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2010年1月 6日 (水)

第209回:著作権法施行令・施行規則を改正する政省令(+文化庁告示)の転載

 前回、著作権法施行令・施行規則を改正する政省令が去年12月28日の官報号外第275号に公表されたということを書いたが、今回は、政省令の転載と一緒に、もう少し突っ込んだ話を書いておきたいと思う。

 第204回に、この政省令案の概要に対する提出パブコメを載せたが、その結果も公表されている(文化庁のリリース電子政府HPの該当ページ1政令案意見募集結果概要(pdf)政令案への提出意見に対する考え方(pdf)電子政府HPの該当ページ2省令案意見募集結果概要(pdf)省令案への提出意見に対する考え方(pdf)電子政府の該当ページ3告示案意見募集結果概要(pdf)告示案への提出意見に対する考え方(pdf)参照)。

 パブコメの回答は例の如く要領を得ないが、以下、特に提出パブコメで指摘した点がどうなったのかということを見て行く。(政省令の具体的な内容は、最後に載せた全文を読んで頂ければと思うが、じきに総務省法令データ提供システムの著作権法施行令施行規則にも反映されるものと思う。)

 まず、美術品等の譲渡等の申出のための画像掲載関係では、政令において、画像の精度等を一般的な要件のみにより規定するべきと書いたのだが、改正政令では、その第7条の4で、「著作物の表示の大きさ又は精度が文部科学省令で定める基準に適合するものとなるようにすること」などとされ、結局省令委任は無くならなかった。この点について、文化庁は、政令案への提出意見に対する考え方(pdf)で、「著作物の表示の大きさ又は精度の基準については、規定の明確性を確保しつつ技術動向に柔軟に対応するため、文部科学省令で定めることとされています」と答えているが、文化庁らしく完全なすれ違いの回答である。彼らがおよそ技術動向を無視して、権利者団体の言うことのみにあまりにも柔軟に対応するからこそ、このようなパブコメを出さざるを得なかったのだが、残念ながら、そのことは彼らの理解するところでは全くないだろう。

 ただし、この表示の大きさ又はなどの基準については、改正施行規則の第4条の2で表示の大きさが50平方センチメートル以下だの画素数が32400以下だのいまいち良く分からない基準が決まっているものの、「著作物の表示の大きさ又は精度が、同条に規定する譲渡若しくは貸与に係る著作物の原作品若しくは複製物の大きさ又はこれらに係る取引の態様その他の事情に照らし、これらの譲渡又は貸与の申出のために必要な最小限度のものであり、かつ、公正な慣行に合致するものであると認められること」といったそれなりに一般的な要件も入っており、最後、実務的にはかなり柔軟に対応することができるのではないかと思える規定となっている。このような一般的なその他条項を入れるということは、文化庁の案には書かれていなかったし、パブコメの回答を見ても文化庁からこのような案が出てくるとは思い難い。省庁間のやりとりは表に出てこないので本当のところは何とも分からないが、何らかの省庁間のやりとりでこのように一般的な要件を省令のところで入れる妥協が成立したのではないかと推察される。

 送信の障害の防止等のための複製関係でも、政令において、「特定送信」を一般的な要件のみにより規定するべきと書いたのだが、改正施行令の第7条の3第2号で、特定送信として「受信者からの求めに応じ自動的に行う送信以外の送信であつて電子メールの送信その他の文部科学省令で定めるもの」とされ、省令委任は無くならなかった。この点についての文化庁のパブコメに対する回答は、オークション関係と全く同じですれ違いのものである。

 ただし、この「特定送信」に関しても、改正施行規則の第4条の3第3号に、「前二号に掲げるもののほか、情報通信の技術を利用する方法を用いて電子計算機により受信されることを目的として行われる通信文その他の情報の送信」というかなり一般的な規定が入っており、実務的にはかなり柔軟な対応ができるようにはされている。やはり何とも言えないのだが、この点も何らかの省庁間の妥協によるものだろうか。

 情報検索サービス関係でも、同様に、検索サービスについて、政令レベルで一般的な要件のみにより規定するべきと書いたのだが、改正政令の第7条の5第2号では、「文部科学省令で定める方法に従い法第四十七条の六に規定する者による収集を禁止する措置がとられた情報の収集を行わないこと」とされ、省令委任は無くならなかった。

 電子計算機における著作物利用に伴う複製関係では、権利制限の適用を受ける電子計算機のキャッシュとしてブラウザキャッシュだけをあげるといったバカげた規定ではなくなり、改正政令の第7条の6で「法第四十九条第一項第七号の政令で定める行為は、法第四十七条の八の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を使用して当該著作物を利用するために必要なものとして送信される信号の受信とする」とかなり一般的な形に書き改められた。この点について、文化庁は、パブコメへの回答で、「御意見中にあるウェブブラウザ以外のプログラムを用いた場合の複製については、改正後の法第47条の8(電子計算機における著作物の利用に伴う複製)により手当されており、御意見のように単一のプログラムを挙げるものではなく、いたずらに法的不安定性を増すとの懸念は生じないと考えております」と、文化庁として何を受けてどこをどう変えたのか要領を得ない回答をしているが、この回答で文化庁が示している技術的無理解から考えても、他の省庁などからの物言いもあって今のような形になったのだろうか。

 今回の法改正で入ったネット関係の権利制限に関して、省令レベルまで考えるとある程度実務的に柔軟に対応できるようにされているとは言うものの、こうした事項は省令はおろか政令委任自体適切では無く、本来、改正法において一般的な要件により規定しておくべきだったものである。結局、文部科学省が単独で変えられる省令レベルでかなり重要な要件が定められてしまったことを考えても、今後も、文化庁に対する警戒はさらに強めて行かなければならないだろう。

 法改正は、法律を変えて終わりというものでは無い。今回の法改正における最大の問題である、この1月1日から施行されたダウンロード違法化については、無論今後も撤廃を求めて行くつもりだが、他の地道な権利制限に関する話も決しておろそかにはできない。あらゆることをなるべく細かなところに落として骨抜きにしようとする者は常に存在している。確かに戦略は細部に宿るのである。

 最後に、多少情報が錯綜しているフランスの3ストライク法の施行の状況に関する話をを少し紹介しておくと、今現在、フランスでは、昨年12月29日の組織令によって3ストライク・著作権検閲機関(正式名称:「インターネットにおける権利保護と頒布促進機関」、略称:HADOPI)が公的には作られた状態になったものの、情報自由委員会(略称:CNIL)のところで施行のための政令が1つ止まっている状態で、今現在法律は実際には施行不能という状態にあるようである(Le Mondeの記事Silicon.frの記事ITespresso.frの記事Numeramaの記事参照)。情報自由委員会がいつ施行令についての意見を出すのかは不明だが、数カ月くらいかかるのではという話もあり、そのため、フランスにおける3ストライク法の施行について既に施行されているという情報と春くらいまで施行が延びたという情報が錯綜している。憲法裁判で合憲という判断がされた3ストライク法案の第2案(第195回参照)が、情報自由委員会レベルで止まることはないと思うが、具体的な施行のために決めなければならないことはまだ山のようにある。フランスの3ストライク法は施行後も混乱しか生まないことだろうが、施行前にもかなりの混乱が予想される。

 今年も、このブログでは地道に政策に絡む話を取り上げて行くつもりである。

(以下、政省令と告示の転載)

◯政令第二百九十九号 著作権法施行令の一部を改正する政令
 内閣は、著作権法の一部を改正する法律(平成二十一年法律第五十三号)の施行に伴い、並びに著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十七条第三項及び第三十七条の二(これらの規定を同法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する場合を含む。)、第四十七条の二(同法第八十六条第一項において準用する場合を含む。)、第四十七条の五第一項及び第四十七条の六(これらの規定を同法第百二条第一項において準用する場合を含む。)並びに第四十九条第一項第七号の規定並びに第六十七条第一項及び第二項、第六十七条の二第七項並びに第七十条第八項(これらの規定を同法第百三条において準用する場合を含む。)並びに第百二条第九項第七号の規定並びに同法第百三条において準用する同法第七十条第一項及び第二項の規定に基づき、この政令を制定する。

 著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二章記録保存所(第三条ー第七条)」を
「第二章 記録保存所(第三条ー第七条)
第三章 美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等について講ずべき措置(第七条の二)
第四章 送信の障害の防止等のための複製に係る特定送信等(第七条の三・第七条の四)
第五章 送信可能化された情報の収集、整理及び提供の基準(第七条の五)
第六章 著作物等の送信の受信に準ずる行為(第七条の六) 」
に、「第三章 著作物」を「第七章 著作物等」に、「第八条ー第十二条」を「第七条の七ー第十二条の二」に、「第四章」を「第八章」に、「第五章」を「第九章」に、「第六章」を「第十章」に、「第七章」を「第十一章」に、「第八章」を「第十二章」に、「第九章」を「第十三章」に、「第十章」を「第十四章」に改める。
 第一条の三第一項中「第三十一条」を「第三十一条第一項」に改め、「国立国会図書館及び」を削り、「定める職員」の下に「(以下「司書等」という。)」を加え、同項第二号中「次号において」を「以下」に改める。

 第二条及び第二条の二を次のように改める。
(視覚障害者等のための複製等が認められる者)
第二条 法第三十七条第三項(法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する場合を含む。)の政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 次に掲げる施設を設置して視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者(イ、ニ又はチに掲げる施設を設置する者にあつては国、地方公共団体又は一般社団法人等、ホに掲げる施設を設置する者にあつては地方公共団体、公益社団法人又は公益財団法人に限る。)
イ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項の知的障害児施設及び盲ろうあ児施設
ロ 大学等の図書館及びこれに類する施設
ハ 国立国会図書館
ニ 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第五条第一項の視聴覚障害者情報提供施設
ホ 図書館法第二条第一項の図書館(司書等が置かれているものに限る。)
ヘ 学校図書館法(昭和二十八年法律第百八十五号)第二条の学校図書館
ト 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の三の養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
チ 障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十二項に規定する障害者支援施設及び同条第一項に規定する障害福祉サービス事業(同条第六項に規定する生活介護、同条第十三項に規定する自立訓練、同条第十四項に規定する就労移行支援又は同条第十五項に規定する就労継続支援を行う事業に限る。)を行う施設
二 前号に掲げる者のほか、視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人(法第二条第六項に規定する法人をいう。以下同じ。)のうち、視覚障害者等のための複製又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの
2 文化庁長官は、前項第二号の指定をしたときは、その旨を官報で告示する。

(聴覚障害者等のための複製等が認められる者)
第二条の二法第三十七条の二(法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する場合を含む。)の政令で定める者は、次の各号に掲げる利用の区分に応じて当該各号に定める者とする。
一 法第三十七条の二第一号(法第八十六条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる利用
 次に掲げる者
イ 身体障害者福祉法第五条第一項の視聴覚障害者情報提供施設を設置して聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者(国、地方公共団体又は一般社団法人等に限る。)
ロ イに掲げる者のほか、聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人のうち、聴覚障害者等のための複製又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの
二 法第三十七条の二第二号(法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる利用
 次に掲げる者(同号の規定の適用を受けて作成された複製物の貸出しを文部科学省令で定める基準に従つて行う者に限る。)
イ 次に掲げる施設を設置して聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者((2)に掲げる施設を設置する者にあつては国、地方公共団体又は一般社団法人等、
(3)に掲げる施設を設置する者にあつては地方公共団体、公益社団法人又は公益財団法人に限る。)
(1) 大学等の図書館及びこれに類する施設
(2) 身体障害者福祉法第五条第一項の視聴覚障害者情報提供施設
(3) 図書館法第二条第一項の図書館(司書等が置かれているものに限る。)
(4) 学校図書館法第二条の学校図書館
ロ イに掲げる者のほか、聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人のうち、聴覚障害者等のための複製を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの
2 文化庁長官は、前項第一号ロ又は第二号ロの指定をしたときは、その旨を官報で告示する。

 第十章を第十四章とする。
 第六十五条中「第七十条第二項」の下に「(法第百三条において準用する場合を含む。)」を加える。
 第九章を第十三章とし、第八章を第十二章とする。
 第五十七条の九中「第九十五条第四項」を「第九十五条第五項」に改める。
 第七章を第十一章とする。
 第五十七条の二中「第九十五条の二第二項」を「第九十五条の三第二項」に改める。
 第五十七条の三の表以外の部分中「第九十五条の二第四項」を「第九十五条の三第四項」に、「第九十五条第四項」を「第九十五条第五項」に、「第九十七条の二第四項」を「第九十七条の三第四項」に改め、同条の表第四十七条第一項の項中「第九十五条の二第三項」を「第九十五条の三第三項」に、「第九十七条の二第三項」を「第九十七条の三第三項」に、「第九十五条の二第五項」を「第九十五条の三第五項」に、「第九十七条の二第六項」を「第九十七条の三第六項」に改める。
 第五十七条の四の表以外の部分中「第九十五条の二第四項」を「第九十五条の三第四項」に、「第九十七条の二第五項」を「第九十七条の三第五項」に、「第九十五条第十項」を「第九十五条第十一項」に改める。
 第六章を第十章とする。
 第四十六条及び第四十七条第一項中「第九十五条第四項」を「第九十五条第五項」に改める。
 第四十九条の二第一項中「第九十五条第九項」を「第九十五条第十項」に改める。
 第五十一条第三項中「第九十五条第四項」を「第九十五条第五項」に改める。
 第五十二条第一項中「第九十五条第四項」を「第九十五条第五項」に改め、同項第一号中「第九十五条第五項各号」を「第九十五条第六項各号」に改め、同項第二号中「第九十五条第六項」を「第九十五条第七項」に改める。
 第五十三条第一項中「第九十五条第十項」を「第九十五条第十一項」に改め、同条第三項中「第九十五条第九項」を「第九十五条第十項」に改める。
 第五十四条第一項中「第九十五条第十一項」を「第九十五条第十二項」に改める。
 第五十五条中「第九十五条第九項」を「第九十五条第十項」に改める。
 第五十七条各号中「第九十五条第四項」を「第九十五条第五項」に改める。
 第五章を第九章とし、第四章を第八章とする。
 第三章の章名中「著作物」を「著作物等」に改める。

 第三章中第八条の前に次の一条を加える。
(著作権者と連絡することができない場合)
第七条の七 法第六十七条第一項の政令で定める場合は、著作権者の氏名又は名称及び住所又は居所その他著作権者と連絡するために必要な情報(以下この条において「権利者情報」という。)を取得するために次に掲げるすべての措置をとり、かつ、当該措置により取得した権利者情報その他その保有するすべての権利者情報に基づき著作権者と連絡するための措置をとつたにもかかわらず、著作権者と連絡することができなかつた場合とする。
一 広く権利者情報を掲載していると認められるものとして文化庁長官が定める刊行物その他の資料を閲覧すること。
二 著作権等管理事業者(著作権等管理事業法(平成十二年法律第百三十一号)第二条第三項に規定する著作権等管理事業者をいう。)その他の広く権利者情報を保有していると認められる者として文化庁長官が定める者に対し照会すること。
三 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙への掲載その他これに準ずるものとして文化庁長官が定める方法により、公衆に対し広く権利者情報の提供を求めること。
2 文化庁長官は、前項各号の定めをしたときは、その旨を官報で告示する。

 第八条第一項各号列記以外の部分を次のように改める。
法第六十七条第二項の政令で定める事項は、次に掲げる事項とする。

 第八条第一項第一号中「(法第二条第六項の法人をいう。以下同じ。)」を削り、同項中第四号を削り、第五号を第四号とし、第六号を第五号とし、同項に次の一号を加える。
六 法第六十七条の二第一項の規定により著作物を利用するときは、その旨

 第八条第二項各号列記以外の部分を次のように改める。
法第六十七条第二項の政令で定める資料は、次に掲げる資料とする。

 第八条第二項中第二号を削り、第三号を第二号とし、同条の次に次の一条を加える。
(担保金の取戻し)
第八条の二 法第六十七条の二第一項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が同条第六項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなつたときは、その超過額を取り戻すことができる。

 第九条第一項第一号中「前条第一項第一号から第三号まで及び第五号」を「第八条第一項第一号から第四号まで」に改め、同条第二項第一号中「前条第二項第一号」を「第八条第二項第一号」に改める。
 第十条第一項第一号中「第三号まで及び第五号」を「第四号まで」に改める。

 第十二条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
文化庁長官は、法第六十七条の二第三項に規定する申請中利用者に対して法第七十条第五項の裁定をしない処分をした旨の通知をするとき(当該申請中利用者が当該処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至つた場合を除く。)は、併せて法第六十七条の二第四項の補償金の額を通知する。

 第三章中第十二条の次に次の一条を加える。
(著作隣接権への準用)
第十二条の二 第七条の七から第八条の二まで及び前二条の規定は、法第百三条において法第六十七条第一項及び第二項、第六十七条の二第七項並びに第七十条第一項、第二項及び第八項の規定を準用する場合について準用する。この場合において、第八条第一項第六号中「法」とあるのは「法第百三条において準用する法」と、第八条の二中「法」とあるのは「法第百三条において準用する法」と、「同条第六項」とあるのは「法第百三条において準用する法第六十七条の二第六項」と、前条中
「法」とあるのは「法第百三条において準用する法」と読み替えるものとする。

 第三章を第七章とし、第二章の次に次の四章を加える。
第三章 美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等について講ずべき措置
第七条の二 法第四十七条の二の政令で定める措置は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める措置とする。
一 法第四十七条の二に規定する複製
 当該複製により作成される複製物に係る著作物の表示の大きさ又は精度が文部科学省令で定める基準に適合するものとなるようにすること。
二 法第四十七条の二に規定する公衆送信次のいずれかの措置
イ 当該公衆送信を受信して行われる著作物の表示の精度が文部科学省令で定める基準に適合するものとなるようにすること。
ロ 当該公衆送信を受信して行う著作物の複製(法第四十七条の八の規定により行うことができるものを除く。)を電磁的方法(法第二条第一項第二十号に規定する電磁的方法をいう。)により防止する手段であつて、著作物の複製に際しこれに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物とともに送信する方式によるものを用い、かつ、当該公衆送信を受信して行われる著作物の表示の精度が文部科学省令で定めるイに規定する基準より緩やかな基準に適合するものとなるようにすること。
2 法第八十六条第一項において準用する法第四十七条の二の政令で定める措置は、同条に規定する複製により作成される複製物に係る著作物の表示の大きさが文部科学省令で定める基準に適合するものとなるようにすることとする。

第四章 送信の障害の防止等のための複製に係る特定送信等
(特定送信)
第七条の三 法第四十七条の五第一項(法第百二条第一項において準用する場合を含む。)の政令で定
める送信は、無線通信又は有線電気通信の送信で次に掲げるものとする。
一 受信者からの求めに応じ自動的に行う送信であつて自動公衆送信に該当するもの以外のもの
二 受信者からの求めに応じ自動的に行う送信以外の送信であつて電子メールの送信その他の文部科学省令で定めるもの

(特定送信をし得るようにするための行為)
第七条の四 法第四十七条の五第一項(法第百二条第一項において準用する場合を含む。)の政令で定める行為は、次に掲げる行為とする。
一 電気通信回線に接続している特定送信装置の特定送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該特定送信装置の特定送信用記録媒体として加え、若しくは当該記録媒体を当該特定送信装置の特定送信用記録媒体に変換し、又は当該特定送信装置に情報を入力すること。
二 その特定送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該特定送信装置に情報が入力されている特定送信装置について、電気通信回線への接続(法第二条第一項第九号の五ロに規定する接続をいう。)を行うこと。

第五章 送信可能化された情報の収集、整理及び提供の基準
第七条の五 法第四十七条の六(法第百二条第一項において準用する場合を含む。第二号において同じ。)の政令で定める基準は、次のとおりとする。
一 送信可能化された情報の収集、整理及び提供をプログラムにより自動的に行うこと。
二 文部科学省令で定める方法に従い法第四十七条の六に規定する者による収集を禁止する措置がとられた情報の収集を行わないこと。
三 送信可能化された情報を収集しようとする場合において、既に収集した情報について前号に規定する措置がとられているときは、当該情報の記録を消去すること。

第六章 著作物等の送信の受信に準ずる行為
第七条の六 法第四十九条第一項第七号の政令で定める行為は、法第四十七条の八の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を使用して当該著作物を利用するために必要なものとして送信される信号の受信とする。
2 前項の規定は、法第百二条第九項第七号の政令で定める行為について準用する。この場合において、前項中「第四十七条の八」とあるのは「第百二条第一項において準用する法第四十七条の八」と、「著作物」とあるのは「実演等」と読み替えるものとする。

附則
(施行期日)
1 この政令は、平成二十二年一月一日から施行する。
(障害者自立支援法の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令の一部改正)
2 障害者自立支援法の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成十八年政令第三百二十号)の一部を次のように改正する。
 第二十八条中「施行日」を「平成二十二年一月一日」に、「前条の規定」を「著作権法施行令の一部を改正する政令(平成二十一年政令第二百九十九号)」に、「
第二条第一項第五号」を「第二条第一項第一号チ」に改め、「(専ら視覚障害者を入所させるものに限る。)」を削る。
文部科学大臣 川端 達夫
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 菅 直人

〇文部科学省令第三十八号
 著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号)第二条の二第一項第二号、第七条の二第一項第一号、第二号イ及びロ並びに第二項、第七条の三第二号並びに及び第七条の五第二号の規定に基づき、著作権法施行規則の一部を改正する省令を次のように定める。
平成二十一年十二月二十八日
文部科学大臣 川端 達夫

著作権法施行規則の一部を改正する省令

 著作権法施行規則(昭和四十五年文部省令第二十六号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第一章の二 司書に相当する職員(第一条の三・第二条)」を
「第二章 司書に相当する職員(第一条の三・第二条)
第三章聴覚障害者等用複製物の貸出しの基準(第二条の二)」
に、「第二章 一時的固定物の保存状況の報告等(第三条・第四条)」を
「第四章 一時的固定物の保存状況の報告等(第三条・第四条)
第五章 著作物の表示の大きさ又は精度に係る基準(第四条の二)
第六章 受信者からの求めに応じ自動的に行う送信以外の特定送信(第四条の三)
第七章 送信可能化された情報の収集を禁止する措置の方法(第四条の四)」
に、「第三章」を「第八章」に、「第四章」を「第九章」に、「第五章」を「第十章」に、「第六章」を「第十一章」に、「第七章」を「第十二章」に改める。
 第五章から第八章までを一章ずつ繰り下げる。
 第二十二条の二第一号中「第九十五条の二第三項」を「第九十五条の三第三項」に、「第九十七条の二第三項」を「第九十七条の三第三項」に、「第九十五条の二第五項」を「第九十五条の三第六項」に、「第九十七条の二第六項」を「第九十七条の三第六項」に改める。

 第四章を第九章とし、第三章を第八章とし、第二章を第四章とし、同章の次に次の三章を加える。
第五章 著作物の表示の大きさ又は精度に係る基準
第四条の二 令第七条の二第一項第一号の文部科学省令で定める基準は、次に掲げるもののいずれかとする。
一 図画として法第四十七条の二に規定する複製を行う場合において、当該複製により作成される複製物に係る著作物の表示の大きさが五十平方センチメートル以下であること。
二 デジタル方式により法第四十七条の二に規定する複製を行う場合において、当該複製により複製される著作物に係る影像を構成する画素数が三万二千四百以下であること。
三 前二号に掲げる基準のほか、法第四十七条の二に規定する複製により作成される複製物に係る著作物の表示の大きさ又は精度が、同条に規定する譲渡若しくは貸与に係る著作物の原作品若しくは複製物の大きさ又はこれらに係る取引の態様その他の事情に照らし、これらの譲渡又は貸与の申出のために必要な最小限度のものであり、かつ、公正な慣行に合致するものであると認められること。
2 令第七条の二第一項第二号イの文部科学省令で定める基準は、次に掲げるもののいずれかとする。
一 デジタル方式により法第四十七条の二に規定する公衆送信を行う場合において、当該公衆送信により送信される著作物に係る影像を構成する画素数が三万二千四百以下であること。
二 前号に掲げる基準のほか、法第四十七条の二に規定する公衆送信を受信して行われる著作物の表示の精度が、同条に規定する譲渡若しくは貸与に係る著作物の原作品若しくは複製物の大きさ又はこれらに係る取引の態様その他の事情に照らし、これらの譲渡又は貸与の申出のために必要な最小限度のものであり、かつ、公正な慣行に合致するものであると認められること。
3 令第七条の二第一項第二号ロの文部科学省令で定める基準は、次に掲げるもののいずれかとする。
一 デジタル方式により法第四十七条の二に規定する公衆送信を行う場合において、当該公衆送信により送信される著作物に係る影像を構成する画素数が九万以下であること。
二 前号に掲げる基準のほか、法第四十七条の二に規定する公衆送信を受信して行われる著作物の表示の精度が、同条に規定する譲渡若しくは貸与に係る著作物の原作品若しくは複製物の大きさ又はこれらに係る取引の態様その他の事情に照らし、これらの譲渡又は貸与の申出のために必要と認められる限度のものであり、かつ、公正な慣行に合致すると認められるものであること。
4 第一項(第二号を除く。)の規定は、令第七条の二第二項の文部科学省令で定める基準について準用する。

第六章 受信者からの求めに応じ自動的に行う送信以外の特定送信
第四条の三 令第七条の三第一項第二号の文部科学省令で定める送信は、次に掲げるものとする。
一 電子情報処理組織(電子計算機を電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いて行う通信文その他の情報の送信(アナログ信号伝送用の電話回線のみを用いるものを除き、相手方の使用に係る電子計算機を用いて当該情報が出力されるようにするものに限る。)
二 前号に掲げるもののほか、ファクシミリ装置又は電話機により受信されることを目的として行われる送信(インターネットプロトコル又は当該送信を中継し、及び当該送信に係る情報を記録する機能を有する装置を用いるものに限る。)
三 前二号に掲げるもののほか、情報通信の技術を利用する方法を用いて電子計算機により受信されることを目的として行われる通信文その他の情報の送信

第七章 送信可能化された情報の収集を禁止する措置の方法
第四条の四 令第七条の五第二号の文部科学省令で定める方法は、次に掲げる行為のいずれかを、法第四十七条の六(法第百二条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する者による情報の収集を禁止する措置に係る一般の慣行に従つて行う方法とする。
一 robots.txtの名称の付された電磁的記録(法第三十一条第二項に規定する電磁的記録をいう。次号において同じ。)で送信可能化されたものに次に掲げる事項を記載すること。
イ 法第四十七条の六に規定する者による情報の収集のためのプログラムのうち情報の収集を禁止するもの
ロ 法第四十七条の六に規定する者による収集を禁止する情報の範囲
二 HTML(送信可能化された情報を電子計算機による閲覧の用に供するに当たり、当該情報の表示の配列その他の態様を示すとともに、当該情報以外の情報で送信可能化されたものの送信の求めを簡易に行えるようにするための電磁的記録を作成するために用いられる文字その他の記号及びその体系であつて、国際的な標準となつているものをいう。)その他これに類するもので作成された電磁的記録で送信可能化されたものに法第四十七条の六に規定する者による情報の収集を禁止する旨を記載すること。

 第一章の二を第二章とし、第二章の次に次の一章を加える。
第三章 聴覚障害者等用複製物の貸出しの基準
第二条の二 令第二条の二第一項第二号の文部科学省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 専ら法第三十七条の二第二号の規定の適用を受けて作成された複製物(以下この条において「聴覚障害者等用複製物」という。)の貸出しを受けようとする聴覚障害者等を登録する制度を整備すること。
二 聴覚障害者等用複製物の貸出しに関し、次に掲げる事項を含む規則を定めること。
イ 聴覚障害者等用複製物の貸出しを受ける者が当該聴覚障害者等用複製物を法第三十七条の二第二号に定める目的以外の目的のために、頒布せず、かつ、当該聴覚障害者等用複製物によつて当該聴覚障害者等用複製物に係る著作物を公衆に提示しないこと。
ロ 複製防止手段(電磁的方法(法第二条第一項第二十号に規定する電磁的方法をいう。)により著作物のデジタル方式の複製を防止する手段であつて、著作物の複製に際しこれに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物とともに記録媒体に記録する方式によるものをいう。次号において同じ。)が用いられていない聴覚障害者等用複製物の貸出しを受ける場合に、当該貸出しを受ける者が当該聴覚障害者等用複製物を用いて当該聴覚障害者等用複製物に係る著作物を複製しないこと。
三 複製防止手段を用いていない聴覚障害者等用複製物の貸出しをする場合は、当該聴覚障害者等用複製物に係る著作物とともに、法第三十七条の二第二号の規定により複製を行つた者の名称及び当該聴覚障害者等用複製物を識別するための文字、番号、記号その他の符号の記録(当該聴覚障害者等用複製物に係る著作物が映画の著作物である場合にあつては、当該著作物に係る影像の再生の際に併せて常に表示されるようにする記録に限る。)又は記載をして、当該貸出しを行うこと。
四 聴覚障害者等用複製物の貸出しに係る業務を適正に行うための管理者を置くこと。
2 前項の規定は、法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する法第三十七条の二の政令で定める者に係る令第二条の二第一項第二号の文部科学省令で定める基準について準用する。

附則
 この省令は、平成二十二年一月一日から施行する。

〇文化庁告示第二十六号
 著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号)第七条の七第一項第一号、同項第二号及び第三号(これらの規定を同令第十二条の二において準用する場合を含む。)の規定に基づき、広く権利者情報を掲載していると認められる刊行物その他の資料等を次のように定める。
平成二十一年十二月二十八日
文化庁長官 玉井日出夫

(広く権利者情報を掲載していると認められる刊行物その他の資料)
第一条 著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号。以下「令」という。)第七条の七第一項第一号(令第十二条の二において準用する場合を含む。)の文化庁長官が定める刊行物その他の資料は、次に掲げるもののすべてとする。
一 著作物、実演、レコード、放送又は有線放送の種類に応じて作成された名簿その他これに準ずるもの
二 広くウェブサイトの情報を検索する機能を有するウェブサイト(広く権利者情報を保有していると認められる者)

第二条 令第七条の七第一項第二号(令第十二条の二において準用する場合を含む。)の文化庁長官が定める者は、次に掲げるもののすべてとする。
一 著作権等管理事業者その他の著作権又は著作隣接権の管理を業として行う者であって、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第六十七条第一項(同法第百三条において準用する場合を含む。)の裁定の申請に係る著作物、実演、レコード、放送又は有線放送と同じ種類のもの(以下「同種著作物等」という。)を取り扱うもの
二 同種著作物等を業として公衆に提供し、又は提示する者
三 同種著作物等について識見を有する者を主たる構成員とする法人その他の団体

(日刊新聞紙への掲載に準ずる方法)
第三条 令第七条の七第一項第三号(令第十二条の二において準用する場合を含む。)の文化庁長官が定める方法は、社団法人著作権情報センターのウェブサイトに三十日以上の期間継続して掲載することとする。

附則
 この告示は、平成二十二年一月一日から施行する。

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 子供の時から、三日坊主といわれた私ですが、この十年余、一度決めたことを、黙々として、継続してきており、”継続は力なり”などの友人に自慢している今日この頃です。 [続きを読む]

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