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2011年8月18日 (木)

第255回:ドイツの消費者団体の著作権法改正に関するポジションペーパー(日独のダウンロード違法化・犯罪化問題)

 今回はまた著作権問題を取り上げたいと思うが、ダウンロード違法化に刑事罰をつけようとする動きが出て来るなど(津田大介氏のツイート参照)、著作権界隈も相変わらずロクでもない話ばかりである。

 ダウンロード違法化・犯罪化が有害無益なのはドイツでほぼ立証済みの話だろうに、この期に及んでこのような規制強化案を持ち出して来る著作権団体ロビイストの悪逆非道な厚顔無恥にはほとほと呆れるしかない。

 今後のことを考えて行く上で何かの参考になるかも知れないと思うので、今回はドイツの現状を少しまとめて紹介したいと思うが、まず取り上げたいと思うのは、ドイツの混乱した状況を良く示しているだろう、この5月に公表されたドイツ中央消費者団体連合の、以下のような内容の著作権法改正に関するポジションペーパー(pdf)である(同連合のリリースも参照)。(いつも通り翻訳は拙訳。)

Statt fur Klarheit haben die zuruckliegenden Novellen des Urheberrechtes eher fur Verwirrung gesorgt und die Balance zwischen den Interessen der Urheber, der Rechteinhaber und der Nutzer zu Ungunsten der Nutzer aus dem Gleichgewicht gebracht. Der Verbraucherzentrale Bundesverband (vzbv) sieht den Trend, dass die Nutzungsmoglichkeiten von urheberrechtlich geschutzten Inhalten immer starker eingeschrankt werden.

Notwendig aus Sicht des vzbv ist eine grundsatzliche Reform des Urheberrechtes, um die vielseitigen Chancen der digitalen Welt zu nutzen, aber auch deren Herausforderungen zu bewaltigen. Das Urheberrecht und die Interessen der Urheber sind als Motor fur die Kreativwirtschaft und damit die kulturelle Vielfalt essentiell. Sie mussen gesichert und gefordert werden. Gleichzeitig ist es zwingend erforderlich, im Rahmen einer Neuausrichtung des Urheberrechtes auch die Bedurfnisse der Nutzer zu berucksichtigen. Ziel muss ein ausgewogenes Verhaltnis zwischen den Interessen der Nutzer, Urheber und der Rechteinhaber sein.

Aus Verbrauchersicht sollten folgende Aspekte uberdacht und im Rahmen einer Reform des Urheberrechtes berucksichtigt werden:

1. Die Interessen der Nutzer berucksichtigen

Die Nutzerinteressen sind als schutzwurdiges Ziel im Urheberrechtsgesetz zu erfassen. Der Name des Urheberrechtsgesetzes macht bereits deutlich, dass dieses gegenwartig in erster Linie den Urheber schutzt. Die Nutzerinteressen werden bislang nur im Rahmen von Ausnahmeregelungen zum Verwertungsrecht des Urhebers berucksichtigt. Diese Nutzungsmoglichkeiten werden oft durch Vertragsbedingungen und/oder den Einsatz technischer Schutzmasnahmen seitens der Urheber oder Rechteinhaber ausgeschlossen.

2. Privatkopie als wesentlichen Grundgedanken verankern
Das Recht auf Privatkopie ist rechtlich zu verankern. Es sollte ein wesentlicher Grundgedanke des Urheberrechtes sein, dass Nutzer zu privaten Zwecken eine Kopie anfertigen konnen. Dieses Recht darf nicht durch den Einsatz von Kopierschutzprogrammen oder durch Allgemeine Geschaftsbedingungen ausgehebelt werden. Der Inhalt der Regelung zur Privatkopie muss klar und verstandlich formuliert sein. Die derzeitige Regelung ist fur die Nutzer kaum noch verstandlich. Regelungen, die von den Adressaten nicht verstanden werden, konnen auch nicht befolgt werden.

3. Weiterverkauf von digitalen Inhalten ermoglichen
Nutzer mussen die Moglichkeit erhalten, legal erworbene digitale Inhalte weiter zu verkaufen. Die gegenwartige Situation fuhrt wegen der Ungleichbehandlung von "korperlichen" (z.B. ein Buch) und "unkorperlichen" (digitalen) Werken zu unangemessenen Folgen fur die Verbraucher. Aus Sicht der Verbraucher macht es keinen Unterschied, ob sie beispielsweise ein Buch oder ein eBook erwerben. Verbraucher bezahlen fur den Erwerb des Werkes und dafur, dass sie dauerhaft und frei hieruber verfugen konnen.

4. "Kreativitat der Masse" zulassen
Verbraucher sind in der digitalen Welt nicht nur Nutzer, sondern schaffen auch zunehmend eigene kreative Inhalte (user generated content). Oft werden hierfur urheberrechtlich geschutzte Inhalte verwendet. Die gegenwartigen Regelungen im Urheberrechtsgesetz sind nicht geeignet, dieses Phanomen der "Kreativitat der Masse" zu regeln. Hier mussen gesetzliche Losungen gefunden werden, um diesen Formen der Gestaltung und diesen Kulturpraktiken einen angemessenen Raum zu geben.

5. Abmahnkosten fur Verbraucher begrenzen
Die Begrenzung der Abmahnkosten auf 100 Euro muss sich explizit auch auf Abmahnungen aufgrund von Urheberrechtsverletzungen in Tauschborsen beziehen. Die Erfahrung zeigt, dass Urheberrechtsverletzungen im Internet auch nach der Einfuhrung der Regelung zur Begrenzung der Abmahnkosten immer noch mit unverhaltnismasig hohen zivilrechtlichen Forderungen sanktioniert werden. Ein Grund ist, dass der dringendste Fall von massenhaften Abmahnungen - Verletzungen von Urheberrechten in Tauschborsen - nicht ausdrucklich in den Gesetzesmaterialien genannt wird. Auserdem muss die Begrenzung auch fur Personen gelten, die die Rechtsverletzung selbst nicht begangen haben, aber als sogenannter Storer haften. Klassischerweise sind dies die Eltern, die als "Anschlussinhaber" fur ihre Kinder haften.

6. Vielfalt von Online-Inhalten fordern
Die Vielfalt von legalen Angeboten mit Online-Inhalten (Musik, Filme etc.) sollte gefordert werden, um den Verbrauchern einen Zugang zu einer breiten Palette von Inhalten anbieten zu konnen. Dabei sollten Verbraucher die Moglichkeit haben, diese Inhalte grenzuberschreitend, zu jeder Zeit, zu fairen Preisen und transparenten Nutzungsbedingungen zu nutzen. Hierfur muss die Moglichkeit fur gewerbliche Anbieter vereinfacht werden, grenzuberschreitende Lizenzen zu erwerben.

著作権の今までの改正は、その合理化になっておらず、混乱をもたらしており、著作者・権利者の利益と利用者の利益の間で、そのバランスは利用者にとって不利な形で均衡を失している。ドイツ中央消費者団体連合は、著作権の保護を受けるコンテンツの利用可能性が一層制限されて行くという傾向を見ている。

デジタル社会における様々なチャンスを利用可能として、なおその挑戦を乗り越えるためには、著作権の根本的な改正が必要不可欠と、我々ドイツ消費者団体連合は見ている。著作権と著作者の利益は創造的経済の原動力であり、文化的な多様性も必須のものである。同時に、著作権の改正方針において、利用者の要求も考慮に入れることが絶対に必要である。利用者の利益と、著作者・権利者の利益の間の正しいバランスの回復が目的とされなくてはならない。

消費者から見て、次の観点が考察され、著作権法の改正検討において考慮されるべきである:

1.利用者の利益の尊重

 著作権法において、利用者の利益を保護に値する法益として規定するべきである。著作権法という名前により、既に、この法律が現在まず第一に著作者の保護をするものであることは明確に示されている。利用者の利益は、今までのところ著作者の利用権の例外規則の枠内でしか考慮されていない。著作者又は権利者による契約条件及び/又は技術的保護手段の導入のために、この利用権が排除されてしまっていることが多い。

2.私的複製を重要な権利として保障すること
 私的複製の権利を法的に保障するべきである。利用者が私的な目的のためにコピーを作成できることは、著作権において重要かつ基本的なこととして認められなければならない。この権利は、コピー保護プログラムの導入又は一般的な契約条件によって排除され得るものであってはならない。私的複製に関する規則の内容は、明確に良く分かる形で規定すること。現在の規則は、利用者にとってほとんど理解し難い。対象とする者に理解できない規則は、守られようがない。

3.デジタルコンテンツの再販売要求の可能化
 利用者は、合法的に入手したデジタルコンテンツの再販売を求めることができなければならない。昨今の状況において、「有体物」(例えば、本)の作品と「無体物」(デジタルの)の作品の間の不公平のために、消費者にとって不適当な結果がもたらされている。消費者から見たとき、例えば、本を手に入れたか電子ブックを手に入れたかで区別はない。作品を入手するために消費者は支払っているのであって、したがって、消費者はその作品を長期間、自由に使えるべきである。

4.集団的創作の許容
 消費者は、デジタル世界にあっては、利用者であるだけでなく、独自の創作的コンテンツ(User Generated Content)をますます作成している。そのために、著作権によって保護されるコンテンツを利用することも多い。著作権法における現在の規則は、この「集団的創作」という現象を規定するのに不適切である。ここで、この形式とこの文化的現象に適切な場を与えるために、法的解決が図られなくてはならない。

5.利用者に課される警告費用の限定
 100ユーロへの警告費用の制限とファイル交換における著作権侵害を理由とした警告との関係が明確にされなければならない。警告費用制限の規則の導入後、バランスを欠くほどに高額の民事的要求によって、やはりなおインターネットにおける著作権侵害が罰されていることが経験的に示されている。大量の警告という緊急事態-ファイル交換における著作権の侵害-が、法令において明確に想定されていないことが1つの理由である。さらに、自ら権利侵害を行った訳ではないが、このいわゆる侵害について責任を持つ者に対する限定もなされるべきである。原則的には、親が、「加入者」として、子供についても責任を有しているのである。

6.合法的なオンライン・コンテンツの多様化
 コンテンツの幅広い選択肢へのアクセスが消費者に提供されるよう、オンライン・コンテンツ(音楽、映画等々)の合法的な提供の多様化がなされるべきである。そこにおいて、このコンテンツは、国境なく、常に、公正な価格、透明な利用条件で、消費者に利用可能とされるべきである。そのため、商業的な提供者に国境を越えたライセンスが容易に入手可能とされなくてはならない。

 より細かなことが気になるようであれば法的な問題をまとめた詳細版(pdf)を読むことをお勧めするが、上のポジションペーパーを読んでもそれなりに分かるように、要するに、ドイツは、2007年に、ダウンロード違法化・犯罪化を世界に先駆けて行ったものの、刑事訴訟の乱発を招き、裁判所・警察・検察ともに到底捌ききれない状態に落ち入ったため、2008年に再度法改正を行い、民事的な警告を義務づけ、要求できる警告費用も限定したが、やはり情報開示請求と警告状送付が乱発され、あまり状況は改善せず、消費者団体やユーザーから大反発を招いているという状態にあるのである。(2008年の法改正については、第97回など参照。ドイツにおける民事警告の現状については、著作権警告対策組合がまとめてくれているが(その2010年のまとめ参照)、ここでまとめられているだけでも、ドイツでは、500から1000ユーロ程度を要求する警告状が年約60万人のユーザーに送付されるというかなりどうしようもない状態にあることが分かる。また、ISP団体の報告によると、月に30万のユーザー情報の開示が行われているらしい(pressemitteilungen-online.deの記事参照)。裁判所や弁護士事務所、ISPや権利者団体がこれだけの数のケースを処理しているとなると、中には本当に著作権侵害をしているのかどうか疑わしいものが相当数混じっているのではないかと私は思う。)

 また、ドイツ音楽産業協会が、音楽産業統計として以下のような図を出しているが(ドイツ音楽産業協会のHP参照)、この図を見ても分かるように、ドイツでも、ほぼCDなどの販売の減少とデジタル配信の増加という世界的に見られる傾向が順当に出ているだけであり、過去の法改正による有意な差は見られない。(ドイツでも著作権団体ロビイストは、デジタル配信の伸びを法改正に結びつけようとしている節はあるが、ドイツの著作権法改正もトリッキー過ぎて一般ユーザーの理解を超えているので、法改正などより、DRM撤廃や配信カタログの充実などの法的以外の環境改善や経済情勢の方がこのデジタル配信の増加には圧倒的に効いているだろう。仮に彼らの言う通り、法改正が大きな影響をもたらしていると仮定したら、この2007年から2010年の間の著作権法の朝令暮改でかなり大きな動揺があって良いはずだが、そのような変動は見られない。)
Abb1umsatzdigitalverkaeufe
 同じくドイツ音楽産業協会が、CD-R等に関する調査2010(pdf)において、違法ダウンロードが減ったという宣伝をしているが、これも単なるアンケートによるもので、日本の権利者団体のものと同じく、「無料=違法」といった完全に間違った理解に基づいて結果をまとめていたり、別の報告(同協会のリリース参照)では被害は増えると言っていたりとあまり信頼のできるものとはなっていない。(ただし、上で書いたようにドイツにおける警告送付の現状はほとんどP2Pユーザーに片っ端から送っているような状態ではないかと思うので、P2P利用自体に対する萎縮が発生している可能性はあるが、それはそれで間違っているだろう。なお、このアンケート結果も、よく見ると、P2Pを利用するという回答こそ減っているが、ホームページから無料でダウンロードするといった回答はかえって増えていたり、音楽のダウンロード自体が全体として減っているように見えたりと、著作権団体が恣意的に抜き出した部分以外まで含めて見るとなかなか興味深いところもある。)

 さらに、日独の比較で言えば、ドイツのダウンロード違法化・犯罪化が要するにP2P対策としてなされたもので、元から公衆送信権又は公衆送信可能化権で対応できている日本とは状況が異なることにも注意する必要がある。ドイツでも、P2P以外での単なるダウンロード、本当の意味での単なるダウンローダーが逮捕・刑事告訴されたケースや民事訴訟を起こされたケースは1件もないのである。(ここでは何度も書いているのであまり繰り返さないが、単なるダウンロード・情報アクセスは基本的に他人が知り得ない情報であり、ダウンロード違法化・犯罪化には本質的にエンフォース不能という乗り越えがたい問題が存在している。)

 3年以上前に、国際動向として、「ダウンロードを明確に違法化し、かつそれを無理にでも法規範たらしめようとしている国はドイツくらいであり、それも全くうまくいっていない」と書いたが、今でもダウンロード違法化・犯罪化を巡る国際的な状況はあまり変わっていない。ドイツが、ダウンロード違法化・犯罪化後に刑事訴訟回避のための法改正を経てもなお混乱を重ね、上で取り上げたポジションペーパーにも書かれているように消費者・利用者保護が大々的に唱えられ、ドイツ連邦議会のインターネット委員会がダウンロード合法化を提言するなどspiegel.deの記事参照)、ダウンロード合法化の話まで出て来ている中で、日本国として、ダウンロードを犯罪化するなどと、わざわざドイツが最初につまづいたところに自ら踏み込もうとするとは私には正気の沙汰とは思われない。

 ダウンロード違法化を決定した、平成19年12月18日の文化庁の文化審議会・著作権分科会・私的録音録画小委員会でも(小委員会の議事録参照)、当時座長だった中山信弘先生が、この問題について、

 一番大事なのはやはり利用者の保護であり、不意打ちをくらうということがないという配慮が必要でしょう。情を知ってとか故意という要件が入るので、それは恐らく一番大きな利用者保護になるでしょうし、実際の訴訟を考えてみますと、警告をするといったって警告するときはダウンロードは終わっていますから、合法なダウンロードは警告で違法になることはないわけですね。ずっと継続的にやっているような人に対しては警告の意味があるかもしれませんけれども。そうなると余り訴訟としてどれぐらい使えるかという問題の疑問はあるのですけれども、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、違法にすることによる国民の意識の変化は期待できるかもしれませんし。
 恐らく一番大きな問題は、You Tubeのような投稿サイト等、あれいくら違法な投稿を削ったってまずなくならでしょう、絶対不可能なんですけれども、ああいうものを合法のほうに取り込んでいくかという場合、ダウンロードを違法としておくことは意味があるのかなとか。そういう広い意味はあろうかと思いますけれども。恐らく個々の国民がこれでひどい目に遭うということは多分ないだろうと思います。刑事罰もついておりません。アップした人には刑事罰が科せられますがダウンロードには刑事罰がついておりませんので、まあこれに関しては一般のユーザーはそれほどひどい目には遭わないだろうという感じはしております。

と述べているが、裏を返して言えば、ダウンロード違法化に刑事罰がつくと一般ユーザーがひどい目に会う可能性があるということである。無意味にユーザーをひどい目に合わせたい方はそれで良いかも知れないが、ひどい目に合わされる方はたまらない。日本の知的財産法学界の重鎮にしてこの発言があるのであり、軽々なダウンロードの犯罪化は日本の法学界の顔にも泥を塗ることになる。刑事罰をつけるということは、それまで民事的な解決を図れば良いとしていたところについて、そのエンフォースのコストを行政・税金に転嫁し、人を犯罪者にすることを意味するのであり、この刑事罰の問題は非常に重い。各省庁の検討などを見ても、最近は刑事罰の付加が軽く取り扱われ過ぎているように思うが、この問題は決して軽々に取り扱って良いものではない。(ダウンロード違法化問題において、インターネット利用者を皆犯罪者予備軍にするつもりかと、津田大介氏が言われていた記憶があるが、ダウンロード犯罪化は、インターネット利用者を全員犯罪者にすることに等しいだろう。実際に誰を捕まえ訴追するかは、権利者団体と警察・検察の手に委ねられ、恣意的に決定されることになる。)

 人の一生を恣意的に左右することになりかねないこのような重大な問題に対して、ロビー活動をしている日本レコード協会などがどう考えているかというと、今年の7月7日の文化庁の法制問題小委員会でも、抑止効果がどうとか相変わらず法改正の理由たり得ないことをぼつぼつ言っていたようであり(hideharus氏のツイート参照)、その法律的な不見識には呆れるばかりである。大体、権利者として、民事訴訟すら一件も起こさないまま、さらに刑事罰の付加を求めること自体おかしいだろう。

 ダウンロード違法化問題があれだけ大きな注目を集めて以降、日本レコード協会などは、今度は公開の場での議論を回避しようと、国会議員へのロビー活動でこそこそと議員立法によるダウンロードの犯罪化を狙っているようだが、国民的な議論を避け、法学界の顔にすら泥を塗り、ほぼ全国民を犯罪者に仕立て上げられるようにしようとは、どちらが犯罪的だか知れたものではない。かえって、過去の法改正における過ちを是正するべく、ダウンロード合法化の議論こそ早急に開始するべきと私は考えているくらいで、個人的には、ダウンロード犯罪化ようなロクでもない法改正が永遠になされないことを願っている。ただ、国会議員の先生方の良識に期待したいところで、今の混沌とした政治情勢では、どうにも先が読めないのが不安である。

(2011年8月19日の追記:少しだけ文章を整えた。)

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コメント

いきなりの質問失礼します。
ドイツに留学中の者です。ドイツに来て1ヶ月くらいが経ちました。そして最近ダウンロードに対する規制がすごい厳しいのを知りました。クリップボックスというアプリで日本のYouTubeなどからいくつかダウンロードしてしまったことがあるのですが、これはもう罰金の通知が来ますか?
怖くなってアプリは消しました。
本当に不安です。至急回答お願いします

投稿: とりっぴ | 2015年9月19日 (土) 22時11分

とりっぴ様

このブログは個別の問題の相談のために書いているものではありませんし、そもそも私はドイツの弁護士でも警察でもないので、言われていることについて回答はできません。問題と言えば、もはや日本でもドイツでも法律上違法ダウンロードに刑事罰がついていることに変わりはありませんし、大したことのないものとは言え、ここで犯罪を告白していること自体問題でしょう(別に通報するつもりもありませんが)。ただ、あくまでごく当たり前の一般的な注意として言うなら、どこの国においてであれ怪しいソフトやサイトを使わず、違法ダウンロードをしないこと、警察や権利者団体からの通知には偽のものもあるので注意すること、本当に通知が来たら現地の弁護士に相談することです。本当に心配ならドイツの弁護士に直接相談することを勧めます。

投稿: 兎園 | 2015年9月20日 (日) 22時16分

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