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2017年3月22日 (水)

第376回:文化庁・法制・基本問題小委員会の中間まとめに関する意見募集(3月29日〆切)への提出パブコメ

 書いていることはいつも通りだが、前回取り上げた、文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の中間まとめ(pdf)に関する意見募集に対して私が提出したパブコメをここにに載せておく。(意見募集は3月29日〆切。文化庁のHP又は電子政府のHP参照。)

 例によって文化庁にはあまり期待はできないが、法改正前に政府に意見を言える数少ない機会ではあるので、このような問題に関心のある方は是非意見の提出を検討することをお勧めする。

(以下、提出パブコメ)

(1)4つの新しい権利制限の導入について
 本中間まとめにおいて導入するべきとされている、4つの新しい権利制限、すなわち、(a)リバースエンジニアリング、(b)機械翻訳に係る技術開発のためなど、システムのバックエンドで行われる複製等、(c)所在検索・情報分析サービスのための、検索・分析用データベースの作成及び著作物の本来的市場と競合しない一部の表示等、(d)外国人が観光又は一般生活上必要とする、公衆に無償で提供又は提示されている著作物に係る翻訳サービスについて速やかに導入することを求める。

 また、これらの権利制限を導入するにあたり、必要以上に権利制限の範囲を狭めることはあってはならないことであり、その範囲の制限は「ただし、権利者の利益を不当に害することとなる場合を除く」といった一般的な記載のみに留めるべきである。ここで、特に、(d)の翻訳サービスについては、日本人向けや日本語への翻訳が必要とされることもあり得るのであって、対象を外国人に限る必然性はなく、「観光又は一般生活上必要とする、公衆に無償で提供又は提示されている著作物に係る翻訳サービス」一般を広く権利制限の対象とするべきである。

 なお、そもそもリバースエンジニアリングが過去の平成21年当時の審議会で検討済みの事項であることは第43ページの注にも書かれている通りであり、この事項が今までの内閣提出の法改正案に含まれていなかったことは行政の怠慢以外の何物でもない。

(2)5つの権利制限の拡充について
 さらに、本中間まとめの第2章以下で拡充すべきとされている、5つの権利制限、すなわち、(e)著作権法第35条における授業における教材等の異時公衆送信、(f)著作権法第33条におけるデジタル教科書への著作物の掲載、(g)著作権法第37条第3項における受益者への身体障害等により読字に支障のある者の追加等、(h)著作権法第31条第3項における国立国会図書館の自動公衆送信先への外国の図書館等の追加、(i)著作権法第47条における展示著作物の情報提供のための電子機器を用いた複製等についても速やかに拡充することを求める。

 ここで、真に2次利用可能な形で各種アーカイブの構築・充実を考えるのであれば、裁定制度の見直しや法解釈による対応に関する検討だけでは不十分であり、国会図書館にのみアーカイブ機能を集中させることも適切ではない。特に日本において十分になされているとは言い難いパブリックドメイン資料や絶版資料の利活用をより強力に促進するべきであり、著作権法の改正により、(i)現行著作権法第31条で国会図書館のみに可能とされている絶版等資料の電子利用をあらゆる図書館及び文書館に可能とすること、合わせて(ii)同条における絶版等資料以外の資料についての「滅失、損傷若しくは汚損を避けるため」という電子化のための要件を緩和してここにアーカイブ化のためという目的を追加し、著作権保護期間満了後の資料公開に備えた事前の電子化を明確に可能とすること、及び(iii)個人アーカイブの作成が第30条の私的複製の範囲に含まれることを条文上明記し、個人資料の利活用及び著作権保護期間満了後の公開を促すことを私は求める。このような権利制限又は例外が不必要に狭くされるべきではなく、その他者がアーカイブを直接利用しないことを前提として他者の力を借りたアーカイブ化も可能とされるべきである。

(3)一般フェアユース条項の導入について
 本中間まとめは幾つかの権利制限の導入や拡充をしようとしているという点では一定の評価はできるものの、一般フェアユース条項の導入について否定的な結論を出していることは到底納得のできるものではない。一般フェアユース条項については本中間まとめの整理を全て白紙に戻した上で、一から再検討を行い、アメリカ等と遜色ない形で一般フェアユース条項を導入するべきである。

 まず、本中間まとめの第1章で意見募集やヒアリング等から聞き取った様々なニーズについて検討を加え、個々に是非を判断しようとしているが、このようなやり方で取り上げられるのは既存のニーズのみであり、将来に渡っての対応を問題とする一般フェアユース条項の導入の是非についてこのようなやり方を取るのはそもそも適切ではない。

 さらに、個々のニーズについても「A:権利制限規定の見直しによる対応の検討が求められているもの」、「B:他の政策手段による対応の検討が求められているもの」、「C:既に審議会等で検討中又は過去の審議会で検討済のもの」という分類をした上でさらにAの中で優先度までつけてふるい落としををして問題の極小化を図っているので、折角広くニーズを聞き取った意味が完全に減殺されており、第23ページから第40ページまでの検討も文化庁自身のお手盛り調査であり、一般フェアユース条項導入否定の結論ありきの内容で、ほとんど取るに足らない。例えば、「権利者に及び得る不利益の度合い等に応じて分類した3つの『層』について,それぞれ適切な柔軟性を確保した規定を整備することが適当である」(第38ページ)と、良く分からない類型分けをして、「柔軟性のある権利制限規定」の「柔軟性」の意味を個別の権利制限規定の柔軟性に置き換え、問題を個別の権利制限規定の範囲の話に押し込めているのはほとんど詐欺に等しい言葉遊びである。

 本中間まとめで取り上げられているニーズだけを見ても、その全てについて個別の権利制限規定による対処を行うことは現実的には不可能であり、個別の権利制限規定による対処が不可能な全ての公正利用の類型が含まれるよう、その範囲・要件はアメリカ等と比べて遜色の無いものとして、権利制限の一般規定を導入するべきという以外の結論は考えられない。

 さらに言えば、そもそも、現行の個別の権利制限規定自体非常に狭く使いにくいものとされているという現状の問題をなおざりにするべきではない。本中間まとめは幾つかの権利制限の導入を提言しているが、これらはあった方が良いものとは言え、到底一般フェアユース条項と言うに足るものではなく、これでは著作権をめぐる今の混迷状況が変わることはない。

 特に、インターネットのように、ほぼ全国民が利用者兼権利者となり得、考えられる利用形態が発散し、個別の規定では公正利用の類型を拾い切れなくなるところでは、フェアユースのような一般規定は保護と利用のバランスを取る上で重要な意義を持つものである。

 著作物の公正利用には変形利用もビジネス利用も考えられ、このような利用も含めて著作物の公正利用を促すことが、今後の日本の文化と経済の発展にとって真に重要であることを考えれば、不当にその範囲を不当に狭めるべきでは無く、その範囲はアメリカ等と比べて遜色の無いものとされるべきである。ただし、フェアユースの導入によって、私的複製の範囲が縮小されることはあってはならない。

 また、「まねきTV」事件などの各種判例からも、ユーザー個人のみによって利用されるようなクラウド型サービスまで著作権法上ほぼ違法とされてしまう状況に日本があることは明らかであり、このような状況は著作権法の趣旨に照らして決して妥当なことではない。ユーザーが自ら合法的に入手したコンテンツを私的に楽しむために利用することに著作権法が必要以上に介入することが許されるべきではなく、個々のユーザーが自らのためのもに利用するようなクラウド型サービスにまで不必要に著作権を及ぼし、このような技術的サービスにおけるトランザクションコストを過大に高め、その普及を不当に阻害することに何ら正当性はない。この問題がクラウド型サービス固有の問題でないのはその通りであるが、だからといって法改正の必要性がなくなる訳ではない。著作権法の条文及びその解釈・運用が必要以上に厳格に過ぎクラウド型サービスのような技術の普及が不当に阻害されているという日本の悲惨な現状を多少なりとも緩和するべく、速やかに問題を再整理し、アメリカ等と比べて遜色の無い範囲で一般フェアユース条項を導入し、同時にクラウド型サービスなどについてもすくい上げられるようにするべきである。

 権利を侵害するかしないかは刑事罰がかかるかかからないかの問題でもあり、公正という概念で刑事罰の問題を解決できるのかとする意見もあるようだが、かえって、このような現状の過剰な刑事罰リスクからも、フェアユースは必要なものと私は考える。現在親告罪であることが多少セーフハーバーになっているとはいえ、アニメ画像一枚の利用で別件逮捕されたり、セーフハーバーなしの著作権侵害幇助罪でサーバー管理者が逮捕されたりすることは、著作権法の主旨から考えて本来あってはならないことである。政府にあっては、著作権法の本来の主旨を超えた過剰リスクによって、本来公正として認められるべき事業・利用まで萎縮しているという事態を本当に深刻に受け止め、一刻も早い改善を図ってもらいたい。

 合わせ、本中間まとめに含まれていない事項であるが、次の法改正案により、文化庁へのパブコメ(文化庁HPhttp://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hokoku.htmlの意見募集の結果参照)や知財本部へのパブコメ(知財本部のHPhttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keikaku2009.htmlの個人からの意見参照)等を完全に無視して行われたものであり、さらなる有害無益な規制強化・著作権検閲にしか流れようの無い、百害あって一利ないダウンロード違法化・犯罪化を規定する著作権法第30条第1項第3号及び第119条第3項の削除を行うことも私は求める。

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2017年3月 9日 (木)

第375回:一般フェアユース条項の導入を否定する文化庁の法制・基本問題小委員会中間まとめ(3月29日パブコメ募集〆切)

 特許庁の報告書と前後して文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の中間まとめ(pdf)も3月29日〆切でパブコメにかかっている。(文化庁のHP又は電子政府のHP参照。)

 この文化庁の報告書は、「第1章 新たな時代のニーズに的確に対応した権利制限規定の在り方等」、「第2章 教育の情報化の推進等」、「第3章 障害者の情報アクセス機会の充実」、「第4章 著作物等のアーカイブの利活用促進」という章立てが示している通り、特に危険な規制強化が含まれているということはなく(去年のTPP関連法改正で危ない法改正事項を突っ込んでしまっている所為だろうが)、幾つかの権利制限の導入や拡充をしようとしているという点では一定の評価はできるものの、一般フェアユース条項の導入について否定的な結論を出しているものであり、私としては全く納得のできるものではない。

 この報告書では、第3ページからの「第1章 新たな時代のニーズに的確に対応した権利制限規定の在り方等」で意見募集やヒアリング等から聞き取った様々なニーズについて検討を加え、個々に是非を判断しようとしている。しかし、当たり前の話だが、このようなやり方で取り上げられるのは既存のニーズのみであり、将来に渡っての対応を問題とする一般フェアユース条項の導入の是非についてこのようなやり方を取るのはそもそも適切ではない。

 さらに、個々のニーズについても「A:権利制限規定の見直しによる対応の検討が求められているもの」、「B:他の政策手段による対応の検討が求められているもの」、「C:既に審議会等で検討中又は過去の審議会で検討済のもの」という分類をした上でさらにAの中で優先度までつけてふるい落としををして問題の極小化を図っているので、折角広くニーズを聞き取った意味が完全に減殺されていると言っていい。

 結果、検討対象として残ったのは、第15ページにある通り、

ⅰ 優先的に検討を行うこととされたニーズ

◎a 公衆がアクセス可能な情報の所在検索サービスの提供(例:書籍検索サービス、テレビ番組検索サービス、街中風景検索サービス)
◎b システムのバックエンドにおける情報の複製(例:音楽曲名検索サービス)

ⅱ ニーズ提出者に追加説明を依頼することとされたニーズ

c パロディ・二次創作としての著作物利用
d 教科書・入試問題の二次利用
◎e CPS(サイバーフィジカルシステム)による情報提供サービス(例:機械翻訳サービス、教育支援サービス、障害者等支援サービス)
f 障害者の情報アクセシビリティ向上のためのサービス
◎g リバース・エンジニアリング
◎h 自動翻訳サービス(例:屋内外の看板や案内図、食堂のメニュー表等や、インターネット上の情報の翻訳サービス)
◎i ビッグデータの解析結果提供,情報分析サービス(例:評判情報分析サービス、論文剽窃検出サービス)
j メディア変換サービス
k 図書館における図書検索等サービス
l 企業等で一般的に行われている軽微な複製等

ⅲ 優先的な課題の検討を行った後に順次検討することとされたニーズ

m 図書館における公的機関が作成した広報資料の複製
n 図書館におけるインターネット上の情報のプリントアウト
o 商品の批評や販売目的の写真(書影,ジャケット等)のウェブサイト掲載

(上の一覧では、見やすさのため、第15ページのものから分類番号等を削除し、サービスの具体例を第17〜23ページから追記し、この報告書で検討されている項目に下線を追加した。)

の15項目であり、そして、ⅰのa、bと、新産業創出環境整備関連らしいⅱのe、g、h、iについて、この中間まとめで検討結果が示されているという状況である。(ワーキングチームでどういう議論がされたのかは良く分からないが、新産業創出環境整備云々と言ったところで、まず検討しやすい項目を選んだようにしか私には見えない。そもそもリバースエンジニアリングが過去の審議会で検討済みの事項であることは第43ページの注にも書かれている通りだが、これがCではなくAに分類されているところからして理解に苦しむ。なお、本題とは無関係なのでここではさておくが、「サイバーフィジカルシステム」というのは「デジタルデータの収集,蓄積,解析,解析結果の実世界へのフィードバックという実世界とサイバー空間との相互連関」らしいが、こういう意味不明の概念を持ちだしているのも頭の悪いことこの上ない。)

 この中間まとめの第23ページから第40ページまで権利者団体のヒアリング結果や文化庁自身が発注している著作権法における権利制限規定の柔軟性が及ぼす効果と影響等に関する調査研究報告書(pdf)の内容を引き写した検討が書かれているが、これらは例によって文化庁のお手盛り調査であり、一般フェアユース条項導入否定の結論ありきの内容で、ほとんど取るに足らない。非常に馬鹿々々しいので一々突っ込まないが、文化庁がくどくどとしょうもない理屈を書いた上で、「権利者に及び得る不利益の度合い等に応じて分類した3つの『層』について,それぞれ適切な柔軟性を確保した規定を整備することが適当である」(第38ページ)と、良く分からない類型分けをして、「柔軟性のある権利制限規定」の「柔軟性」の意味を個別の権利制限規定の柔軟性に置き換え、問題を個別の権利制限規定の範囲の話に押し込めているのはほとんど詐欺に等しい言葉遊びである。

 ここまで意味不明の理屈で一般フェアユース条項が導入できないということを述べ立てているだけでほとんど大したことは書かれていないのだが、ここから先、第41〜68ページに書かれていることも無意味にくどくて非常に分かりにくいので、結論として権利制限が導入されそうな項目だけで書くと、要するに、

  • リバースエンジニアリング
  • 機械翻訳に係る技術開発のためなど、システムのバックエンドで行われる複製等
  • 所在検索・情報分析サービスのための、検索・分析用データベースの作成及び著作物の本来的市場と競合しない一部の表示等(ただし、表示等について権利者の利益を不当に害することとなる場合を除く)
  • 外国人が観光又は一般生活上必要とする、公衆に無償で提供又は提示されている著作物に係る翻訳サービス(ただし、権利者の利益を不当に害することとなる場合を除く)

の4つのみである。

 第2章以下も法改正のポイントのみの抜粋に留めるが、「第2章 教育の情報化の推進等」では、授業における教材等の送信について「異時公衆送信についても、権利者の利益を不当に害しない一定の条件の下で法第35条の権利制限の対象とすることが適当」(第81ページ)、「新たに権利制限を設ける異時公衆送信についてのみ補償金請求権を付与することが適当」(第84ページ)と、デジタル教科書への著作物の掲載について「法第33条の対象となるよう必要に応じて規定の見直しを行うことが適当」(第104ページ)、「デジタル教科書への著作物の掲載行為についても,一定の補償金の支払を求めるべき」(第105ページ)とされ、「第3章 障害者の情報アクセス機会の充実」では、「法第37条第3項における受益者の範囲について,身体障害等により読字に支障のある者を加えるための所要の規定の整備を行うことが適当」(第112ページ)、「法第37条第3項に基づき図書館等がメール送信サービスを行うことができるよう,所要の規定の整備を行うことが適当」(同上)、「ボランティアグループ等についても(中略)権利者の利益を不当に害さないための一定の条件を課した上で,現行制度よりも簡易な方法で複製等を行うことができる主体になり得ることができるようにするための所要の措置(例えば,一定の類型については個別に文化庁長官の個別指定を受けずとも主体になり得るよう政令に規定する等)を講じることが適切」(第113ページ)とされ、「第4章 著作物等のアーカイブの利活用促進」では、「法第31条第3項の規定に基づき国立国会図書館が絶版等資料に係る著作物を自動公衆送信できる送信先の施設に,同条第1項に規定する図書館等に類する外国の施設を追加する法改正が求められる」(第124ページ)、「美術の著作物又は写真の著作物の原作品を適法に展示する者は,これらの著作物に係る情報を提供することを目的とする場合には,必要と認められる限度において,当該著作物等を複製し,又は公衆送信を行うことができることとすることが望ましい」(第126ページ)と書かれ、箇条書きにすると以下のような権利制限の拡充が行われそうである。

  • 著作権法第35条において、授業における教材等の異時公衆送信についても権利制限の対象とする(補償金請求権つき)
  • 著作権法第33条において、デジタル教科書への著作物の掲載についても権利制限の対象とする(補償金請求権つき)
  • 著作権法第37条第3項において、権利制限の受益者に身体障害等により読字に支障のある者を加えるとともに、図書館等がメール送信サービスを行うことができるようにし、また、ボランティアグループ等も複製等を行うことができる主体になり得るようにする
  • 著作権法第31条第3項において、国立国会図書館が絶版等資料に係る著作物を自動公衆送信できる送信先の施設に外国の図書館等を追加する
  • 著作権法第47条において、美術又は写真の著作物の原作品を適法に展示する者がその著作物に係る情報の提供のために必要と認められる限度において電子機器を用いた複製又は公衆送信も行うことができるようにする

 この中間まとめは全体で180ページ近くもある非常に大部なもので、いろいろと書かれているようにも見えるが、一般フェアユース条項を導入したくないがために結論ありきで意味不明の理屈を無駄に捏ねているいつもの文化庁の駄弁の部分を除けば、上で抜き出した通り、4つの個別の権利制限を新たに導入し、5つの権利制限を拡充するということを書いているに過ぎない。このような審議会の報告書では提出される法律の条文の詳細までは分からないが、報告書の書きぶりから見る限り新たに導入される個別の権利制限も狭く使い勝手の悪いものになるのではないかと私は予想している。リバースエンジニアリングのための権利制限など、この中間まとめの注にもある通り、平成21年時点で既に導入するべきとの結論がほぼ出ていたのであり、今まで放置しているのは文化庁の怠慢以外の何物でもない。ある意味想定通りとは言え、この中間まとめもまた、文化庁と権利者団体のスクラムによる審議会検討では、著作権の権利制限について迅速な検討も、公平な検討も望めないということを如実に示している。

 繰り返しになるが、この中間まとめは幾つかの権利制限の導入や拡充をしようとしているという点では一定の評価はでき、その限りにおいて特に問題はないが、一般フェアユース条項の導入について否定的な結論を出していることは到底納得のできるものではなく、今回も私は意見を出すつもりでいる。

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