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2015年11月15日 (日)

第353回:日米TPP並行交渉書簡とダウンロード違法化・犯罪化(刑事罰付加)問題

 11月4日と11日に文化庁で法制・基本問題小委員会が開催され(文化庁のHP1HP2参照)、TPP協定と国内知財法の関係に関する危うい検討が始まったところで非常に不安を感じているところだが、11日の資料を見て(internet watchの記事参照)、日米TPP並行交渉にかかる書簡の内容についても大いに危惧を覚えたので、ここでも補足を書いておきたいと思う。

 大体日米の並行交渉も本交渉と同じくらい秘密交渉で行われていたこと自体大問題である上、並行交渉書簡について日本政府のTPP対策本部のHPにもいまだに日本語としては概要(pdf)しか載っていないという状況に私は憤りを感じるばかりである。

 その概要(pdf)

(4)知的財産権
(ア)概要
 両国政府は、TPP協定の関連規定の円滑かつ効果的な実施のために必要な措置をとること、日本政府が著作権の私的使用のための複製の例外の適用範囲について、文化審議会著作権分科会に再び諮ること、及び、両国政府が著作権等の知的財産権の保護の強化に向け取組の継続の重要性を認めることとした。
(イ)主な内容
①両国政府は、TPP協定中の関連規定の円滑かつ効果的な実施のために必要な措置をとる。
②あらゆる違法なソースからのダウンロードに私的使用の例外が適用されないようにすべきかどうかについて、日本政府は文化審議会著作権分科会に再び諮る。
③両国政府は、アジア太平洋地域における著作権等の知的財産権の保護の強化に向け、取組の継続の重要性を認める

という記載は間違っている訳ではないものの、アメリカの通商代表部(USTR)のHPなどに載っている書簡等と比べると、恐らくわざとだろうが、少し情報が落ちているのである。

 例えば、USTRの非関税措置に関する日米並行交渉の概要(pdf)には、以下のように書かれている。

Intellectual Property Rights

Along with TPP commitments on copyright term of protection, technological protection measures and enforcement, Japan will examine the appropriate scope of the application of the private use exception with regard to works other than sound recordings and motion pictures from illegal sources, further improving Japan's intellectual property regime for U.S. companies and artists.

知的財産権

著作権保護期間、技術的保護手段及びエンフォースメントについてのコミットメントと並行して、日本は、違法ソースからの録音及び映像以外の著作物に関する私的利用の例外の適切な適用範囲を検討し、さらに日本の知的財産法制をアメリカの会社及びアーティストのために改善する。

 そして、実際の書簡(pdf)から知的財産権に関する部分を抜粋すると、以下のようになる。(なお、USTRの方が文書が分かれていて読みやすいので使ったが、英文の書簡自体は日本のTPP本部の交換文書(pdf)の最後の方にも載っている。)

INTELLECTUAL PROPERTY RIGHTS

Both Governments will take necessary measures for the smooth and effective implementation of the relevant provisions in Chapter 18 (Intellectual Property) of the TPP Agreement.

Private Copying Exception

On the scope of copyright protection, the Copyright Working Group under the Council for Cultural Affairs of Japan studied the scope of the private use exception and concluded in 2009 that it is appropriate that the private use exception should not be applied for downloading of sound recordings and motion pictures from illegal sources.

The Government of Japan will resume its consultation with the Copyright Working Group with respect to whether the private use exception should not be applied for downloading of other works from any illegal sources as soon as possible and no later than the time when the TPP Agreement takes effect with respect to both countries. In order to facilitate this process, the Government of the United States and the Government of Japan will exchange relevant information in this respect.

Both Governments also recognize that it is important for both countries to continue to work toward enhancing the protection of intellectual property rights in the Asia-Pacific region, including with respect to copyrighted works such as manga, animation, software and books.

知的財産権

両政府はTPP協定の第18章(知的財産)の関連規定のスムースで有効な実施のために必要な措置を取る。

私的複製の例外

著作権保護の範囲について、日本の文化庁の文化審議会の著作権ワーキンググループは私的利用の例外の範囲を研究し、私的利用の例外は違法ソースからの録音及び映像のダウンロードには適用されないのが適当であるという結論を2009年に出した。

日本政府は、私的利用の例外は違法ソースからのその他の著作物のダウンロードにも適用されないべきではないかということに関して著作権ワーキンググループへの諮問を、可能な限り早く、TPP協定が両国に対して発効するときより前に、再開する。このプロセスを促進するため、日米政府はこの点で関連する情報を交換する。

両政府は、漫画、アニメーション、ソフトウェア及び本のような著作物に関することを含め、アジア太平洋領域における知的財産権の保護の強化に向けた仕事を続けることが両国にとって重要であることも認める。

 以前から分かっていたことではあるが、これを読んでも、日本の私的複製の例外の範囲の縮小あるいはダウンロード違法化・犯罪化(刑事罰付加)の範囲の拡大に対するアメリカ政府の並々ならない関心は明らかであり、情報交換と称して今後アメリカ政府から露骨に圧力が掛かるのは目に見えている。

 敢えて言うならTPP協定本文に書かれるよりはマシだったかも知れないが、今までの文化庁の行状を見てもアメリカ政府からの圧力に対して何もせずに済ますということは非常に難しいだろうと思われ(アメリカが日本の著作権法改正事情に通じており、このような形で書簡をまとめていることからも、ダウンロード違法化当時の文化庁の凄まじい法改正理由「諸般の事情」(第39回参照)にはアメリカからの圧力が含まれていたのだろうと想像されるのである)、日本政府は政府として並行交渉でも愚劣極まるコミットメントをしたものであり、私的複製・ダウンロード違法化・犯罪化(刑事罰付加)問題についても今後無傷では済まないのではないかという強い危惧を私は抱いている。

 なお、アメリカが日本の事情に通じていることの証左として、書簡で日本政府の審議会の透明性に関して以下のような注文もつけているので、最後に参考のために一緒に訳出しておく。前に載せるのが概要からの抜粋、後に載せるのが書簡そのものからの抜粋である。日本政府が非常に不透明なやり方で審議会を運営し、自分たちの好きなように規制政策を決定していることはアメリカにもばれているのである。

Transparency

Government-established advisory councils play a critical role in the Japanese regulatory policymaking process. Those advisory councils will be subject to greater transparency requirements, which will make it easier for U.S. firms to participate in the regulatory process and compete on an equal footing with Japanese firms.

透明性

政府設置の審議会が、日本の規制政策決定プロセスにおいて決定的な役割を果たしている。これらの審議会により大きな透明性の要件が課され、このことは、日本の会社と対等の地位で規制プロセスに参加し、競争することをアメリカの会社に容易にするであろう。


TRANSPARENCY

1. Advisory Councils / Committees

The Government of Japan affirms the importance of transparency with respect to the formation and operation of advisory councils and similar groups ("advisory councils") that are established by the Government of Japan to advise or provide recommendations to the Government on the development of regulations and other measures which have an impact on trade and investment between Japan and the United States.

Accordingly, the Government of Japan will ensure that the relevant authorities:
(a) permit interested persons to attend, appear before, or file statements with advisory councils, subject to reasonable rules or regulations, including by providing meaningful opportunities for all interested parties, including foreign parties, to file statements on terms no less favorable than those accorded to its own parties in like circumstances;

(b) provide timely public notice of the formation of advisory councils;

(c) open meetings of advisory councils to the public;

(d) provide timely public notice of each advisory council meeting, such as by posting notifications of meetings on the website of the responsible ministry or agency, so as to ensure that interested persons are notified prior to the meeting date;

(e) make available for public inspection and copying, such as by posting on the website of the responsible ministry or agency, the minutes and other documents made available to the advisory councils;

(f) require detailed minutes of each meeting of the advisory councils to be kept, including a record of the persons present, a complete and accurate description of matters discussed and conclusions reached, and copies of all reports received, issued, or approved by the advisory councils; and

(g) provide interested persons with the opportunity to seek redress in the event of a failure of any of the above mentioned requirements through complaints filed with the secretariats of the advisory councils, which will report to the advisory councils a summary of any comments or complaints received;

with exceptions to these requirements only in the event the relevant authorities determine that a meeting or portion of a meeting needs to be closed to the public for national security or other reasonable grounds (such as protection of information that would otherwise be exempted from disclosure under relevant laws and regulations). In that event, the relevant authorities will be required to make public the reasons for this determination.

Further, the Government of Japan will ensure that any rules enacted for the formation and operation of the advisory councils are made publicly available and are consistent with all general transparency requirements for advisory councils.

透明性

1.審議会/委員会

日本政府は、日米間の貿易及び投資に影響する規制の展開及びその他の措置について日本政府に助言又は提言する、日本政府によって設置された審議会及び類似のグループ(「審議会」)の形成及び運用に関して透明性が重要であることを認める。

したがって、日本政府は関連当局が以下のようにすることを確保する:
(a)外国の関係者も含め、全ての利害関係者に、同様の状況において自国の関係者に与えるものに劣らない期間で意見を提出する意味のある機会を与えることを含め、合理的な規則又は規制に服する審議会に出席するか、参加するか、意見を提出することを利害関係者に認めること;

(b)審議会の形成について時宜を得た形で公的な通知を提供すること;

(c)審議会の会合を公衆に公開すること;

(d)利害を有する者が会合の日よりも前に知らされることが確保されるように、責任を有する省庁のウェブサイトに会合の通知を掲載すること等により、それぞれの審議会の会合について時宜を得た形で公的な通知を提供すること;

(e)責任を有する省庁のウェブサイトに掲載すること等により、議事録及び審議会で入手可能とされたその他の資料を公衆による精査及び複製のために入手可能とすること;

(f)出席者の記録、議論された事項の完全で正確な描写及び到達した結論並びに審議会が受け取ったか、出したか、承認した全ての報告書の複製を含め、審議会の各会合の詳細な議事録の保存を求めること;

(g)上記の要件のいずれかを欠くことがあった場合に、審議会事務局への苦情の提出を通じて、利害関係者に是正を求める機会を提供すること、審議会事務局は受け取ったあらゆるコメント又は苦情の概要を審議会に報告する;

これらの要件の例外は、会合又は会合の一部が国家安全保障又は(関連法規制によって別段開示を除外されている情報の保護のような)その他の合理的な理由によって公衆に閉ざされる必要があると関連当局が決定した場合のみに限られる。この場合、関連当局はこの決定の理由を公にすることを求められる。

さらに、日本政府は、審議会の形成及び運用のために制定されたあらゆる規則が公衆に入手可能とされ、これらが審議会についての一般的なあらゆる透明性の要件と合致することを確保する。

(2015年11月17日夜の追記:11月11日の文化庁の小委員会の配布資料が文化庁のHPにアップされたので、上でHP2としてリンクを追加した。なお、TPP関連の交換文書中には知財関連として戦時加算や地理的表示に関することも書かれているのだが、戦時加算に関しては単なる注意喚起に留まるもので意味はなく、地理的表示に関しては単に保護されるべき酒の名前がリスト化されているだけなので、ここでは省略する。)

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2015年11月 8日 (日)

第352回:TPP協定知財章最終条文(2015年11月版条文から見た今後の日本の法改正事項と条文の部分訳)

 11月5日にニュージーランド政府から公表されたTPP協定知財章の条文(pdf)に対応する日本政府の概要(pdf)法改正検討事項(pdf)の内容がお粗末極まるものなので、ここで、第347回第348回第349回第350回第351回のまとめとして、今まで書いて来たことと変わりはないが、今後の法改正検討事項一覧を以下の通り載せておく。また、ほぼテクニカルな相違に過ぎないが、リーク条文とは条文番号の違い等があるので、合わせて対応する正式公表版の条文の訳も最後にまとめて載せる。

TPP協定関連事項のうち法改正済みのもの

  • 音の商標の導入(第18.18条)
  • 地理的表示保護法の制定(第18.30条〜第18.36条)

今後の法改正検討事項(日本政府コミット済み)

  • 発明の新規性の喪失の例外期間(グレースピリオド)の延長(第18.38条)
  • 手続き遅延を理由とした特許の保護期間延長(第18.46条)
  • 配信音源の2次利用に対する使用料請求権の付与(第18.62条)
  • 著作権保護期間の延長(第18.63条)
  • アクセスコントロール回避行為そのものの犯罪化・刑事罰付加(第18.68条)
  • 著作権侵害における法定賠償制度の導入(第18.74条第6項)
  • 商標権侵害における法定賠償制度の導入(第18.74条第7項)
  • DRM回避規制における法定賠償制度の導入(第18.74条第17項(a)(ⅱ))
  • 著作権侵害の非親告罪化(「権利者が著作物を利用する能力に対する影響がある場合に限定」という条件つき)(第18.77条第6項(g))

条文上義務化はされていないが今後検討が始まる可能性が高い事項

  • 匂いの商標の導入(第18.18条)

 これらの内、著作権関係は文化庁で既に11月4日から検討が始まっているが、残りのグレースピリオドの延長と手続き遅延を理由とした特許の保護期間延長と匂いの商標の導入についてもじきに特許庁で検討が始まるのではないかと思われる。(条文上、それぞれ法定賠償については選択肢として追加の賠償もあり得るが、法定賠償の方向で検討が進む可能性が高いと見て一覧には法定賠償と書いた。また、グレースピリオドの6月から1年への延長は特許の極めてマニアックな話のため、今まで見逃していたが、確かに法改正が必要な点として最初のリーク文書の2013年8月時点から入っていたものである。)

 文化庁のHPに書かれている通り、TPP協定対応を検討する次回の著作権分科会の法制・基本問題小委員会は11月11日に開催されるが、TPP協定を取り巻く国際的な状況はまだまだ曲折が予想される中、文化庁がこれほど検討を急ぐ意味は私にはさっぱり分からない。今までさんざん書いて来ている通り、私は上記の法改正事項の全てに反対しているし、国内で拙速な検討がなされないことを心の底から願っている。

(なお、日本法との関係で問題となりそうな部分はほぼ全て訳出しているつもりだが、必要があればさらに翻訳を追加したいと思っている。またなお、第18.74条の第17項(b)は大きな意味のある条文ではなかったので今まで訳していなかったが、以前のリーク条文からあったものであり、グレースピリオドに関する第18.38条もそうだが、今回念のために初めて訳出したものとしては他に協定の適用に関する第18.10条もある。)

(2015年11月15日夜の追記:これも非常にマニアックな点なので見逃してたのだが、11月4日と11日の文化庁の小委員会の資料(文化庁のHP及びinternet watchの記事参照)を見ていて、配信音源の2次利用に対する使用料請求権の付与が抜けていることに気づいたので、上で項目を増やすとともに、下でも対応する第18.62条に対する翻訳を追加した。)

(以下、2015年11月時点のTPP協定知財章条文の部分訳と原文。内容は今までの翻訳のほぼ繰り返しなので今回は原文の方を後にした。)

第18章 知的財産

セクションA:一般規定

(略)

第18.10条:既存の事項及び以前の行為への本章の適用
第1項
 第18.64条(ベルヌ条約第18条の適用)及びTRIPS協定第14.6条も含め、本章で他のように規定されていない限りにおいて、本章は、加盟国における本協定の発行日において存在し、そこで保護が主張される加盟国の領土内においてその日に保護されていたか、本章の保護のためのクライテリアを満たすか、後に満たすことになった全ての事項に関して義務を発生させる。

第2項 第18.64条(ベルヌ条約第18条の適用)及びTRIPS協定第14.6条において規定されていない限りにおいて、加盟国は、その加盟国における本協定の発行日においてその領土内でパブリックドメインに落ちた事項に対する保護の回復を要求されない。

第3項 本章は、加盟国に対する本協定の発行日以前に生じた行為に関して義務を発生させない。

第18.11条:知的財産権の消尽
本協定のいずれも、その法制下でどのような条件において知的財産権の消尽が適用されるか又は適用されるかどうかを決定することを加盟国に妨げない。(原注:明確化のため、本条が、加盟国が加盟している国際協定における知的財産の消尽を対象とする規定に影響することはない。)

(略)

セクションB:協力

(略)

第18.15条:パブリックドメイン
第1項
 加盟国は、豊かでアクセス可能なパブリックドメインの重要性を認める。

第2項 加盟国は、パブリックドメインに落ちた対象を特定する助けとなる、登録された知的財産権の広くアクセス可能なデータベースのような情報マテリアルの重要性も認める。

第18.16条:伝統的知識の領域における協力
第1項
 加盟国は、伝統的知識が知的財産制度に関係しているとき、知的財産制度及び遺伝資源と結びついた伝統的知識の間の関連性を認める。

第2項 加盟国は、遺伝資源に結びついた伝統的知識及び遺伝資源に関連する事項の理解の強化のため、知的財産について責任を有する各官庁又はその他の関連機関を通じ、協力に努める。

第3項 加盟国は高品質な特許審査の追求に努める、これは以下のことを含み得る:
(a)先行技術の決定において、関連して一般的に利用可能な遺伝資源に結びついた伝統的知識に関係する資料情報が考慮に入れられ得ること;

(b)遺伝資源に結びついた伝統的知識に関係する先行技術の開示を含め、権限を有する審査当局に特許性に関わり得る先行技術の開示を書面で引用する第三者のための機会;

(c)適用可能で適切な場合に、遺伝資源と結びついた伝統的知識を含むデータベース又は電子図書館の利用;及び

(d)遺伝資源と結びついた伝統的知識に関係する特許出願の審査を行う特許審査官の訓練における協力。

(略)

セクションC:商標

第18.18条:商標として登録可能な標章のタイプ
どの加盟国も、登録の条件として、標章が視覚的に知覚可能であることを要求してはならず、加盟国は、音から構成される標章であることのみを理由として商標の登録を拒絶できない。追加的に、加盟国は匂いの商標を登録するため最大限の努力をしなければならない。加盟国は、商標について、適用可能なものとして、簡潔で正確な説明若しくは画像表示又はその両方を要求できる。

第18.19条:団体及び証明マーク
加盟国は、商標が団体及び証明マークを含むことを規定しなければならない。その様なマークが保護される限り、加盟国は、その国内法において証明マークを別カテゴリーのものとして扱うことを義務とされない。加盟国は、地理的表示となり得る標章を商標法制において保護可能とすることも規定しなければならない。(原注:第18.1条(定義)の定義に合致するあらゆる標章又は標章の組み合わせが地理的表示を保護する法的手段の1つ若しくは複数又はそのような手段の組み合わせの下で保護され得るものとしなければならない。)

(略)

セクションD:国名

(略)

セクションE:地理的表示

第18.30条:地理的表示の保護
加盟国は、地理的表示が商標若しくは独自法制又はその他の法的手段によって保護され得ることを認める。

(略)

セクションF:特許及び非開示テスト又はその他のデータ

サブセクションA:特許一般

第18.37条:特許の対象
第1項
 第3項及び第4項に従い、加盟国は、その発明が新規で、進歩性を含み、産業上の利用可能性がある限り、全技術分野において、物か方法かのあらゆる発明を特許され得るものとしなければならない。(原注:本セクションの目的のため、加盟国は「進歩性」及び「産業上利用可能」はそれぞれ「非自明」及び「有用」の同義語であるとみなし得る。進歩性(又は非自明性)に関する決定において、加盟国は、クレームされた発明が先行技術文献から見て当業者にとって自明かどうかを検討しなければならない。)

第2項 第3項及び第4項に従い、第1項に合致する形で、加盟国は、以下の発明の内少なくとも1つを特許の対象とすることを確認する:既知の物の新規利用、既知の物の新規利用方法又は既知の物を利用する新規プロセス。加盟国は、物の利用自体でないものにそのようなプロセスを限定できる。

第3項 加盟国は、そのような除外が、単にその利用がその国内法によって禁じられていることのみによってなされているのでない場合に限り、人、動物又は植物の生命又は健康を守るか自然又は環境に対する深刻な悪影響を避けることも含め、公序良俗を守るために必要なものの商業利用のその領土内における抑止を特許可能な発明から除外できる。加盟国は、以下を特許の対象から除外することもできる:
(a)人間又は動物の処置のための診断、治療及び手術方法;

(b)微生物以外の動物及び非生物的かつ微生物学的な複製プロセス以外の必然的に生物学的な動植物複製プロセス。

第4項 加盟国は微生物以外の植物も特許の対象から除外できる。しかしながら、第1項に合致する形で、第3項に従い、加盟国は、植物から派生する発明を少なくとも特許の対象とすることを確認する。

第18.38条:グレースピリオド
加盟国は、その公開が以下を満たす場合に、発明が新規かどうか又は進歩性を有するかどうかを決定するのに使われる公開に含まれる情報を少なくとも無視しなければならない:(原注:間違えて公開されたのでないか、その出願が発明者又はその権利承継者の同意なく発明者から直接的に又は間接的に情報を得た物によってなされたものでない限り、加盟国は、特許庁によって公衆に入手可能とされたか、公開された知的財産の出願又は登録に含まれる情報を無視することを要求されない。)(原注:明確化のため、加盟国は、本条の適用を発明者又は共同発明者によってなされたか、直接的に又は間接的に得たかによる開示に制限できる。明確化のため、加盟国は、本条の目的のため、特許出願人から直接的に又は間接的に得た情報は特許出願人によって許諾されたか、特許出願人に由来する公開に含まれる情報であり得ると規定できる。)
(a)その公開が特許州出願人か、特許出願人から直接的に又は間接的にその情報を得た者によってなされたものであり;かつ

(b)その加盟国の領土内における出願日より前の12月以内に生じた場合。

(略)

第18.46条:特許庁の遅延のための特許保護期間の調整
第1項
 加盟国は、不合理又は不必要な遅延を避けるべく効果的かつ時宜を得たやり方で特許の出願を処理するために最大の努力を払わなければならない。

第2項 加盟国は、その特許出願の審査の迅速化を求める特許出願のための手続きを規定しなければならない。

第3項 加盟国における特許発行において不合理な遅延がある場合、その加盟国は、そのための手段を規定し、特許権者の申請により、そのような遅延を補償するための特許の保護期間を調整しなければならない。(原注:付属18-D(訳注:ペルーに対する付属文書)が本項に適用される。)

第4項 本条の目的のため、不合理な遅延は少なくとも加盟国の領土内における提出の日から5年以上の特許の発行か、審査請求をされてから3年の内いずれか遅い方を含まなければならない。加盟国は、そのような遅延の決定において特許付与当局によるその特許出願の処理(原注:本項の目的のため、加盟国は、「処理」は初期の行政処理及び特許付与時の行政処理を意味すると解釈できる。)又は審査の間に生じたものでない期間;特許付与当局に直接的に起因しない期間(原注:加盟国は、「特許付与当局に直接的に起因しない期間」を特許付与当局の指揮又は管理外の遅延として扱うことができる。);並びに特許出願人に起因する期間を除外できる。(原注:第18.10条(既存の事項及び以前の行為に関する本章の適用)にかかわらず、本条は、本協定の加盟国における発効の日又は協定の署名後2年の日の内その加盟国にとっていずれか遅い日以降に提出された全ての特許出願に適用される。)

サブセクションB:農薬に関する措置

(略)

サブセクションC:医薬品に関する措置

第18.48条:不合理な短縮のための特許保護期間の調整
第1項
 加盟国は、不合理又は不必要な遅延を避けるべく効果的かつ時宜を得たやり方で販売認可の申請を処理するために最大の努力を払わなければならない。

第2項 特許の対象となっている医薬品(原注:加盟国は、本項の義務に医薬品に関してか、その代わりに医薬物質に関して合致することができる。)に関して、販売認可手続きの結果としての有効な特許期間の不合理な短縮を特許権者に補償する調整(原注:明確化のため、加盟国は、販売認可手続きの結果としての不合理な短縮の補償について追加の独自保護の期間を代わりに利用可能とすることもできる。この独自保護は第3項に定められたあらゆる条件及び制限に服しつつ、特許によって付与される権利を与えなければならない。)を利用可能としなければならない。(原注:第18.10条(既存の事項及び以前の行為への本章の適用)にかかわらず、本条はその加盟国における本項の発効日以降に申請された販売認可申請にのみ適用される。)(原注:付属18−Dが本号に適用される。)

第3項 明確化のため、本条の義務を実施するにあたり、その加盟国が本条に効力を与え続ける限り、加盟国は条件と制限を規定できる。

第4項 有効な特許保護期間の不合理な短縮を避ける目的で、加盟国は販売認可申請の審査を迅速化する手続きを採用又は維持できる。

(略)

第18.50条:非開示テスト又はその他のデータの保護(原注:付属18−B及び付属18−C(訳注:それぞれチリ及びマレーシアに対する付属文書)が本条に適用される。)
第1項(a)新しい医薬品のための販売認可の条件として、医薬品の安全性及び有効性に関する非開示テスト又はその他のデータの提出を要求する場合(原注:各加盟国は、本条及び第18.52条(バイオ医薬)の義務は(a)医薬品の安全性のみ、(b)医薬品の有効性のみ又は(c)その両方に関する非開示テスト又はその他のデータの提出を求める場合に適用されることを確認する。)、加盟国は、加盟国の領土内におけるその新しい医薬品の販売認可の日から少なくとも5年間(原注:明確化のため、加盟国は、第1項の保護期間を5年に、第18.52条第1項(a)(バイオ医薬)の保護期間を8年に制限できる。)は、そのような情報を以前に提出した者の同意なく、以下のものに基づいて第三者に同じ又は類似の(原注:明確化のため、本セクションの目的のため、その類似する医薬品の販売認可が、以前に認可された医薬品の安全性若しくは有効性に関する情報又は以前に認可された医薬品の以前の認可に基づく場合、医薬品は以前に認可された医薬品に「類似」する。)医薬品を販売することを認めてはならない:
(ⅰ)その情報;又は
(ⅱ)
そのような情報を提出した者への販売認可。

(b)新しい医薬品のための販売認可の条件として、他国における以前の販売認可の証拠の提出を許可する場合、加盟国は、加盟国の領土内における新しい医薬品の販売認可の日から少なくとも5年間は、安全性又は有効性に関するそのような情報を以前に提出した者の同意なく、その他国における以前の認可に関する証拠に基いて第三者に同じ又は類似の医薬品を販売することを認めてはならない。(原注:付属18−Dが本号に適用される。)

第2項 加盟国は以下のことをしなければならない:(原注:第1項に従い、8年以上の保護の期間を規定する加盟国が、第2項の適用を求められることはない。)
(a)第1項を、新しい適応症、新しい製剤又は新しい処方をカバーする、以前に認可された医薬品の販売認可の補強として要求され、提出された新しい臨床情報に関して少なくとも3年の期間準用すること;又はその代わりに、

(b)第1項を、その加盟国において以前に認可されていない化学成分を含む新しい医薬品に対して少なくとも5年の期間準用すること。(原注:第18.50条第2項(b)の目的のため、加盟国は、以前に認可されていない化学成分に関する安全性及び有効性に関係する非開示テスト又はその他のデータのみを保護することを選択できる。)

第3項 第1項及び第2項並びに第18.52条(バイオ医薬)にかかわらず、加盟国は以下のものに合致する形で公衆衛生を保護する措置を取ることができる:
(a)TRIPS協定及び公衆衛生に関する宣言(WT/MIN(01)/DEC2)(「宣言」);

(b)加盟国間で発行している宣言の実施についてのWTO協定に合致する形でWTO参加国によって認められたTRIPS協定の規定免除;及び

(c)加盟国に対して発効している宣言の実施についてのTRIPS協定の改正。

第18.51条:ある医薬品の販売に関する措置
第1項
 医薬品の販売認可の条件として、他国における以前の販売認可の証拠のような、以前に認可された製品のための安全性又は有効性に関する情報又は証拠に依拠することを、安全性又は有効性情報を元々提出した者以外の他の者に要求又は許可する場合には、加盟国は以下を規定しなければならない:
(a)認可医薬品又はその認可利用方法を対象とする特許の保護期間の間にそのような他の者が販売しようとするそのような医薬品の販売より前に特許権者(原注:明確化のため、本条の目的のため、加盟国は、「特許権者」が特許ライセンシー又は販売認可の許諾権者を含むことを規定できる。)に通知を送るか、特許権者に通知されることを許可する法制;

(b)侵害の疑いがある医薬品の販売(原注:加盟国は、「販売」を、第1項(b)の目的のため、加盟国は、加盟国によって運用され、付属26−A(医薬品及び医療機器についての透明性及び手続きの公平性)のスケジュールに記入された国内医療プログラムに従う医薬品の償還の目的のためのリスト化の時に始まると扱うことができる。)より前に、(c)の利用可能な救済措置を特許権者が求めるための適切な時間と機会;及び

(c)仮差止め又は同等の有効な仮の措置のような、認可医薬品又はその認可利用方法を対象とする特許の有効性又は侵害に関する争いの時宜を得た解決を可能とする司法又は行政等の手続き及び迅速な救済措置。

第2項 第1項の代替としては、加盟国は代わりに、特許権者又は販売認可申請者が販売認可当局に提出する特許に関する情報に基づき、又は販売認可当局及び特許庁間の直接協力に基づき、特許権者の同意又は承諾がない限り、その医薬品を対象とする特許に服する医薬品の販売を求める第三者への販売認可を排除する司法外の法制を採用又は維持しなければならない。

第18.52条:バイオ医薬(原注:付属18−B、付属18−C及び付属18−Dが本条に適用される。)
第1項 新しいバイオ医薬の保護に関して、加盟国は以下のいずれかをしなければならない:
(a)バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の加盟国における最初の販売認可に関して(原注:加盟国が、本項の保護を、(a)そのような医薬品の第二の若しくは後の販売認可、又は(b)以前に認可されたバイオ医薬であるか、以前に認可されたバイオ医薬を含む医薬にまで拡張をすることを求められることはない。)、(原注:医薬品の同じクラスにおけるその他の医薬品が本協定の発効前に第18.50条第1項(a)及び第18.50条第1項(b)(非開示データ又はその他のデータの保護)に規定された手続きの下で加盟国により認可された場合に、加盟国は、申請人は、第18.50条第1項(a)及び第18.50条第1項(b)に規定された手続きの下でのバイオ医薬である医薬の販売認可を本協定の発効後5年以内に求めることができると規定できる。)、加盟国におけるその医薬品の最初の販売認可から少なくとも8年の期間の第18.50条第1項(非開示データ又はその他のデータの保護)及び第18.50条第3項の準用実施により有効な市場保護を与えること;又はその代わりに、

(b)バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の加盟国における最初の販売認可に関して、市場において同等の結果を出すべく、以下により、有効な市場保護を与えること:
(ⅰ)加盟国におけるその医薬品の最初の販売認可から少なくとも5年の期間の第18.50条第1項(非開示データ又はその他のデータの保護)及び第18.50条第3項の準用実施により、
(ⅱ)その他の措置により、そして
(ⅲ)市場環境も有効な市場保護に寄与することを認めることにより。

第2項 本セクションの目的のため、加盟国は、本規定を、少なくとも、病気又は疾患の予防、治療又は治癒のために人に用いられる、バイオ技術プロセスを使って製造されたたんぱく質であるか、バイオ技術プロセスを使って製造されたたんぱく質を含む医薬品に適用しなければならない。

第3項 バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の国際及び国内規制は初期段階であり、市場環境は時を経るにつれて発展することを認識し、加盟国は、後のバイオ後続品の時宜を得た入手を容易にする観点、並びに、適用の範囲が、バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の追加のカテゴリーの認可に関する国際的発展と合致し続けることを確保する観点から、第1項に規定された排他期間及び第2項に規定された適用の範囲の見直しを10年後又はTPP委員会によって別に決められた通りに検討する。

(略)

セクションG:工業意匠

(略)

セクションH:著作権及び著作隣接権

(略)

第18.58条:複製権
加盟国は、著作者、実演家及び録音製作者(原注:「著作者、実演家及び録音製作者」という記載は、その利益承継者も指し示すものである。)に、電子形式も含むあらゆる形式におけるその著作物、実演及び録音の全ての複製を許諾又は禁止する権利を与えなければならない(原注:明確化のため、加盟国は、それがある物質的な形式に固定されない限り、著作物一般又は著作物、実演又は録音の特定のカテゴリーが著作権又は著作隣接権の保護を受けられないことを規定するのは各国法の事項であると理解する。)。

(略)

第18.62条:著作隣接権
第1項
 加盟国は、実演家及び録音製作者に関して本章で規定されている権利を以下の通り付与しなければならない:他の加盟国の国民(原注:本項における適格性のための条件を決定する目的のため、加盟国は、実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約条約(WPPT)の第3条の適格性の条件を満たす者を「国民」と扱うことができる。)である実演家及び録音製作者に;他の加盟国の領土内において最初に公開又は最初に固定(原注:本項の目的のため、固定はマスターテープ又はその同等物の最終化を意味する。)された実演及び録音について。(明確化のため、本項において加盟国の領土内で最初に公開又は最初に固定された実演又は録音に関して、加盟国は、公開の基準又は代わりに固定の基準若しくはその両方を適用することができる。明確化のため、第18.8条(内国民待遇)に合致する形で、加盟国は、他の加盟国で最初に公開又は最初に固定された実演又は録音にその自国の領土内で最初に公開又は最初に固定された実演又は録音に付与しするものに劣らない扱いを付与しなければならない。)その最初の公開から30日以内にその加盟国の領土内において公開されれば、実演又は録音はその加盟国の領土内において最初に公開されたと考えられなくてはならない。

第2項 加盟国は、以下を許諾又は禁止する排他権を実演家に与えなければならない:
(a)その実演が既に放送された実演でない限りにおいて、その固定されていない実演の放送及び公衆送信;及び

(b)その固定されていない実演の固定。

第3項(a)加盟国は、有線又は無線によるその実演又は録音の放送又は公衆送信、(原注:放送及び公衆送信に関して、加盟国は、第18.8条(内国民待遇)の下での加盟国の義務と合致するやり方でなされる限り、WPPTの第15条第1項及び第15項第4項(訳注:これらは報酬請求権に関する条項)を適用することで、義務を満たすことができる。)、(原注:明確化のため、本項の義務は、映画又は他の映像の著作物に組み入れられた音又は音の表現の有線又は無線による放送又は公衆送信を含まない。)、及び公衆の各人が個々に選んだ場所及び時にアクセスできるような形のその実演又は録音の公衆送信可能化を許諾又は禁止する排他権を実演家及び録音製作者に与えなければならない。

(b)(a)号及び第18.65条(制限及び例外)にかかわらず、(a)号に記載された権利のアナログ伝送及び非インタラクティブで無料の無線放送並びにこれらの活動に対するこの権利への例外又は制限は各国の国内法事項である。(原注:本号の目的のため、加盟国は、その再伝送が加盟国の政府の通信当局によって適法に認められている限り、非インタラクティブで無料の無線放送の再伝送について規定できる。この再伝送に従事する主体はその当局の関連規則、命令又は規制に合致する。そして、この再伝送はインターネット上での伝送及びアクセスによるものを含まない。明確化のため、本注は、本項を自身利用する加盟国の能力を制限しない。)

第18.63条:著作権及び著作隣接権の保護期間
各国は著作物、実演又は録音の保護期間を以下の通り算定するよう規定しなければならない:(原注:明確化のため、加盟国が、本条を実施するにあたり、第18.65条(制限及び例外)(訳注:3ステップテストをそのまま規定している条項)及びその加盟国の国際的義務に合致する形で、その保護期間中における著作物、実演又は録音の正当な利活用のための明確化を推進することを妨げられることはない。)
(a)自然人の生死に基づく場合、保護期間は著作者が生きている期間を下回らず、死後70年とし(原注:ある加盟国がその国民に著作者の人生プラス70年を超える保護期間を付与している場合、本条又は第18.8条(内国民待遇)のいずれによっても、本号の保護期間を超える期間に関してベルヌ条約の第7条第8項を他の加盟国の著作物に適用することを排除されることはないと加盟国は理解する。);そして、

(b)自然人の生死に基づかない場合、保護期間は、
(ⅰ)著作物、実演又は録音の許諾を受けた最初の公開(原注:明確化のため、(b)の目的のため、加盟国の国内法が、許諾を受けた最初の公開からより固定から保護期間を算定している場合、その加盟国は固定からの保護期間の算定を続けることができる。)から70年とするか、
(ⅱ)著作物、実演又は録音の創作から25年そのような許諾を受けた公開がないとき、著作物、実演又は録音の創作の暦年の終わりから70年を下回らないものとする(原注:明確化のため、加盟国が本条の下で求められる保護に対応する数値の保護期間を実施している限り、加盟国は、無名若しくは変名の著作物又は共同著作物の保護期間をベルヌ条約の第7条第3項又は第7条の2に沿う形で算定できる。)。

(略)

第18.68条:技術的保護手段(原注:本協定の何によっても、加盟国は、映画フィルムの合法的複製の市場分割をコントロールすることのみを目的とした技術的手段を有効化しない、他に法を侵害しない装置の輸入又は国内販売を制限することを要求されない。)
第1項 著作者、実演家及び録音製作者がその権利の行使に関連して利用し、その著作物、実演及び録音に関して不正利用を制限する有効な技術的手段の回避に対して適切な法的保護及び有効な法的救済措置を規定するため、加盟国は、以下を満たす者は責任を有し、第18.74条(民事及び行政手続き及び救済措置)で定められる救済措置の対象となることを規定しなければならない:
(a)保護を受ける著作物、実演、録音へのアクセスをコントロールするあらゆる有効な技術的手段の情を知っての、又はそうと知る合理的な理由があるときの(原注:本号の目的のため、加盟国は、侵害の疑いのある行為を取り巻く事実及び状況を考慮に入れ、そうと知る合理的な理由は合理的な証拠により示されると規定することができる。)権限のない回避;(原注:明確化のため、加盟国は、保護を受ける著作物、実演又は録音における著作権又は著作隣接権の排他的権利を保護するが、そのような著作物、実演又は録音へのアクセスをコントロールしない有効な技術的手段を回避する者に本号の民事又は刑事責任を課すことを求められない。)又は

(b)以下の装置、製品若しくはコンポーネントの製造、輸入、頒布(原注:加盟国は、製造、輸入及び頒布に関し、本号に記載された義務は、そのような活動が販売又は貸与のためになされる場合か、著作権者に不利な影響を及ぼす場合においてのみ適用されると規定できる。)、販売若しくは貸与のための公衆への提供の申し出、提供又は以下のサービスの公衆への提供の申し出、提供:
(ⅰ)何らかの有効な技術的手段の回避を目的としてその者(原注:この規定は、その者が第三者のサービスを通じて宣伝し、広告し、又は売り出す場合にも適用されると理解される。)によって宣伝されるか、広告されるか又は売り出されるか;
(ⅱ)何らかの有効な技術的手段の回避以外には制限された商業的に重要な目的又は利用しかもたないか;(原注:加盟国は、本号に記載された行動が何らかの有効な技術的手段の回避以外には制限された商業的に重要な目的又は利用をもたないとき、本項に合致し得る。)又は
(ⅲ)何らかの有効な技術的手段の回避を主たる目的として設計、生産又は実施されている物又はサービス。

加盟国は、ある者が故意に(原注:本条及び第18.69条(権利管理情報)の目的のため、故意性は知っているという要素を含むと理解される。)及び商業的利益又は経済的利益(原注:明確化のため、本条、第18.69条(権利管理情報)及び第18.77条第1項(刑事手続き及び罰)の目的のため、加盟国は、その国内法において「経済的利益」を「商業的目的」と取り扱うことができると理解される。)を目的として上のいずれかの活動に従事したとされた場合に適用される刑事手続き及び罰を規定しなければならない。(原注:明確化の目的のため、どの加盟国も、その加盟国によってか、その加盟国の認可又は同意とともに活動する第三者によってなされた行為について本条及び第18.69条(権利管理情報)の責任を課すことは求められない。 )

加盟国は、そのような刑事手続き及び罰が非営利の図書館、文書館、教育機関又は非商業放送主体に適用されないとすることができる。加盟国は、そのような行動が禁止されていることを知らず、上の活動が誠実に実行される限り、第18.74条(民事及び行政手続き及び救済措置)に定められた救済措置がこれらの主体に適用されないとすることも規定できる。

第2項 第1項を実施するにあたり、加盟国は、その製品が第1項の実施措置を他の形で侵害しない限り、家電、通信又はコンピュータ製品の設計又はそのコンポーネント及び部品の設計及び選択があらゆる特定の技術的手段への反応を与えることを求められることを義務とされない。

第3項 加盟国は、本項の実施措置の侵害は著作権および著作隣接権に関する加盟国の国内法上で発生する侵害とは独立であることを規定しなければならない。(原注:明確化のため、加盟国がそのような行為を他の方法により刑事罰化している場合、その加盟国は第1項(a)に定められた回避行為を独立の侵害として扱うことを要求されない。)

第4項 第1項を実施する措置に関して:
(a)加盟国は、その加盟国の国内法の下で受益者が著作権及び著作隣接権の制限及び例外を享受できるようにするために権利者によって適切かつ有効な措置が取られていたかどうかも含め、その手続において提供されたときの証拠を十分に考慮しつつ、その加盟国の国内法に沿い、その加盟国の法律、規則又は行政手続きを通じて決定される、非侵害利用に対しこれらの手段から実際の又はあり得る不利な影響がある場合の非侵害利用を可能とするために第1項(a)及び第1項(b)を実施する措置へのある例外及び制限を規定できる;(原注:明確化のため、この規定の何によっても、(ⅰ)加盟国間の効力を有する協定により以前から確立されている有効な技術的手段の法的保護;又は(ⅱ)そうでなくともそのような例外及び制限が本項に合致している限り、以前からその加盟国によって実施されている有効な技術的手段の法的保護への例外及び制限に関して法律、規則又は行政手続きを通じて新たな決定をすることを加盟国が求められることはない。)

(b)第1項(b)を実施する措置への例外及び制限は、目的とする受益者による本条の下で許され得る例外又は制限の正当な利用を可能とするためにのみ許されなければならず(原注:明確化のため、加盟国は、第1項(b)への例外が本号に規定されている第1項(b)への例外の範囲内である正当な利用を可能とすることに限られている限り、対応する第1項(b)への例外を規定することなく第1項(b)への例外を規定できる。)、そして、そのような目的とする受益者を超えて装置、製品、コンポーネント又はサービスを利用可能とすることを認めてはならない;(原注:第4項(b)のみの解釈の目的のため、第1項(a)は第5項で定義される通りの全ての有効な技術的手段に適用されると準用して読まれなければならない。)そして、

(c)第4項(a)及び第4項(b)の例外及び制限を規定するにあたり、加盟国は、本章で規定される通り、著作者、実演家又は録音製作者がその権利の行使と関連して用いられているか、その著作物、実演又は録音に関する不正行為を制限する有効な技術的手段の保護のための法制の適切性又はそのような手段の回避に対する法的救済措置の有効性を揺るがしてはならない。

第5項 有効な技術的手段とは、その通常の作用において保護を受ける著作物、実演又は録音へのアクセスをコントロールするか、著作物、実演又は録音に関する著作権又は著作隣接権を保護するあらゆる有効な(原注:明確化のため、通常の場合において偶然に回避され得る技術的手段は「有効な」技術的手段ではないと理解される。)技術、装置又はコンポーネントを意味する。

(略)

セクションI:エンフォースメント

(略)

第18.74条:民事及び行政的手続き及び救済措置
(略)
第6項 民事訴訟手続きにおいて、著作物、録音及び実演を保護する著作権又は著作隣接権の保護に関して、加盟国は以下の1つ以上を規定する制度を確立するか、維持しなければならない:
(a)権利者に選択可能なものとされるあらかじめ定められた賠償;又は

(b)追加の賠償(原注:明確化のため、追加の賠償とは警告的な又は懲罰的な賠償を含み得る。)。

第7項 民事訴訟手続きにおいて、商標権侵害に関して、加盟国は以下の一つ以上を規定する制度を確立するか、維持しなければならない:
(a)権利者に選択可能なものとされるあらかじめ定められた賠償;又は

(b)追加の賠償(原注:明確化のため、追加の賠償とは警告的な又は懲罰的な賠償を含み得る。)。

第8項 第6項及び第7項のあらかじめ定められた賠償は、将来の侵害を防ぐ目的も含め、侵害から発生した損害に対し権利者を十分に補償するであろう額として設定されなければならない。

第9項 第6項及び第7項の追加の賠償を認めるに当たっては、司法当局は、侵害行為の性質及び将来における類似の侵害を防ぐ必要性等のあらゆる関係事項を考慮に入れ、適切なものと考える、そのような追加の賠償を認める権限を有する。

(略)

第17項 第18.68条(技術的保護手段)及び第18.69条(権利管理情報)に書かれた行為に関する民事手続きにおいて:
(a)加盟国は、少なくともその司法当局が以下の権限を有することを規定しなければならない(原注:明確化のため、加盟国は、そのような救済措置がその著作権法において利用可能であれば、第18.68条(技術的保護手段)及び第18.69条(権利管理情報)に関する救済措置を別々の救済措置として整備することもできるが、そのようにすることを求められることはない。):
(ⅰ)禁止された活動に関与すると疑われる装置及び製品の没収又は他の保全を含め、仮の措置を課すこと;
(ⅱ)本条に沿ってその制度において規定される通り、著作権侵害に対して利用可能な型の損害賠償を命じること;(原注:加盟国の著作権制度があらかじめ定められた賠償と追加の賠償の両方を規定している場合に、加盟国は、賠償のこれらの形式の1つのみを規定することでこの項の要件に合致することができる。)
(ⅲ)第10項(訳注:敗訴者負担に関する条項)に規定される通り、裁判所の費用、料金又は出費を命じること;及び
(ⅳ)禁止された活動に関係するとされた装置及び製品の破壊を命じること。

(b)加盟国は、それがそのような行動が禁止されていることを知らないか、そう考える理由がないという証明の責任を負うならば、損害賠償が非営利の図書館、文書館、教育機関又は非商業放送主体に対して適用されないとすることができる。

(略)

第18.77条:刑事手続き及び罰
第1項
 加盟国は、少なくとも商業的な規模での故意の商標権侵害又は著作権侵害の場合に対して刑事手続き及び刑事罰を規定しなければならない。故意の著作権又は著作隣接権侵害に関して、「商業的規模の」とは少なくとも以下を含む:
(a)商業的利益か経済的利益のために行われた行為;そして

(b)商業的利益か経済的利益のために行われたのではないが、市場との関係で著作権者又は著作隣接権者の利益に対して実質的に不利な影響を有する重大な行為(原注:加盟国は、その国内法において、そのような重大な行為を、保護を受ける著作物、実演又は録音の不正利用として、刑事手続き及び罰の対象とすることにより、(b)に合致することができると理解される。)(原注:加盟国は、どのような行為が市場との関係で著作権者又は著作隣接権者の利益に対して実質的に不利な影響を有するかを決定するにあたり、侵害品の量及び価値を考慮に入れることができることを規定できる。)。

(略)

第6項 上記の第QQ.H.7条第1項から第5項に書かれた侵害に関して、加盟国は以下のことを規定しなければならない:
(略)
(g)権限を有する当局は、民間の関係者や権利者の形式的な告訴を必要とせず、自発的に法的行動を起こせる(原注:第1項(商業的規模)によって規定される著作権及び著作隣接権侵害に関して、加盟国は本項の適用を市場において権利者が著作物を利用する能力に対する影響がある場合に限定できる。)。

(略)

セクションJ:インターネットサービスプロバイダー(原注:付録18−Fが本セクションに適用される。)

第18.81条:定義
著作権という用語は著作隣接権を含む;そして

インターネットサービスプロバイダーは次のものを意味する:
(a)第18.82条第2項(a)(法的な救済措置及びセーフハーバー)の機能を引き受け、利用者によって特定される点の間又はその中での、利用者の選択によるマテリアルの伝達、ルーティング又はデジタルオンラインコミュニケーションの接続のためのオンラインサービスを提供する者;又は

(b)第18.82条第2項(c)若しくは(d)(法的な救済措置及びセーフハーバー)の機能を引き受け、オンラインサービスを提供する者。

明確化のため、「インターネットサービスプロバイダー」は、自動化された過程を通じて実行されるキャッシングを行う、上で列挙されたサービスの提供者を含む。

第18.82条:法的な救済措置及びセーフハーバー(原注:付録18−Eが第18.82条第3項及び第18.82条第4項(法的な救済措置及びセーフハーバー)に適用される。)
第1項 加盟国は、TRIPS協定の第41条と整合する形で、合法なオンラインサービスの継続的な開発を助成することの重要性を認め、オンライン環境における本章でカバーされる著作権侵害に対して権利者による有効な行動を可能とする行使手続きを規定する。すなわち、各加盟国は、法的救済措置をこのような侵害に対し権利者に利用可能とすることを確保しなければならず、仲介者として行動するインターネットサービスプロバイダーのための適切なセーフハーバーを確立又は維持しなければならない。この法的な救済措置及びセーフハーバーの枠組みは以下を含む:
(a)著作物の不正な蓄積及び伝達を抑止することにおいて著作権者と協力するか、その代わりに、著作物の不正な蓄積又は送信を抑止する行動を取るためのインターネットサービスプロバイダーのための法的なインセンティブ(原注:明確化のため、加盟国は、「法的なインセンティブ」は各加盟国の法制の下で異なる形式を取り得ることを認める。);及び

(b)それが管理も、開始も、指示もしていないが、それかその代理によって管理されるか、運用されるシステム又はネットワークを通じて発生する著作権侵害についての、インターネットサービスプロバイダーに対する金銭的救済措置を除外する効果を持つその国内法における制限。(原注:加盟国が、その国際的な法的義務と整合する形で、特定の行為が著作権侵害を構成しないと決定する限り、この行為との関係で制限を規定する義務はないと理解される。)

第2項 第1項(b)に書かれた制限は以下の機能をカバーするものでなければならない:
(a)その内容を改変せずに行われる(原注:このような改変は、パケットへの分割のような、技術的な過程の一部又は技術的な理由のみのために行われる改変を含まない。)、マテリアルの伝達、ルーティング又は接続の提供若しくはそのような技術的な過程におけるそのようなマテリアルの仲介及び一時的蓄積;

(b)自動化された過程を通じて実行されるキャッシング;

(c)サービスプロバイダーによって管理されるか運用されるシステム又はネットワークにおける利用者の指示に基づくマテリアルの蓄積(原注:明確化のため、加盟国は「蓄積」を「ホスティング」と解釈できる。);(原注:明確化のため、このマテリアルの蓄積はインターネットサービスプロバイダーのサーバーに蓄積される電子メール及びその添付並びにインターネットサービスプロバイダーのサーバーに存在するウェブページを含み得る。)及び

(d)ハイパーリンク及びディレクトリー等の情報ロケーションツールを使った利用者へのオンラインのロケーションの参照又はリンク。

第3項 侵害に対する有効な行為を促進するため、各加盟国は、第1項(b)に記載された制限のためにインターネットサービスプロバイダーが満たすべき条件を法律に規定するか、その代わりに、第1項(b)に記載された制限についてインターネットサービスプロバイダーが欠格とされる状況を法律に規定しなければならない:(原注:加盟国は、次の枠組みを維持することにより、第3項の義務に合致していると言える:(a)政府の関与とともに確立された、オンラインサービスプロバイダー及び権利者の両方の代表を含む、利害関係者の機関があること;(b)そのような利害関係者の機関が、そのように確かめられるべき通知を関係するインターネットサービスプロバイダーに回送する前に、通知が誤解又は誤った特定によるものでないことを確認することにより、著作権侵害の疑いの通知のそれぞれの有効性を遅滞なく確かめる、利害関係者の機関によって認証された主体のための、効果的で、有効で、速やかな手続きを開発し、維持すること;そして(c)そのようなインターネットサービスプロバイダーが、確かめられた通知を受け取ったことに基づき速やかに特定されたマテリアルを削除するか、そのアクセスを不可能化することが求められることを含め、第1項(b)に記載された制限を認められるためにインターネットサービスプロバイダーが守るべき適切なガイドラインがあり;そして、そのようなガイドラインに沿って誠実にそうした事によって責任を免除され;(d)インターネットサービスプロバイダーが実際の侵害を知るか、そこから侵害が明白である事実の状況に気づいた場合の責任を規定する適切な措置が取られていること。)(原注:第3及び4項の義務をなお実施しなければならない加盟国は、有効かつその加盟国の既存の憲法の規定と合致するやり方でそうすると加盟国は理解する。その目的のため、第3及び4項に規定された手続きの適時性を損なわないような政府のための適切な役割を確立することができる。)
(a)第2項(c)及び第2項(d)に記載された機能に関して、そのような条件は、権利者又はその代理として行動する権限を有する者から侵害の通知(原注:明確化のため、このような通知は、加盟国の国内法の下で規定され得ることとして、権利者を代理する者によって物理的に又は電子的に署名された書面の通知によるもので、(a)侵害されている疑いのある著作物、実演又は録音、侵害している疑いのあるマテリアル及び侵害の疑いのあるオンラインの場所をインターネットサービスプロバイダーが特定するのに合理的に十分であり;かつ(b)この通知を送付した者の権限に関する信頼性について十分な教示のある情報を含んでいなければならない。)を受け取ったこと等を通じ、侵害を実際に知ったか、侵害が明白である事実の状況に気づいたことに基づき、インターネットサービスプロバイダーが、そのネットワーク又はシステムに存在するマテリアルをマテリアルを迅速に削除するか、そのアクセスを不可能化するという要件を含まなければならず、

(b)(a)の下で、誠実にマテリアルを削除するか、アクセスを不可能化するオンラインサービスプロバイダーは、そのマテリアルを削除されるか、不可能化される者に前もってか即座に通知する合理的な段階を踏む限り、そうしたことに対する責任を免除される。(原注:第2項(b)の機能に関して、加盟国は、侵害マテリアルの削除又はアクセスの不可能化に関する第3項の要件を、キャッシュされたマテリアルが元のサイトにおいて削除されたか、そのアクセスが不可能化されたことに気づいたか、そう通知を受け取った状況に限定することができる。)

第4項 カウンターの通知についての制度が加盟国の国内法において規定されている場合、そして、第3項に従い、マテリアルが削除されるか、そのアクセスが不可能化された場合に、加盟国は、元の通知を出した者が合理的な期間内に司法救済を求めない限り、インターネットサービスプロバイダーにカウンターの通知の対象となったマテリアルを復元することを求めなければならない。

第5項 加盟国は、誤解に依拠してサービスプロバイダーがしたことの結果として利害関係者(原注:明確化のため、「利害関係者」は加盟国の国内法の下で法的な利害を有すると認められる者に制限され得ると理解される。)に損害をもたらした通知又はカウンターの通知において意図的に誤った具体的表示をした者に対する金銭的救済措置を規定しなければならない。

第6項 第1項の制限のための適格性は、そのサービスをインターネットサービスプロバイダーが監視すること又は積極的に侵害活動を示唆する事実を探すことを条件としないものであり得る。

第7項 加盟国は、司法的又は行政的のいずれかにより、その国の法制に沿い、デュープロセス及びプライバシーの原則と整合する形で、著作権侵害に対して法定に十分な主張をした著作権者に、そのような情報がその著作権を保護するか、行使する目的のために求められる場合に、インターネットサービスプロバイダーが所持する、侵害をしたとされる者を特定する情報をプロバイダーから迅速に入手することを可能とする手続きを規定しなければならない。

第8項 インターネットサービスプロバイダーが第1項(b)の制限を満たすべき条件を欠く事はそれ自体で責任をもたらすことはないと理解される。さらに、本条が、加盟国の法制における著作権に関する他の制限及び例外又はその他の抗弁の妨げとなることはない。

第9項 加盟国は、本条における義務を実施するにあたり、権利者及びインターネットサービスプロバイダーへの影響を考慮に入れることの重要性を認める。

(略)

付属18−E

セクションJ付属

第1項
 インターネットにおける著作権のエンフォースメントを容易にするため、そして、オンライン環境における不当な市場の分断を避けるため、本協定の発効の日に加盟国が次のことを続けていた場合には、第18.82条第3項及び第18.82条第4項(法的な救済措置及びセーフハーバー)は適用されない:
(a)どのような状況でインターネットサービスプロバイダーが第18.82条第1項(b)(法的な救済措置及びセーフハーバー)に記載された制限について欠格とされるのかをその国内法において定めること;

(b)次のようなあらかじめ定められた要素との関係で、ある者がインターネット又は他のデジタルネットワークを用いて、主として著作権侵害行為を可能とする目的でサービスを提供する場合の著作権侵害について二次責任を法定すること:
(ⅰ)著作権侵害行為を可能とするために使われ得るものとしてそのサービスを販売又は宣伝していたかどうか;
(ⅱ)その者が、そのサービスが数多くの著作権侵害行為に使われていた事を知っていたかどうか;
(ⅲ)そのサービスに著作権侵害行為を可能とする以外に大きな用途があったかどうか;
(ⅳ)その者の、そのサービスの提供の一部としての、著作権侵害行為を制限する能力、及びその者によってそうするためになされた行動;
(ⅴ)著作権侵害行為を可能としたことの結果としてその者が受け取った何らかの利益;及び
(ⅵ)それが著作権侵害行為を可能とするために使われなかったとした時のそのサービスの経済的持続可能性;

(c)第18.82条第2項(a)及び(c)(法的な救済措置及びセーフハーバー)に記載された機能を実行するインターネットサービスプロバイダーに、オンライン上のどこでマテリアルが入手可能とされているかを含む、侵害の疑いの通知を回送する制度に参加することを求めること、そして、そうすることを欠いた場合に、そのことのために彼らをあらかじめ定められた金銭的損害賠償の対象とすること;

(d)情報ロケーションツールの提供の一部として、侵害の疑いの通知を受け取ったことに基づき、その後元のマテリアルが通知に記載された電子的ロケーションから削除された場合に、情報ロケーションツールを提供するインターネットサービスプロバイダーに、彼らが作ったマテリアルの複製を特定期間内に削除し、公衆に通知することを促すこと;そして

(e)マテリアルを蓄積した者がそのマテリアルにおける著作権を侵害したという旨の裁判所の決定に気づいた事に基づいて、第18.82条第2項(c)(法的な救済措置及びセーフハーバー)に記載された機能を実行するインターネットサービスプロバイダーがそのマテリアルを削除するか、そのアクセスを不可能化することを促すこと。

第2項 本付属の第1項に従い、第18.82条第3項及び第18.82条第4項(法的な救済措置及びセーフハーバー)を適用されない加盟国に対しては、とりわけ本付属の第1項(b)に照らして、第18.82条第1項(a)の目的のため、法的インセンティブは、第18.82条第3項に定められている、第18.82条第1項(b)規定の制限のためにインターネットサービスプロバイダーが満たすべき条件を意味しない。

付属18−F

セクションJ付属

セクションJ(インターネットサービスプロバイダー)を実施する代替として、加盟国は、2003年6月6日にマイアミでなされた、アメリカ合衆国チリ間自由貿易協定(「米チリFTA」)の第17.11条第23項を実施でき、これは本協定に取り込まれ、本協定の一部をなす。(訳注:米チリFTAの第17.11条第23項の内容はTPP協定の内容とほぼ同様だが、その記載はやや単純なものとなっている。)

CHAPTER 18 INTELLECTUAL PROPERTY

Section A: General Provisions

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Article 18.10: Application of Chapter to Existing Subject Matter and Prior Acts
1. Unless otherwise provided in this Chapter, including in Article 18.64 (Application of Article 18 of the Berne Convention and Article 14.6 of the TRIPS Agreement), this Chapter gives rise to obligations in respect of all subject matter existing at the date of entry into force of this Agreement for a Party and that is protected on that date in the territory of a Party where protection is claimed, or that meets or comes subsequently to meet the criteria for protection under this Chapter.

2. Unless provided in Article 18.64 (Application of Article 18 of the Berne Convention and Article 14.6 of the TRIPS Agreement), a Party shall not be required to restore protection to subject matter that on the date of entry into force of this Agreement for that Party has fallen into the public domain in its territory.

3. This Chapter does not give rise to obligations in respect of acts that occurred before the date of entry into force of this Agreement for a Party.

Article 18.11: Exhaustion of Intellectual Property Rights
Nothing in this Agreement prevents a Party from determining whether or under what conditions the exhaustion of intellectual property rights applies under its legal system. (Footnote: For greater certainty, this Article is without prejudice to any provisions addressing the exhaustion of intellectual property rights in international agreements to which a Party is a party.)

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Section B: Cooperation

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Article 18.15: Public Domain
1. The Parties recognise the importance of a rich and accessible public domain.

2. The Parties also acknowledge the importance of informational materials, such as publicly accessible databases of registered intellectual property rights that assist in the identification of subject matter that has fallen into the public domain.

Article 18.16: Cooperation in the Area of Traditional Knowledge
1.
The Parties recognise the relevance of intellectual property systems and traditional knowledge associated with genetic resources to each other, when that traditional knowledge is related to those intellectual property systems.

2. The Parties shall endeavour to cooperate through their respective agencies responsible for intellectual property, or other relevant institutions, to enhance the understanding of issues connected with traditional knowledge associated with genetic resources, and genetic resources.

3. The Parties shall endeavour to pursue quality patent examination, which may include:
(a) that in determining prior art, relevant publicly available documented information related to traditional knowledge associated with genetic resources may be taken into account;

(b) an opportunity for third parties to cite, in writing, to the competent examining authority prior art disclosures that may have a bearing on patentability, including prior art disclosures related to traditional knowledge associated with genetic resources;

(c) if applicable and appropriate, the use of databases or digital libraries containing traditional knowledge associated with genetic resources; and

(d) cooperation in the training of patent examiners in the examination of patent applications related to traditional knowledge associated with genetic resources.

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Section C: Trademarks

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Article 18.18: Types of Signs Registrable as Trademarks
No Party shall require, as a condition of registration, that a sign be visually perceptible, nor shall a Party deny registration of a trademark only on the ground that the sign of which it is composed is a sound. Additionally, each Party shall make best efforts to register scent marks. A Party may require a concise and accurate description, or graphical representation, or both, as applicable, of the trademark.

Article 18.19: Collective and Certification Marks
Each Party shall provide that trademarks include collective marks and certification marks. A Party is not obligated to treat certification marks as a separate category in its law, provided that those marks are protected. Each Party shall also provide that signs that may serve as geographical indications are capable of protection under its trademark system. (Footnote: Consistent with the definition of a geographical indication in Article 18.1 (Definitions), any sign or combination of signs shall be eligible for protection under one or more of the legal means for protecting geographical indications, or a combination of such means.)

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Section D: Country Names

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Section E: Geographical Indications

Article 18.30: Recognition of Geographical Indications
The Parties recognise that geographical indications may be protected through a trademark or sui generis system or other legal means.

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Section F: Patents and Undisclosed Test or Other Data

Subsection A: General Patents

Article 18.37: Patentable Subject Matter
1.
Subject to paragraphs 3 and 4, each Party shall make patents available for any invention, whether a product or process, in all fields of technology, provided that the invention is new, involves an inventive step and is capable of industrial application. (Footnote: For the purposes of this Section, a Party may deem the terms "inventive step" and "capable of industrial application" to be synonymous with the terms "non-obvious" and "useful", respectively. In determinations regarding inventive step, or non-obviousness, each Party shall consider whether the claimed invention would have been obvious to a person skilled, or having ordinary skill in the art, having regard to the prior art.)

2. Subject to paragraphs 3 and 4 and consistent with paragraph 1, each Party confirms that patents are available for inventions claimed as at least one of the following: new uses of a known product, new methods of using a known product, or new processes of using a known product. A Party may limit those new processes to those that do not claim the use of the product as such.

3. A Party may exclude from patentability inventions, the prevention within their territory of the commercial exploitation of which is necessary to protect ordre public or morality, including to protect human, animal or plant life or health or to avoid serious prejudice to nature or the environment, provided that such exclusion is not made merely because the exploitation is prohibited by its law. A Party may also exclude from patentability:
(a) diagnostic, therapeutic and surgical methods for the treatment of humans or animals;

(b) animals other than microorganisms, and essentially biological processes for the production of plants or animals, other than non-biological and microbiological processes.

4. A Party may also exclude from patentability plants other than microorganisms. However, consistent with paragraph 1 and subject to paragraph 3, each Party confirms that patents are available at least for inventions that are derived from plants.

Article 18.38: Grace Period
Each Party shall disregard at least information contained in public disclosures used to determine if an invention is novel or has an inventive step, if the public disclosure: (Footnote: No Party shall be required to disregard information contained in applications for, or registrations of, intellectual property rights made available to the public or published by a patent office, unless erroneously published or unless the application was filed without the consent of the inventor or their successor in title, by a third person who obtained the information directly or indirectly from the inventor.), (Footnote: For greater certainty, a Party may limit the application of this Article to disclosures made by, or obtained directly or indirectly from, the inventor or joint inventor. For greater certainty, a Party may provide that, for the purposes of this Article, information obtained directly or indirectly from the patent applicant may be information contained in the public disclosure that was authorised by, or derived from, the patent applicant.)
(a) was made by the patent applicant or by a person that obtained the information directly or indirectly from the patent applicant; and

(b) occurred within 12 months prior to the date of the filing of the application in the territory of the Party.

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Article 18.46: Patent Term Adjustment for Patent Office Delays
1.
Each Party shall make best efforts to process patent applications in an efficient and timely manner, with a view to avoiding unreasonable or unnecessary delays.

2. A Party may provide procedures for a patent applicant to request to expedite the examination of its patent application.

3. If there are unreasonable delays in a Party's issuance of patents, that Party shall provide the means to, and at the request of the patent owner shall, adjust the term of the patent to compensate for such delays.(Footnote: Annex 18-D applies to this paragraph.)

4. For the purposes of this Article, an unreasonable delay at least shall include a delay in the issuance of a patent of more than five years from the date of filing of the application in the territory of the Party, or three years after a request for examination of the application has been made, whichever is later. A Party may exclude, from the determination of such delays, periods of time that do not occur during the processing (Footnote: For the purposes of this paragraph, a Party may interpret processing to mean initial administrative processing and administrative processing at the time of grant.) of, or the examination of, the patent application by the granting authority; periods of time that are not directly attributable (Footnote: A Party may treat "delays that are not directly attributable to the granting authority" as delays that are outside the direction or control of the granting authority.) to the granting authority; as well as periods of time that are attributable to the patent applicant.(Footnote: Notwithstanding Article 18.10 (Application of Chapter to Existing Subject Matter and Prior Acts), this Article shall apply to all patent applications filed after the date of entry into force of this Agreement for that Party, or the date two years after the signing of this Agreement, whichever is later for that Party.)

Subsection B: Measures Relating to Agricultural Chemical Products

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Subsection C: Measures Relating to Pharmaceutical Products

Article 18.48: Patent Term Adjustment for Unreasonable Curtailment
1.
Each Party shall make best efforts to process applications for marketing approval of pharmaceutical products in an efficient and timely manner, with a view to avoiding unreasonable or unnecessary delays.

2. With respect to a pharmaceutical product (Footnote: A Party may comply with the obligations of this paragraph with respect to a pharmaceutical product or, alternatively, with respect to a pharmaceutical substance.) that is subject to a patent, each Party shall make available an adjustment (Footnote: For greater certainty, a Party may alternatively make available a period of additional sui generis protection to compensate for unreasonable curtailment of the effective patent term as a result of the marketing approval process. The sui generis protection shall confer the rights conferred by the patent, subject to any conditions and limitations pursuant to paragraph 3.) of the patent term to compensate the patent owner for unreasonable curtailment of the effective patent term as a result of the marketing approval process. (Foonote: Notwithstanding Article 18.10 (Application of Chapter to Existing Subject Matter and Prior Acts), this Article shall apply to all applications for marketing approval filed after the date of entry into force of this Article for that Party.) (Foonote: Annex 18-D applies to this paragraph.)

3. For greater certainty, in implementing the obligations of this Article, each Party may provide for conditions and limitations, provided that the Party continues to give effect to this Article.

4. With the objective of avoiding unreasonable curtailment of the effective patent term, a Party may adopt or maintain procedures that expedite the processing of marketing approval applications.

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Article 18.50: Protection of Undisclosed Test or Other Data (Annex 18-B and Annex 18-C apply to paragraphs 1 and 2 of this Article.)
1. (a) If a Party requires, as a condition for granting marketing approval for a new pharmaceutical product, the submission of undisclosed test or other data concerning the safety and efficacy of the product, (Foonote: Each Party confirms that the obligations of this Article, and Article 18.52 (Biologics) apply to cases in which the Party requires the submission of undisclosed test or other data concerning: (a) only the safety of the product, (b) only the efficacy of the product or (c) both.) that Party shall not permit third persons, without the consent of the person that previously submitted such information, to market the same or a similar (Footnote: For greater certainty, for the purposes of this Section, a pharmaceutical product is "similar" to a previously approved pharmaceutical product if the marketing approval, or, in the alternative, the applicant's request for such approval, of that similar pharmaceutical product is based upon the undisclosed test or other data concerning the safety and efficacy of the previously approved pharmaceutical product, or the prior approval of that previously approved product.) product on the basis of:
(i) that information; or
(ii) the marketing approval granted to the person that submitted such information,
for at least five years (Footnote: or greater certainty, a Party may limit the period of protection under paragraph 1 to five years, and the period of protection under Article 18.52.1(a) (Biologics) to eight years.) from the date of marketing approval of the new pharmaceutical product in the territory of the Party.

(b) If a Party permits, as a condition of granting marketing approval for a new pharmaceutical product, the submission of evidence of prior marketing approval of the product in another territory, that Party shall not permit third persons, without the consent of a person that previously submitted such information concerning the safety and efficacy of the product, to market a same or a similar product based on evidence relating to prior marketing approval in the other territory for at least five years from the date of marketing approval of the new pharmaceutical product in the territory of that Party. (Foonote: Annex 18-D applies to this subparagraph.)

2. Each Party shall: (Foonote: A Party that provides a period of at least eight years of protection pursuant to paragraph 1 is not required to apply paragraph 2.)
(a) apply paragraph 1, mutatis mutandis, for a period of at least three years with respect to new clinical information submitted as required in support of a marketing approval of a previously approved pharmaceutical product covering a new indication, new formulation or new method of administration; or, alternatively,

(b) apply paragraph 1, mutatis mutandis, for a period of at least five years to new pharmaceutical products that contain a chemical entity that has not been previously approved in that Party. (Footnote: For the purposes of Article 18.50.2(b) (Protection of Undisclosed Test or Other Data), a Party may choose to protect only the undisclosed test or other data concerning the safety and efficacy relating to the chemical entity that has not been previously approved.)

3. Notwithstanding paragraphs 1 and 2 and Article 18.52 (Biologics), a Party may take measures to protect public health in accordance with:
(a) the Declaration on TRIPS and Public Health;

(b) any waiver of any provision of the TRIPS Agreement granted by WTO Members in accordance with the WTO Agreement to implement the Declaration on TRIPS and Public Health and that is in force between the Parties; or

(c) any amendment of the TRIPS Agreement to implement the Declaration on TRIPS and Public Health that enters into force with respect to the Parties.

Article 18.51: Measures Relating to the Marketing of Certain Pharmaceutical Products
1.
If a Party permits, as a condition of approving the marketing of a pharmaceutical product, persons, other than the person originally submitting the safety and efficacy information, to rely on evidence or information concerning the safety and efficacy of a product that was previously approved, such as evidence of prior marketing approval by the Party or in another territory, that Party shall provide:
(a) a system to provide notice to a patent holder (Footnote: For greater certainty, for the purposes of this Article, a Party may provide that a "patent holder" includes a patent licensee or the authorised holder of marketing approval.) or to allow for a patent holder to be notified prior to the marketing of such a pharmaceutical product, that such other person is seeking to market that product during the term of an applicable patent claiming the approved product or its approved method of use;

(b) adequate time and opportunity for such a patent holder to seek, prior to the marketing (Footnote: For the purposes of paragraph 1(b), a Party may treat "marketing" as commencing at the time of listing for purposes of the reimbursement of pharmaceutical products pursuant to a national healthcare programme operated by a Party and inscribed in the Schedule to Annex 26-A (Transparency and Procedural Fairness for Pharmaceutical Products and Medical Devices).) of an allegedly infringing product, available remedies in subparagraph (c); and

(c) procedures, such as judicial or administrative proceedings, and expeditious remedies, such as preliminary injunctions or equivalent effective provisional measures, for the timely resolution of disputes concerning the validity or infringement of an applicable patent claiming an approved pharmaceutical product or its approved method of use.

2. As an alternative to paragraph 1, a Party shall instead adopt or maintain a system other than judicial proceedings that precludes, based upon patent-related information submitted to the marketing approval authority by a patent holder or the applicant for marketing approval, or based on direct coordination between the marketing approval authority and the patent office, the issuance of marketing approval to any third person seeking to market a pharmaceutical product subject to a patent claiming that product, unless by consent or acquiescence of the patent holder.

Article 18.52: Biologics (Footnote: Annex 18-B, Annex 18-C and Annex 18-D apply to this Article.)
1. With regard to protecting new biologics, a Party shall either:
(a) with respect to the first marketing approval in a Party of a new pharmaceutical product that is or contains a biologic, (Footnote: Nothing requires a Party to extend the protection of this paragraph to: (a) any second or subsequent marketing approval of such a pharmaceutical product; or (b) a pharmaceutical product that is or contains a previously approved biologic.), (Footnote: Each Party may provide that an applicant may request approval of a pharmaceutical product that is or contains a biologic under the procedures set forth in Article 18.50.1(a) and Article 18.50.1(b) (Protection of Undisclosed Test or Other Data) within five years of the date of entry into force of this Agreement for that Party, provided that other pharmaceutical products in the same class of products have been approved by that Party under the procedures set forth in Article 18.50.1(a) and Article 18.50.1(b) before the date of entry into force of this Agreement for that Party.) provide effective market protection through the implementation of Article 18.50.1 (Protection of Undisclosed Test or Other Data) and Article 18.50.3, mutatis mutandis, for a period of at least eight years from the date of first marketing approval of that product in that Party; or, alternatively,

(b) with respect to the first marketing approval in a Party of a new pharmaceutical product that is or contains a biologic, provide effective market protection:
(i) through the implementation of Article 18.50.1 (Protection of Undisclosed Test or Other Data) and Article 18.50.3, mutatis mutandis, for a period of at least five years from the date of first marketing approval of that product in that Party,
(ii) through other measures, and
(iii) recognising that market circumstances also contribute to effective market protection
to deliver a comparable outcome in the market.

2. For the purposes of this Section, each Party shall apply this Article to, at a minimum, a product that is, or, alternatively, contains, a protein produced using biotechnology processes, for use in human beings for the prevention, treatment, or cure of a disease or condition.

3. Recognising that international and domestic regulation of new pharmaceutical products that are or contain a biologic is in a formative stage and that market circumstances may evolve over time, the Parties shall consult after 10 years from the date of entry into force of this Agreement, or as otherwise decided by the Commission, to review the period of exclusivity provided in paragraph 1 and the scope of application provided in paragraph 2, with a view to providing effective incentives for the development of new pharmaceutical products that are or contain a biologic, as well as with a view to facilitating the timely availability of follow-on biosimilars, and to ensuring that the scope of application remains consistent with international developments regarding approval of additional categories of new pharmaceutical products that are or contain a biologic.

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Section G: Industrial Designs

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Section H: Copyright and Related Rights

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Article 18.58: Right of Reproduction
Each Party shall provide (Footnote: For greater certainty, the Parties understand that it is a matter for each Party's law to prescribe that works, performances or phonograms in general or any specified categories of works, performances and phonograms are not protected by copyright or related rights unless the work, performance or phonogram has been fixed in some material form.) to authors, performers and producers of phonograms (Footnote: References to "authors, performers, and producers of phonograms" refer also to any of their successors in interest.) the exclusive right to authorise or prohibit all reproduction of their works, performances or phonograms in any manner or form, including in electronic form.

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Article 18.62: Related Rights
1.
Each Party shall accord the rights provided for in this Chapter with respect to performers and producers of phonograms: to the performers and producers of phonograms that are nationals (Footnote: For the purposes of determining criteria for eligibility under this Article, with respect to performers, a Party may treat "nationals" as those who would meet the criteria for eligibility under Article 3 of the WPPT.) of another Party; and to performances or phonograms first published or first fixed (Footnote: For the purposes of this Article, fixation means the finalisation of the master tape or its equivalent.) in the territory of another Party. (footnote: For greater certainty, in this paragraph with respect to performances or phonograms first published or first fixed in the territory of a Party, a Party may apply the criterion of publication, or alternatively, the criterion of fixation, or both. For greater certainty, consistent with Article 18.8 (National Treatment), each Party shall accord to performances and phonograms first published or first fixed in the territory of another Party treatment no less favourable than it accords to performances or phonograms first published or first fixed in its own territory.) A performance or phonogram shall be considered first published in the territory of a Party if it is published in the territory of that Party within 30 days of its original publication.

2. Each Party shall provide to performers the exclusive right to authorise or prohibit:
(a) the broadcasting and communication to the public of their unfixed performances, unless the performance is already a broadcast performance; and

(b) the fixation of their unfixed performances.

3. (a) Each Party shall provide to performers and producers of phonograms the exclusive right to authorise or prohibit the broadcasting or any communication to the public of their performances or phonograms, by wire or wireless means, (Footnote: With respect to broadcasting and communication to the public, a Party may satisfy the obligation by applying Article 15(1) and Article 15(4) of the WPPT and may also apply Article 15(2) of the WPPT, provided that it is done in a manner consistent with that Party's obligations under Article 18.8 (National Treatment).), (Footnote: For greater certainty, the obligation under this paragraph does not include broadcasting or communication to the public, by wire or wireless means, of the sounds or representations of sounds fixed in a phonogram that are incorporated in a cinematographic or other audiovisual work.) and the making available to the public of those performances or phonograms in such a way that members of the public may access them from a place and at a time individually chosen by them.

(b) Notwithstanding subparagraph (a) and Article 18.65 (Limitations and Exceptions), the application of the right referred to in subparagraph (a) to analog transmissions and non-interactive free over-the-air broadcasts, and exceptions or limitations to this right for those activities, is a matter of each Party’s law. (Footnote: For the purposes of this subparagraph the Parties understand that a Party may provide for the retransmission of non-interactive, free over-the-air broadcasts, provided that these retransmissions are lawfully permitted by that Party’s government communications authority; any entity engaging in these retransmissions complies with the relevant rules, orders or regulations of that authority; and these retransmissions do not include those delivered and accessed over the Internet. For greater certainty this footnote does not limit a Party’s ability to avail itself of this subparagraph.)

Article 18.63: Term of Protection for Copyright and Related Rights
Each Party shall provide that in cases in which the term of protection of a work, performance or phonogram is to be calculated: (Footnote: For greater certainty, in implementing this Article, nothing prevents a Party from promoting certainty for the legitimate use and exploitation of a work, performance or phonogram during its term of protection, consistent with Article 18.65 (Limitations and Exceptions) and that Party's international obligations.)
(a) on the basis of the life of a natural person, the term shall be not less than the life of the author and 70 years after the author's death; (Footnote: The Parties understand that if a Party provides its nationals a term of copyright protection that exceeds life of the author plus 70 years, nothing in this Article or Article 18.8 (National Treatment) shall preclude that Party from applying Article 7.8 of the Berne Convention with respect to the term in excess of the term provided in this subparagraph of protection for works of another Party.) and

(b) on a basis other than the life of a natural person, the term shall be:
(i) not less than 70 years from the end of the calendar year of the first authorised publication (Footnote: or greater certainty, for the purposes of subparagraph (b), if a Party's law provides for the calculation of term from fixation rather than from the first authorised publication, that Party may continue to calculate the term from fixation.) of the work, performance or phonogram; or
(ii) failing such authorised publication within 25 years from the creation of the work, performance or phonogram, not less than 70 years from the end of the calendar year of the creation of the work, performance or phonogram. (Footnote: For greater certainty, a Party may calculate a term of protection for an anonymous or pseudonymous work or a work of joint authorship in accordance with Article 7(3) or Article 7bis of the Berne Convention, provided that the Party implements the corresponding numerical term of protection required under this Article.)

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Article 18.68: Technological Protection Measures (TPMs) (Footnote: Nothing in this Agreement requires a Party to restrict the importation or domestic sale of a device that does not render effective a technological measure the only purpose of which is to control market segmentation for legitimate physical copies of a cinematographic film, and is not otherwise a violation of its law.)
1. In order to provide adequate legal protection and effective legal remedies against the circumvention of effective technological measures that authors, performers, and producers of phonograms use in connection with the exercise of their rights and that restrict unauthorised acts in respect of their works, performances, and phonograms, each Party shall provide that any person that:
(a) knowingly, or having reasonable grounds to know, (Footnote: For the purposes of this subparagraph, a Party may provide that reasonable grounds to know may be demonstrated through reasonable evidence, taking into account the facts and circumstances surrounding the alleged illegal act.) circumvents without authority any effective technological measure that controls access to a protected work, performance, or phonogram; (Footnote: For greater certainty, no Party is required to impose civil or criminal liability under this subparagraph for a person that circumvents any effective technological measure that protects any of the exclusive rights of copyright or related rights in a protected work, performance or phonogram, but does not control access to such that work, performance or phonogram.) or

(b) manufactures, imports, distributes, (Footnote: A Party may provide that the obligations described in this subparagraph with respect to manufacturing, importation, and distribution apply only in cases in which those activities are undertaken for sale or rental, or if those activities prejudice the interests of the right holder of the copyright or related right.) offers for sale or rental to the public, or otherwise provides devices, products, or components, or offers to the public or provides services, that:
(i) are promoted, advertised, or otherwise marketed by that person (Footnote: The Parties understand that this provision still applies in cases in which the person promotes, advertises, or markets through the services of a third person.) for the purpose of circumventing any effective technological measure;
(ii) have only a limited commercially significant purpose or use other than to circumvent any effective technological measure; (Footnote: A Party may comply with this paragraph if the conduct referred to in this subparagraph does not have a commercially significant purpose or use other than to circumvent an effective technological measure.) or
(iii) are primarily designed, produced, or performed for the purpose of circumventing any effective technological measure,
is liable and subject to the remedies provided for in Article 18.74 (Civil and Administrative Procedures and Remedies).

Each Party shall provide for criminal procedures and penalties to be applied if any person is found to have engaged wilfully (Footnote: For greater certainty, for purposes of this Article and Article 18.69 (RMI), wilfulness contains a knowledge element.) and for the purposes of commercialadvantage or financial gain (Footnote: For greater certainty, for purposes of this Article, Article 18.69 (RMI) and Article 18.77.1 (Criminal Procedures and Penalties), the Parties understand that a Party may treat "financial gain" as "commercial purposes".) in any of the above activities. (Footnote: For greater certainty, no Party is required to impose liability under this Article and Article 18.69 (RMI) for actions taken by that Party or a third person acting with the authorisation or consent of that Party.)

A Party may provide that the criminal procedures and penalties do not apply to a non- profit library, museum, archive, educational institution, or public non-commercial broadcasting entity. A Party may also provide that the remedies provided for in Article 18.74 (Civil and Administrative Procedures and Remedies) do not apply to any of the same entities provided that the above activities are carried out in good faith without knowledge that the conduct is prohibited.

2. In implementing paragraph 1, no Party shall be obligated to require that the design of, or the design and selection of parts and components for, a consumer electronics, telecommunications, or computing product provide for a response to any particular technological measure, provided that the product does not otherwise violate a measure implementing paragraph 1.

3. Each Party shall provide that a violation of a measure implementing this Article is independent of any infringement that might occur under the Party's law on copyright and related rights. (Footnote: For greater certainty, a Party is not required to treat the criminal act of circumvention set forth in paragraph 1(a) as an independent violation, where the Party criminally penalises such acts through other means.)

4. With regard to measures implementing paragraph 1:
(a) a Party may provide certain limitations and exceptions to the measures implementing paragraph 1(a) or paragraph 1(b) in order to enable non-infringing uses if there is an actual or likely adverse impact of those measures on those non-infringing uses, as determined through a legislative, regulatory, or administrative process in accordance with the Party's law, giving due consideration to evidence when presented in that process, including with respect to whether appropriate and effective measures have been taken by rights holders to enable the beneficiaries to enjoy the limitations and exceptions to copyright and related rights under that Party's law; (Footnote: For greater certainty, nothing in this provision requires a Party to make a new determination through the legislative, regulatory, or administrative process with respect to limitations and exceptions to the legal protection of effective technological measures: (i) previously established pursuant to trade agreements in force between two or more Parties; or (ii) previously implemented by the Parties, provided that such limitations and exceptions are otherwise consistent with this paragraph.)

(b) any limitations or exceptions to a measure that implements paragraph 1(b) shall be permitted only to enable the legitimate use of a limitation or exception permissible under this Article by its intended beneficiaries (Footnote: For greater certainty, a Party may provide an exception to subparagraph 1(b) without providing a corresponding exception to subparagraph 1(a), provided that the exception to paragraph 1(b) is limited to enabling a legitimate use that is within the scope of limitations or exceptions to 1(a) as provided under this subparagraph.) and does not authorise the making available of devices, products, components, or services beyond those intended beneficiaries; (Footnote: For the purposes of interpreting subparagraph 4(b) only, subparagraph 1(a) should be read to apply to all effective technological measures as defined in paragraph 5, mutatis mutandis.) and

(c) a Party shall not, by providing limitations and exceptions under paragraph 4(a) and paragraph 4(b), undermine the adequacy of that Party's legal system for the protection of effective technological measures, or the effectiveness of legal remedies against the circumvention of such measures, that authors, performers, or producers of phonograms use in connection with the exercise of their rights, or that restrict unauthorised acts in respect of their works, performances or phonograms, as provided for in this Chapter.

5. effective technological measure means any effective (Footnote: For greater certainty, a technological measure that can, in a usual case, be circumvented accidentally is not an "effective" technological measure.) technology, device, or component that, in the normal course of its operation, controls access to a protected work, performance, or phonogram, or protects copyright or related rights related to a work, performance or phonogram.

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Section I: Enforcement

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Article 18.74: Civil and Administrative Procedures and Remedies
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6. In civil judicial proceedings with respect to the infringement of copyright or related rights protecting works, phonograms or performances, each Party shall establish or maintain a system that provides for one or more of the following:
(a) pre-established damages, which shall be available on the election of the right holder; or

(b) additional damages. (Footnote: For greater certainty, additional damages may include exemplary or punitive damages.)

7. In civil judicial proceedings with respect to trademark counterfeiting, each Party shall also establish or maintain a system that provides for one or more of the following:
(a) pre-established damages, which shall be available on the election of the right holder; or

(b) additional damages. (Footnote: For greater certainty, additional damages may include exemplary or punitive damages.)

8. Pre-established damages under paragraphs 6 and 7 shall be set out in an amount that would be sufficient to compensate the right holder for the harm caused by the infringement, and with a view to deterring future infringements.

9. In awarding additional damages under paragraphs 6 and 7, judicial authorities shall have the authority to award such additional damages as they consider appropriate, having regard to all relevant matters, including the nature of the infringing conduct and the need to deter similar infringements in the future.

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17. In civil judicial proceedings concerning the acts described in Article 18.68 (TPMs) and Article 18.69 (RMI):
(a) each Party shall provide that its judicial authorities have the authority at least to: (Footnote: For greater certainty, a Party may, but is not required to, put in place separate remedies in respect of Article 18.68 (TPMs) and Article 18.69 (RMI), if those remedies are available under its copyright law.)
(i) impose provisional measures, including seizure or other taking into custody of devices and products suspected of being involved in the prohibited activity;
(ii) order the type of damages available for copyright infringement, as provided under its law in accordance with this Article; (Footnote: If a Party's copyright law provides for both pre-established damages and additional damages, that Party may comply with the requirements of this subparagraph by providing for only one of these forms of damages.)
(iii) order court costs, fees or expenses as provided for under paragraph 10; and
(iv) order the destruction of devices and products found to be involved in the prohibited activity; and

(b) a Party may provide that damages shall not be available against a non-profit library, archive, educational institution, museum or public non- commercial broadcasting entity, if it sustains the burden of proving that it was not aware or had no reason to believe that its acts constituted a prohibited activity.

...

Article 18.77: Criminal Procedures and Penalties
1.
Each Party shall provide for criminal procedures and penalties to be applied at
least in cases of wilful trademark counterfeiting or copyright or related rights piracy on a commercial scale. In respect of wilful copyright or related rights piracy, "on a commercial scale" includes at least:
(a) acts carried out for commercial advantage or financial gain; and

(b) significant acts, not carried out for commercial advantage or financial gain, that have a substantial prejudicial impact on the interests of the copyright or related rights holder in relation to the marketplace. (Footnote: The Parties understand that a Party may comply with subparagraph (b) by addressing such significant acts under its criminal procedures and penalties for non-authorised uses of protected works, performances and phonograms in its law.), (Footnote: A Party may provide that the volume and value of any infringing items may be taken into account in determining whether the act has a substantial prejudicial impact on the interests of the copyright or related rights holder in relation to the marketplace.)

...

6. With respect to the offences described in paragraphs 1 through 5, each Party shall provide the following:
...
(g) Its competent authorities may act upon their own initiative to initiate legal action without the need for a formal complaint by a third person or right holder. (Footnote: With regard to copyright and related rights piracy provided for under paragraph 1, a Party may limit application of this paragraph to the cases in which there is an impact on the right holder's ability to exploit the work, performance or phonogram in the market.)

...

Section J: Internet Service Providers (Footnote: Annex 18-F applies to this Section.)

Article 18.81: Definitions
For the purposes of this Section:
the term copyright includes related rights;

and Internet Service Provider means:
(a) a provider of online services for the transmission, routing, or providing of connections for digital online communications, between or among points specified by a user, of material of the user's choosing, undertaking the function in Article 18.82.2(a) (Legal Remedies and Safe Harbours); or

(b) a provider of online services undertaking the functions in Article 18.82.2(c) or Article 18.82.2(d) (Legal Remedies and Safe Harbours).

For greater certainty, Internet Service Provider includes a provider of the services listed above that engages in caching carried out through an automated process.

Article 18.82: Legal Remedies and Safe Harbours (Footnote: Annex 18-E applies to Article 18.82.3 and Article 18.82.4 (Legal Remedies and Safe Harbours).)
1. The Parties recognise the importance of facilitating the continued development of legitimate online services operating as intermediaries and, in a manner consistent with Article 41 of the TRIPS Agreement, providing enforcement procedures that permit effective action by right holders against copyright infringement covered under this Chapter that occurs in the online environment. Accordingly, each Party shall ensure that legal remedies are available for right holders to address such copyright infringement and shall establish or maintain appropriate safe harbours in respect of online services that are Internet Service Providers. This framework of legal remedies and safe harbours shall include:
(a) legal incentives (Footnote: For greater certainty, the Parties understand that implementation of the obligations in paragraph 1(a) on "legal incentives" may take different forms.) for Internet Service Providers to cooperate with copyright owners to deter the unauthorised storage and transmission of copyrighted materials or, in the alternative, to take other action to deter the unauthorised storage and transmission of copyrighted materials; and

(b) limitations in its law that have the effect of precluding monetary relief against Internet Service Providers for copyright infringements that they do not control, initiate or direct, and that take place through systems or networks controlled or operated by them or on their behalf. (Footnote: The Parties understand that, to the extent that a Party determines, consistent with its international legal obligations, that a particular act does not constitute copyright infringement, there is no obligation to provide for a limitation in relation to that act.)

2. The limitations described in paragraph 1(b) shall include limitations in respect of the following functions:
(a) transmitting, routing or providing connections for material without modification of its content (Footnote: The Parties understand that such modification does not include a modification made as part of a technical process or for solely technical reasons such as division into packets.) or the intermediate and transient storage of that material done automatically in the course of such a technical process;

(b) caching carried out through an automated process;

(c) storage,(Footnote: For greater certainty, a Party may interpret "storage" as "hosting".) at the direction of a user, of material residing on a system or network controlled or operated by or for the Internet Service Provider; (Footnote: For greater certainty, the storage of material may include e-mails and their attachments stored in the Internet Service Provider's server and web pages residing on the Internet Service Provider's server.) and

(d) referring or linking users to an online location by using information location tools, including hyperlinks and directories.

3. To facilitate effective action to address infringement, each Party shall prescribe in its law conditions for Internet Service Providers to qualify for the limitations described in paragraph 1(b), or, alternatively, shall provide for circumstances under which Internet Service Providers do not qualify for the limitations described in paragraph 1(b): (Footnote: A Party may comply with the obligations in paragraph 3 by maintaining a framework in which: (a) there is a stakeholder organisation that includes representatives of both Internet Service Providers and right holders, established with government involvement; (b) that stakeholder organisation develops and maintains effective, efficient and timely procedures for entities certified by the stakeholder organisation to verify, without undue delay, the validity of each notice of alleged copyright infringement by confirming that the notice is not the result of mistake or misidentification, before forwarding the verified notice to the relevant Internet Service Provider; (c) there are appropriate guidelines for Internet Service Providers to follow in order to qualify for the limitation described in paragraph 1(b), including requiring that the Internet Service Provider promptly removes or disables access to the identified materials upon receipt of a verified notice; and be exempted from liability for having done so in good faith in accordance with those guidelines; and (d) there are appropriate measures that provide for liability in cases in which an Internet Service Provider has actual knowledge of the infringement or awareness of facts or circumstances from which the infringement is apparent.), (Footnote: The Parties understand that a Party that has yet to implement the obligations in paragraphs 3 and 4 will do so in a manner that is both effective and consistent with that Party's existing constitutional provisions. To that end, a Party may establish an appropriate role for the government that does not impair the timeliness of the process provided in paragraphs 3 and 4, and does not entail advance government review of each individual notice.)
(a) With respect to the functions referred to in paragraph 2(c) and paragraph 2(d), these conditions shall include a requirement for Internet Service Providers to expeditiously remove or disable access to material residing on their networks or systems upon obtaining actual knowledge of the copyright infringement or becoming aware of facts or circumstances from which the infringement is apparent, such as through receiving a notice (Footnote: For greater certainty, a notice of alleged infringement, as may be set out under a Party's law, must contain information that: (a) is reasonably sufficient to enable the Internet Service Provider to identify the work, performance or phonogram claimed to be infringed, the alleged infringing material, and the online location of the alleged infringement; and (b) has a sufficient indicia of reliability with respect to the authority of the person sending the notice.) of alleged infringement from the right holder or a person authorised to act on its behalf,

(b) An Internet Service Provider that removes or disables access to material in good faith under subparagraph (a) shall be exempt from any liability for having done so, provided that it takes reasonable steps in advance or promptly after to notify the person whose material is removed or disabled. (Footnote: With respect to the function in subparagraph 2(b), a Party may limit the requirements of paragraph 3 related to an Internet Service Provider removing or disabling access to material to circumstances in which the Internet Service Provider becomes aware or receives notification that the cached material has been removed or access to it has been disabled at the originating site.)

4. If a system for counter-notices is provided under a Party's law, and if material has been removed or access has been disabled in accordance with paragraph 3, that Party shall require that the Internet Service Provider restores the material subject to a counter-notice, unless the person giving the original notice seeks judicial relief within a reasonable period of time.

5. Each Party shall ensure that monetary remedies are available in its legal system against any person that makes a knowing material misrepresentation in a notice or counter-notice that causes injury to any interested party (Footnote: For greater certainty, the Parties understand that, "any interested party" may be limited to those with a legal interest recognised under that Party's law.) as a result of an Internet Service Provider relying on the misrepresentation.

6. Eligibility for the limitations in paragraph 1 shall not be conditioned on the Internet Service Provider monitoring its service or affirmatively seeking facts indicating infringing activity.

7. Each Party shall provide procedures, whether judicial or administrative, in accordance with that Party's legal system, and consistent with principles of due process and privacy, that enable a copyright owner that has made a legally sufficient claim of copyright infringement to obtain expeditiously from an Internet Service Provider information in the provider's possession identifying the alleged infringer, in cases in which that information is sought for the purpose of protecting or enforcing that copyright.

8. The Parties understand that the failure of an Internet Service Provider to qualify for the limitations in paragraph 1(b) does not itself result in liability. Further, this Article is without prejudice to the availability of other limitations and exceptions to copyright, or any other defences under a Party's legal system.

9. The Parties recognise the importance, in implementing their obligations under this Article, of taking into account the impacts on right holders and Internet Service Providers.

...

Annex 18-E

Annex to Section J

1.
In order to facilitate the enforcement of copyright on the Internet and to avoid unwarranted market disruption in the online environment, Article 18.82.3 and Article 18.82.4(Legal Remedies and Safe Harbours) shall not apply to a Party provided that, as from the date of agreement in principle of this Agreement, it continues to:
(a) prescribe in its law circumstances under which Internet Service providers do not qualify for the limitations described in Article 18.82.1(b) (Legal Remedies and Safe Harbours);

(b) provide statutory secondary liability for copyright infringement in cases in which a person, by means of the Internet or another digital network, provides a service primarily for the purpose of enabling acts of copyright infringement, in relation to factors set out in its law, such as:
(i) whether the person marketed or promoted the service as one that could be used to enable acts of copyright infringement;
(ii) whether the person had knowledge that the service was used to enable a significant number of acts of copyright infringement;
(iii) whether the service has significant uses other than to enable acts of copyright infringement;
(iv) the person's ability, as part of providing the service, to limit acts of copyright infringement, and any action taken by the person to do so;
(v) any benefits the person received as a result of enabling the acts of copyright infringement; and
(vi) the economic viability of the service if it were not used to enable acts of copyright infringement;

(c) require Internet Service Providers carrying out the functions referred to in Article 18.82.2(a) and (c) (Legal Remedies and Safe Harbours) to participate in a system for forwarding notices of alleged infringement, including if material is made available online, and if the Internet Service Provider fails to do so, subjecting that provider to pre-established monetary damages for that failure;

(d) induce Internet Service Providers offering information location tools to remove within a specified period of time any reproductions of material that they make, and communicate to the public, as part of offering the information location tool upon receiving a notice of alleged infringement and after the original material has been removed from the electronic location set out in the notice; and

(e) induce Internet service providers carrying out the function referred to in Article 18.82.2(c) (Legal Remedies and Safe Harbours) to remove or disable access to material upon becoming aware of a decision of a court of that Party to the effect that the person storing the material infringes copyright in the material.

2.
For a Party to which Article 18.82.3 and Article 18.82.4 (Legal Remedies and Safe Harbours) do not apply pursuant to paragraph 1 of this Annex, and in light of, among other things, paragraph 1(b) of this Annex, for the purposes of Article 18.82.1(a), legal incentives shall not mean the conditions for Internet Service Providers to qualify for the limitations provided for in Article 18.82.1(b), as set out in Article 18.82.3.

Annex 18-F

Annex to Section J

As an alternative to implementing Section J (Internet Service Providers), a Party may implement Article 17.11.23 of the United States – Chile Free Trade Agreement, done at Miami, June 6, 2003, which is incorporated into and made part of this Annex.

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2015年11月 7日 (土)

第351回:TPP協定知財章最終条文(2015年11月版条文の商標保護の対象、特許要件、パブリックドメイン利用他)

 11月4日に文化庁の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会でTPP協定の対応について審議が始まった(ITmediaの記事internet watchの記事参照)。文化庁はこの1日で関係団体の主だったところのほぼ全てに話を聞いており、今現在かなりのハイペースで危うい検討が進むことが想定されるという状況下にあるが、その中で11月5日にTPP協定の全文がようやく正式に公表された(ニュージーランド外務省のHP1HP2-1HP2-2参照)。

 しかし、この期に及んで日本政府の対応は協定条文の全訳ではなくやはり内容の概要(pdf) を示すというお粗末極まるものであり、同時に公開された法改正検討事項(pdf)も全くお話しにならないほど簡略化されたものでしかない。(検討のために必要なので政府内にはまず間違いなくきちんとした翻訳があると思うのだが。)

 そのため、ここでの翻訳もまだ意味があると思うので、正式に公表されたTPP協定知財章の条文(pdf)をベースに切り換えて続行し、前々々々回前々々回前々回前回に引き続き、今回はその他気になる部分について取り上げることにする。(なお、2015年10月版の最終リーク条文と正式に公表された条文を比較すると、条文番号等の些細な変更を除けば全く違いはなく、リーク条文が本物だったことが分かる。)

(1)商標保護の対象、団体・証明マーク、地理的表示
 まず、商標保護の対象については、

Article 18.18: Types of Signs Registrable as Trademarks
No Party shall require, as a condition of registration, that a sign be visually perceptible, nor shall a Party deny registration of a trademark only on the ground that the sign of which it is composed is a sound. Additionally, each Party shall make best efforts to register scent marks. A Party may require a concise and accurate description, or graphical representation, or both, as applicable, of the trademark.

第18.18条:商標として登録可能な標章のタイプ
どの加盟国も、登録の条件として、標章が視覚的に知覚可能であることを要求してはならず、加盟国は、音から構成される標章であることのみを理由として商標の登録を拒絶できない。追加的に、加盟国は匂いの商標を登録するため最大限の努力をしなければならない。加盟国は、商標について、適用可能なものとして、簡潔で正確な説明若しくは画像表示又はその両方を要求できる。

という形になり、匂いの商標が完全に義務化されるまでには至らなかったが、努力義務という形で残された。(2015年5月時点の条文案は第344回参照。以下同様。)

 団体・証明マークについては、

Article 18.19: Collective and Certification Marks
Each Party shall provide that trademarks include collective marks and certification marks. A Party is not obligated to treat certification marks as a separate category in its law, provided that those marks are protected. Each Party shall also provide that signs that may serve as geographical indications are capable of protection under its trademark system. (Footnote: Consistent with the definition of a geographical indication in Article 18.1 (Definitions), any sign or combination of signs shall be eligible for protection under one or more of the legal means for protecting geographical indications, or a combination of such means.)

第18.19条:団体及び証明マーク
加盟国は、商標が団体及び証明マークを含むことを規定しなければならない。その様なマークが保護される限り、加盟国は、その国内法において証明マークを別カテゴリーのものとして扱うことを義務とされない。加盟国は、地理的表示となり得る標章を商標法制において保護可能とすることも規定しなければならない。(原注:第18.1条(定義)の定義に合致するあらゆる標章又は標章の組み合わせが地理的表示を保護する法的手段の1つ若しくは複数又はそのような手段の組み合わせの下で保護され得るものとしなければならない。)

という形で、特に大きな変更はないが、第2項がなくなりよりシンプルになっている。

 地理的表示についても、やはり冒頭部分の訳は、

Article 18.30: Recognition of Geographical Indications
The Parties recognise that geographical indications may be protected through a trademark or sui generis system or other legal means.

第18.30条:地理的表示の保護
加盟国は、地理的表示が商標若しくは独自法制又はその他の法的手段によって保護され得ることを認める。

と、変わりはないが、その他の部分を見ると全体的にシンプルな形になっており、各国の対立を解消して行く中でそうなったのだろうと思える。

(2)特許要件
 特許要件については、

Article 18.37: Patentable Subject Matter
1. Subject to paragraphs 3 and 4, each Party shall make patents available for any invention, whether a product or process, in all fields of technology, provided that the invention is new, involves an inventive step and is capable of industrial application. (Footnote: For the purposes of this Section, a Party may deem the terms "inventive step" and "capable of industrial application" to be synonymous with the terms "non-obvious" and "useful", respectively. In determinations regarding inventive step, or non-obviousness, each Party shall consider whether the claimed invention would have been obvious to a person skilled, or having ordinary skill in the art, having regard to the prior art.)

2. Subject to paragraphs 3 and 4 and consistent with paragraph 1, each Party confirms that patents are available for inventions claimed as at least one of the following: new uses of a known product, new methods of using a known product, or new processes of using a known product. A Party may limit those new processes to those that do not claim the use of the product as such.

3. A Party may exclude from patentability inventions, the prevention within their territory of the commercial exploitation of which is necessary to protect ordre public or morality, including to protect human, animal or plant life or health or to avoid serious prejudice to nature or the environment, provided that such exclusion is not made merely because the exploitation is prohibited by its law. A Party may also exclude from patentability:
(a) diagnostic, therapeutic and surgical methods for the treatment of humans or animals;
(b) animals other than microorganisms, and essentially biological processes for the production of plants or animals, other than non-biological and microbiological processes.

4. A Party may also exclude from patentability plants other than microorganisms. However, consistent with paragraph 1 and subject to paragraph 3, each Party confirms that patents are available at least for inventions that are derived from plants.

第18.37条:特許の対象
第1項
 第3項及び第4項に従い、加盟国は、その発明が新規で、進歩性を含み、産業上の利用可能性がある限り、全技術分野において、物か方法かのあらゆる発明を特許され得るものとしなければならない。(原注:本セクションの目的のため、加盟国は「進歩性」及び「産業上利用可能」はそれぞれ「非自明」及び「有用」の同義語であるとみなし得る。進歩性(又は非自明性)に関する決定において、加盟国は、クレームされた発明が先行技術文献から見て当業者にとって自明かどうかを検討しなければならない。)

第2項 第3項及び第4項に従い、第1項に合致する形で、加盟国は、以下の発明の内少なくとも1つを特許の対象とすることを確認する:既知の物の新規利用、既知の物の新規利用方法又は既知の物を利用する新規プロセス。加盟国は、物の利用自体でないものにそのようなプロセスを限定できる。

第3項 加盟国は、そのような除外が、単にその利用がその国内法によって禁じられていることのみによってなされているのでない場合に限り、人、動物又は植物の生命又は健康を守るか自然又は環境に対する深刻な悪影響を避けることも含め、公序良俗を守るために必要なものの商業利用のその領土内における抑止を特許可能な発明から除外できる。加盟国は、以下を特許の対象から除外することもできる:
(a)人間又は動物の処置のための診断、治療及び手術方法;
(b)微生物以外の動物及び非生物的かつ微生物学的な複製プロセス以外の必然的に生物学的な動植物複製プロセス。

第4項 加盟国は微生物以外の植物も特許の対象から除外できる。しかしながら、第1項に合致する形で、第3項に従い、加盟国は、植物から派生する発明を少なくとも特許の対象とすることを確認する。

と、2015年5月時点でチリから入っていた反対が消え、日米政府がほぼ自分たちの案を通す形で決着している。

(3)手続き遅延を理由とした特許の保護期間延長
 特許庁での手続き遅延を理由とした特許の保護期間延長についても、

Article 18.46: Patent Term Adjustment for Patent Office Delays
1.
Each Party shall make best efforts to process patent applications in an efficient and timely manner, with a view to avoiding unreasonable or unnecessary delays.

2. A Party may provide procedures for a patent applicant to request to expedite the examination of its patent application.

3. If there are unreasonable delays in a Party's issuance of patents, that Party shall provide the means to, and at the request of the patent owner shall, adjust the term of the patent to compensate for such delays.(Footnote: Annex 18-D applies to this paragraph.)

4. For the purposes of this Article, an unreasonable delay at least shall include a delay in the issuance of a patent of more than five years from the date of filing of the application in the territory of the Party, or three years after a request for examination of the application has been made, whichever is later. A Party may exclude, from the determination of such delays, periods of time that do not occur during the processing (Footnote: For the purposes of this paragraph, a Party may interpret processing to mean initial administrative processing and administrative processing at the time of grant.) of, or the examination of, the patent application by the granting authority; periods of time that are not directly attributable (Footnote: A Party may treat "delays that are not directly attributable to the granting authority" as delays that are outside the direction or control of the granting authority.) to the granting authority; as well as periods of time that are attributable to the patent applicant.(Footnote: Notwithstanding Article 18.10 (Application of Chapter to Existing Subject Matter and Prior Acts), this Article shall apply to all patent applications filed after the date of entry into force of this Agreement for that Party, or the date two years after the signing of this Agreement, whichever is later for that Party.)

第18.46条:特許庁の遅延のための特許保護期間の調整
第1項
 加盟国は、不合理又は不必要な遅延を避けるべく効果的かつ時宜を得たやり方で特許の出願を処理するために最大の努力を払わなければならない。

第2項 加盟国は、その特許出願の審査の迅速化を求める特許出願のための手続きを規定しなければならない。

第3項 加盟国における特許発行において不合理な遅延がある場合、その加盟国は、そのための手段を規定し、特許権者の申請により、そのような遅延を補償するための特許の保護期間を調整しなければならない。(原注:付属18-D(訳注:ペルーに対する付属文書)が本項に適用される。)

第4項 本条の目的のため、不合理な遅延は少なくとも加盟国の領土内における提出の日から5年以上の特許の発行か、審査請求をされてから3年の内いずれか遅い方を含まなければならない。加盟国は、そのような遅延の決定において特許付与当局によるその特許出願の処理(原注:本項の目的のため、加盟国は、「処理」は初期の行政処理及び特許付与時の行政処理を意味すると解釈できる。)又は審査の間に生じたものでない期間;特許付与当局に直接的に起因しない期間(原注:加盟国は、「特許付与当局に直接的に起因しない期間」を特許付与当局の指揮又は管理外の遅延として扱うことができる。);並びに特許出願人に起因する期間を除外できる。(原注:第18.10条(既存の事項及び以前の行為に関する本章の適用)にかかわらず、本条は、本協定の加盟国における発効の日又は協定の署名後2年の日の内その加盟国にとっていずれか遅い日以降に提出された全ての特許出願に適用される。)

と、ほぼアメリカ政府が主張した通りの形でまとまっているが、遅延の期間は元々アメリカが主張していた4年・2年ではなくチリとペルーが主張していた5年・3年の案が通った。

(4)著作権保護の対象
 著作権保護の対象については、

Article 18.58: Right of Reproduction
Each Party shall provide (Footnote: For greater certainty, the Parties understand that it is a matter for each Party's law to prescribe that works, performances or phonograms in general or any specified categories of works, performances and phonograms are not protected by copyright or related rights unless the work, performance or phonogram has been fixed in some material form.) to authors, performers and producers of phonograms (Footnote: References to "authors, performers, and producers of phonograms" refer also to any of their successors in interest.) the exclusive right to authorise or prohibit all reproduction of their works, performances or phonograms in any manner or form, including in electronic form.

第18.58条:複製権
加盟国は、著作者、実演家及び録音製作者(原注:「著作者、実演家及び録音製作者」という記載は、その利益承継者も指し示すものである。)に、電子形式も含むあらゆる形式におけるその著作物、実演及び録音の全ての複製を許諾又は禁止する権利を与えなければならない(原注:明確化のため、加盟国は、それがある物質的な形式に固定されない限り、著作物一般又は著作物、実演又は録音の特定のカテゴリーが著作権又は著作隣接権の保護を受けられないことを規定するのは各国法の事項であると理解する。)。

と、多少注釈が整理されたものの、そのままの規定である。

(5)権利濫用の抑止、パブリックドメイン利用、伝統的知識・遺伝資源の保護、消尽
 第18.3条において一般原則としての濫用の抑止が残っているだけで、一般的に反競争的な権利濫用等を抑止できることを明確に述べていた以前の条項は消えたままであり、反競争的な行為があった場合の特許の無効化についてのかなりトリッキーな提案も通らなかったようである。

 そして、パブリックドメイン規定についても、

Article 18.15: Public Domain
1.
The Parties recognise the importance of a rich and accessible public domain.

2. The Parties also acknowledge the importance of informational materials, such as publicly accessible databases of registered intellectual property rights that assist in the identification of subject matter that has fallen into the public domain.

第18.15条:パブリックドメイン
第1項
 加盟国は、豊かでアクセス可能なパブリックドメインの重要性を認める。

第2項 加盟国は、パブリックドメインに落ちた対象を特定する助けとなる、登録された知的財産権の広くアクセス可能なデータベースのような情報マテリアルの重要性も認める。

と、特に変化はない。

 伝統的知識と遺伝的資源に関する条項については、やはり各国間で合意が取れなかったのだろうと見え、

Article 18.16: Cooperation in the Area of Traditional Knowledge
1.
The Parties recognise the relevance of intellectual property systems and traditional knowledge associated with genetic resources to each other, when that traditional knowledge is related to those intellectual property systems.

2. The Parties shall endeavour to cooperate through their respective agencies responsible for intellectual property, or other relevant institutions, to enhance the understanding of issues connected with traditional knowledge associated with genetic resources, and genetic resources.

3. The Parties shall endeavour to pursue quality patent examination, which may include:
(a) that in determining prior art, relevant publicly available documented information related to traditional knowledge associated with genetic resources may be taken into account;
(b) an opportunity for third parties to cite, in writing, to the competent examining authority prior art disclosures that may have a bearing on patentability, including prior art disclosures related to traditional knowledge associated with genetic resources;
(c) if applicable and appropriate, the use of databases or digital libraries containing traditional knowledge associated with genetic resources; and
(d) cooperation in the training of patent examiners in the examination of patent applications related to traditional knowledge associated with genetic resources.

第18.16条:伝統的知識の領域における協力
第1項
 加盟国は、伝統的知識が知的財産制度に関係しているとき、知的財産制度及び遺伝資源と結びついた伝統的知識の間の関連性を認める。

第2項 加盟国は、遺伝資源に結びついた伝統的知識及び遺伝資源に関連する事項の理解の強化のため、知的財産について責任を有する各官庁又はその他の関連機関を通じ、協力に努める。

第3項 加盟国は高品質な特許審査の追求に努める、これは以下のことを含み得る:
(a)先行技術の決定において、関連して一般的に利用可能な遺伝資源に結びついた伝統的知識に関係する資料情報が考慮に入れられ得ること;
(b)遺伝資源に結びついた伝統的知識に関係する先行技術の開示を含め、権限を有する審査当局に特許性に関わり得る先行技術の開示を書面で引用する第三者のための機会;
(c)適用可能で適切な場合に、遺伝資源と結びついた伝統的知識を含むデータベース又は電子図書館の利用;及び
(d)遺伝資源と結びついた伝統的知識に関係する特許出願の審査を行う特許審査官の訓練における協力。

と、当たり障りのない協力規定に落とされている。

 消尽については、

Article 18.11: Exhaustion of Intellectual Property Rights
Nothing in this Agreement prevents a Party from determining whether or under what conditions the exhaustion of intellectual property rights applies under its legal system. (Footnote: For greater certainty, this Article is without prejudice to any provisions addressing the exhaustion of intellectual property rights in international agreements to which a Party is a party.)

第18.11条:知的財産権の消尽
本協定のいずれも、その法制下でどのような条件において知的財産権の消尽が適用されるか又は適用されるかどうかを決定することを加盟国に妨げない。(原注:明確化のため、本条が、加盟国が加盟している国際協定における知的財産の消尽を対象とする規定に影響することはない。)

と、明確化のための注釈が加わっているが、特に規定に変更はない。

 TPP協定知財章の条文は、合意が取れなかったのだろう部分が削除され、シンプルな形になっているが、その過程で他国からのカウンターの提案はほとんど消えてしまうか、当たり障りのないない形に変えられてしまったのに比べ、日米政府がごり押ししたのだろう規定は残り、全体として非常に強い知財保護を求めるものとなっている。

 リーク文書を順に追っていくと、アメリカ政府に押し切られる形で日本政府が知財法改正について愚かなコミットメントをして行ったことが明らかに見て取れ、結果として本当にTPP協定の批准をするのであれば、日本の国内法の改正が必要となるが、前回も書いた通り、これほど強い知財保護を求めるTPP協定の各国における署名、批准にはまだ相当の曲折が予想されるのであり、TPP協定も海賊版対策条約(ACTA)の二の舞になるのではないかという危惧を私は抱いている。ACTAの時も日本政府が推進して真っ先に法改正までしたが結局どこの国も全くついて来ないという惨憺たる結果に終わったのである(第279回参照)。あの顛末からしても、TPP協定の検討は他国の状況も見ながら慎重に進めるべきであって、拙速にしてはならないと私は思うのだが、直近の文化庁の検討の様子を見るにつけ、極めて危うい検討が超ハイスピードで進められるのではないかと不安でならない。

(2015年11月8日夜の追記:1カ所誤記を直した。)

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2015年11月 1日 (日)

第350回:TPP協定知財章最終条文リーク(2015年10月版条文の特許の保護期間延長と新薬保護の強化関連部分)

 文化庁から11月4日の文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会でTPP協定の対応について審議するということが発表され、文化庁が現時点でどこまで情報を出して来るか、具体的にどのように審議が進められるかが非常に気になっているが、いまだにTPP協定の詳細な条文の公表はないので、順次TPP協定知財章の最終リーク条文のポイント部分の翻訳紹介を続けて行くことにする。

 今回は、前々々回前々回前回に引き続き、TPP協定知財章で最も揉めた部分と言われている特許の保護期間延長と新薬保護の強化関連部分についてである。

 細かなことが気になる方はまとめて最後に載せる関連部分の翻訳を読んで頂ければと思うが、2015年5月時点の条文(第343回参照)と比べ、新薬データの保護について、結局日米政府が自分たちの案をほぼ通し、通常の医薬品は5年の保護、(これまであり得る期間の選択肢が並んでいるだけだったので翻訳していなかったが)バイオ医薬も実質8年の保護(データ保護で8年か、データ保護5年とその他の措置で実質8年のいずれか)という形で決着している。

 大筋合意がされたとは言え、このような形の条文をごり押ししたことで日米政府は他の国からの恨みを相当買っているだろうし、幾つかの国においては国民の命を売ったに等しいこのような協定の署名、批准はまだ相当の曲折が予想される。さらに言えば、今後アメリカ政府すらこの部分をこのような妥協の形で決着させたことについて製薬会社からも、ジェネリック薬の利用を推進する側からも突き上げを食らうだろうことが想定されるのである。

 日本についてはと言えば、確かにこの形ならば法改正は必要ないが、他国での規制が強化された結果として日本においてもジェネリック薬の値段が上がったり、手に入りにくくなったりするということは十分考えられるのであり、私は特許と医薬の面からもTPP協定に全く賛同できない。

 他国においても、日本においてもTPP協定の署名、批准の手続きが進まないことを私は願ってやまない。

(今回は、念のため、最初のリーク文書(第302回参照)以来の翻訳として特許リンケージについても訳出した。場合によっては特許リンケージについて法改正が必要となる可能性が出て来ると私は思っていたが、最終的な条文では、何らかの形で特許権者以外の第三者への特許医薬品の無許諾での販売の認可を排除できれば良く、これならば確かに、そのような運用を行っている日本において特許リンケージに関する法改正は必要ないだろう。)

(なお、翻訳中で略した部分の第QQ.E.12条は次回取り上げる予定である。)

(またなお、翻訳の最後に移行期間について最後に中身のない括弧があるが、セクションJの最終規定部分によれば、各国の移行期間は、第QQ.E.14条第2項(特許の保護期間延長)についてマレーシア4.5年、メキシコ4.5年、ベトナム5年、第 QQ.E.16条(医薬品のデータ保護)についてメキシコ5年、ベトナム10年、特に第QQ.E.16条第2項についてペルー5年、第QQ.E.17条 (特許リンケージ)についてマレーシア4.5年、ベトナム3年、第QQ.E.20条(バイオ医薬)についてマレーシア5年、メキシコ5年、ペルー10年、 ベトナム10年となっている。ブルネイ、チリ、マレーシア、ペルーにおける新薬データ保護の運用についてさらに細かなことを規定した付属もあるが、あまり に細かな点となるので、ここでは省略する。)

(2015年11月2日夜の追記:読みやすさを考え、括弧の記載の段落を分けた。)

(2015年11月8日夜の追記:幾つか訳し漏らしていた記載を追加した(第QQ.E.16条において「明確化のため、加盟国は、第QQ.E.16条第1項の保護期間を5年に、第QQ.E.20条第1項(a)(バイオ医薬)の保護期間を8年に制限できる。」という注釈を追加、第QQ.E.20条において「病気又は疾患の予防、治療又は治癒のために人に用いられる、」という記載を追加)。)

(以下、リーク条文とその翻訳。)

Article QQ.E.12: {Patent Term Adjustment for Patent Office Delays}
...

{Subsection B: Data Protection for Agricultural Chemical Products}
Article QQ.E.13: {Agricultural Chemical Products}

...

{Subsection C: Measures Relating to Pharmaceutical / Regulated Products}
Article QQ.E.14: {Patent Term Adjustment for Unreasonable Curtailment}
1.
Each Party shall make best efforts to process applications for marketing approval of pharmaceutical products in an efficient and timely manner, with a view to avoiding unreasonable or unnecessary delays.

2. With respect to a pharmaceutical product (Footnote: A Party may comply with the obligations of this paragraph with respect to a pharmaceutical product or, alternatively, with respect to a pharmaceutical substance.) that is subject to a patent, each Party shall make available an adjustment (Footnote: For greater certainty, a Party may alternatively make available a period of additional sui generis protection to compensate for unreasonable curtailment of the effective patent term as a result of the marketing approval process. The sui generis protection shall confer the rights conferred by the patent, subject to any conditions and limitations pursuant to Paragraph 3.) of the patent term to compensate the patent owner for unreasonable curtailment of the effective patent term as a result of the marketing approval process (Footnote: Notwithstanding Article QQ.A.10bis, this Article shall apply to all applications for marketing approval filed after the date of entry into force of this Article for that Party.).

3. For greater certainty, in implementing the obligations of this Article, each Party may provide for conditions and limitations provided that the Party continues to give effect to this Article.

4. With the objective of avoiding unreasonable curtailment of the effective patent term, a Party may adopt or maintain procedures that expedite the examination of marketing approval applications.

Article QQ.E.15: {Regulatory Review Exception}
...

Article QQ.E.16: {Pharmaceutical Data Protection/Protection of Undisclosed Test or Other Data}
1. (a)
If a Party requires, as a condition for granting marketing approval for a new pharmaceutical product, the submission of undisclosed test or other data concerning the safety and efficacy of the product (Footnote: Each Party confirms that the obligations of Article QQ.E.16, and QQ.E.20 apply to cases in which the Party requires the submission of undisclosed test or other data concerning: (a) only the safety of the product, (b) only the efficacy of the product, or (c) both.), the Party shall not permit third persons, without the consent of the person who previously submitted such information, to market the same or a similar (Footnote: For greater certainty, for purposes of this Section, a pharmaceutical product is "similar" to a previously approved pharmaceutical product if the marketing approval, or, in the alternative, the applicant's request for such approval, of that similar pharmaceutical product is based upon the undisclosed test or other data concerning the safety and efficacy of the previously approved pharmaceutical product, or the prior approval of that previously approved product.) product on the basis of:
(i) that information; or
(ii) the marketing approval granted to the person who submitted such information
for at least five years (Footnote: For greater certainty, a Party may limit the period of protection under Article QQ.E.16.1 to 5 years, and the period of protection under Article QQ.E.20.1(a) to 8 years.) from the date of marketing approval of the new pharmaceutical product in the territory of the Party.

(b) If a Party permits, as a condition of granting marketing approval for a new pharmaceutical product, the submission of evidence of prior marketing approval of the product in another territory, the Party shall not permit third persons, without the consent of a person who previously submitted such information concerning the safety and efficacy of the product, to market a same or a similar product based on evidence relating to prior marketing approval in the other territory for at least five years from the date of marketing approval of the new pharmaceutical product in the territory of the Party.

2. Each Party shall (Footnote: A Party that provides a period of at least 8 years of protection pursuant to QQ.E.16.1 is not required to apply Article QQ.E.16.2.):
(a) apply Article QQ.E.16.1 mutatis mutandis for a period of at least three years with respect to new clinical information submitted as required in support of a marketing approval of a previously approved pharmaceutical product covering a new indication, new formulation or new method of administration; or alternatively,

(b) apply Article QQ.E.16.1 mutatis mutandis for a period of at least five years to new pharmaceutical products that contain a chemical entity that has not been previously approved in the Party (Footnote: For the purposes of this QQ.E.16.2(b), a Party may choose to protect only the undisclosed test or other data concerning the safety and efficacy relating to the chemical entity that has not been previously approved.).

3. Notwithstanding paragraphs 1 and 2 above and Article QQ.E.20, a Party may take measures to protect public health in accordance with:
(a) the Declaration on the TRIPS Agreement and Public Health (WT/MIN(01)/DEC/2) (the "Declaration");

(b) any waiver of any provision of the TRIPS Agreement granted by WTO Members in accordance with the WTO Agreement to implement the Declaration and in force between the Parties; and

(c) any amendment of the TRIPS Agreement to implement the Declaration that enters into force with respect to the Parties.

Article QQ.E.17: {}
1.
If a Party permits, as a condition of approving the marketing of a pharmaceutical product, persons, other than the person originally submitting the safety and efficacy information, to rely on evidence or information concerning the safety and efficacy of a product that was previously approved, such as evidence of prior marketing approval by the Party or in another territory, that Party shall provide (Footnote: Drafter's Note: The Parties understand that QQ.A.5 applies to the provisions of this Chapter, including this paragraph. Accordingly, a Party may implement this Article by applying it to any pharmaceutical product that is subject to a patent.):
(a) a system to provide notice to a patent holder (Footnote: For greater certainty, for purposes of this Article, a Party may provide that a "patent holder" includes a patent licensee or the authorized holder of marketing approval.) or to allow for a patent holder to be notified prior to the marketing of such a pharmaceutical product, that such other person is seeking to market that product during the term of an applicable patent claiming the approved product or its approved method of use;

(b) adequate time and opportunity for such a patent holder to seek, prior to the marketing (Footnote: For the purposes of Article QQ.E.17.1(b), a Party may treat "marketing" as commencing at the time of listing for purposes of the reimbursement of pharmaceutical products pursuant to a national healthcare program operated by a Party and inscribed in the Annex attached to the Chapter XX TPP Transparency Annex on Transparency and Procedural Fairness for Pharmaceutical Products and Medical Devices.) of an allegedly infringing product, available remedies in subparagraph (c); and

(c) procedures, such as judicial or administrative proceedings, and expeditious remedies, such as preliminary injunctions or equivalent effective provisional measures, for the timely resolution of disputes concerning the validity or infringement of an applicable patent claiming an approved pharmaceutical product or its approved method of use.

2. As an alternative to paragraph 1, a Party shall instead adopt or maintain an extra-judicial system which precludes, based upon patent-related information submitted to the marketing approval authority by a patent holder or the applicant for a marketing approval, or based on direct coordination between the marketing approval authority and the patent office, the issuance of marketing approval to any third party seeking to market a pharmaceutical product subject to a patent claiming that product, unless by consent or acquiescence of the patent holder.

Article QQ.E.20: {Biologics}
1.
With regard to protecting new biologics, a Party shall either:
(a) with respect to the first marketing approval in a Party of a new pharmaceutical product that is or contains a biologic (Footnote: Nothing requires a Party to extend the protection of this paragraph to:(a) any second or subsequent marketing approval of such a pharmaceutical product; or (b) a pharmaceutical product that is or contains a previously approved biologic.), (Footnote: Each Party may provide that an applicant may request approval of a pharmaceutical product that is a biologic under the procedures set forth in Article QQ.E.16.1(a)-(b) within 5 years of entry into force of this Agreement, provided that other pharmaceutical products in the same class of products have been approved by the Party under the procedures set forth in Article QQ.E.16.1(a)-(b) before entry into force of this Agreement.), provide effective market protection through the implementation of Article QQ.E.16.1 and Article QQ.E.16.3 mutatis mutandis for a period of at least 8 years from the date of first marketing approval of that product in that Party; or alternatively

(b) with respect to the first marketing approval in a Party of a new pharmaceutical product that is or contains a biologic, provide effective market protection:
(i) through the implementation of Articles QQ.E.16.1 and QQ.E.16.3 mutatis mutandis for a period of at least 5 years from the date of first marketing approval of that product in that Party;
(ii) through other measures; and
(iii) recognizing that market circumstances also contribute to effective market protection
to deliver a comparable outcome in the market.

2. For the purposes of this Section, each Party shall apply this provision to, at a minimum, a product that is, or alternatively, contains, a protein produced using biotechnology processes (Footnote: Drafters' note: The Parties understand that Article QQ.A.5 applies to the provisions of this Chapter, including the definition of "biotechnology process" in this paragraph. Accordingly, the Parties understand that each Party may determine the meaning of biotechnology processes in its legal system and practice.), for use in human beings for the prevention, treatment, or cure of a disease or condition.

3. Recognizing that international and domestic regulation of new pharmaceutical products that are or contain a biologic is in a formative stage and that market circumstances may evolve over time, the Parties shall consult after 10 years, or as otherwise decided by the TPP Commission, to review the period of exclusivity provided in paragraph 1 and the scope of application provided in paragraph 2, with a view to providing effective incentives for the development of new pharmaceutical products that are or contain a biologic, as well as with a view to facilitating the timely availability of follow-on biosimilars, and to ensuring that the scope of application remains consistent with international developments regarding approval of additional categories of new pharmaceutical products that are or contain a biologic.

PLACEMENT TBD: To implement {and comply with} QQ.E.20.1(a) and (b), only the following TPP Parties have determined that they require change to their law, and thus require transition periods:
(i) For (**), a transition of (x) years
(ii) For (***), a transition of (y) years.

第QQ.E.12条:{特許庁の遅延のための特許保護期間の調整}
(略)

{サブセクションB:農薬のためのデータ保護}
第QQ.E.13条:{農薬}

(略)

{サブセクションC:医薬/規制品に関する措置}
第QQ.E.14条:{不合理な短縮のための特許保護期間の調整}
第1項
 加盟国は、不合理又は不必要な遅延を避けるべく効果的かつ時宜を得たやり方で販売認可の申請を処理するために最大の努力を払わなければならない。

第2項 特許の対象となっている医薬品(原注:加盟国は、本項の義務に医薬品に関してか、その代わりに医薬物質に関して合致することができる。)に関して、販売認可手続きの結果としての有効な特許期間の不合理な短縮を特許権者に補償する調整(原注:明確化のため、加盟国は、販売認可手続きの結果としての不合理な短縮の補償について追加の独自保護の期間を代わりに利用可能とすることもできる。この独自保護は第3項に定められたあらゆる条件及び制限に服しつつ、特許によって付与される権利を与えなければならない。)を利用可能としなければならない(原注:第QQ.A.10の2条にかかわらず、本条はその加盟国における本項の発効日以降に申請された販売認可申請にのみ適用される。)。

第3項 明確化のため、本条の義務を実施するにあたり、その加盟国が本条に効力を与え続ける限り、加盟国は条件と制限を規定できる。

第4項 有効な特許保護期間の不合理な短縮を避ける目的で、加盟国は販売認可申請の審査を迅速化する手続きを採用又は維持できる。

第QQ.E.15条:{規制審査のための例外}
(略)

第QQ.E.16条:{医薬データの保護/非開示テスト又はその他のデータの保護}
第1項(a)
新しい医薬品のための販売認可の条件として、医薬品の安全性及び有効性に関する非開示テスト又はその他のデータの提出を要求する場合(原注:各加盟国は、第QQ.E.16及びQQ.E.20条の義務は(a)医薬品の安全性のみ、(b)医薬品の有効性のみ又は(c)その両方に関する非開示テスト又はその他のデータの提出を求める場合に適用されることを確認する。)、加盟国は、加盟国の領土内におけるその新しい医薬品の販売認可の日から少なくとも5年間(原注:明確化のため、加盟国は、第QQ.E.16条第1項の保護期間を5年に、第QQ.E.20条第1項(a)(バイオ医薬)の保護期間を8年に制限できる。)は、そのような情報を以前に提出した者の同意なく、以下のものに基づいて第三者に同じ又は類似の(原注:明確化のため、本セクションの目的のため、その類似する医薬品の販売認可が、以前に認可された医薬品の安全性若しくは有効性に関する情報又は以前に認可された医薬品の以前の認可に基づく場合、医薬品は以前に認可された医薬品に「類似」する。)医薬品を販売することを認めてはならない:
(ⅰ)その情報;又は
(ⅱ)そのような情報を提出した者への販売認可。

(b)新しい医薬品のための販売認可の条件として、他国における以前の販売認可の証拠の提出を許可する場合、加盟国は、加盟国の領土内における新しい医薬品の販売認可の日から少なくとも5年間は、安全性又は有効性に関するそのような情報を以前に提出した者の同意なく、その他国における以前の認可に関する証拠に基いて第三者に同じ又は類似の医薬品を販売することを認めてはならない。

第2項 加盟国は以下のことをしなければならない(原注:第QQ.E.16条に従い、8年以上の保護の期間を規定する加盟国が、第QQ.E.16条第2項の適用を求められることはない。):
(a)第QQ.E.16条第1項を、新しい適応症、新しい製剤又は新しい処方をカバーする、以前に認可された医薬品の販売認可の補強として要求され、提出された新しい臨床情報に関して少なくとも3年の期間準用すること;又はその代わりに、

(b)第QQ.E.16条第1項を、その加盟国において以前に認可されていない化学成分を含む新しい医薬品に対して少なくとも5年の期間準用すること(原注:第QQ.E.16条第2項(b)の目的のため、加盟国は、以前に認可されていない化学成分に関する安全性及び有効性に関係する非開示テスト又はその他のデータのみを保護することを選択できる。)。

第3項 第1項及び第2項並びに第QQ.E.20条にかかわらず、加盟国は以下のものに合致する形で公衆衛生を保護する措置を取ることができる:
(a)TRIPS協定及び公衆衛生に関する宣言(WT/MIN(01)/DEC2)(「宣言」);

(b)加盟国間で発行している宣言の実施についてのWTO協定に合致する形でWTO参加国によって認められたTRIPS協定の規定免除;及び

(c)加盟国に対して発効している宣言の実施についてのTRIPS協定の改正。

第QQ.E.17条:{}
第1項
 医薬品の販売認可の条件として、他国における以前の販売認可の証拠のような、以前に認可された製品のための安全性又は有効性に関する情報又は証拠に依拠することを、安全性又は有効性情報を元々提出した者以外の他の者に要求又は許可する場合には、加盟国は以下を規定しなければならない(原注:起草者注:加盟国は、第QQ.A.5条の規定(訳注:TPP協定知財章に反しない限り、実施のための国内法の規定の仕方は問わないことを述べた一般規定)が、本条を含め、本章の規定に適用されると理解する。したがって、加盟国はこれを特許の対象である医薬品に適用し、本条を実施できる。):
(a)認可医薬品又はその認可利用方法を対象とする特許の保護期間の間にそのような他の者が販売しようとするそのような医薬品の販売より前に特許権者(原注:明確化のため、本条の目的のため、加盟国は、「特許権者」が特許ライセンシー又は販売認可の許諾権者を含むことを規定できる。)に通知を送るか、特許権者に通知されることを許可する法制;

(b)侵害の疑いがある医薬品の販売(原注:加盟国は、「販売」を、第QQ.E.17条第1項(b)の目的のため、加盟国は、加盟国によって運用され、第XX章の付属、医薬品及び医療機器についての透明性及び手続きの公平性に関するTPP透明性付属に記入された国内医療プログラムに従う医薬品の償還の目的のためのリスト化の時に始まると扱うことができる。)より前に、(c)の利用可能な救済措置を特許権者が求めるための適切な時間と機会;及び

(c)仮差止め又は同等の有効な仮の措置のような、認可医薬品又はその認可利用方法を対象とする特許の有効性又は侵害に関する争いの時宜を得た解決を可能とする司法又は行政等の手続き及び迅速な救済措置。

第2項 第1項の代替としては、加盟国は代わりに、特許権者又は販売認可申請者が販売認可当局に提出する特許に関する情報に基づき、又は販売認可当局及び特許庁間の直接協力に基づき、特許権者の同意又は承諾がない限り、その医薬品を対象とする特許に服する医薬品の販売を求める第三者への販売認可を排除する司法外の法制を採用又は維持しなければならない。

第QQ.E.20条:{バイオ医薬}
第1項
 新しいバイオ医薬の保護に関して、加盟国は以下のいずれかをしなければならない:
(a)バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の加盟国における最初の販売認可に関して(原注:加盟国が、本項の保護を、(a)そのような医薬品の第二の若しくは後の販売認可、又は(b)以前に認可されたバイオ医薬であるか、以前に認可されたバイオ医薬を含む医薬にまで拡張をすることを求められることはない。)、(原注:医薬品の同じクラスにおけるその他の医薬品が本協定の発効前に第QQ.E.16条(a)−(b)に規定された手続きの下で加盟国により認可された場合に、加盟国は、申請人は、第QQ.E.16条(a)−(b)に規定された手続きの下でのバイオ医薬である医薬の販売認可を本協定の発効後5年以内に求めることができると規定できる。)、加盟国におけるその医薬品の最初の販売認可から少なくとも8年の期間の第QQ.E.16条第1項及び第QQ.E.16条第3項の準用実施により有効な市場保護を与えること;又はその代わりに、

(b)バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の加盟国における最初の販売認可に関して、市場において同等の結果を出すべく、以下により、有効な市場保護を与えること:
(ⅰ)加盟国におけるその医薬品の最初の販売認可から少なくとも5年の期間の第QQ.E.16条第1項及び第QQ.E.16条第3項の準用実施により:
(ⅱ)その他の措置により;そして
(ⅲ)市場環境も有効な市場保護に寄与することを認めることにより。

第2項 本セクションの目的のため、加盟国は、本規定を、少なくとも、病気又は疾患の予防、治療又は治癒のために人に用いられる、バイオ技術プロセスを使って製造されたたんぱく質であるか、バイオ技術プロセス(原注:起草者注:加盟国は、第QQ.A.5条の規定が、「バイオ技術」の定義を含め、本章の規定に適用されると理解する。したがって、加盟国は、その法制及び実務においてバイオ技術プロセスの意味を決定できると理解する。)を使って製造されたたんぱく質を含む医薬品に適用しなければならない。

第3項 バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の国際及び国内規制は初期段階であり、市場環境は時を経るにつれて発展することを認識し、加盟国は、後のバイオ後続品の時宜を得た入手を容易にする観点、並びに、適用の範囲が、バイオ医薬であるか、バイオ医薬を含む新しい医薬品の追加のカテゴリーの認可に関する国際的発展と合致し続けることを確保する観点から、第1項に規定された排他期間及び第2項に規定された適用の範囲の見直しを10年後又はTPP委員会によって別に決められた通りに検討する。

場所未定:QQ.E.20条第1項(a)及び(b)を実施する際、以下のTPP参加国のみ、その国内法の改正を求め、このように移行期間を求めると決めた。
(ⅰ)(**)について、(x)年の移行
(ⅱ)(***)について、(y)年の移行。

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