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2012年11月22日 (木)

番外その35:前回総選挙以来の情報・表現規制法改正関係国会議員リスト

 前回書いた著作権法改正関係に続いて、ここで情報・表現規制法関係国会議員リストも作っておく。

(1)児童ポルノ規制法改正関係
 前回総選挙前にぎりぎりのところで可決を免れた児童ポルノ規制法改正案についてはこの3年来どうにか止まっていたが、自民公明両党のインターネット規制・情報規制の強化に関する異常なまでの執念を見ても、今回の総選挙後に自公が可決するべく真っ先に持ち出す法案の中に危険な単純所持規制を含む児童ポルノ規制法改正案が入って来るのは確実だろうと私は踏んでいる。この問題を追いかけている人間にとってはおなじみの名前ばかりだとは思うが、表に出ている情報から分かる限りで推進派・慎重派に分類して関係議員のリストを作ると以下のようになる。(この問題に関しては、危険極まりない単純所持規制を含む自公案番外その14参照)に比べ、今の民主党案第254回参照)は遥かに良くできている。)

(以下、特に規制強化を強く主張している議員の名前をで、特に慎重な立場を表明している議員の名前をで示す。全てのリストで字の色の意味は同じである。)

○衆議院 児童ポルノ規制強化推進派議員
高市早苗議員<自民・比例近畿>(HPwiki):自公案の提出者の一人、請願の紹介議員
・稲田朋美議員<自民・福井1区>(HPwiki):請願の紹介議員
・下村博文議員<自民・東京11区>(HPwiki):請願の紹介議員
・竹下亘議員<自民・島根2区>(HPwiki):請願の紹介議員
・西村康稔議員<自民・兵庫9区>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
・山本拓議員<自民・福井2区>(HPwiki):請願の紹介議員
あべ俊子議員<自民・比例中国>(HPtwitterwiki):平成23年10月25日及び平成24年6月19日の青少年特別委員会で単純所持規制を含む児童ポルノ規制法改正を求める質疑(議事録参照)
富田茂之議員<公明・比例南関東>(HPwiki):自公案の提出者の一人
・緒方林太郎議員<民主・福岡9区>(HPwiki):平成24年6月7日憲法審査会で「精神的自由について厳しく判断するというのは、それは原則としてそうなんだと思いますけれども、表現の自由の敵に対してまで表現の自由を認める必要は全くないわけでありまして、自由の敵に対してまで自由を認める必要は全くないというふうに思います。反社会勢力に対する表現の自由をどれだけ認めるか、もっと言うと、児童ポルノとかああいったものについてどれだけ自由を認めるのかというと、これは精神的自由であるからできるだけ自由に認められるべきであるという考え方については、これは私は間違っているというふうに思います。」と発言(議事録参照)
(請願については、早期法改正を求める請願参照)

○衆議院 児童ポルノ規制強化慎重派議員
辻惠議員<民主→未来・大阪17区>(HPtwitterwiki):民主党案の提案者の一人
枝野幸男議員<民主・埼玉5区>(HPwiki):前回総選挙前の法案審議での立役者の一人(経産大臣となって以降は児童ポルノ規制法どころではなくなっている気がするが)
・渡辺義彦議員<きづな→生活→未来・比例近畿>(HPwiki):請願の紹介議員
・城内実議員<自民・静岡7区>(HPwiki):請願の紹介議員
(請願については、慎重な取り扱いを求める請願参照)

○参議院 児童ポルノ規制強化推進派議員
・山谷えり子議員<自民・比例代表>(HPwiki):請願の紹介議員
・上野通子議員<自民・栃木>(HPwiki):請願の紹介議員
・中川雅治議員<自民・東京>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
・青木一彦議員<自民・島根>(HPwiki):請願の紹介議員
(請願については、早期法改正を求める請願参照)

○参議院 児童ポルノ規制強化慎重派議員
松浦大悟議員<民主・秋田>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
中村哲治議員<民主→生活→未来・奈良>(HPtwitterwiki):児童ポルノ法改正について慎重な立場を表明
・谷岡郁子議員<みどりの風・愛知>(HPtwitterwiki):平成22年3月16日の文教科学委員会で規制について慎重な意見を表明(議事録参照)
・森田高議員<国民・富山>(HPwiki):請願の紹介議員
・佐藤正久議員<自民・比例代表>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
(請願については、慎重な取り扱いを求める請願参照)

(2)青少年健全育成基本法案関係
 このブログでは取り上げて来なかった話だが、自民党を中心に青少年健全育成基本法を制定しようという動きは相変わらずくすぶっている。中身は以前の青少年有害社会環境対策基本法案(wiki参照)の焼き直しになるのではないかと思うが、自民党が検討しているというだけでおよそ相当規制寄りというかほとんど青少年保護を言い訳に情報・表現を規制することしか考えていないような強烈なものが出て来るだろうことは容易く想像がつく。以下にリストを載せるが、当然のごとく児童ポルノ問題と多く重なっていることが分かるだろう。(青少年健全育成基本法の制定は自民党の政権公約にも書かれている。)

○衆議院 青少年健全育成基本法推進派議員
・高市早苗議員<自民・比例近畿>(HPwiki)請願の紹介議員
・山本拓議員<自民・福井2区>(HPwiki)請願の紹介議員
・下村博文議員<自民・東京11区>(HPwiki):請願の紹介議員
・小池百合子議員<自民・比例東京>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
・細田博之議員<自民・島根1区>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
・小泉龍司議員<自民・埼玉11区>(HPwiki):請願の紹介議員
(請願については、制定に関する請願参照)

○参議院 青少年健全育成基本法推進派議員
上野通子議員<自民・栃木>(HPwiki):請願の紹介議員、平成22年10月28日法務委員会で推進を求める質疑(議事録参照)
・中川雅治議員<自民・東京>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
・島尻安伊子議員<自民・沖縄>(HPwiki):請願の紹介議員
・山崎正昭議員<自民・福井>(HPwiki):請願の紹介議員
・鴻池祥肇議員<自民・兵庫>(HPwiki):請願の紹介議員
・大江康弘議員<自民・比例代表>(HPwiki):請願の紹介議員
・世耕弘成議員<自民・和歌山>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
・山本一太議員<自民・群馬>(HPtwitterwiki):請願の紹介議員
(請願については、制定に関する請願参照)

(3)ウィルス罪関係
 情報規制関係ということでは、去年可決されたウイルス作成罪創設を含むサイバー刑法(正式名称は「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」)の問題も大きい。このサイバー刑法は、衆議院では平成23年5月25日、5月27日及び5月31日の法務委員会で審議及び可決、5月31日に本会議で可決され、参議院では6月9日、6月14日及び16日の法務委員会で審議及び可決、6月17日に本会議で可決され成立したものである。附帯決議こそついたものの結局条文は何も変わらずやはり曖昧なところが残されたまま可決されたが(議事録参照。法案そのものの問題点については番外その28及び番外その33参照)、このサイバー刑法の問題でも、民主党の一部の議員が懸念を示していたこと、社民党と共産党が明確に反対の姿勢を示したことは覚えておくべきだろう。以下にリストを載せるが、この問題もそもそもは10年近く前に法務省が作成し当時の内閣から提出した法改正案に端を発しており、そのため自公は党としてほぼ推進派と考えられるということを注意して頂きたい。

○衆議院 サイバー刑法推進派議員
平沢勝栄議員<自民・東京17区>(HPwiki):国会質疑でサイバー刑法を超えて共謀罪の創設を求める
稲田朋美議員<自民・福井1区>(HPwiki):国会質疑でサイバー刑法を超えて共謀罪の創設を求める
・柴山昌彦議員<自民・比例北関東>(HPtwitterwiki):国会質疑でサイバー刑法を超えて共謀罪の創設を求める

○衆議院 サイバー刑法慎重派議員
・辻惠議員<民主→未来・大阪17区>(HPtwitterwiki):国会質疑で法改正について慎重な取り扱いを求める
・橘秀徳議員<民主・神奈川13区>(HPtwitterwiki):国会質疑で法改正について慎重な取り扱いを求める
・城内実議員<自民・静岡7区>(HPwiki):国会質疑で法改正について慎重な取り扱いを求める

○参議院 サイバー刑法推進派議員
・江田五月<民主・岡山>:法改正案審議時の法務大臣、後にほぼ取り消すがバグがウィルス関連罪の対象となると発言して物議を醸した

○参議院 サイバー刑法反対派議員
井上哲士議員<共産・比例代表>(HPwiki):法改正について明確に反対の意見を表明、法改正に反対票を投じた
・市田忠義議員<共産・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・紙智子議員<共産・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・田村智子議員<共産・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・大門実紀史議員<共産・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・山下芳生議員<共産・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・福島みずほ議員<社民・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・又市征治議員<社民・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・山内徳信議員<社民・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・吉田忠智議員<社民・比例代表>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
・糸数慶子議員<無所属・沖縄>(HPwiki):法改正に反対票を投じた
議決結果参照)

(4)東京都青少年条例問題関係
 平成23年7月の完全施行以来、新規定に基づく有害指定をしないという方針を東京都の担当部局が取っているため表向き小康状態を保っているようにも見えるが、東京都青少年条例(正式名称は「東京都青少年の健全な育成に関する条例」)問題も何も片づいていない。長年警察官僚ポストだった今の東京都青少年・治安維持本部・青少年課ラインから警察官僚が外れているためかも知れないが(これも一時的なものかも知れない)、問題だらけの条文はそのまま残されているのであり、今後もそれなりに謙抑的に運用される保証は何もない。同日総選挙になってしまったために注目度が一つ落ちる状態になっているが、この問題で都知事選ほど重要な選挙もない。知っている人には言わずもがなの話だろうが、合わせてここに主要立候補予定者のリストを載せておく。

○都知事選 情報・表現規制強化推進派候補
猪瀬直樹候補HPtwitterwiki):石原都知事と警察官僚部局の間に立つ優秀な副知事として仕事をそつなくこなしただけなのかも知れないが、都条例問題を追いかけていた人なら、テレビの前でとある漫画を手にこんなものがと言ったその姿を忘れることはできないだろう。それで公約にコンテンツ産業を支援しますとぬけぬけと書いているのだから噴飯ものである。石原慎太郎氏ほど警察部局の政策に思い入れがあるとは思えないが、基本的にこの問題では石原都政をそのまま踏襲すると見て間違いないだろう。
松沢成文候補HPwiki):wikiにも書かれている通り、かなり強烈なゲーム規制強化論者(ガジェット通信の記事も参照)

○都知事選 情報・表現規制強化慎重派候補
宇都宮健児候補HPtwitterwiki):都条例に対して反対声明を出した時の日弁連会長(会長声明参照)、都条例の見直しを明言(週刊金曜日11月23日号のインタビュー記事、週刊金曜日のツイート参照)、HPの政策でもマンガなどの表現規制の見直しに言及(別ページに掲載されている政策集完全版(pdf)も参照)

 また、青少年条例が都議会で一時否決されたことからも分かるように、同時に行われる都議会議員補欠選挙も重要なものであることに変わりはない。

 全体的な話をすれば、やはり、規制強化を党として一貫して推進している公明党が一番危険で、自民党も最近の動きを見る限りほぼお話にならないレベルで規制強化に凝り固まっており、民主党は議員によって規制強化にかなり反対・慎重な立場を示し、社民党と共産党がかなり明確に党として慎重な立場を示しているということになるだろう。(それにしても、ストーカー規制法の改正(産経のネット記事参照)や遠隔操作ウィルス対策に関する提言(自民党のHP参照)など自民党が最近次々とネット規制強化政策を打ち出している背景には警察官僚の暗躍がある気がしてならない。)

 情報・表現規制問題は本当は民主主義の根幹に関わる極めて重要な問題なのだが、その性質上どうしてもマイナーな話たらざるを得ず、この問題ではわずかな数の議員の当落が今後の行方に大きく影響して来る。どのような観点から票を入れるにせよ、是非一人でも多くの人に選挙に行ってもらいたいと思う。

(2012年11月23日の追記:いくつか誤記を修正し、リンクを追加した。)

(2012年11月24日夜の追記:週刊金曜日のインタビュー記事から宇都宮健児氏に関するコメントに追記した。)

(2012年11月28日夜の追記:国民の生活が第一が日本未来の党へ合流するとのことなので、リスト中に矢印で追記した。また、宇都宮健児氏のHPに政策が掲載されたのでリンクとコメントを追記した。)

(2012年12月1日夜の追記:辻恵氏が民主党を離党して日本未来の党へ参加することを決めたとのことなので、矢印で追記した。)

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