の方策」中で触れられているアクセスログの保存についても、プロバイダー責任制限との関係で検討されるべき話ではなく、それ自体で別途きちんと検討されなくてはならない話である。

 第45~46ページで、アメリカのDMCAのノーティス&テイクダウン制度に触れた上で、勝手に否定的な見解を述べているが、別にアメリカのノーティス&テイクダウン制度をそっくりそのまま日本に輸入しなければならない理由もなく、上であげた「ブレイクTV」事件や「第(3)世界」事件等を考えても、著作権について特に早急に手当をしておくべき十分な立法事実があると私は考えている。

(2)「2.(2)国際連携推進のための枠組の構築」(第47~54ページ)関連
意見:
 児童ポルノ規制に関して、児童ポルノの閲覧の犯罪化と創作物の規制まで求めている「子どもと青少年の性的搾取に反対する世界会議」の根拠のない狂った宣言を国際動向として一方的に取り上げ、規制強化を正当化することなどあってはならない。かえって、児童ポルノの単純所持規制・創作物規制といった非人道的な規制を導入している諸国は即刻このような規制を廃止するべきと、そもそも最も根本的なプライバシーに属し、何ら実害を生み得ない個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の国際的かつ一般的に認められている基本的な権利からあってはならないことであると、日本政府から国際的な場において各国に積極的に働きかけてもらいたい。

 また、青少年ネット規制法について国際的に紹介する場合には、この法律は、ほぼあらゆる者から反対されながら、有害無益なプライドと利権の保持に走った一部の議員と官庁の思惑のみによって成立したものであるという経緯や、そもそも成立するべきではなく今でも廃止するべきとする意見もあるということも含め紹介するべきである。

理由:
 例えそれが児童ポルノであろうと、情報の単純所持・アクセス・ダウンロード・収集・取得・閲覧等の規制・犯罪化は、恣意的にしか運用され得ず、利用者から見て回避不能の危険極まるものであり、新たな思想犯罪を作り出す非人道的なものとして絶対導入されるべきでない。そもそも最も根本的なプライバシーに属し、何ら実害を生み得ない個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の国際的かつ一般的に認められている基本的な権利からあってはならないことである。

 また、青少年ネット規制法は、有害無益なプライドと利権の保持に走った一部の議員と官庁の思惑のみによって成立したものであり、そもそも成立するべきではなく今でも廃止するべきとする意見もあるのであり、規制を一方的に是とすることなく、状況が正しく伝えられなくてはならない。

 なお、インターネット・ホットラインセンターについては主に(4)で述べるが、第47~48ページにおける、「2007年中に同センターにあった違法情報の通報のうち海外のサーバに蔵置されていたものは3,307件であるところ、同年3月から12月までの10か月間にわが国から海外の加盟ホットラインに対して行った通報は児童ポルノ情報及びわいせつ情報350件と一部に限られている。」等の印象操作も本当にひどいものである。350件以外は、インターネット・ホットラインセンターが他国に通報しないという判断をしただけだろうと考えられるにもかかわらず、勝手に全通報件数との比較を行って、海外対応に難があるかの如き記載をしているのは本当に許し難い。このような判断を勝手に行っていること自体、この半官天下り検閲センターの問題点を露骨に示している。

(3)「2.(3)様々な連携の推進」(第54~61ページ)関連
意見:

 ニーズの不明な新たな産学連携組織の検討に関しては全て白紙に戻して、そもそものニーズからきちんと再検討がなされるべきである。また、天下りへの国民の血税のムダな浪費はもはや到底許されることではなく、新たな産学連携組織を天下り先とすることなど絶対にあってはならない。

理由:
 「e-ネットづくり!」宣言プログラムの基本的受け皿として必要であると報告書案では書かれているが、、報告書案で書かれている産学連携組織の必要性に合理的根拠はない。このようなムダな産学連携組織は、役人の天下り先となり、国民の血税の天下りへのムダな浪費となる危険性が高く、一国民として到底賛同できるものではない。

(4)「3.(1)違法・有害情報対策の推進」(第63~90ページ)関連
意見:

 「e-ネットづくり!」宣言について、そもそも民間が求めていない、「民間による自主的な取組」など取りやめるべきである。検討が必要であるとしたら、今ですら訳が分からないほど沢山ある各種ガイドラインの整理削減のみである。天下り利権の強化・税金のムダな浪費にしかつながらない、ニーズを無視した「相談センター」の拡充などされるべきでない。インターネット・ホットラインセンターという警察庁の半官天下り検閲センター自体廃止が速やかに検討されるべきものであり、「違法・有害情報通報受付」と称して、総務省版の半官天下り検閲センターをさらに作ることなど論外である。

理由:
 「e-ネットづくり!」宣言は、総務省への参加申請・登録の要請や総務省製のロゴマークの販促といった、ニーズを無視したいつもの官製キャンペーンに過ぎず、普通に考えて税金のムダ使いしかならない。今以上に、規制よりにしかならないだろう官製「自主憲章」やガイドラインなども不要である。「ナレッジベース」について、そもそも今以上にどんなガイドラインについて必要なのか良く分からず、もし何か検討するのであれば、そもそも今ですら山のようにあって訳が分からないガイドライン群の整理削減のみを検討するべきである。

 さらに、「交流プラットフォーム」についても、そもそも現在の「違法・有害情報事業者相談センター」の相談実績が少ないことが、現実のニーズを如実に物語っており、天下り利権の強化・税金のムダ使いにしかならないだろうニーズを無視した相談センターの拡充もされるべきではない。さらに、権利侵害とは直接関係のない天下り先の半官検閲センターに違法性の判断を代替する機能を持たせることなど危険極まりないことであり、インターネット・ホットラインセンターという警察庁の半官天下り検閲センター自体廃止が速やかに検討されるべきものであり、「違法・有害情報通報受付」と称して、総務省版の半官天下り検閲センターをさらに作ることなど論外である。

 以下、やはり目に余る記載について指摘して行く。

 (1)で述べたプロバイダ責任制限法に関する部分では、「大手のプロバイダ等を中心に、既に自主的対応として違法情報の削除が進んで」いるとしながら、こちらでは、対策について民間にデータの蓄積がないとしているなど、この報告書案は矛盾・不合理だらけで到底読むに耐えない。

 第65ページの「近年、これらの情報の流通をきっかけに、マスコミに大きく取り上げられるような事案が頻発しており、インターネットの規制を強化すべきとの議論を拡大させる主な要因となっている。」のような記載は、マスコミの一方的な印象操作に悪乗りする形で、ネガティブな事件のみを取り上げ、ネット規制の強化が正当化されるかのような、ひどい印象操作を含む記載である。なお、第6ページの「さらに、硫化水素による自殺誘引サイトの問題や、2008年6月8日に起きた秋葉原での事件における電子掲示板上の犯罪予告など、インターネット上の違法・有害情報対策として、民間の自主的取組に任せるのではなく、むしろ規制を強化すべきとの声を後押しするような事案も引き続き発生している。」も同断である。

 第73ページの脚注で、プロバイダー責任制限法の「特定電気通信役務提供者」と、青少年ネット規制法の「特定サーバー管理者」を同義と考えて良いと断定している事もあまりにも軽率という他ない。それぞれの条文を読めば分かるが、「特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者」(「特定電気通信役務提供者」)と、インターネットを利用した公衆による情報の閲覧の用に供されるサーバーを用いて、他人の求めに応じ情報をインターネットを利用して公衆による閲覧ができる状態に置き、これに閲覧をさせる役務を提供する者(「特定サーバー管理者」)は同義では全くない。実際に法運用を行っているはずの官庁が公の報告書案にこのようなことを堂々と書くのだから本当に呆れる他ない。

 また、第75~76ページで、インターネット・ホットラインセンターについて、インターネット・ホットラインセンターの協力依頼通りに削除することが当然であり、このような検閲の強化が正当化されてしかるべきであるかの如き記載があるが、インターネット・ホットラインセンターは単なる一民間団体に過ぎず、しかもこの団体に直接害が及んでいる訳でもないため、本来削除を要請できる訳がないのである。勝手に有害と思われる情報を収集して、直接削除要請などを行う民間団体があるということ自体おかしいと考えるべきであるという最も基本的なことも忘れ、国民の基本的な権利をないがしろにしても自身の利権拡大のみ大事とばかりに、あらゆる者はこの半官検閲センターの言うなりに情報を削除しろという傲慢を示すとは、天下り役人の考えは気違い染みている。削除を依頼されたところで、自身のリスクで削除をしないという判断をすることは当然あって良いことである。

 インターネット・ホットラインセンターの事業が警察からの委託事業であるため、そこに蓄積された情報を柔軟に活用し、自主的取組の向上に役立てることは難しいと、インターネット・ホットラインセンターが、民間団体でありながら、ほぼ警察の下部組織であることを政府の報告書が公に認めている点など、完全に語るに落ちている。必要であれば、きちんとした取り締まりと削除要請ができる人員を、法律によって明確に制約を受ける警察に確保するべき話であり、通報受付についてもきちんと警察に設け、それを周知するべき話であって、それ以上の話ではなく、インターネット・ホットラインセンターのような半官天下り検閲センターは即刻廃止が検討されるべきである。

(5)「3.(2)児童ポルノの効果的な閲覧防止策の検討」(第91~100ページ~)関連
意見:

 児童ポルノ対策について今以上の規制は必要なく、児童ポルノを理由とした新たな規制、特に情報・表現に関する国民の基本的な権利の重大な侵害となる単純所持規制・創作物規制の検討に反対する。やはり情報・表現に関する国民の基本的な権利を侵害するものとならざるを得ないブロッキングについても、その実証実験すらするべきではない。

理由:
 上でも書いたことだが、例えそれが児童ポルノであろうと、情報の単純所持や単なる情報アクセスではいかなる被害も発生し得えない。現行法で、ネット上であるか否かにかかわらず、提供及び提供目的の所持まで規制されているのであり、提供によって生じる被害と所持やダウンロード、取得、収集との混同は許され得ないのである。そもそも、最も根本的なプライバシーに属する個人的な情報所持・情報アクセスに関する情報を他人が知ること自体、通信の秘密や情報アクセスの権利、プライバシーの権利等の基本的な権利からあってはならないことである。海外サーバーの児童ポルノコンテンツについても、児童ポルノの提供が罪になっていない主要国もないのであろうから、日本の警察なりが海外の捜査機関に協力すれば良いだけの話である。例え児童ポルノだろうが、新たな思想犯罪を作り、国民の情報・表現・思想等々の最も基本的な精神的自由と安全を脅かす理由には全くならない。児童ポルノ規制について何か検討することがあるとしたら、今ですら曖昧に過ぎる児童ポルノの定義の厳密化のみである。

 また、ブロッキングについても、総務省なり警察なり天下り先の検閲機関・自主規制団体なりの恣意的な認定により、全国民がアクセスできなくなるサイトを発生させるなど、絶対にやってはならないことである。例えそれが何であろうと、情報の単純所持や単なる情報アクセスではいかなる被害も発生し得えないのであり、自主的な取組という名目でいくら取り繕おうとも、憲法に規定されている表現の自由(知る権利・情報アクセスの権利を含む)や検閲の禁止といった国民の基本的な権利を侵害するものとならざるを得ないブロッキングもまた導入されてはならないものである。

 対面調査で回答の誘導を行うなど有害かつ悪質な世論操作がそこら中で行われた、全く信用できない今年1月の内閣府の調査をあげ、国民の問題意識が高まっているとしたり、サイバー犯罪条約について未批准であることや児童ポルノ規制に関しては留保条項もあることを明記していなかったり、欧米キリスト教諸国の狂った規制のみを例に挙げていたり、インターネット・ホットラインセンターにおける通報件数のみを使って日本における児童ポルノ事件数が多いかの如き印象を与えようとしたりと、この部分における、悪辣な印象操作・欺瞞も枚挙にいとまがない。

 さらに、第92~93ページの、「1)現在の児童ポルノに対する取組」の、児童ポルノを思想犯罪化し、国民の情報・表現・思想等々の最も基本的な精神的自由と安全を脅かして良いかの如き記載に至ってはもはや絶句するしかない。この文章を書いた役人は完全に気が狂っているとしか思えない。

 なお、児童ポルノ規制に関しては、つい最近、ドイツのバンド「Scorpions」が32年前にリリースした「Virgin Killer」というアルバムのジャケットカバーが、アメリカでは児童ポルノと見なされないにもかかわらず、イギリスでは該当するとしてブロッキングの対象となり、プロバイダーによっては全Wikipediaにアクセス出来ない状態が生じたなど、欧米では、行き過ぎた規制の恣意的な運用によって、明らかな弊害が生じていることも見逃されるべきではない。

(6)「4.(5)違法・有害情報対策の基礎となる調査の実施」(第133~135ページ)関連
意見:

 役所の調査項目作成への関与を極力無くし、予断を与えないように調査項目の作成には細心の注意を払うべきである。複数の調査機関によって項目の偏向をチェックし、対面調査で直接規制の是非を問うような片寄りしか生まない手法を取らないようにし、ウェブ調査も含め、幅広く調査を行うべきである。

理由:
 今年の1月28日に公表された「インターネット上の安全確保に関する世論調査」は、例えば、インターネットホットラインセンターについて、知らない者が9割近くにも上るにも関わらず、その全員に対してその有効性について聞き、「インターネットホットラインセンターは安全を守るために有効と思う」と7割近くの人間に答えさせたり、対面調査によって回答の誘導を行ったりするなど、悪質かつ有害な印象操作・世論操作がそこら中で行われ、政策判断の材料として全く信用できない調査だった。

 このような非道極まる調査を二度と行わないようにするべきであり、特に、役所の調査項目作成への関与を極力無くし、予断を与えないように調査項目の作成には細心の注意を払うよう、複数の調査機関によって項目の偏向をチェックし、対面調査で直接規制の是非を問うような片寄りしか生まない手法を取らないよう、ウェブ調査も含め、幅広く調査を行うよう気をつけるべきである。

(7)報告書案全体について
 国民の基本的な権利をないがしろにしても自身の利権拡大のみ大事とばかりに、腐り切った天下り役人が好き勝手に膿んだ妄想を垂れ流しているこの報告書案は、随所に理解不能の論旨の混乱が見られ、矛盾・不合理だらけで到底読むに耐えないものである。もはや自身の怒りを表すのに十分な言葉を私は持たないが、このように天下り役人が厚顔にも踏みにじっている国民の本当の安全と安心を今すぐ返してもらいたいと私は心から言いたい。

 この狂った報告書案の危険性は小手先の修正では治癒不能であり、情報モラル・リテラシー教育に関する「4.利用者を育てる取組の促進」以外全て白紙に戻してゼロから検討し直されるべきである。

 インターネットの利用環境の整備は、法規制によるのではなく、民間の自主的取組によって推進することが最良の方策であるという言葉を自戒の言葉として、政府においても、今後は、恣意的な運用しか招きようのない危険な規制強化の検討ではなく、ネットにおける各種問題は情報モラル・リテラシー教育によって解決されるべきものという基本に立ち帰り、地道な施策のみに注力する検討が進むことを期待する。

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2008年12月 2日 (火)

第139回:総務省・「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」最終取りまとめ(案)に対するパブコメ募集(その5:目次・その他)

 前々々々回前々々回前々回前回に引き続き、総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」最終取りまとめ(案)(12月17日〆切。総務省のリリース意見募集要領電子政府の該当ページinternet watchの記事参照。)の話である。

 細かな文章への突っ込みを入れていく前に、この報告書は長すぎるので目次を作っておきたいと思う。

(1)最終取りまとめ(案)目次

1.はじめに
(1)背景と経緯(第3ページ~)
(2)最終取りまとめのねらい(第6ページ~)

2.安心を実現する基本的枠組の整備
(1)安心ネット利用のための基本法制の整備等(第9ページ~:児童ポルノ規制、プロバイダーの責任制限範囲の拡大、検閲機関創設案、天下り先の第3者機関が定める標準的な違法情報対策の仕組み・技術・違法性の判断の押しつけ等について、第135回第136回参照)
(2)国際連携推進のための枠組の構築(第47ページ~:第138回参照)
(3)様々な連携の推進(第54ページ~:第138回参照)

3.民間における自主的取組の促進
(1)違法・有害情報対策の推進(第63ページ~:「e-ネットづくり!」宣言・総務省版インターネット・ホットラインセンター創設案等について、第137回参照)
(2)児童ポルノの効果的な閲覧防止策の検討(第91ページ~:児童ポルノ規制・ブロッキングについて、第135回参照)
(3)コンテンツ・レイティングの普及促進(第100ページ~)
(4)違法・有害情報対策に資する技術開発支援(第106ページ~)

4.利用者を育てる取組の促進
(1)家庭・地域・学校における情報モラル教育(第111ページ~)
(2)ペアレンタルコントロールの促進(第121ページ~)
(3)コンテンツ事業者等による利用者啓発活動促進(第125ページ~)
(4)利用者を育てる取組の協調的な推進(第129ページ~)
(5)違法・有害情報対策の基礎となる調査の実施(第133ページ~:第138回参照)

5.おわりに(「安心ネットづくり」促進プログラムの策定に向けて)

(2)その他
 本当にこの報告書案はあまりにも問題点が多く、全部は到底指摘し切れない。以下に指摘するのは、あまりにも目に余る部分だけである。

 1.はじめに「(2)最終取りまとめのねらい」第6ページで、

さらに、硫化水素による自殺誘引サイトの問題や、2008年6月8日に起きた秋葉原での事件における電子掲示板上の犯罪予告など、インターネット上の違法・有害情報対策として、民間の自主的取組に任せるのではなく、むしろ規制を強化すべきとの声を後押しするような事案も引き続き発生している

と書いているが、これは、マスコミの一方的な印象操作に悪乗りする形で、ネガティブな事件のみを取り上げ、ネット規制の強化が正当化されるかのような、ひどい印象操作を含む記載である。

3.民間における自主的取組の促進第65ページの

 現行では必ずしも違法ではないが、インターネット上の流通が望ましくないとして、削除等の何らかの対応が必要であると認識されている情報がある。例えば、違法行為を目的とした書き込み、人を自殺に誘引する情報の書き込み、公共の安全や秩序に対する危険を生じさせるおそれのある情報の書き込み、さらには、いわゆる「学校裏サイト」における個人の誹謗中傷の書き込みなどである。近年、これらの情報の流通をきっかけに、マスコミに大きく取り上げられるような事案が頻発しており、インターネットの規制を強化すべきとの議論を拡大させる主な要因となっている

も全く同様のひどい印象操作である。)

 また、2.安心を実現する基本的枠組の整備「(1)安心ネット利用のための基本法制の整備等」の第13ページで、

 とりわけ、青少年の多くが利用している携帯電話については、2006年11月及び2007年12月に総務大臣から携帯電話事業者・PHS事業者に対して導入促進に向けた取組を進めるよう要請を行われたこともあり、積極的な取組が行われてきたが、その過程で、青少年の利用実態(コミュニティサイトの普及等)に照らし、フィルタリングによる閲覧制限の範囲が広範に過ぎるなど、現在の携帯電話フィルタリングが有する課題も浮き彫りになった。こうしたことから、本検討会において、現状の携帯電話フィルタリングを改善するための方策について議論が行われ、4月25 日、現状のモデルを改善し、より良いフィルタリングサービスの在り方を提言した中間取りまとめとなった。この中間取りまとめを踏まえた取組を行うよう、総務大臣から携帯電話事業者等に対して3度目となる要請が行われた。

と自分たちの大臣要請について勝手に積極的評価をしようとしているが、当時大臣要請がもたらしたものは無用の混乱のみであり、はっきり言って全く評価できないものだったと私は断言できる。

 第15ページで、

 総務大臣要請を受け、携帯電話事業者・PHS事業者は、2008年9月12日、フィルタリングサービスの改善に向けた今後の取組内容につき詳細を発表した。それによれば、既に第三者機関(EMA)による認定が行われているサイトについては、各社とも2009年1月から2月にかけて現在提供しているフィルタリングサービスへの反映を行う予定である。

と、フィルタリングによるブラックリスト商法を後押しするかのような書き方をしていることも注意する必要がある。番外その7のついでに少し書いたことだが、そもそも、ブラックリスト方式ならば、まずブラックリストに載せる基準の明確化から行うべきなので、不当なブラックリスト指定については、携帯電話事業者がそれぞれの基準に照らし合わせて無料で解除する簡便な手続きを備えていればそれで良く、健全サイト認定第3者機関など必要ないはずなのである。ブラックリスト指定を不当に乱発し、認定機関で不当に審査料をせしめ取り、さらにこの不当にせしめた審査料と、正当な理由もなく流し込まれる税金で天下り役人を飼うのだとしたら、これは官民談合による大不正行為以外の何物でもなく、このようなブラックリスト商法の正当化は許されないと繰り返し指摘して行かなくてはならない。(無論、それ以前に、青少年ネット規制法は、あらゆる者から反対されながら、有害無益なプライドと利権を優先する一部の寄生議員と規制官庁の思惑のみで成立したものであり、速やかに廃止が検討されるべきと言わなくてはならないだろうが。)

 第30ページで、

エ)刑罰法規の厳正な執行の必要性等
 社会的法益侵害情報は、すべて何らかの刑罰法規に違反するものであり、これらの情報の流通の防止は、本来、当該情報の発信者あるいは積極的に当該違法情報の流通を奨励・幇助する一部のプロバイダ等を取り締まることによって達成すべきものである。積極的に違法情報の流通を奨励、幇助するプロバイダ等はごく一部と考えられ、それらのプロバイダ等に対する取締まりの強化の余地はあるものと思われる。したがって、刑罰法規の厳正な執行は社会的法益侵害情報への対策として重要である。

一方的な見方で刑罰法規による取り締まり強化を唱えている点も極めて危険である。レンタルサーバー管理者を著作権幇助罪で逮捕された「第(3)世界」事件のことを考えても、情報の違法性の本質的な相対性を忘れ、情報の流通という姑息な言葉で情報の提供者が誰かという最も重要な論点をごまかし、幇助といった曖昧な概念で刑罰法規の適用範囲を広げることはインターネットの法的安定性を大きく揺るがす危険極まりないことである。

 半官天下り検閲センターのインターネット・ホットラインセンターそのもの問題点はさんざん繰り返してきたが、第47~48ページの、

 例えば、インターネット・ホットラインセンターが加盟する国際組織INHOPE(theInternational Association of Internet Hotlines )では、違法・有害情報に対する国際的な取組を強化するため、加盟国間で相互通報を行っている。2007年中に同センターにあった違法情報の通報のうち海外のサーバに蔵置されていたものは3,307件であるところ、同年3月から12月までの10か月間にわが国から海外の加盟ホットラインに対して行った通報は児童ポルノ情報及びわいせつ情報350件と一部に限られている

 このように、国内法の適用範囲に限界があることから、一部の悪質なコンテンツ事業者やISP等は、サーバを海外に蔵置することにより、法の適用を逃れているとの指摘もなされている。また、違法情報に対する国内の対応を強化すればするほど、悪意ある発信者が海外に発信元を移転させるインセンティブが働くこととなるため、違法情報の閲覧防止措置を講じるに当たり、国内外で連繋のとれた執行体制を構築することが求められている。

という印象操作も本当にひどいものである。350件以外は、インターネット・ホットラインセンターが他国に通報しないという判断をしただけだろうと考えられるにもかかわらず、勝手に全通報件数との比較を行って、海外対応に難があるかの如き記載をしているのは本当に許し難い。このような判断を勝手に行っていること自体、この半官検閲センターの問題点を露骨に示しているだろう。

インターネット・ホットラインセンターについては、3.民間における自主的取組の促進の第75~76ページの、

「電子掲示板等の管理者」など、より広範囲のプレイヤーが、自主的に違法・有害情報対策に取り組むためには、現状では、①各種ガイドラインを自発的に参照し、自らの取組に反映させること、②新聞紙上等で報道される大手企業等の取組を導入すること、③インターネット・ホットラインセンターの協力依頼があった場合に応じること、④携帯電話インターネット上でのCGMサイトであればEMAの認定を受けることなどが考えられる。このような現状は「電子掲示板等の管理者」にとって十分とはいえない。
(中略)
 インターネット・ホットラインセンターは発足以来二年余りを経過し、その取組への理解は急速に進んでいるが、削除依頼を受けた場合、違法情報はともかく有害情報については、ホットラインセンターと見解が異なる場合もあるようだ。ホットラインセンター側からすれば依頼した後は、それぞれの事業者のポリシーに基づく自主的措置を期待しているのだろうが、一方で、依頼された側からすれば、自社のポリシーと合わず、削除を行わないという選択肢をとった場合、ホットラインセンターの見解に反することになる。インターネット・ホットラインセンターの位置づけや、事業者等の協力関係の在り方が、より明確になっていることが望ましい

という記載もひどいものである。インターネット・ホットラインセンターは単なる一民間団体に過ぎず、しかもこの団体に直接害が及んでいる訳でもないため、削除を要請できる訳がなく、勝手に有害と思われる情報を収集して、直接削除要請などを行う民間団体があるということ自体おかしいと考えるべきであるという最も基本的なことも忘れ、国民の基本的な権利をないがしろにしても自身の利権拡大のみ大事とばかりに、あらゆる者はこの半官検閲センターの言うなりに情報を削除しろという傲慢を示すとは、本当に天下り厄人の考えは気違い染みている。削除を依頼されたところで、自身のリスクで削除をしないという判断をすることは当然あって良いことである。

 第73ページの脚注で、プロバイダー責任制限法(正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」)の「特定電気通信役務提供者」と、青少年ネット規制法(正式名称は、「少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」)の「特定サーバー管理者」を

「特定電気通信役務提供者」と「特定サーバー管理者」は同義と考えて良い。

と断定している事もあまりにも軽率という他ない。それぞれの条文を読めば分かるが、「特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者」(「特定電気通信役務提供者」)と、インターネットを利用した公衆による情報の閲覧の用に供されるサーバーを用いて、他人の求めに応じ情報をインターネットを利用して公衆による閲覧ができる状態に置き、これに閲覧をさせる役務を提供する者(「特定サーバー管理者」)は同義では全くない。実際に法運用を行っているはずの官庁が公の報告書にこのようなことを堂々と書くのだから本当に呆れる他ない。

 さらに言えば、第107ページの、

 また、技術開発成果の利用者へのオープンな提供については、一般に開発費用の回収が必要な民間ベースの技術開発には馴染みにくく、どちらかといえば公的な機関の役割として親和性が高い

という記載なども、税金を垂れ流す言い訳に必死なのだろうが、オープンソースなどの最近のオープンな民間の技術開発の流れを完全にないがしろにするものだろう。

 この報告書は、ここ数年で出された役所の報告書の中でも、恐らく類を絶すると言っても過言ではないくらい非道いものである。この報告書には腐り切った天下り厄人の垂れ流す膿がそこら中に溢れ、読んでいて本当に胸がむかついて来る。天下り利権に芯まで蝕まれた厄人にもはや付ける薬はないのかも知れないが、彼らが厚顔にも踏みにじっている国民の本当の安全と安心を返せ、今すぐ返せという言葉を連中の顔面に叩きつけたいと私は心から思っている。

 また、このパブコメも提出次第ここに載せるつもりである。

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