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2013年8月18日 (日)

第295回:ドイツにおける著作権侵害警告濫用抑止・利用者保護のため弁護士費用を制限する再度の著作権法改正他

 今回も前回に引き続き海外動向の1つということでドイツの著作権法改正絡みの話をまとめて書いておきたいと思う。

(1)著作権侵害警告濫用抑止・利用者保護のため弁護士費用を制限する再度の著作権法改正
 公布・施行がまだであることに注意が必要だが、weltの記事(ドイツ語)ドイツ法務省のリリース1(ドイツ語)に書かれている通り、この6月27日に著作権侵害警告の濫用を抑制するための著作権法改正案がドイツ連邦議会を通り成立している。

 今回の法改正案(ドイツ政府の提出法案(pdf)とドイツ連邦議会法務委員会の修正提案(pdf)参照、ドイツ連邦議会のリリース1(ドイツ語)も参照)で、侵害警告を規定するドイツ著作権法の第97a条は以下のような形になる。(「不当業務対策法案」というその正式名称が示す通り、この法改正案は必ずしも著作権問題だけを対象とするものではないのだが、ここでは著作権に関係する部分だけを取り上げる。)

§97a Abmahnung
(1) Der Verletzte soll den Verletzer vor Einleitung eines gerichtlichen Verfahrens auf Unterlassung abmahnen und ihm Gelegenheit geben, den Streit durch Abgabe einer mit einer angemessenen Vertragsstrafe bewehrten Unterlassungsverpflichtung beizulegen.

(2) Die Abmahnung hat in klarer und verstandlicher Weise:
1. Name oder Firma des Verletzten anzugeben, wenn der Verletzte nicht selbst, sondern ein Vertreter abmahnt,
2. die Rechtsverletzung genau zu bezeichnen,
3. geltend gemachte Zahlungsanspruche als Schadensersatz- und Aufwendungsersatzanspruche aufzuschlusseln und
4. wenn darin eine Aufforderung zur Abgabe einer Unterlassungsverpflichtung enthalten ist, anzugeben, inwieweit die vorgeschlagene Unterlassungsverpflichtung uber die abgemahnte Rechtsverletzung hinausgeht.
  Eine Abmahnung, die nicht Satz 1 entspricht, ist unwirksam. Wenn ein Verletzer aufgrund einer solchen Abmahnung eine Unterlassungserklarung abgibt, so ist diese Unterlassungserklarung unwirksam.

(3) Soweit die Abmahnung berechtigt ist und Absatz 2 Nummern 1 bis 4 entspricht, kann der Ersatz der erforderlichen Aufwendungen verlangt werden. Fur die Inanspruchnahme anwaltlicher Dienstleistungen beschrankt sich der Ersatz der erforderlichen Aufwendungen hinsichtlich der gesetzlichen Gebuhren auf Gebuhren nach einem Gegenstandswert fur den Unterlassungs- und Beseitigungsanspruch von 1 000 EUR, wenn der Abgemahnte
1. eine naturliche Person ist, die nach diesem Gesetz geschutzte Werke oder andere nach diesem Gesetz geschutzte Schutzgegenstande nicht fur ihre gewerbliche oder selbstandige berufliche Tatigkeit verwendet, und
2. nicht bereits wegen eines Anspruchs des Abmahnenden durch Vertrag, aufgrund einer rechtskraftigen gerichtlichen Entscheidung oder einer einstweiligen Verfugung zur Unterlassung verpflichtet ist.
  Der in Satz 2 genannte Wert ist auch massgeblich, wenn ein Unterlassungs- und ein Beseitigungsanspruch nebeneinander geltend gemacht werden. Satz 2 gilt nicht, wenn der genannte Wert nach den besonderen Umstanden des Einzelfalles unbillig ist.

(4) Soweit die Abmahnung unberechtigt oder unwirksam ist, kann der Abgemahnte Ersatz der fur die Rechtsverteidigung erforderlichen Aufwendungen verlangen, es sei denn, es war fur den Abmahnenden zum Zeitpunkt der Abmahnung nicht erkennbar, dass die Abmahnung unberechtigt war. Weiter gehende Ersatzanspruche bleiben unberuhrt.

第97a条 侵害警告
第1項 侵害を受けた者は、不作為に関する裁判手続の開始前に、侵害者に警告を行い、適切な示談金により賠償責任を果たす契約で争いを解決する機会を与えなくてはならない。

第2項 警告は明確に理解できる形で、以下を満たすものでなければならない:
1.侵害を受けた者の名前又は社名を挙げること、侵害を受けた者自身でなく代理人が警告する場合もそうすること、
2.権利侵害を正確に示すこと、
3.支払い請求の主張を損害賠償と費用請求とに分けて示すこと、かつ、
4.その中に不作為義務の履行要求が含まれている場合、その求める所の不作為義務がその警告中の権利侵害との関係でどこまで及ぶかを示すこと。
 第一文に合致しない警告は無効である。

第3項 警告が正当なものであり、第2項1.から4.の各号に合致するものである限りにおいて、要した費用の補償を求めることができる。警告を受けた者が以下を満たす場合、弁護士費用の請求については、法定料金として決まる補償費用は1000ユーロの不作為又は削除請求についての対象額の場合の料金に制限される:
1.自然人であって、著作物又は隣接権によって保護を受けるものを商業的な又は自営業の活動に利用しておらず、かつ、
2.既に契約を通じた原告の請求によってか、執行可能な判決又は仮処分に基づいて不作為の義務を負っていない場合であること;
 第2文の額は不作為及び削除請求をともに主張する場合にも基準額とされる。ただし、その額が個々の事件の特別な状況から不適切な場合は第2文は適用されない。

第4項 警告が不当なものであるか無効なものである場合、警告を受けた者はその法的防衛に要した費用の補償を求めることができる。ただし、警告者が警告の時点で警告が不当なものであることを知り得なかった場合を除く。さらなる賠償請求に影響が及ぶことはない。

 これでどうして弁護士費用が150ユーロ程度に制限されることになるのかが分かりにくいのだが、ドイツの場合、弁護士費用法で細かく料金が決まっているので、この場合の通常の弁護士費用の最大額を計算してみると、

(85ユーロ×1.3+20ユーロ)×1.19=155.30ユーロ

となるのである。(85ユーロは対象額1000ユーロの場合の基準額、1.3は通常の代理の場合に基準額にかけられる最大の係数、20ユーロは最大の通信費、1.19の19%は消費税。)

 なお、翻訳は省略するが、この法改正は著作権法第104a条として裁判は原則として侵害者の居住地の裁判所で行うこととする条項も追加している。この法改正は、このような権利者に有利な裁判所の選択・フォーラムショッピングを禁止する条項の追加も利用者・ユーザー・消費者保護のために行っている。

 過去のドイツの著作権法改正経緯の詳細については過去のエントリをご覧頂ければと思うが、第97回で書いたように、ドイツは、以前、P2P違法ファイル共有に対する刑事告訴の乱発から刑事手続きが破綻したため、2008年に警告で要求できる弁護士費用を100ユーロに制限するなどのユーザー保護を加えた上で情報開示請求と民事警告を基本とする民事切り換えの法改正を行ったものの、その後の実運用でそのユーザー保護規定は守られず、膨大な民事警告が出され続け混乱が続き、結局このように再度の法改正を余儀なくされた訳である。

 その事情に関しては、上でリンクを張った記事でも、2012年までにドイツでは延べ430万人が警告を受けており、弁護士事務所は平均で800ユーロ程度を1回の警告で要求しており、2011年に警告を受けた者のうち40%程度が支払っており、弁護士事務所の警告の要求額は総計で1億6500万ユーロにも及ぶという莫大な数字が書かれている。この数字だけでもドイツが如何に膨大な民事警告に頭を悩ませているかということが分かると思うが、今までの件数について、ドイツ警察庁の統計と警告対策組合の統計からグラフを作ってみると、

Germain_criminal_case
Germain_civil_case
となる。2008年以前は警察統計に細目の数字が必ずしもないのだが、推移から見てドイツでは著作権侵害について最盛期で3万件近い刑事告訴があったことが見て取れるだろう。民事警告の件数の方は民間団体が出している数字であり、これで全てではないと考えられるが、ピークアウトこそしているようであるものの今なお少なくとも年数十万件という大量の警告が出されている状況に変わりはない。このグラフだけからでも2007年のダウンロード違法化・犯罪化の明確化前後から最近までのドイツの著作権とインターネットの問題を巡る混迷事情が分かるのではないかと思う。

 今回の法改正も前回と同じく実際の運用がどうなるかを見てみないと何とも言えないところもあり、実際のところ著作権侵害警告が弁護士業界・著作権業界の新たなビジネス・飯の種となってしまっていることが最大の問題なのでそう簡単に収束するとも思えないが、さすがに2回目の同趣旨の法改正であり、施行されれば状況は多少は改善されるのではないだろうか。

 日独では事情が異なり、日本がダウンロード違法化・犯罪化後ドイツのようになっていないのは僥倖だが、実のところそれは運用頼みの薄氷の僥倖でしかない。場合によっては日本でも同じことは起こり得るのであり、ドイツの状況は反面教師国の1つとして常に念頭に置いておくべきものだろう。ダウンロード違法化・犯罪化条項は著作権法から削除すべきと私は常に思っている。

(2)孤児・絶版作品デジタル利用促進法
 また、同じ日に孤児・絶版作品デジタル利用促進法案もドイツ連邦議会を通っている。(heise.deの記事(ドイツ語)、ドイツ法務省のリリース2(ドイツ語)参照。)

 この法改正も公布・施行がまだであることに注意しておくべきだが、この法改正案(ドイツ政府の提出法案(pdf)とドイツ連邦議会法務委員会の修正提案(pdf)参照)は、主に以下のような条文を著作権法に追加しようとするものである。

§61 Verwaiste Werke
(1) Zulassig sind die Vervielfaltigung und die offentliche Zuganglichmachung verwaister Werke nach Massgabe der Absatze 3 bis 5.

(2) Verwaiste Werke im Sinne dieses Gesetzes sind
1. Werke und sonstige Schutzgegenstande in Buchern, Fachzeitschriften, Zeitungen, Zeitschriften oder anderen Schriften,
2. Filmwerke sowie Bildtrager und Bild- und Tontrager, auf denen Filmwerke aufgenommen sind, und
3. Tontrager
aus Sammlungen (Bestandsinhalte) von offentlich zuganglichen Bibliotheken, Bildungseinrichtungen, Museen, Archiven sowie von Einrichtungen im Bereich des Film- oder Tonerbes, wenn diese Bestandsinhalte bereits veroffentlicht worden sind, deren Rechtsinhaber auch durch eine sorgfaltige Suche nicht festgestellt oder ausfindig gemacht werden konnte.
...

(5) Die Vervielfaltigung und die offentliche Zuganglichmachung durch die in Absatz 2 genannten Institutionen sind nur zulassig, wenn die Institutionen zur Erfullung ihrer im Gemeinwohl liegenden Aufgaben handeln, insbesondere wenn sie Bestandsinhalte bewahren und restaurieren und den Zugang zu ihren Sammlungen eroffnen, sofern dies kulturellen und bildungspolitischen Zwecken dient. Die Institutionen durfen fur den Zugang zu den genutzten verwaisten Werken ein Entgelt verlangen, das die Kosten der Digitalisierung und der offentlichen Zuganglichmachung deckt.

第61条 孤児作品
第1項 第3項から第5項の条件下で、孤児作品を複製及び公衆にアクセス可能とすることができる。

第2項 本法における孤児作品とは以下のものであり、
1.本、専門雑誌、報道雑誌、新聞又はその他の出版物における著作物及びその他の保護対象物
2.映像作品、並びに、その映像作品が固定された録画媒体及び録音録画媒体
3.録音媒体
かつ、公衆にアクセス可能とされた図書館、教育機関、美術館、文書館及び映像音楽遺産分野の機関の収集品(収蔵品)であり、その収蔵品が既に公開されており、その権利者が入念な調査によっても不明であるか見つけ出すことができないものである。

(略:第3項は著作者が複数の場合の取り扱いについて、第4項は未公開著作物の取り扱いについて規定)

第5項 第2項に記載された機関による複製及び公衆へのアクセス可能化は、それらの機関がその公共の福祉に関わる目的を果たそうとする場合にのみ、特にそれらが収蔵品を保存し、補修し、その収集品へのアクセスを公開する場合にのみ、その文化的及び教育政策的な目的に役立つ限りにおいて、許される。それらの機関は利用する孤児作品へのアクセスに対して、デジタル化と公衆へのアクセス可能化の費用をカバーする料金の支払いを求めることができる。

§13d Vergriffene Werke
(1) Es wird vermutet, dass eine Verwertungsgesellschaft, die Rechte der Vervielfaltigung (§16 des Urheberrechtsgesetzes) und der offentlichen Zuganglichmachung (§19a des Urheberrechtsgesetzes) an vergriffenen Werken wahrnimmt, berechtigt ist, fur ihren Tatigkeitsbereich Dritten diese Rechte auch an Werken derjenigen Rechtsinhaber einzuraumen, die die Verwertungsgesellschaft nicht mit der Wahrnehmung ihrer Rechte beauftragt haben, wenn
1. es sich um vergriffene Werke handelt, die vor dem 1. Januar 1966 in Buchern, Fachzeitschriften, Zeitungen, Zeitschriften oder in anderen Schriften veroffentlicht wurden,
2. sich die Werke im Bestand von offentlich zuganglichen Bibliotheken, Bildungseinrichtungen, Museen, Archiven und von im Bereich des Film- oder Tonerbes tatigen Einrichtungen befinden,
3. die Vervielfaltigung und die offentliche Zuganglichmachung nicht gewerblichen Zwecken dient,
4. die Werke auf Antrag der Verwertungsgesellschaft in das Register vergriffener Werke (§13e) eingetragen worden sind und
5. die Rechtsinhaber nicht innerhalb von sechs Wochen nach Bekanntmachung der Eintragung gegenuber dem Register ihren Widerspruch gegen die beabsichtigte Wahrnehmung ihrer Rechte durch die Verwertungsgesellschaft erklart haben.
...

第13d条 絶版作品
第1項 以下を満たす場合に、著作権管理団体は、(著作権法第16条の)複製権及び(著作権法第19a条の)公衆にアクセス可能とする権利を利用でき、その活動範囲として、著作権管理団体にその権利の利用を委託していない権利者の著作物も含め、第三者に対して許諾できる:
1.それが1966年1月1日より前に本、専門雑誌、報道雑誌、新聞又はその他の出版物において公開されたものであり、
2.公衆にアクセス可能な図書館、教育機関、博物館、文書館及び映像音楽遺産の領域において活動する機関に収蔵されており、
3.その複製及び公衆へのアクセス可能化が非営利目的で行われる場合であって、
4.その著作物が著作権管理団体の申請によって(第13e条の)絶版作品データベースに登録されており、かつ、
5.権利者が登録の公表後6ヶ月以内に絶版作品データベースに対して著作権管理団体によって自らの権利が利用されることに対する異議を申し立てていないこと。

(略:第2項は権利者はいつでも著作権管理団体の利用に対して異議を申し立てることができることを、第3項は関係する著作権管理団体が複数に及ぶ場合について、第4項は著作権管理団体未委託権利者が支払いを受ける権利を有することを規定。なお、第13e条で絶版作品データベースについてドイツ特許庁が管理することなどが規定されている。)

 これは孤児作品の利用に関する欧州指令(pdf)(欧州委員会の孤児作品に関するHPも参照)に対応するもので孤児作品に関する規定が入っているのは当然のこととして、フランスほどラディカルではないものの(20世紀全ての作品を対象とするフランスの法律に比べドイツのものは1965年より前と範囲が狭く、利用のための条件も厳しい)、このドイツの法改正に孤児作品のみならず絶版作品の利用についても規定していることは注目に値するだろう。前回も書いたことだが、非道な著作権強権国家が居並ぶ欧州でも必ずしも保護強化ばかりのみをしている訳ではないのである。

(3)時事記事保護法(グーグル法)
 念のため合わせて紹介しておくと、ドイツでは、当時のドイツ連邦参議院のリリース(ドイツ語)にある通り、今年の3月22日に、俗にグーグル法と呼ばれる、時事記事保護法が可決・成立しており、既に施行されているという状態にある。

 この時事記事保護法のポイントとなる著作権法の追加条文は以下のようなものである。

§ 87f Presseverleger
(1) Der Hersteller eines Presseerzeugnisses (Presseverleger) hat das ausschliesliche Recht, das Presseerzeugnis oder Teile hiervon zu gewerblichen Zwecken offentlich zuganglich zu machen, es sei denn, es handelt sich um einzelne Worter oder kleinste Textausschnitte. Ist das Presseerzeugnis in einem Unternehmen hergestellt worden, so gilt der Inhaber des Unternehmens als Hersteller.

第87f条 時事出版者
第1項 時事記事の製作者(時事出版者)は、排他的にその時事記事又はその一部を営利目的で公衆にアクセス可能とできる、ただし、若干の語の組み合わせ又はごく短い文章の抜粋を扱う場合を除く。時事記事が企業内で製作された場合、その企業の所有者が製作者となる。
(略:第2項は時事記事の定義について規定。)

 この法改正は可決前後を通してドイツではかなり騒がれていたもので、要するにグーグルに対する嫌がらせなのだが、最終段階で「若干の語の組み合わせ又はごく短い文章の抜粋」には適用しないという例外が追加された上、結局何のことはない、出版社にとって今までオプトアウトだったグーグルニュースがオプトインになっただけで、法改正の前後でほとんど何の違いもないという結果に終わった。(6月のグーグルのブログ記事(ドイツ語)と時事通信の記事参照。)

 このような法改正の例も、今の時代ネットの特性をきちんと踏まえて行わないことにはどのような政策も社会的コストを無駄に浪費するだけで終わるということを示す悪例でしかないだろう。

 最後に少しドイツの他の話についても触れておくと、プリンター補償金訴訟について欧州司法裁判所の判決(ドイツ語)(欧州司法裁のリリース(pdf)も参照)がこの6月27日に出されている。これはドイツ最高裁の後憲法裁判所に行き、さらに最高裁に戻されたところで欧州司法裁へと付託されていたケースであり、これでまたドイツに戻って来た訳だが、私的複製補償金問題については欧州司法裁もお手上げ気味であり、EUレベルでの検討も相まってさらに揉め続けるのは間違いない。

 また、第255回で紹介したものと内容は大きく変わっていないが、ドイツ中央消費者団体連合がバーデン・ヴュルツブルク消費者保護省と連名の形で新たなポジションペーパー(pdf)を出している。このような著作権問題における消費者の立場を明確にしたペーパーが州政府とは言え省と連名で出されるようになって来たということは地方レベルではかなりこのような立場の理解が進んで来たことを示すものだろう。

 他にも知財法関連では特許法や意匠法の改正案などもドイツ連邦議会を通過しているのだが、あまりにマニアックな話になるため、その説明は省略する。

 さらに今年はドイツの総選挙の年でもあり、海賊党が果たして連邦議会で議席を得ることができるかという点でも私はドイツの動向に注目している。

 次回も海外動向の話の続きを書きたいと思っている。

(2013年8月19日夜の追記:誤記をいくつか訂正し、文章を少し整えた。)

(2013年10月8日夜の追記:9月20日にドイツ連邦参議院で上で取り上げた不当業務対策法と孤児・絶版作品デジタル利用促進法は追認され、10月8日にドイツ官報で公布された。弁護士費用を制限する著作権法改正はこれで施行されたことになるが、孤児作品に関する同法改正は2014年1月1日が施行日とされ、絶版作品に関する部分は2014年4月1日が施行日とされた。なお、書き忘れていたが、上の絶版作品に関する条文は著作権管理法に対する改正である。)

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